電撃Fiting Cross of Rider   作:蒼乃翼

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希望~Fiting Climax~

操真晴人は「助けて」という少女の声に導かれ、マシンウィンガーを走らせると、荒野の戦場跡地へと辿り着いた。

「さて、絶望しそうな声を辿って来たが………」

晴人は荒地に降りると、紙袋を取り出し、

「まずは腹ごしらえだ」

プレーンシュガーを食べ始めた。

すると、そのドーナツの穴に影が差した。

「ん?」

晴人が上空を見上げると、一人の少女が落ちてきた。

「おいおいウソだろ…!?」

晴人は右手に指輪をはめると待機状態のままのベルトのバックルに翳した。

 

グラビティ プリーズ

 

少女の落下速度を遅くした晴人はゆっくりと少女を抱きとめた。

「おい、大丈夫か?」

白と青緑の制服を着た黒髪の少女はゆっくりと目を開けた。

「…~っ変態!」

と、同時に晴人の横っ面に強烈な回し蹴りを喰らわせた。

蹴りの反動で腕から飛び降りた少女は薄い携帯端末のようなものを取り出して構えた。

「白昼堂々なんて不埒な真似をしようとしているのですか!」

「待て…、待て待て、俺はお前が空から落ちてきたのを受け止めただけだ…」

晴人は蹴られた頬を撫でながら弁明した。

「え…」

少女は徐々に冷静さを取り戻した。

 

 

 

「本当に申し訳ありませんでした」

「いや、もういいよ」

少女は司馬深雪と名乗り、晴人に謝罪した。

「あの…、ここはどこなんでしょう?」

「生憎、俺もここがどこかはわからない。ただ、ここは君のいた世界とは別の世界だということは分かる。俺もそうだからな」

「別世界…」

「そもそも司馬さんは…」

「深雪で構いません、操真さん」

「なら俺も晴人で。深雪ちゃん、そもそもなんで空から?」

「実は…、兄を探していて」

「お兄さん?」

「はい、実は最近私たちの周りで不可解な事が起こって………、それで兄が単独で調査に出て…」

「そのまま戻らなかった…?」

「はい…、それで私も探しに…、そしたら『助けて』という声を聞いて気付いたらこのような世界に…」

「本当か?俺もその声を聞いたぞ」

 

 

 

「………たすけて…」

 

 

 

「!?」

2人の前に突然一人の少女が現れた。

「誰だ?」

「この世界の『夢』を救って下さい…、残された希望は、『夢』は…」

それだけ呟いた少女はノイズとともに消えてしまった。

と、同時に、大量のグールが現れ、2人に襲い掛かった。

「…っこれは、」

「深雪ちゃん、下がって!」

晴人は左手に青い指輪をはめた。

 

シャバドゥビタッチヘーンシーン!

ウォーター スイー・スイー・スイー・スイー

 

ウォータースタイルに変身した仮面ライダーウィザードは左手を掲げた。

「さぁ、ショータイムだ」

ウィザードは並み居るグールを八卦掌で、あるいはウィザーソードガンで切り裂いた。大量にいたグールは次々と倒されて行った。

 

ルパッチ・マジック・タッチ・ゴー バインド プリーズ

 

ウィザードWSは水の鎖で最後のグールを捕縛すると、そのままバックドロップを決めた。

「深雪ちゃん、そっちは…」

 

「インフェルノ!」

 

深雪を中心に一気に冷気が立ち込めた、と同時に、グールの群れは業火によって全て燃やし尽くされてしまった。

「すげぇ…」

グールの群れを一掃すると、再び、先ほどの少女が現れわれた。さっきよりも力無くその姿はノイズ混じりで不安定な状態だった。

「あんたは…」

「…私は電神…、電撃ワールドの往来を管理する者」

「電神…?」

晴人と深雪に電神は懇願した。

「この世界の『夢』を救って下さい…、残された希望は、『夢』は…」

その時、電神の背後から禍々しい炎が燃え上がり、電神は消えてしまった。

 

 

「けっ、電神のやつ、まだ他の世界と繋げる力を残してやがったか」

 

 

「…お前はっ、」

「でもまぁ、おかげで面白ぇ奴とまた会えたぜ」

「フェニックス…」

電神を焼き消したのは、かつて太陽へ蹴り飛ばしたファントム、フェニックスだった。

「どうして…」

「絶夢のおかげよ」

「絶夢…?」

「絶夢がエレクトリック・ショッカーと手を組んで、お前の世界から俺を復活させてくれたのさ」

「…晴人さん、あの、アレは…?」

「深雪ちゃん、あいつは俺じゃないとダメだ、下がって」

ウィザードはウォーターウィザードリングをもう一つの青いリングと交換した。

 

ウォーター ドラゴン ジャバジャババシャーンザバンザブーン

 

仮面ライダーウィザードはウィザードラゴンと一体化した強化スタイル、ウィザードウォータードラゴンスタイルとなった。

「指輪の魔法使い、俺もただ復活したわけじゃねぇってとこを見せてやるぜ」

フェニックスは左腕に謎の装置を取り付けるとストロベリーレッドの眼魂(アイコン)を起動させた。

 

テンガン アリスベル マツギハンター・マツギ

 

眼魂(アイコン)を取り込んだフェニックスは、しかし、傍目には変化が見られなかった。

「さァ、来いよ」

ウィザードWDSはウィザーソードガンガンモードで水の魔力弾丸を連射した。

「フン!」

フェニックスは手を軽く払うだけでその弾丸を全て打ち消してしまった。

「何…?」

「炎魔の火箭(カセン)!」

フェニックスは無数の火の矢を出現させるとウィザード目掛け放った。

「くっ…」

 

ディフェンド

 

ウィザードWDSは目の前に水の楯を出現させて、それが火の矢を防御する・・・・はずだった。

 

「ぐあっ!」

しかし、火の矢は水の楯を打ち消しウィザードに直撃した。

「なんだと…」

「どうだ、これが『滅魔魔法』だ」

「滅魔…魔法だと…」

「魔法を滅する魔法。ま、俺じゃなくて借りもんの力だけどな」

フェニックスはさらに数を増やした火の矢を放った。

「晴人さん、助太刀いたします!」

深雪は前に出るとCADを操作し、氷の結晶の楯をウィザードの前に出現させた。火の矢は何本かは防げたが、あっという間に楯は打ち消されてしまった。

「炎魔の火車!」

フェニックスは燃え盛る火の車輪を出現させると深雪目掛け投げた。

「あ…」

深雪は自分に迫る火の輪を防ごうとしたが、それが無意味なことを瞬時に悟った。

「危ない!」

間一髪、ウィザードが深雪を庇って火の輪を躱した。

 

ブリザード

 

ウィザードWDSは専用魔法リングで強烈な吹雪を起こした。広範囲に及ぶそれはフェニックスを飲み込んだ。

 

「炎魔の吼怒(コウド)!!」

 

しかし、それもフェニックスが放ったブレス攻撃で掻き消されてしまった。

怯まずウィザードはさらに畳み掛ける。

 

スペシャル

 

腰部にドラゴンテイルを具現化させたウィザードは跳躍し、回転しながらフェニックスに迫った。

「魔剱、カタストロフ」

フェニックスは大剣を具現化させた。

「炎魔の怒涛!」

横一閃に振り払われた滅魔の炎の斬撃はウィザードの縦一閃に振り下ろされたそれと激しくぶつかり合い・・・・・

「がはぁ…!」

ウィザードを吹っ飛ばした。

「晴人さん!」

「大丈夫だよ、深雪ちゃん」

ウィザードはウィザーソードガンを構えた。

 

コピー プリーズ

 

ウィザーソードガンを二刀流にしたウィザードWDSはフェニックスと近接戦闘に挑んだ。

「はっはぁ~!炎魔の縦横無刃!!」

連続で繰り出される斬撃を受けるたび、ウィザーソードガンは刃こぼれし、ついに、二本とも折れてしまった。

「どうだ、絶望的だろ?」

フェニックスは魔剱カタストロフを肩に担ぐとウィザードを嘲笑した。

「まさか、1つ教えておくぞフェニックス」

ウィザードは4つの指輪をその手に握っていた。

「絶望の中にこそ、逆転のチャンスはあるんだよ!」

ウィザードはレッドガルーダ、ブルーユニコーン、イエロークラーケン、バイオレットゴーレムの指輪を投げプラモンスターを召喚した。4体はフェニックスを撹乱し、ウィザードはその隙をついた。

 

コネクト プリーズ

 

「もらった!」

ウィザードはコネクトリングで発生させた魔法陣に手を突っ込んだ・・・・その先は、

「しまった…っ!」

フェニックスが左腕に付けていた機械、それに装填されている眼魂(アイコン)を奪い取った。

「…借り物の滅魔魔法なら、これでお前はただのフェニックスだ」

「ちぃ…、だが、俺は不死身…」

その時、深雪がCADを構えた。

 

「………コキュートス………」

 

唱えた瞬間、フェニックスはその動きを止めた、否、凍り付いたように動かなくなった。

「晴人さん、今です」

「あぁ」

 

インフィニティ ヒー・スイ・フー・ドー・ボウ・ザバ・ビュー・ドゴーン

 

「フィナーレだ!」

インフィニティスタイルと変身したウィザードはアックスカリバーのハンドオーサーに触れた。

 

ターンオン 

 

ハイタッチ シャイニングストライク キラ・キラ

 

フェニックス目掛け高く跳んだウィザードは、ウィザードラゴンの幻影を纏ったアックスカリバーを振り下ろした。

再生のための思考力を凍りつかされたフェニックスは、果たして何もできないまま、粉々に砕け散った。

 

 

戦いが終わり、晴人は変身を解いた。

「深雪ちゃん、これが何かわかる?」

それはフェニックスは滅魔魔法を使うために利用したストロベリーレッドの眼魂(アイコン)だった。

「いえ、初めて見ます。あるいはお兄様な知っているかも………」

 

 

 

 

「申し訳ないが、それは返してもらうよ」

 

 

 

 

突如、2人の足下の影から声が聞こえた、と思った瞬間には眼魂(アイコン)は奪われてしまった。

「誰だ!」

晴人はウィザーソードガンを蠢く影に向けた。

「これは計画の最終目的に必要な物でね。フェニックス君が面白そうだからと勝手に持って行って難儀していたんだよ」

影から現れた人影・・・、ブラック・バイスは眼魂(アイコン)を手にすると晴人と深雪に一礼した。

「さて、申し訳ないが君達は計画に大きな支障を来たす怖れがあるので、ここで退場してもらおうか」

ブラック・バイスが片手を上げると、背後に灰色のカーテンのような空間の歪みが発生し、そこから異形の人型が現れた。

 

 

 

禍々しいオーラを放つソレは、鎧を纏っていた

 

その鎧の表面には10本のラインが走り

 

装甲の色は金属のような鈍い光沢を放つ、濁ったマゼンタ

 

晴人と深雪を見据える複眼は紫

 

 

 

「ディグルル………、ルォォォォォ!!!!」

 

 

世界の破災者 クロム・ディケイダーは雄叫びを上げた

 

 

 

 

 

 

 




炎魔フェニックス
●魔法:炎の滅魔魔法 炎の滅魔魔導士(マギカスレイヤー)
アリスベル眼魂(アイコン)をプロトメガウルオウダーに装填し発動させたことであらゆる魔法を焼き消す炎をつかうことができる

●武器:魔劔カタストロフ(まけんかたすとろふ)
2m近くもある身幅の広い大剣
滅魔の炎を纏わせる事ができる
あらゆる魔法を断ち斬る
滅魔の炎を纏っているので、何度も剣を合わせると刃こぼれする


通常魔法
◆炎魔の吼怒(コウド)
炎を一気に吐き出すブレス攻撃

◆炎魔の火車(えんまのかしゃ)
滅魔の炎を車輪状にして地上を転がし触れるもの全てを掻き消し焼き尽くす。

◆炎魔の火箭(えんまのかせん)
滅魔の炎を無数の矢にして飛ばす

◆炎魔の怒涛(えんまのどどう)
大剣に滅魔の炎を纏わせ横一閃(もしくは縦一閃)の斬撃を飛ばし、剣の軌道上にあるあらゆる魔法を掻き消し燃やす。

◆炎魔の縦横無刃(えんまのじゅうおうむじん)
連続で剣を縦横無尽に振るい、直線的な攻撃を面として展開する
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