「ついて行きたい?」
「はい。私も書店と言うところに行ってみたいです。ダメですか?」
か、可愛い!
「うちのホムンクルスが可愛すぎる件について」とでも題名を付けようと思う。
そんなバカみたいな事を考えていると、ホムンクルスはシュンとなっていく。
創ってから一ヶ月弱、まさかテレビや本だけでここまで成長するなんて!!
外の世界に連れていって色んな事を体験させた方が、今後の為にもいいかもしれない。
書店の場所を覚えてもらい、どうしてもいけない時にお使いさせるのもいい。
新しい本を教えてくれるかもしれない。
そうと決まれば、早速連れて行こう。
「そうね。私の命令がない限り、あなたには自由にして欲しいもの」
「っ!連れていってくれるのですか!!?」
「そういってるでしょ」
私が許可を出すとホムンクルスは花の様に笑った。
今更ながら、ホムンクルスの容姿を説明しよう。
顔立ちはアイドル業界で売れる位。
私に似ようとしたのか、白銀の髪を伸ばしている。
胸はほどよい大きさ。
服装は勿論、エプロンドレス。
さて、まずはチートコードで服を出す。
「その格好は目立ちすぎると思うから着替える?」
私はホムンクルスに疑問形で聞いた。
命令形で言うと絶対服従になるが、疑問形だと自分で考えさせれる。
私は基本的には自由にさせたい。
私の様には育って欲しくない。
「私はこのままの方がいいです」
「寒いわよ?」
「大丈夫です」
ホムンクルスにはステータスチートは使っていない。
しかしホムンクルス故か、基本スペックが異常に高い。
多分だけど、タコといい勝負ができるくらいは強い。
一体何を材料にして創られたのだろうか?
非常に興味深い。
本人の希望により、着替えをせずにエプロンドレスの姿ののまま、書店近くにテレポートした。
通り過ぎる人が全員、私とホムンクルスに注目してくる。
エプロンドレスがそんなにも珍しいか!?
アキバでも行ってろ!
そこら中にメイドさんがいるぞ。
知らないけど。
書店に入ると店員が台車を持って来てくれた。
常連客どころではなく、VIP待遇だ。
台車をホムンクルスに任せて、ラノベコーナーに向かう。
新刊のチェックを始める。
ホムンクルスは私の後ろにじっと立つ。
「私が持っている本は覚えている?」
「もちろんです」
「だったら、新刊が出ていないか探して。同じ作者が書いていれば持ってないシリーズでも構わないわ。それと、気になる物があったら勝手に選んでもいいわ」
「分かりました」
二人いると作業が捗る。
結局、私はいつもの半分の時間で倍の量、本を買った。
ホムンクルスの名前を募集中。
返信は活動報告覧にて。
期間は早ければ明日、遅ければ二、三日ほど。
よろしくお願いします。