本好きと暗殺教室   作:与麻奴良 カクヤ

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58 「8時間目 弱い時間」

クラス対抗球技大会の当日

 

私は旧校舎と本校舎を繋ぐ道から少しずれた所で本を読んでいる。

 

何がクラス対抗球技大会だ。

 

私は昔から学校行事が大嫌いだった。

 

何でわざわざ勉強をするところで騒がなきゃいけないの?

 

こんな事より本を読んでいた方が何倍も有意義な時間が過ごせる。

 

本を読んでいると自分だけの空間にいる様に感じる事があるが今日は中々その感覚がこない。

 

そのせいか誰かが私を見つけた。

 

「若麻績さん」

 

そこには片岡さんがいた。

 

「お願い来て!」

 

「っつ!?」

 

後ろから誰かが私の腕を掴んで動けなくなる。

 

そのまま本校舎に連行された。

 

「分かった。体育館には行ってあげるからはなして!ただし負けそうになった時だけ!」

 

「助かるわ」

 

私はベンチに座って本を取り出した。

 

あそこまで言ったからにはこれくらい許してほしい。

 

時々戦況を見もするし。

 

 

 

始めは向こうがリードしてたがこっちもついて行く。

 

このまま出なくていいかも?と思った時フラグを回収した。

 

か、茅野さん?のミス連発で突き放された。

 

で、茅野さんと交代。

 

「ごめんね若麻績さん。頑張って!」

 

取り敢えず適当に出てボールをあんまりもらわずにやって終わろう。

 

 

 

 

 

勝った。

 

あっけないほど簡単に勝ってしまった。

 

相手の動きが止まって見えるとは言い過ぎだけど遅いし体が思うようにスラスラと動けた。

 

あの暗殺教室のせいでしかない。

 

勝ったのはいいが後遺症が残って一週間頭はクラクラするし少しでも動くと体が痛い本を読むのも苦労した。

 

もう二度とあんな事してやるか!

 

 

 

夏服初日にボディーペイントがはやりクラス中が腕に何か書いてもらったり、先生が調子に乗ってイリーナ先生に落書きをして怒られたりして授業が一時中断になった。

 

その時間少しうるさかったが直ぐに本の世界に囚われ快く読書の時間が取れてまぁラッキー。

 

 

 

七月に入って新しい先生が来た。

 

烏間先生の同僚で鷹岡先生と言うらしい。

 

先生とは違う感じに距離を詰めてくる先生だ。

 

実際にお菓子で餌付けして来た。

 

近所の父ちゃんみたいだとか言われてたけどあれは父ちゃんの言う事は絶対だとか言ってくる私の嫌いなタイプだ。

 

 

 

あの先生の時間になると時間割が変わったと言った。

 

ほぼ訓練夜9時まで土曜日も登校、こんなに訓練したら死ぬ。

 

冗談抜きで

 

抗議したが一蹴された。

 

抜けたい奴は抜ければ良いとあいつはいう。

 

先生が良いって言ったので素直に抜けた。

 

涼しいそうな場所に移動すると赤羽がいた。

 

「あれ?授業はどうしたの?」

 

「抜けてきた」

 

「…若麻績さんは俺と似ているね」

 

「はぁ?私はあなたと違って何もできやしないわ」

 

「出来ないじゃなくてやらないって風に見えるけど」

 

わけわかんない。

 


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