本好きと暗殺教室   作:与麻奴良 カクヤ

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54 「4時間目 修学旅行の時間」

 中間テストも終わり次にやって来る行事は修学旅行。

ここで一つ問題が生じる。二日目の班活動だ。クラスの人数は27人と奇数である。一方班の人数は男女各3人ずつ、友達のいない私はこういう自由に班を決めるといつも余る。人数合わせで無理やり入らなければいけない時は最後にどこかに入れて貰うが数が合わない時はぼっちになる。

まぁ一人で図書館にでも籠っていたいから問題はないのだけど。

「あの若麻績さん、もしよかったら僕らの班に入る?」

皆が修学旅行の話で盛り上がっている中、一人本を読んでいると声を掛け来る奴がいた。

「なんで私を誘うの?班は六人班でもう決まっているじゃない」

「いや、殺せんせーがどこかの班は7人になりなさいって言ってたから」

なにそれ聞いてないし。普通に考えて見たら分かる事だけど。どうでもいいや。

「そうすれば良いよ、私達若麻績さんとお話してみたいし」

話に入り込んで来たのは茅野カエデ、よく潮田といるのを見かける。

「あれ、若麻績さんうちの班に入るんだ。」

「よ、よろしくお願いします。」

「よろしくね。若麻績さん」

なんか返事してないのに入る事になったんだけど、って言うかよく私みたいな話した事もないような人を善意で入れる事が出来るのだろう?

こうして私は不本意ながら潮田渚、茅野カエデ、赤羽業、奥田愛美、神崎有希子、杉野友人この6人の班に入る事になった。

少し時間が経って先生が辞書みたいなのを持って入って来た。

そしてそれを一人一人に配っていった。

「修学旅行のしおりです。」

最後のページを見ると1344ページ、見事に読みがいのあるしおりだ。この後の時間はこれを読もう。たまにはいいことするじゃないあの先生は。

 

 

 

数日後、修学旅行当日、東京駅で新幹線に乗る。A~D組はグリーン車、私達は普通車だそうだ。正直言って何が違うのか分からない。ただ値段が高いだけとしか思わない。

 

イリーナ先生が出発前はハリウッドスターみたいな服装でやって来て、出発後には寝間着になっていた…。

 

それと出発に先生が駅中スイーツを買って遅れた。

いいんだろうか、教師がおくれても。

 

一日目は順調に終わった。二日目は班行動だ。ばっくれようかなぁなんて考えていると神崎さんが希望した暗殺場所に着いた。

静かな場所だ。こういう所でベンチに座って本でも読めたらいいのになぁ

「ホントうってつけだ。なんでこんな拉致りやすい場所歩くかねぇ」

急に出て来た場違いな人達がいなかったら。

 


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