その時、私の中で怒りとういう感情が芽生えました。
マスターを傷つける人間を殲滅する。
そのことで頭がいっぱいになったのです。
だから私は、マスターの命令を破ってしまったのです。
マスターが私を止めました。
マスターはクラスの前でチートを使いました。
マスターが叫んでいます。
最後に私の下に来てくださって・・・。
「・・・アリス。これからは精々がんばって」
マスターの言葉を考える前にマスターに放り投げられました。
マスターが言いました。
「使えない物を置いといて何の役に立つと言うの?」
使えない、物。
それが、命令を破った私への罰でした。
何かが私の頬を伝って落ちていきました。
よく見ると、私の目から出ていました。
「それは涙よ。感情が抑えきれなくなった時に出るもの」
クラスの誰かが教えてくれました。
涙・・・。
その時、私は泣いているのだと初めて気づきました。
クラスの皆さんが泣いている私を慰めてくれました。
ひと時と言えど、殺そうとした私にやさしくしてくれたのです。
放課後、皆さんが私に訊ねてきました。
マスターをこれからどうしたいか、と。
皆さんはマスターを止めるつもりです。
止めて、解り合いたいと皆さんは言った。
私は泣いた。
悲しくて泣いたのではなく、今度は嬉しかったのです。
皆さんを信じないマスターを信じてくれる皆さんは、とても輝いて見えました。
私は、私の知っている限りのマスターの情報を皆さんに話しました。
初めは驚かれましたが、私の存在と私の言っている事が正しくないと辻妻が合わないとのことで信じてもらえました。
私の話が長引き、時間が夜七時と暗くなった為、今日はお開きになりました。
皆さんが帰っていく中、私は困りました。
どうしましょうか?
帰る場所がありません。
マスターと住んでいた場所は遠く離れた山奥です。
帰ろうにも帰れません。
何かないかと手持ちを探りましたら、私のカバンの中にマスターが用意してくださっていたお金が見つかりました。
そのお金を見て、私はまた涙がこみ上げて来ました。
私の為に色々と準備してくださったマスター。
今、何をしているのでしょうか?
私の事を思って下さっているのなら、私も嬉しいです。
が、きっとお本をお読みになられているはず。
それが、マスターの生きがいなのですから・・・。
一先ず、夜を明かす為に行動し、ホテルにやって来ました。
空いている部屋を確保して、お金を払います。
私の気に入った本を買ってもいい、持たされたお金を使うのに少し抵抗がありましたが、振り切りました。