今日はアリスの編入初日だ。
制服、教科書類、カバンは全てチートコードで揃えた。
「マスター!どうですか?似合ってますか?」
アリスが制服を着て、私に見せてくる。
「とても似合ってわ」
「ありがとうございます」
アリスに制服を着させた所で気付いた。
あれは命令しておかないと。
「アリス。学校では私の事を『マスター』と呼ぶのは控えて」
「?分かりました、マスター。でも、何で『マスター』と呼んではいけないのでしょうか?」
「目立つからよ」
「マスターはもっと目立ってもいいと思うのですが・・・分かりました。マスターのご命令とあらば従います」
「ありがと」
アリスは私と学校でも仲良くしたいらしい。
それは別にいい。
だけど、考えて貰いたい。
クラスに転校生がやって来た。
それも、とびっきり可愛い外国人。
その人が何の脈絡もなく、クラスで浮いている人をマスターと呼ぶ。
そうなるとクラスの奴らはその人と転校生が主従関係だと思う。
転校生がその人に話すとその人は素っ気なく返す。
その人が何気なく言った命令にも従う転校生。
クラスの奴らはその人が無理矢理命令していると勘違いする。
その人を悪として転校生を被害者として扱う。
最悪だ。
いつもの場所にテレポートをすると私とアリスは別れた。
アリスは名残惜しそうにしていたが、私が先に行くとギリギリ見える距離でついてくる。
私がいつものように教室に着くとクラスの奴らは転校生の話で持ち切りだった。
その情報、どこから手に入れた!
私はともかく、何でこいつらが知っている!
あれか?「クラス内コミュニケーションツール」って奴だろうか!?
だとしたら発生源は烏間先生か?
理事長先生からただの転校生と言われたのか?
チャイムが鳴り、タコが入って来た。
烏間先生も一緒なのは転校生関係だからか?
タコが話始めた。
私も読書をしているふりをして聞いておく。
「皆んさん、知っていると思いますが今日は転校生が来ます。こんな時期になんですが、仲良くしてください」
「次に俺からだ。転校生ということで私たち防衛省が彼女に接触しようとした。勿論、このクラスの秘密、こいつのことだ。しかし、接触出来なかった」
「つまり」
「転校生はこのクラスがしていること、こいつの存在を知らないと言うことだ」
「何で理事長先生はそんな転校生をこのクラスに転校させたのかは分かりません。もしかしたら、外部の手を一切借りない、新たな暗殺者かも知れません」
「表向きは俺を担任と言ってある。今から転校生とこいつを合わせるが、何があっても対応できるようにお願いする」