前回と同じくまたしてもフォルダから発掘した奴を投稿します。
主人公はまたしても奴です。

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こんな日々がずっと続いたらいいなってby闇乃 影司

  

 この世界は地獄だった。

 

 地球外生命体BETAの手によりユーラシア大陸はほぼ勢力圏となる。

 

 そしてその魔の手は日本帝国にも伸びた。

 

 当然、日本帝国も必死に反撃した。

 

 しかしBETAの圧倒的な物量の前に虚しく敗退。

 

 一時期は日本はBETAの占拠下に置かれた。

 

 そして1999年。

 

 国連軍、大東亜連合、日本帝国による本州奪還作戦、明星作戦が発動された。

 

 しかし米国は横浜建造されたBETAの拠点、ハイブに二発のG弾を投下。 

 

 敵味方を巻き込む形で明星作戦は終わりを告げた。

 

 結果的には本州は奪還されたがこの米国の行動により、日本帝国は米国に遺恨を残す事となる。

 

 

 しかしこの二発のG弾、またの名を五次元効果爆弾がある奇跡を引き起こす。

 

 

 果たしてそれは救いとなるのか、新たなる滅びのへの道となるのか・・・・・・

 

 

 

 

 2000年

 

 日本帝国はBETAとの戦いにより一般人達の多くが貧しい生活を送っていた。

 そんな時代においても人々は懸命に生きる。

 子供達だってそうだった。

 

「ストライク! バッターアウト!」

 

 やたら整備が行き届いた野球場。

 ベースもあればバットもボールもスコア盤からホームベンチまで何もかもが新品同然。

 ここは子供達が草野球をするために何処の誰かが作った謎の草野球の聖地である。

 練習するための機材まで完備しており、太陽光パネルまで置かれてあるので夜は照明が使える。

 更には観客席まであった。そこには子供達の保護者などが席を埋め尽くしていた。

 現在二つのチームが野球場で戦っており中々の接戦を繰り広げている。

 一体誰が何の為に作ったかは分からない。だが立て看板には「自由平等に扱う事」などの文字が書かれていた。

 

「何とか形になったクマね~」

 

 とバツ目の大きな一頭身の(顔に丸い手足くっつけただけ)黒いクマのヌイグルミ(体長およそ1m60cm)が観客席で水を飲みつつ横に座る白い髪の毛のポニーテールが特徴な絶世の美女に話掛ける。

 

「そうだね・・・・・・」

 

 白いポニーテールの白肌の美女――神主服を身に纏い、二振りの日本刀を脇に差している。

 侍がいる時代ならいざ知らず2000年の日本帝国においては武家でもしないような格好を平然としていた。

 更に付け加えて言えば傍にいる謎の黒いダーティーなデザインのクマと自然体で観客席で喋っているせいで奇妙さがよりましてしまっていた。

 

「おう影司君。君も観戦かね?」

 

「ええ、まあ・・・・・・」

 

 白髪の美女が難民キャンプの住民に話し掛けられる。

 既に黒いクマにツッコミが入れられない辺り馴れてしまったのだろう。

 ちなみに影司(えいじ)とは美女の名前。本名は闇乃 影司(やみの えいじ)、中二病全開なネーミングである上にバリバリ男の名前だがこの美少女実は男の娘であるため特に問題はない。

 

「洗濯機マンや扇風機マン・ブラックは?」

 

「ああ、あの変なロボットの事かい? 何時も通り子供達の遊び相手をしているよ」

 

「そうですか・・・・・・」

 

「しかし影司君がここに来て良かった。以前は暗かったこのキャンプもすっかりこうして明るくなった・・・・・・」

 

「ええ・・・・・・」

 

「一体何者なのかは気になるが・・・・・・ここでこんな事をしていて本当にいいのかね?」

 

 影司はここの難民キャンプの人間からは"とにかく凄い人"と言う認識だった。

 だが同時にキャンプの住民は思う。

 このキャンプで助けてくれるのは嬉しいが他にすべき事が、この国のためになる事をして欲しいと願うようになっていた。

 

 だが影司はこう言う。

 

「いいんですよ・・・・・・こう見えて実は色々と手を回してますし・・・・・・」

 

「はあ・・・・・・」

 

 

 

 

 ある時を境に日本帝国は信じられない勢いで技術革新が起きていた。

 OS。

 新素材の製造法。

 核融合炉、電磁投射砲、光学兵器の設計図などなど・・・・・・数えればキリが無い。

 同時に不気味にさえ思った。

 一体何者が、これ程の頭脳を持つ者が、無償で、しかも帝国の技術工房に誰にも悟られずしたのだと? 

 

 謎の善意に誰もが困惑した。

 しかし今の日本帝国の現状は猫の手も借りたい程の状況であり、月日が経過する度にジワジワとBETAの圧力に押されているのが現状である。

 その現状を打破するために出所はどうあれ有効な技術は投入せざるおえなかった。

 

(これだけの技術・・・・・・一体誰がバラ撒いたのかしらね~)

 

 国連軍横浜基地の副司令にして天才科学者、香月 夕呼は知恵を絞る。

 大人の女性の魅力タップリな豊満なボディラインを包み込む軍服、白衣。

 綺麗に整った顔立ちに綺麗に整えられた紫色の長い髪の毛。

 とても軍人にも科学者にも見えない容姿だ。

 だが彼女は科学者としての天才的頭脳だけでなく権謀術の類いにも長けており、横浜の魔女の異名を取る程だった。

 

 彼女は現在国連の極秘計画、オルタネイティブ4を成功させるために00ユニットを完成させるに辺り、躓いていた。

 謎の協力者は何者かは分からない。もし協力できればとも考えられるがこの女性はとても冷徹なリアリストとしての側面も持つ。楽観的に考える事は出来なかった。

 

(・・・・・・どうするにしろ、相手の所在が分からないんじゃ絵に描いた餅よね)

 

 そう締め括った。

 ふと脳裏にこの横浜基地へ出入りしている胡散臭い商社マンから得られた情報を脳裏で思い浮かべる。

 それは定期的に進行してくるBETAとの防衛戦での一幕で映し出された映像だった。

 

 その映像には漆黒の鳥人のような謎の戦術機とFー4の形をした化け物が次々とBETAを食い散らかすように殲滅していく様が写しだされていた。二機とも射撃武器を使わず、近接武器で数千体以上の敵を斬り倒していた。

 漆黒の鳥人は二振りの日本刀を手に持ち、斬撃と一緒に黒い火炎を撒き散らしながら小型種諸共焼き殺し、Fー4の形をした何かは巨大な大鉈で暴れ回った。戦車級に取り憑かれても握り潰し、踏み砕き、要撃級に噛みついたり、突撃級の突進を受け止めて他の突撃級に叩き付けたりと荒々しい事この上なかった。 

 

 明らかに既存の戦術機の戦闘能力を超えている。 

 しかも毎度毎度BETAの進行に合わせて出現しているにも拘わらず、その行方は掴めていない。

 黒い朱雀と鬼の亡霊――それが二機に与えられたコードネームだ――の御陰や何者かが提供した新技術が普及するにつれて損耗率は目に見えて少なくなっている。

 

 佐渡島奪還も夢ではない。

 そう考える人間も増え始めていた。

 

(憎たらしいけど相手の出方を待つしか無いわね・・・・・・)

 

 夕呼は謎の戦術機と謎の新技術の提供者が同じ組織では無いかと睨んでいる。

 目的は分からない。

 

 そしてあの商社マンモドキから聞いた奇妙な難民キャンプの噂――

 

 ――曰く、何者かが野球場を創り上げた。

 

 ――曰く、愉快なロボットを造る科学者がいるらしい。

 

 ――曰く、難民キャンプでの衛生面や食糧事情が改善されつつあるらしい。 

 

 ――曰く、秋葉原を拠点に怪しげな会社が日本で活動している。

 

 これは帝国の諜報部は段々と帝国で蠢く謎の勢力の正体に近付きつつあるらしい事が分かる一幕であった。

 

(虎穴に入らずは虎児を得ず――ってのは性に合わないけど・・・・・・急がないと行けないかも知れないわね) 

 

 

 

 

 秋葉原。

 嘗ての横浜進行により、廃墟同然と化したこの地にて謎の会社――表向きは秋葉原文化促進商事と言う会社がひっそりと経営されている。主な事業内容は漫画やラノベ、アニメ製作や音楽のレコーディング、戦術機などの各種兵器フィギュア販売などを行っていた。

 漫画やラノベ、アニメはその質の高さで驚かせている。

 音楽は日本には馴染み無いような新しいスタイル。

 フィギュアはプラモデルなどが販売されており、主に裕福層へターゲットを絞った物品が開発され、それを帝都内などの専門店を通じて販売されている。

 

 最近ではゲームセンターなる事業を展開し、そこでは様々なゲームや簡易戦術機シュミレーターと呼ばれる者を店舗に配置。その出来映えに周囲は驚いたと同時に不審がった。

 

 曰く、この秋葉原文化促進商事なる会社は何者なのだろうか? と。

 どれもこれもがオーバーテクノロジー。

 他国の軍隊までもが買いに走る程である。

 

 そして一番の謎は一夜城――ならぬ一夜にして築かれたドーム。

 周辺の土地を買い取り、建設された用途不明なドームである。

 その中身は不明だが秋葉原文化促進商事が雇ったらしい警備員達がガードを固めているので中には入れなかったが多くのトラックなどの出入りが確認されている。

 

 ドームの中はどうなっているのかは誰も知らない。

 

 

 

 

 話を遡る事十年前、二つのG弾の影響(未だに推測の域を出ないがこれは後で分かった)が・・・・・・並行世界の地球と繋がってしまった事から物語は始まる。

 しかも不気味なぐらい安定している形でだ。

 

 この謎のゲートに調査隊を派遣しようとこの世界での地球の統治者達――地球連邦政府は考えた。

 ちなみに地球連邦はまだ結成してからそれ程時は経ってないが次から次へと来る侵略者を前にして漸く一つになれた。というかならざる終えなかったと言う悲しい過去があるがそれはまた別の話である。

 

 話は変わってこの巨大な謎のゲートの先には何が待ち受けているのか・・・・・・既にこの世界での地球はロボットの反乱からショッ○ーの親戚に宇宙人から異次元、異世界からの侵略を受けてしまい、質は高いが量の面で不安がある軍備だった。

 あのゲートの先は一体どんな恐ろしい連中がいるのだろうか? 取り越し苦労に終わるのだろうか? 何時かみたいに誤解を招いて星間戦争の危機になってしまわないだろうか?

 

 色々と考えた挙げ句に送り込まれたのが闇乃 影司達だった。

 

 数々の異星人などと交戦し、またどんな敵が現れても、例えソレがム○帝国やギシ○星人、○プール人を血祭りに挙げる事が出来る最強の戦力。そして数々の脅威に立ち向かった地球連邦政府でも手に余る存在。上手く行けば厄介払い出来るかも知れないなどと様々な思惑が入り乱れて調査を開始した。

 

 そこで分かったのは、このゲートの先は日本帝国と呼ばれる国家に繋がっている事、より正確にはに出てしまった事。

 調査が進む内にこれには調査隊含め、闇乃 影司も首を傾げた。

 仮にG弾が原因でゲートが出現し、この日本帝国への道が出来たのならこの世界の横浜にゲートが出来る筈だと。それがどうして秋葉原なのであろうか? 原因は分からない。

 地図で見てもかなり距離が離れている。いわゆる誤差と言う奴であろうか?

 

 だがそれよりも一番驚いたのはBETAだった。

 

 グロテスクな外見。 

 

 圧倒的な物量。

 

 光線級の脅威・・・・・・もし奴達が何らかの方法でこの世界に侵攻して来たら・・・・・・? 何らかの方法で宇宙から現れたら?

 

 そう考えた地球連邦政府は嘗て身に起きた恐怖を思い出したかのように支援を決定した。       

 ゲートが開いた場所が場所なので地球連邦になっても未だに存在している自衛隊もこの支援に参加している。

 同時にこの世界にも現れる可能性も考慮して宇宙艦隊の強化も決定。

 嘗て地球を恐怖に陥れた核融合炉で稼働する約2m級のロボット軍団や各種無人兵器達に更には戦術機の導入も視野に入れる事となった。つか形振り構う余裕が無くなっている。

 

 しかし同時に野心もあった。

 戦術機の技術。

 G元素の入手。

 BETAの生体や遺伝子サンプルの確保等々・・・・・・

 

 だが調査を進めて行くうちにある事実が判明する。

 この世界の極秘計画オルタネイティブ5だ。

 闇乃 影司が持ち込んだこの情報により、地球連邦は絶叫した。

 この計画は早い話がG弾で地球上にいるBETAを皆殺しにし、限られた人数だけ外宇宙へ脱出しようぜと言う計画である。

 もしこれが実現したらユーラシア大陸全土に横浜のようなゲートが現れ、BETAが殲滅され尽くした不毛な大地となった地球とが世界中で直通する。

 

 そしてこの計画の恐ろしいところは火星や月のBETAはほったらかしと言う点だ。

 

 最悪、世界中で並行世界の地球とを跨いでBETAと殺し合わなければならなくなる。

 と言うか二発のG弾でこの有り様なのだ。

 二十発以上のG弾を使えば何が起きるか想像も出来ない。

 

 だから全力で支援する事になった。

 

 ゲートをどうにかして閉じる方法も考えたがまたG弾を使われたら元の木阿弥であるため、最終手段として残していく。

 また向こう側の人類が事故を装ってG弾でゲートを造る可能性も無いとは限らない。

 G弾を造るのを止めさせたり、人型真●ッターこと闇乃 影司を使って破壊工作を行うと言う方法も考えられたが、向こう側の人類がBETAの有効な対抗手段が無いのが原因である上に戦術機を含めた既存兵器も侵攻を送らせる程度にしかならない。

 

 長々と語ったがつまり地球連邦政府にはオルタネイティブ4を、向こう側の人類を支援する他無かった。 

 あんまり技術を与え過ぎたらその技術で此方の地球に攻め込んで来るんじゃね? と言う意見もあったが最終的に「人類と地球外生命体、どっちと戦争がしたい?」と問われて結局有耶無耶になった。

 

 なので闇乃 影司に権限を与えて好き放題させる事にした。

 

 科学技術の流出だけでなく文化侵略紛いの事をするのは想定外であるが。

 

 報告書によれば何度もアメリカに行ってはアメコミを買い漁っているらしい。

 

 幾ら何でもフリーダム過ぎる。

 

 果たしてこの世界はどうなるのだろうか?

 

 それはきっと闇乃 影司ぐらいしか分からない。

 

 END      


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