国際宇宙ステーションをハイジャックする決行の日。
私は自宅に籠った。
クラスの奴らは今頃、宇宙センターにいる頃だろう。
行っても意味がないし、何より今日は休日。
休みの日を返上で何故動かなければいけないの?
平日に代休をくれるなら行ってもよかったのだどね。
私はテレビを付けて、ロケット打ち上げのライブ放送を読書の片目で見ている。
テレビには今のところ、発射中止の報告は出ていない。
見つかって捕まったら面白いのに。
もしくは、発射失敗で乗った奴が死ぬとか。
タコがいるにもかかわらずそんな事故が起こるはずもないのに、私は計画失敗を期待する。
そんなこと思っている内に、ロケットは発射成功した。
確か帰還の時間は授業中だったはず。
勉強はしたくないが、クラスで何かやるって言う事も大嫌い。
大人しく読書でしていれば巻き込まれないはず。
わけのわからない事に巻き込まないでよ。
ロケットの発射を確認しただけでテレビは用済み。
ホムンクルスに片付けてもらう。
「テレビは片付けて。それから、本屋に行くわ。留守番をお願い」
「はい、マスター」
ホムンクルスに後片付けを頼むと、私は財布とカバンを異次元倉庫から取り出した。
財布の中身を確認する。
残金、四万円。
不安だからもう一万円はあった方がいいかしら?
チートを使ってお金を出したあと、マフラーとコートも取り出した。
『・優れたマフラー
防御力30
対氷属性50
防御力と対氷属性付いたマフラー。
真夏でも使える優れもの。
・ヒーリングコート
防御力70
名の通り、一秒間に3000の体力を回復する、薄緑色をしたコート。
攻略に慎重な人にどうぞ。 』
ステータスをあげているから外の寒さは効かないのだけれども、周りの人の目線と自分の気分を考えて出した装備。
ヒーリングコートは着ているだけで体力を回復する効果を発揮する。
つまり、どれだけ動いても攻撃を喰らわない限り、肉体的疲労がなくなる優れもの。
もう、ずっと着ていたい気分になるコートを羽織って出かける準備を終えた時だった。
「マスター、私もついて行ってもよろしいでしょうか?」
片付けを終わらしたホムンクルスが、私に訊ねた。
ホムンクルスの表情は勇気を出した顔だった。
忘れていた。
ホムンクルスはその名の通り、ホムンクルス。
生まれながらにしてあらゆる知識を持っていると言われているが、唯一持っていないものがある。
それは心。
私は、私に絶対服従を条件に自我をホムンクルスに与えた。
その結果が今のホムンクルスだ。