本好きと暗殺教室   作:与麻奴良 カクヤ

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185 「39時間目 アリス、学校初日の時間」

タコと烏間先生の話が終わると烏間先生が言う。

 

 

「入って来てくれ」

 

「はい」

 

 

アリスは静かに入ってきた。

 

烏間先生を見て、タコを見つめる。

 

やがて視線を外すと今度はクラスの中を見渡す。

 

私に視線が合った時、嬉しそうな表情に変ったのが見えた。

 

 

「え~っと確か?」

 

 

アリスは後ろに振り向き、黒板に名前を書き、再び振り向く。

 

 

「アリス・ホワイトシルバーです。どうぞよろしくお願いいたします」

 

「はい。よろしくお願いします」

 

 

アリスが自己紹介をした後、タコの声だけが教室に発せられた。

 

誰もが声を出さない。

 

沈黙を破る一声が上がる。

 

 

「ほ、ホワイトシルバーさん?あの、驚かないの?」

 

 

クラス委員長の片岡が言った。

 

アリスはコテンっと首を傾げて少しの間、考えた後に答えた。

 

 

「あっ!この黄色い生物は何ですか?烏間先生?」

 

「ああ、奴は・・・」

 

 

烏間先生はアリスに私達が四月に聞いたものと同じ説明をする。

 

 

しまった。

 

アリスにタコの事を知らないふりをしろと言ってなかった。

 

何とか判断できたみたいだけど。

 

さっきから、私の方に向かって褒めて褒めてオーラを出してきている。

 

家に帰ったら、褒め倒そう。

 

 

説明がいつの間にか終わったのか、アリスが席に着いた。

 

私の隣、寺坂の逆側の赤羽を挟んだ向こう側だ。

 

アリスが席に着くといつも通りの学校が始まる。

 

アリスは今日一日注目の的だった。

 

授業中、問題を当てられても難なく回答。

 

休み時間には人が集まって質問攻め。

 

体育の訓練では、抜群の運動神経を発揮。

 

ナイフ格闘では烏間先生と張合い、射撃訓練では百発百中を誇った。

 

 

流石、私のアリス。

 

クラスになじんでいる。

 

私が関わっていると言う情報も出さない。

 

遠まわしに言った、命令が効いている。

 

 

学校が終わった。

 

アリスはまだ囲まれている。

 

私はいつもの様に山を下り、校門を出てテレポート地点に辿り着いた。

 

 

さて、さっさと帰ろ・・・アリスがまだ来ていなかった。

 

仕方がない。

 

本を読んで待つか。

 

 

十分後にアリスがやって来た。

 

 

「申し訳ありません、マスうぐう!!」

 

「黙って!」

 

 

遅れたこと謝ろうとしたアリスの口に手を当てて塞ぐ。

 

急いで『認識妨害』を使う。

 

そのまま、アリスの手を取って走る。

 

角を曲がって曲がって、何回目かの角を曲がった瞬間、『テレポート』を発動。

 

 

「あの、マスター?どうなさったのですか?」

 

「クラスの奴らに後を着けられてたわ。恐らく、アリスが何処に住んでいるのか知りたかった。単なる好奇心ね」

 

「全然気が付きませんでした」

 

 




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