気が付くと、何もない空間にいました。
はて?ここは何処でしょうか?
昨日は確か、布団に入ったところまでは覚えているのですが・・・。
夢でしょうか?
「その認識で間違ってはいませんよ」
私の疑問に答えるようにして、声が聞こえてきました。
いいえ、聞こえると言いましたが、聞こえるよりも頭に響いて来ると言った方が正しいのでしょうか?
ここは夢の中なのですから、どちらが正しいのか分かりません。
しかし、それよりもです。
私は何故、このような夢にいるのでしょうか?
「それは私が呼んだからですよ」
また聞こえてきました。
私は聞き返しました。
声が出ないので、頭の中で。
貴方は誰ですか?
一体どういう理由で、私にこんな夢を見させているのですか?
答えは直ぐに返って来ました。
「姿を見せた方があなたも安心出来るでしょう」
言葉と共に私に声をかけているであろう者の姿が現れました。
透けていた体が段々とハッキリと見えるように現れました。
こんな現れ方を出来るお方を私は一人しか知りません。
ですが、ここは夢の中。
マスターが私の夢に干渉してきている事はないと言い切れませんが、声を聴く限りマスターではありません。
何故なら、私に全く見覚えのない方が、私を見てました。
・・・女神様。
そうとしか、例えようのない者が私を見ていました。
金色に輝く髪の毛、キズ一つ付いたことのないと思われる純白の肌、ひらひらした服、どれをとっても神話に出てくる天使なる者に似ています。
その方は私に言いました。
「突然このようなことをして、申し訳ございませんね」
その方は私に謝罪をしてくださいました。
謝罪はともかく、私は貴女様がどの様な方なのか知りたいのですが・・・。
頭を上げたその方は私の思考を読んでいるのか、また謝罪を申しあげました。。
「そうですね。初めに名乗らなかったのは、わたくしの落ち度です。何せ、誰かに名乗るという行為が久々でしたから」
その方は、最後に名乗ったのはいつだったかしら?と一人で考え始めました。
一体この方は誰で、何のために現れたか、さっぱりです。
何だか、とてつもなく自分勝手な人の雰囲気です。
私の思考が再び聞こえたのか、その方は考えを辞め、あっけなく告げました。
「自分勝手な人・・・?あなた方にとってはそう思うかもしれませんね。まぁ、あなた方にどう思われようとわたくしは構いません。あぁ!あなたの質問に答えてませんでしたね?わたくしの名前はスティーナと申します。創造神様よりこの世界を任されたこの世界の管理者でもあります」