無謀にも昔のフォルダから発掘した奴を投稿。
PIXIVとマルチ掲載です。

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*この作品の主人公はチートです。

*この作品にはオリジナル国家、キャラが登場します。

*この作品には政的な要素が含まれています。



第1話

 白いポニーテールに北欧系の白い肌、赤い瞳、整った綺麗な顔立ち。

 華奢な体躯に長身。

 女性と見紛う綺麗な身体。

 それを覆う型にスリットが入った純白の和服。 

 名は闇乃 影司。

 美少女と見紛う美貌を持った男の娘である。

  

 彼はこの様々な並行世界が混じり合った多元世界での生活を謳歌する事にした。

 

 最初は一人この世界に飛ばされて寂しい思いをしていたが徐々に馴れた。

 元々根無し草のような生活をしていて独り身同然の生活をしていたのが大きい。

 

 だがこの世界は自分が元居た世界と比べると侵略者などは居ない物の、治安がとても悪い。

 人型機動兵器や戦艦ロボなどが暴れ回っている世界だ。

 自分の元居た世界も戦闘用パワードスーツ、ラウンド・ウォーリアーと呼ばれる兵器や旧来の戦闘機を現代の技術でリファインした物などがあったが・・…

 

 まぁ彼からすれば雑魚同然なのだが。

 

「さぁて……噂のダンクーガさん? 僕をどうしますか?」  

 

 眼前には漆黒のスーパーロボット。

 人の顔を持つ巨人。

 ダンクーガの姿があった。

 ここはとある紛争地帯。

  

 偶々立ち寄って両軍をぶっ潰したらそこでダンクーガと遭遇した。

 ダンクーガ。

 常に弱い者の味方をする正体不明のスーパーロボット。

 正直言ってその立ち位置が気に入らなかった。

 

 相手は大型兵器――戦艦型ロボット、ジェノサイドロンすら寄せ付けない戦闘能力を持つ。

 まぁそれは日本刀二つの生身でMSやATを黙らせた影司も同じなのだが。背中から黒い炎の翼を出している。

 

(本音を言えばやり合って見たい気もするけど……)

 

 だが今回は人の生活を守る為に戦うのだ。

 無用な戦闘は不用。

 その気になればどんな相手も空間切断剣、次元斬で瞬殺出来るがダンクーガの能力は未知数。

 出来れば引いて欲しかった。

 

 ――著しくの静寂。

 

 ――どれだけの時がたっただろうか。

 

「うん?」

 

 相手は合体を解除し、引いて行った。

 

「うん。これでよし」

 

 帰って行くのを眺めつつ影司は守った人々の元へと向かった。

 自分が守ったとは言わない。自分は正義の味方でも何でも無いただの破壊魔みたいな物だ。

 この小さな国、ラグランジェ王国を守れたのだから。

 

 ラグランジェ王国は世界地図で見れば小さな国である。

 だが埋没している鉱物資源は豊富であり、それを狙って三大国家であるブリタニア・ユニオン、人類革新連盟、AEUの三カ国が狙った。

 

 軍備は旧式も良い所である。

 なので三大国家から支援を受けた隣国やPMC達が山賊の如く襲い掛かって来る。

 しかし闇乃 影司が降臨したのが運の尽き。

 

 ATだろうがKMFだろうがMSだろうがジェノサイドロンだろうがW.LF.(世界解放戦線)だろうが何だろうが次々と殲滅した。ブリタニアの艦隊を渦巻きを人工的に引き起こして海の藻屑に変えたり、"ないとおぶなんちゃら"とかを二、三人勢いで殺った気もするがきっと気のせいだ。

 

 侵攻の失敗で隣国は反乱やらクーデターなどが起きたりブリタニアに制圧された日本では反対勢力が勢いづいているらしいし、ブリタニア本国では軽く政変が起きたらしいがんな事は知った事ではない。

 

 今はそれよりも機動兵器の残骸をどう、資源ゴミとして売り飛ばすかが問題である。 

 

 てなわけで……

 AEU製はブリタニア・ユニオンへ。

 ブリタニア・ユニオン製はAEUへ。

 人類革新連盟は両国へと言った感じで売り飛ばしていった。

 何気に人類革新連盟の扱いが酷いのはきっと気のせいだ。C国の環境破壊病気国家やK国のキムチ火病国家、北の国営ギャング国家に影司が根を持っている訳では決してない。何処の国とは言わない。もしこれで反応する人がいたらソイツは日本から帰った方が良い、君には素晴らしい祖国が待っているだろう。

 

☆  

 

 数々の敵をラグランジュ王国から撥ね除けた白い悪魔は大きな一本桜に背を預けて寝ていた。何でも嘗て、ブリタニアに制圧されていなかった頃の日本から取り寄せて来た物らしい。

 思えば今迄の人生、少々生き急ぎ過ぎた気がする。

 こうしてゆっくり休めるのが何よりの幸せだった。

 

「ここにいたんですか?」

 

「うん。僕はここにいる」

 

 時折人が尋ねて来る。

 SPを連れた茶髪のフワフワとした長い髪の毛が特徴のお嬢様。

 白いドレス姿に赤く可愛らしいブーツを履いている。

 年の頃はまだ十代半ばだろうか。

 そんなお嬢様は何時もこの小高い丘に生えた桜の樹の下にやって来る。

 名前はサクラと言うらしい。

 

「一国の王女が通い詰めして良いの? こんな何処の馬とも知れない不審者に」

 

「良いのです。貴方はこの国を幾度も救ってくれたんですから」

 

「新たな災厄の種をバラ撒いたとも言えるよ?」

 

「それでもお礼が言いたいんです……」

 

「こんな化け物に~?」

 

 そう言って影司は姿を変えた。

 一瞬で二本角を生やした漆黒の悪魔の様な、ダークヒーロー染みた姿になる。

 頭部には黄色い蝙蝠の様な紋章と紫色の球体が現れる。

 こめかみから、後頭部から白い髪の毛が放熱索の様に露出していた。

 

「もう、脅かそうとしても無駄ですよ?」

 

『みたいだね……SPさんは相変わらず警戒レベルMAXだけど』

 

 サクラは笑っているがSPの二人は反射的に拳銃を突き付けている。

 何気に常人にはOVERKILL気味の大口径の奴だ。

  

「私は貴方が優しい方だって知ってます。仮面のヒーローの噂は此方の耳にも届いているんですよ?」

 

『何の事だか……』

 

 仮面のヒーロー。

 間違いも何も闇乃 影司の事である。

 普段はほぼボランティアでヒーローショーを行っているが、国内にいる不穏勢力の一掃に力を注いでいる。

 最近ではW.LF.のテロを未然に阻止したのが一番の成果だ。

 

 ちなみに仮面のヒーローの名はレヴァイザーBLACK。漆黒のやや宇宙刑事風のコスチュームが特徴。

 また嘗て闇乃 影司が殺し合ったヒーローの名前とデザインを参考にして産み出した二次創作ヒーローでもある。

 本家はファイヤーフォームだのゴールドモードだのアルティメットフォームだのとにかくメチャクチャな強さで、元居た世界では有名な宇宙犯罪組織ですらその戦闘能力に恐れおののいたぐらいだ。

 

「貴方はどうしてこの国に尽くしてくれるのですか?」

 

 人間形態に戻り、影司はこう答えた。

 

「桜の花……」

 

「え?」

 

「この国の桜の花は綺麗だから……」

 

 それだけだった。

 それに居心地も良かった。

 良い風が吹いていると思った。

 ただそれを邪魔されたくなかった。

 だから昔見たいに破壊魔になって障害を排除した。

 ただそれだけの事だった。

 

「本当に不思議な方ですね」

 

「そうかな?」

 

 などと影司は言葉を交わし合う。

 

「ッ!?」

 

 その時だった。

 国内にある天高く聳える巨大樹が光輝く。

 

「これは影司さんが来た時と同じ――」

 

「また誰か来るのか?」

 

 影司は急いで向かおうとした時だった。

 街の方から警報が鳴り響く。

 

「大変です! 国境から未確認の部隊が接近中との事です!!」

 

 SPの一人が携帯端末から連絡を受けてそう伝えて来た。

 

「休ませてくんないなもう……どっちの方角だ?」

 

「北の方角です!」

 

「防衛部隊は?」

 

「スグに出撃準備可能です! AT、KMF、ジェノサイドロン、MS、アクシオを中心とした部隊が出撃しています!!」

 

「ダンクーガが手を出して来たらスクラップにしてやる……取り合えず世界樹に寄ってから防衛戦に参加する。どんな奴かは分からんけどな。防衛部隊には偶には自分達で働けって伝えとけ」

 

「りょ、了解しました……」  

 

 有無を言わさずにそう告げると影司は空中を浮遊する。

 

「影司さん、お気をつけて!」

 

「王女こそお気をつけて」

 

 

 ラグランジュ王国の北方、ドルメシア共和国は懲りずに今回も軍隊を出動させた。

 此方もジェノサイドロンやアクシオ、MS、ギルガメスやバララント出身である傭兵のAT部隊などを送り込んでいる。

 ジェノサイドロンやMSは某国から最新鋭の物が送られていた。

 

 理由はこの国いる生身で戦う白い悪魔が原因だ。

 

 白い悪魔。

 弱者の味方とされるダンクーガと同じく戦っては行けない化け物。

 まるで絶世の美女の様な外見だが、その戦闘能力はあの専用のKMFを駆るブリタニアの最高戦力ナイトオブラウンズすら歯が立たず、またブリタニア艦隊を渦巻きを引き起こして海の藻屑に変えたのは奴の仕業だとか言われている。

 

 ダルメシア共和国は大国と手を結び、この国の豊富な資源を狙って侵略戦争を行っていたが最近はもうイチかバチかの賭けになっていた。元々悪の独裁国家を地で行く国で軍事力による弾圧を続けていたが……弱者の味方、ダンクーガや白い悪魔のせいでラグランジュ王国侵攻の失敗に終わり国民の不満が爆発寸前にまで膨れあがっていた。

 

 そこで彼達は考えた。

 ダンクーガと白い悪魔をぶつければ勝機が出るのではないかと?

 つまり漁夫の利を得ようと考えたのである。

 

 ……もし闇乃 影司の戦闘能力を知っている人間がいれば「早まった真似はよせ!?」と制止するだろうが生憎この世界に影司の真の戦闘能力を知る者はいない。

  

 その為戦力はラグランジェ王国より少なめにして侵攻させた。

 そしてラグランジェ王国側は倍以上の数――闇乃 影司のビジネスや技術提供などで拡充、充実した戦力で迎え撃つ。

 ここで予想通りダンクーガが現れた。

 

 目標はラグランジェ王国側に定めたのかそちら側を向く。

 

「やったぞ!! 作戦は成功だ!!」

 

 ダルメシア共和国の人間は作戦成功に喜んだ。

 後は白い悪魔が現れればそれで――

「なにやっとんじゃゴルァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

 三十m以上の漆黒の巨体を持つダンクーガが側頭部から高速で蹴り飛ばされた。

 そのまま地面を滑りながら倒れ込む。

 続いて胴体をこれでもかと言うぐらいに踏みつける。

 

「オラオラオラオラ!! テメェ遂に本性を現わしたな!? このままスクラップにしてやる!!」

 

 巨大な掘削機で岩盤をぶち破る様な轟音を響かせながらダンクーガの胴体を踏み砕いていく。その度にダンクーガの背中にクレーターが出来てドンドン沈んでいく。

 その常識をぶっちぎった光景に両軍とも唖然となった。

 互角所かダンクーガを圧倒しているではないか。

   

『だ、ダンクーガごと葬れ! 予備選力も投入しろ!!』 

 

『りょ、了解!!』

 

 ダルメシア共和国の司令官はいち早く正気に戻り、最も適切かつ有効な判断を下した。

 もしダンクーガが倒されればその牙は自分達に向けられる。

 そうなる前にダンクーガごと葬る。

 だから可能な限りの大火力で一斉攻撃を加えた。

 余りの砲撃で軽い噴煙により辺り一帯が視界が遮られる程だった。

 

『撃ち方止め!! 撃ち方止めだ!!』

 

 何度もダルメシア共和国の司令官は制止の声を挙げる。 

 これならばどう考えても二機はこの世から――

『た、隊長……アレ……』

 

『馬鹿な……ゆ、夢でも見ているのか……』

 

 この時のダルメシア共和国軍と一斉砲撃を眺めていたラグランジェ王国軍の心境は軍の一斉攻撃を受けて無傷なドラゴンボールのセルを目の前にした人々と同じ心境だった。

 一機と一人健在。ダンクーガはともかく、あの生身の人間である筈の白い悪魔が生きているのはどう考えてもオカシイ。

  

「おや?」

 

 ダンクーガが分離。

 四機のマシンになって何処かへ消えていく。

 それをじっと眺める闇乃 影司。

 片手で敵の砲撃を逸らし、受け止めながら「何しに来たんだコイツ」などと思っていた。

 

「ふん。どうやら俺が出るまでも無いようだな……」

 

「あ、ブレイドさん。スンマセン……何かゴタゴタに巻き込んじゃって……」

 

 ここでもう一人の生身の少年が飛んでくる。

 褐色肌に黒い髪の毛、切れ長の赤い瞳に整った顔立ち、刀剣の様に鍛え抜かれた四肢の上から漆黒のマントを羽織った美青年。

 荒々しさは感じられず、王国貴族のような気品を感じさせる。

 先程、世界樹で遭遇したのは彼だった。しかもどう言う偶然か闇乃 影司の知り合いである。

 取り合えず保留して今回のゴタゴタが収まるまで待って貰う事にしたのだが、見物がてら戦場にノコノコやって来てしまったらしい。

 

 戦いは完全にラグランジュ王国軍側の優勢。

 ダルメシア共和国軍側は当初の作戦が崩壊し、また作戦の都合上戦力を少なめにしていたのが災いし、更には闇乃 影司の介入で結局予備選力ともども全滅してしまった。

 

 

 

 

 ブレイドはラグランジュ王国の一室を借りて闇乃 影司から説明を受けていた。

 

 主にこの世界についてだ。

 幾多の世界が融合した多元世界。

 既に二十年経過している事。

 三大勢力、ブリタニア・ユニオン、人類革新連盟、AEUの事。

 日本や月が二つある事。

 暗黒大陸が未調査領域である事。

 この世界の人類はパワードスーツではなく、ロボット兵器が主戦力である事。

 それ達を伝えた。

 

「お前が月の遺跡の調査で消えた後、世界中の世界樹が活発化してな。地球はおろか、魔界もエンディアも同じだ……その調査の為に俺は魔界側の世界樹を調査して来たんだが……」

 

「この世界に辿り着いたと?」

 

「ああ」

 

「その話が本当ならこの世界に俺達の世界の人間が飛ばされてる可能性も……」

 

「魔界側の世界樹や月の遺跡のゲート、地球やエンディアも安定している。それは無いと言いたいが何事も万が一があるだろうな」

 

「しかし何故この世界と繋がりが強くなったんだ?」

 

「分からん。黒の英知やバアルに関わる事かも知れんが……」

 

「何だそれは? 初めて聞くぞ?」

 

「知らぬのも無理はない。これは魔界に古くから伝わる滅びの予言みたいな物だ。黒の英知に触れた物は絶望を知り、バアルを前にすれば破滅を意味する……魔界の世界樹と一緒に伝えられている言い伝えだ」

 

「絶望と破滅……」

 

 新たな敵が現れると言うのか?

 脳裏にこれまで戦って来た強敵達の影が揺らめく。

 ただの言い伝えと言えばそれまでだが魔界の言い伝えとなれば話は別だ。

 嫌が上でも緊張感が増……

 

「ちょっと待て! それ聞いた事があるぞ!」

 

「なに?」

 

「闇の女王だ……黒の英知を活用し、バアルに対抗する為には地球では力が足りんとか行ってた」

 

「闇の女王……確かお前の」

 

「元上司だよ。そして俺を化け物に変えやがった奴さ。完全記憶能力がこんな形で役に立つとはな……」

 

 闇の女王。

 妖精文明と呼ばれる文明の守護者であったが、悪しき心に染まり善なる妖精文明の戦士達と壮絶な戦いを繰り広げる。

 その戦いの果てに妖精文明は滅びたとされた。 

 だが悪しき心を持った闇の女王と善なる心を持った妖精文明の戦士は地球に落ち延びた。

 

「奴は地球上全ての生命体を支配下に置くのが目的だった。だがその先の目的が分からなかった。だがバアルとやらに対抗する為なら辻褄が合う」

 

「妖精属の戦士――妖精石やより戦闘的な暗黒石を与えられた戦士の戦闘能力は魔界でも一目置かれる程、地球基準では最低でも一人一個師団は確実と言われていたな」

 

「ああ……元の世界に戻って天村の奥さん(話に出て来た善なる心を持った妖精文明の生き残り)に話を聞いた方が良いかも知れんな」

 

「そうだな。だがお前にとってはこの国の事も心配だろう?」

 

「まあな……」

 

 何時か訪れる危機よりも目の前の危機を優先するのは当然の事だ。

 正直話のスケールがデカ過ぎてどう対処すれば分からない。

 現実逃避と言って良い。

 それよりも大好きになったこの国を守りたい。留守中にダンクーガや次元獣、インベーダーの様な脅威が来るとも限らない。

 ブレイドを頼りたいが彼は調査に訪れただけでこの国とは無縁の存在だ。

 

(さてこれからどうなるのやら……)

 

 この後、闇乃 影司は全並行世界、全宇宙、そして神々との戦いに巻き込まれていくがそれはまた別の物語である。


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