次の日、アリスと一緒に学校に登校した。
「じゃあ、私はこっちだから」
「はい。確か、帰りは迎えに来ていただけるのですね?」
「そうよ。ちょっと寄る場所があるから、・・・ここで待っていなさい」
「分かりました。では、また後でお会いしましょう」
編入試験を受けるアリスと分かれた。
私はある面倒な山道を登って教室に入った。
うちの学校の編入は入学試験よりも難しいらしい。
何でも、A組に入れるくらいでないと、編入学出来ないそうだ。
私は別に不安ではなかった。
アリスはホムンクルス故に頭がいい。
中学校のテストどころか、世界一頭のいいハーバード大学にも余裕で合格できるだろう。
今、心配なのはどうやって、理事長先生と烏間先生、つまり防衛省を脅して、アリスをこのクラスに入らすか?だ。
難関は防衛省ではなく、烏間先生の方だろう。
防衛省は僅かな可能性がある限り、暗殺者を送り込むことは邪魔しないだろう。
烏間先生は・・・上からの命令という必殺技を使おう。
あれ?難関とか言ったけど、防衛省と言う上を落とせば案外簡単に落とせるのでなはいか?
そう思ったが辞めた。
アリスはタコを殺す暗殺者として編入する訳ではないことを思い出したから。
今日一日の授業を聞き流して終わった後、アリスと合流すべく、山を下りた。
何かと考えたけど、結局はアリスをE組に編入させる様、理事長先生にお願いをしに行くだけだ。
難しいことを考える必要もない。
サッサと終わらせて帰ろう。
山を下りると何やら人だかりが出来ている。
私がその人だかりを避けようとしたら、人だかりが割れた。
人だかりの原因がやって来た。
「ますた~!!助けてください~~ぃ」
私の癒し、アリスだった。
私はすぐさま『認識妨害』を使い、私たちを認識しにくくした。
『・認識妨害
周りから認識されにくくなる。
ある程度の者だと認識される。
不可視と違って完全に姿が消えるのでない。』
「ありがとうございます。ますた~」
アリスがお礼を言ってきた。
アリスは、普段しかっりしているが、予想外の事が起こるとパニックになり、今みたいに泣きついて来る。
普段とのギャップが可愛い子。
それはそうと、何故あそこまでの人だかりになるまで、動かなかったのかを聞く。
「ますたーが、ここで待ってなさいって言ったから待ってました。ぐすん」
「少しくらい動いても、問題なかったのだけれど、そこまで伝えなかった私が悪かったわ」
涙目になって命令の遂行報告をするアリスに謝罪するのだった。