本好きと暗殺教室   作:与麻奴良 カクヤ

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178  「32時間目 事故れ!の時間」

国際宇宙ステーションをハイジャックする決行の日。

 

私は自宅に籠った。

 

 

クラスの奴らは今頃、宇宙センターにいる頃だろう。

 

行っても意味がないし、何より今日は休日。

 

休みの日を返上で何故動かなければいけないの?

 

平日に代休をくれるなら行ってもよかったのだどね。

 

 

私はテレビを付けて、ロケット打ち上げのライブ放送を読書の片目で見ている。

 

テレビには今のところ、発射中止の報告は出ていない。

 

 

見つかって捕まったら面白いのに。

 

もしくは、発射失敗で乗った奴が死ぬとか。

 

 

タコがいるにもかかわらずそんな事故が起こるはずもないのに、私は計画失敗を期待する。

 

そんなこと思っている内に、ロケットは発射成功した。

 

 

確か帰還の時間は授業中だったはず。

 

勉強はしたくないが、クラスで何かやるって言う事も大嫌い。

 

大人しく読書でしていれば巻き込まれないはず。

 

わけのわからない事に巻き込まないでよ。

 

 

ロケットの発射を確認しただけでテレビは用済み。

 

ホムンクルスに片付けてもらう。

 

 

「テレビは片付けて。それから、本屋に行くわ。留守番をお願い」

 

「はい、マスター」

 

 

ホムンクルスに後片付けを頼むと、私は財布とカバンを異次元倉庫から取り出した。

 

財布の中身を確認する。

 

 

残金、四万円。

 

不安だからもう一万円はあった方がいいかしら?

 

 

チートを使ってお金を出したあと、マフラーとコートも取り出した。

 

 

『・優れたマフラー

 

   防御力30

 

   対氷属性50

 

   防御力と対氷属性付いたマフラー。

 

   真夏でも使える優れもの。

 

 

 ・ヒーリングコート

 

   防御力70

 

   名の通り、一秒間に3000の体力を回復する、薄緑色をしたコート。

 

   攻略に慎重な人にどうぞ。                        』

 

 

ステータスをあげているから外の寒さは効かないのだけれども、周りの人の目線と自分の気分を考えて出した装備。

 

ヒーリングコートは着ているだけで体力を回復する効果を発揮する。

 

つまり、どれだけ動いても攻撃を喰らわない限り、肉体的疲労がなくなる優れもの。

 

 

もう、ずっと着ていたい気分になるコートを羽織って出かける準備を終えた時だった。

 

 

「マスター、私もついて行ってもよろしいでしょうか?」

 

片付けを終わらしたホムンクルスが、私に訊ねた。

 

ホムンクルスの表情は勇気を出した顔だった。

 

 

忘れていた。

 

 

ホムンクルスはその名の通り、ホムンクルス。

 

生まれながらにしてあらゆる知識を持っていると言われているが、唯一持っていないものがある。

 

それは心。

 

私は、私に絶対服従を条件に自我をホムンクルスに与えた。

 

その結果が今のホムンクルスだ。

 

 

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