ヤンこれ、まとめました   作:なかむ~

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今回の話は前回の『希望と絶望の狭間で』の続きになります。
何気に、続き物書いたの初めてかも……





悲願と懇願の果てに

 

 

ここはとある鎮守府の食堂。 朝の日に照らされ食堂の中は明るく、海辺から流れてくる潮風が窓際にあるカーテンをそよがせている。

まるで映画のワンシーンのようなさわやかな朝の情景。 しかし、そこにいる艦娘たちはその情景にはあまりにそぐわない姿を見せていた。

 

 

 

 

 

「…提督さん、本当に出て行っちゃった。 夕立が意地悪したから、提督さん出て行ったんだ。 夕立が…悪いんだ……!」

 

「…そんなに、自分を責めないで夕立。 もしそうなら、僕にだって非がある。 …いや、僕だけじゃない。 ここにいる皆が自分が悪いって思ってるさ……」

 

 

テーブルに顔を伏せて泣き崩れる夕立を、涙を必死にこらえて慰める時雨。

 

 

 

 

 

 

 

 

「大淀さん、軍はどうだった!?」

 

「駄目です。 何度尋ねてもこちらも知らないの一点張りで、どうやら二人は軍にも行き先を告げていないようです」

 

「なら、直接聞き込みした方が早いじゃん! 長良、ちょっと街に行ってくるよ」

 

「あっ、待ってよ長良姉! 鬼怒も行くよ!」

 

 

軍に連絡を取ろうにもなしのつぶてで、直接情報を得ようと街へ聞き込みに向かう長良と鬼怒。

 

 

 

 

 

 

 

 

「司令官、綾波の入れてくれるお茶は好きだって言ってましたよね……。 司令官が戻ってきたときのために、もっともーっとおいしいお茶を入れられるようにしておかなくちゃ……」

 

「もうやめてよ綾波! そんなことしてなんになるのさ!?」

 

「…もう、そんなに揺すらないで敷波。 お茶がこぼれちゃうでしょ……」

 

「いい加減にしてよ! いつまでもそんな事してたって司令官は帰ってこないんだよ!」

 

 

過去の提督の言葉に縋りつき、飲む相手がいないお茶を延々と入れる綾波を必死に引き止める敷波。

 

 

悲しむ者、自分を責める者、いなくなった人を探しに行く者。

一人の提督と一人の艦娘が消えたこの鎮守府は今まさに混乱と絶望の渦中に立たされている。

一体なぜこのような事態になったのか?

それは一か月前に起きたある事件がこの悲劇の引き金だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この鎮守府は、元々提督と艦娘たちが友好的な関係を築いていた。

ある所では提督が艦娘を酷使するブラック鎮守府と呼ばれる場所も存在するようだが、提督はそのような行いを嫌い、艦娘たちの安否を第一に考えた指揮を取っており、艦娘たちもまたそんな彼を心から慕い信頼していた。

そんなある日、夕食のカレーを前に艦娘たちは提督が来るのを待っていたが、なぜか今日はここへは来なかった。

 

 

「……提督、遅いですね」

 

「執務が長引いているのかしら? でも、何の連絡もないなんて変ね…」

 

 

提督は、普段は皆と一緒に夕食を取るのが日課になっているが、たまに執務が遅くなったりといった理由で一緒に夕食が取れない時があった。

しかし、もし行けないなら行けないで皆に連絡する気遣いを見せている。 今日はそれすらもなかったから、艦娘たちは皆首をかしげていた。

とはいえ、このままではせっかくのカレーも冷めてしまう。 明日、理由を聞こうということで皆は一斉に夕食を食べ始めた。

 

 

 

そして次の日、朝の食堂にやってきた提督を見た艦娘たちは昨日遅くなった理由を尋ねようとはしなかった。

理由は簡単。 提督の顔を見た途端、無性に彼に強い怒りを感じたからだ。

何故か分からない。 だが理由なんてどうだっていい。 ただ、あの男の顔を見るだけで嫌だ。

艦娘たちは一斉に提督を嫌悪し、口をそろえて出て行けと叫ぶ。

混乱した提督が食堂を出て行っても、逃げた先にいた艦娘たちは他の子と同様に彼に苛立ちを感じ激しく追い立てた。

たった一晩で、提督と艦娘との友好はあっけなく壊れてしまったのだ。

提督が食堂を去った後、艦娘は妖精たちに皆薬のせいでおかしくなっていると聞かされたが、嫌悪と憎悪に支配された彼女たちは妖精の言葉に耳を貸さなかった。

それから、艦娘たちはとことん提督を毛嫌いし、ひどい仕打ちを行ってきた。

日常でも任務でも提督を無視し、嫌味や陰口をたたき、直接的な暴力さえあった。

それでも、提督は皆を嫌うことなく今まで通りに接してきて、どれほどひどい目に合わせても彼がここを出ていくことはなかった。

それは、彼の忍耐強さもさることながら、当時秘書艦として一緒だった艦娘が彼を庇い立てし、その行為がますます彼女たちの怒りを募らせた。

業を煮やした艦娘たちは、ならいっそのことその艦娘も提督と一緒に追い出してやろうと考え、皮肉なことにこの計画の内容を考えたのが秘書艦だった艦娘の姉だったのだ。

そして、計画実行の日に艦娘たちは執務室に乗り込み出ていくよう示唆し、最後には二度と提督をしようと思わないよう徹底的に痛めつけてやった。

その作戦が功を奏したのか、その次の日には提督と艦娘は鎮守府から姿を消していた。

初めこそ彼女たちは作戦が成功したと喜んでいたが、妖精の話していた薬の効果は数日。 それが切れた途端、艦娘たちは自分のしてきたことに激しい罪悪感を抱いていった。

なぜ自分たちはあそこまで提督を毛嫌いしていたのか?

なぜ大好きな提督を追い出してしまったのか?

その思いだけが彼女たちの頭の中に渦巻き、この鎮守府は今のような事態に陥っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ、ぐぅ…! まだだ…全砲門、撃て―っ!!」

 

「もうやめて長門! これ以上無理したら、貴方本当に轟沈するわよ!!」

 

「止めるな陸奥! 私が提督に与えた痛みはこんなものではない… 提督が受けた苦しみはこんなものではないんだ…! 今すぐにでもあの人に会って謝らなければ、私は私を止められないんだ―――!!」

 

 

海沿いに沿って海上を捜索する長門は敵艦隊に出くわすたび猪突猛進に突っ込んでいき、その無謀ぶりに陸奥は気が気ではなかった。

また、鎮守府の食堂では赤城と加賀の二人が焼き魚の昼食をとっていたが、

 

 

 

 

 

 

「……あ…赤城さん」

 

「……。 貴方もですか、加賀さん…」

 

 

二人とも昼食には全くと言っていいほど手を付けておらず、ほんの少しの御飯と魚の身を咀嚼しているだけだった。

しかし、それもすぐに吐き出され、むせこむ加賀の背中を赤城は優しくなでてあげた。

 

 

「やっぱり、加賀さんも何を食べても味がしないんですね…」

 

「…はい。 提督が去ったあの日から… 自分のしたことに気づいたあの日から、何を食べてもおいしくない……いえ、味が感じられなくなったんです」

 

「私もですよ加賀さん。 提督がいなくなった日から、私も食べることが楽しくなくなってしまったんです… 提督と笑いながら食べる食事は、あんなにおいしかったっていうのに!!」

 

 

暗い表情で語る加賀に、赤城も自分の悲しみを吐き出すかのように泣きじゃくった。

今まで食べることが何より大好きだった二人が、今では食べることが何よりの苦行になっている。

提督がいなくなった日から… 自分達が提督に何をしたか気づいた日から… 二人の世界はがらりと変わってしまったのだ。

 

 

 

 

 

「提督に謝りたいです… 会って、ごめんなさいと言いたいです…!」

 

「提督に償いたいです… 今までしたことの全てを、この身をもってお詫びしたいです…!」

 

 

 

 

 

 

 

「「そして、もし叶うのなら……」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「もう一度、提督と一緒に食事がしたいです…」」

 

 

 

 

 

 

 

今となっては叶わぬ願い。 その願いを口にしながら、二人はテーブルに突っ伏したまま涙を流していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、他の場所では罪滅ぼしのためと休みなくオリョクルで資材を集めを集めに行くイムヤとゴーヤをイクとハチが必死に引き止めたり、自分が提督を追い詰めてしまったんだと自ら解体されようとする神通を川内が説得し引き止めたりと、もはや鎮守府は艦娘たちの暴走により、ほぼ機能不全に陥っていた。

そんな日々が続いたある日の事、提督と一緒に鎮守府を去った艦娘『鹿島』の姉、『香取』はついに提督が今どこにいるかを突き止めた。

それと同時に知った悲しき事実。 全ての元凶、提督が嫌いになる薬を仕込んだのが自分の妹だということに……

その事実を知った艦娘たちは当然鹿島に憤りを感じ、すぐに提督の元へと向かっていった。

場所はここより遠く離れた海沿いの一軒家。

場所が場所だけにさすがに全員で行くことはできなかったが、香取をはじめとして代表の艦娘たち数名は二人のいる家へと押しかけていった。

扉の脇にあるインターホンを鳴らす。 数秒と掛からず、その相手は姿を見せた。

 

 

 

 

 

「……これはこれは、皆さんお久しぶりですね」

 

 

扉を開け姿を見せた艦娘、鹿島は不機嫌な態度を隠さなかった。

自分達をここまで狂わせた張本人の姿に、やってきた艦娘たちも歯ぎしりしながら睨み付ける。

 

 

「あんなに散々提督さんを傷つけた皆さんが、一体どの面さげてここへ訪れたんですか? 提督さんは、ようやく心身ともに傷がいえたところなんです」

 

「白々しい態度はやめてちょうだい。 鹿島、貴方が私たちの食事に薬を盛ったことは知っているの。 貴方は私たちが提督を嫌うようにするため、あの薬を使ったのね。 自分が提督と一緒になるために……」

 

「貴様のせいで、我々は提督にあのような愚行を…… 絶対に許さんぞ!!」

 

 

冷静に話す香取に対し、武蔵は盛大に怒りをぶちまけるが、鹿島は動揺することなく淡々とした態度で話をつづけた。

 

 

 

 

 

「…確かに、香取姉の言う通り薬を盛ったのは私です。 でも、実際に暴力をふるったのは皆さんが自分の意思でやったことではないですか?」

 

「貴様…! 自分のしたことを棚に上げてよくもいけしゃあしゃあと…!!」

 

 

爆発寸前の武蔵は鹿島に殴りかかろうとするが、隣にいた香取は片手を前に出して武蔵を制する。

 

 

「ではお言葉を返すようですが、皆さんは薬のせいとはいえ自分のしたことに非はないと言い切れますか? 自分は悪くないと、胸を張って言えるのですか!?」

 

「…っ!!」

 

 

淡々とした態度から一変、感情をむき出しにしながら鹿島は叫ぶ。

彼女の言葉と豹変ぶりに、その場にいた皆も思わず言いよどんだ。

 

 

「鹿島が自分の下心のために皆さんに薬を盛ったことは否定しません。 ですが、皆さんに傷つけられる提督さんの事を真剣に心配したのも事実です!」

 

「…本当は薬を盛ったあの日、提督さんと二人で逃げるつもりでした。 でも、提督さんは皆さんのためにここの残ると言った。 だから、鹿島も最後までここに残ろうとしたんです。 最後まで、提督さんの傍にいようって…!」

 

 

怒りと蔑みの入り混じった視線に臆することなく、鹿島は必死に言い返した。

その時の彼女の言葉には、もはや下心と言ったやましい気持ちは微塵も感じられなかった。

 

 

「とにかく、もう提督さんに近づかないでください! これ以上あの人を傷つけるのは鹿島が許しません!!」

 

「そうはいかん! 貴様のような奴に、これ以上提督を好きにはさせてたまるか!!」

 

 

押し問答に痺れを切らした武蔵は鹿島を押しのけ中に入ろうとし、他の艦娘たちも武蔵に続いて向かっていった。

鹿島も必死に抵抗するが、戦艦相手に力でかなうはずもなく武蔵にその場で押さえつけられてしまった。

そうして、いざ家に押しかけようとしたとき、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もういい、やめてくれ!!」

 

 

玄関から聞こえてきた声。 皆が玄関の方を見ると、そこには元提督の男がその場に佇んでいた。

 

 

 

 

 

「…話はすべて聞いた。 あの事件を引き起こしたのが鹿島だということも、お前たちが俺を連れ戻しに来たこともな」

 

 

抑揚のない声で語る提督。 その姿に、鹿島だけでなく武蔵達も皆申し訳なさげに俯いていた。

 

 

「提督… 私達は貴方に散々ひどい仕打ちをしたこと、深く後悔している。 どうか、許してほしい……」

 

「そのことについては最初からお前たちを恨んでなんかいないよ。 薬が原因だということは知ってたからな。 だから、これ以上自分を責めるな」

 

「提督さん… 鹿島は、その……!」

 

「鹿島。 俺はお前に…いや、お前たちに伝えねばならない事がある。 黙って、そこで見ててくれ」

 

 

提督の言葉に周りの者たちは黙り込み、皆一斉に提督に注目する。

鹿島も不安な思いを抱きながら、ただ彼を見守ることしかできなかった。

 

 

 

 

 

「皆、俺はあの日の出来事について全てを知った。 そのうえで、俺は決めた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は鎮守府には戻らない。 これからも、鹿島の傍にいることにする」

 

 

 

 

 

静寂から一転、辺りは喧騒に包まれた。

周りの艦娘たちは、なぜ鹿島に肩入れするのかと必死の形相で彼に問い詰め、鹿島は嬉し涙を流しながらその場にへたり込んでいた。

 

 

「あの日俺は、確かに鹿島の策に嵌められていた。 だが、鹿島は最後まで俺の傍にいてくれた。 それがどれだけ危険な行為なのかを承知の上で、彼女は俺を心配してくれてたんだ。 その思いを裏切るような真似は俺にはできない! それに……」

 

 

一瞬口ごもりながら、提督は鹿島に視線を向ける。 泣きはらした目をこする彼女を見ながら、彼は言った。

 

 

 

 

 

 

「鹿島は………俺の子を身籠っているんだ」

 

 

再び飛び出した衝撃の発言に皆は目を見開く。 そして、彼の話は続く。

 

 

「俺は、家族を置いてここを離れるわけにはいかない。 だから、俺はあそこには戻らないし、戻れない。 頼む、どうか分かってくれ…!」

 

 

そう言って、提督は皆に深々と頭を下げた。

立て続けに出た事実に皆はどうしようかと困惑していたが、ずっと話を聞いていた香取は皆の前に出てきた。

 

 

 

 

 

「……分かりました。 そういう事でしたら、これ以上戻るよう要求するわけにはいきませんね。 では、私たちはこれで失礼します」

 

「ちょ、ちょっと待て香取…!」

 

 

香取の采配に納得がいかなかったのか、武蔵が慌てて飛び出してきた。

しかし、香取も武蔵に落ち着くよう宥め、小声で何か囁くと、武蔵も納得したのか落ち着いた様子でその場から引き下がった。

その姿に元提督もほっと胸をなでおろし、鹿島も嬉しそうに提督に駆け寄ってきた。

こうして、皆は鎮守府へ戻るということになったが、最後に香取は元提督に一声かけてきた。

 

 

「ただ、もしよろしければまたこちらに訪れてもよろしいでしょうか? 今度は他の方も連れてきたいのですが…」

 

「ああ、それぐらいお安い御用だ。 ぜひみんなで遊びに来てくれ」

 

 

笑顔でそう尋ねる香取に、元提督も明るい笑みを浮かべた。

元々彼も艦娘たちの事は気になっていたし、こうした形で会いに来てくれれば彼にとっても嬉しいことだった。

 

 

「ありがとうございます。 それじゃ、鹿島。 提督の事、よろしくね♪」

 

 

そうして、香取たちは鎮守府の方へ戻っていき、残された元提督は鹿島の肩に優しく手を置いた。

 

 

「鹿島。 いい義姉さんを持ったな…」

 

「はいっ!」

 

 

これ以上ないほど明るい笑みを浮かべて鹿島は彼に抱き着く。

そして、もう見えなくなった姉の背中を見つめながら、彼女はぺこりと頭を下げたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鎮守府への帰り道。 香取は隣を歩く武蔵に嬉しげに話す。

 

 

「うふふ… うまく約束をつけられてよかったです」

 

「ああ。 次に提督に会うのが今から楽しみだ」

 

 

香取と同様に、武蔵も楽し気につぶやいた。

 

 

「流石に他の子たちも身籠れば、あの人も戻らないわけにはいかないでしょう。 その時は鹿島も一緒についてくるでしょうけど、あの子の処分については追々考えていくとしましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

香取は鹿島が妊娠したから彼はここに残ることを選んだ。 なら、他の子も妊娠してしまえば真面目な彼は放ってはおかないはず。 そこで、次に来るときは自分を含め皆に既成事実を作らせ、鎮守府へ連れ戻す。 そのためにあのような約束を取り付けたのだった。

正直あまりに馬鹿げた考えだが、武蔵をはじめ他の皆も香取の提案に快諾していた。

なにせ、他の皆も表には出さなかったものの、彼がここを出ていく以前から提督に想いを寄せていた。 その提督を連れ戻せる上に、愛しい人の子を産めるのなら断る理由など存在しなかった。 恐らく、鎮守府にいる艦娘たちにこの計画を伝えれば、皆一斉に狂喜乱舞することだろう……

壊れている、と言っても過言ではない。 …いや、もうみんな壊れている。 彼が鎮守府を去ったあの日から、彼女たちの心は崩壊してしまったのだ……

ただ一つ。 もう一度提督と一緒にいたいという思いだけを残して……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふ… 提督、今度来るときは他の皆さんもご一緒に連れてきます」

 

 

 

「きっと、皆さん喜んで訪れると思います。 だから……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「是非、私達にも貴方の子を産ませてくださいね…」

 

 

焦点の定まっていない黒くよどんだ瞳で香取は微笑む。

これから起きる計画を心待ちにしながら、彼女たちは鎮守府へと戻っていくのであった。

 

 

 

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