ハイスクールD×D すれ違いのふたり   作:エステバリス

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はじめましての方ははじめまして。エステバリスです。

自分の作品を知っている方なら知ってるかな?という二人を主人公に据えて、ハイスクールD×Dにやって来た!という感じです。

ではでは、知ってる方も知らない方も、この作品を楽しく読んでいただけると幸いです。




旧校舎のマクスウェル
星を旅した少女は初心を思い出すか


 

その儚い顔を、どこかで見たことがある気がする━━━

 

その反吐が出る幸せそうな顔を、ボクは知っている━━━

 

だから私/ボクは━━━あの子の事を知りたい。

 

◆◇◆

 

駒王町。いいところだ! 端から端まで不思議なパワーを感じるぞい!

 

町から感じるその吐息をしっかりといち、に、と肌に取り込んでいると、不意にポケットに入れてあった携帯電話が鳴る。この番号には見覚えがあるさ!

 

『もしもーし、鈴蘭大丈夫?』

 

「大丈夫だよじーじ! 今着いたとこ!」

 

『うんうんそっか。どう、そこなら()()()()()()()()?』

 

「多分問題ないと思うよぉ。その辺から似た力を感じる。これならそういう面でも融通効くかも、なんて」

 

『なるほど。それじゃ僕からできることはここまで。あとはキミが、世界を壊すのも救うのも好きになさい』

 

「あいさー☆ それじゃーねじーじ。大好きだよ」

 

『ん、僕も━━━キミ達を愛してたよ』

 

それを最後に通話が切れる。多分もう余程の事がない限り彼、じーじとは会話をすることもないだろう。

 

だけど私の胸に去来してきたのはそんな暗いものじゃない。むしろ明るい、光で先が見えないような感覚だ。

 

もう新しい学校の制服には着替え住み。朝早くに一番乗りしちゃるぜ!

 

そうして私は新居の先にある学園……えーっと、こまおー学園に向かった。

 

その時に確か、黒い髪の男の子とすれ違った。今思うと、これがあの子と私の最初の()()()()なのかもしれない。

 

◆◇◆

 

「………」

 

「おやぁ、どうかしたの人形ちゃん? さっきの子の背中なんかマジマジと見ちゃってさ。もしかして人形ちゃんのコレだったりするのかなぁ?」

 

「……いえ、初めて見る顔……のはずです」

 

駒王(くおう)学園に向かっていく小さな少女の後ろ姿を静かに見つめていた、少女のような少年は不意に前を歩いていた神父服(スータン)姿の女性に話し掛けられる。だが少年が返したのはとても淡白なモノだ。

 

「それじゃあなんなんだって。あの子オレちゃんより気になっちゃう~、とかそういうの?」

 

「今はそうだと思います。よく見知ったフリード様より、知らないあの子の方に興味を持つのは……普通ではないかと」

 

バシィ、という乾いた音が炸裂する。少年の左の頬が赤くなっているのと、フリードと呼ばれた女性の右手が振り抜かれたように左側にある事からかなりキツいビンタを貰ったのだと伺える。

 

「あ~、まぁそうなんだけどねぇ? ハッキリ言うねぇオマエ。あぁ腹立つ」

 

パン、パン、と乾いた音は四度、五度と続く。申し訳ありません、とその音にも負けてしまうようなか細い謝罪に気を良くしたのか、フリードは一転して上機嫌そうに、しかしビンタは繰り返す。

 

「聞こえねーってぇの! ホラホラもっかい言ってみ!?」

 

「申し訳、ありません……っ、申し訳ありません」

 

「あははは!! 許してほしいってのぉ!? 許さねーよバァカちゃん!」

 

この人形は本当にいい。自分の言う事はいくらでも聞くし、一度教えた"蠱惑的な泣き方"も驚く程様になっている。

 

痛みのあまり少年は無意識に━━━これもフリードが教えた嗜虐心を燻らせる行為の一つなのだが━━━涙を流す。この表情を見る度にフリードは心の中で密かに絶頂を迎える程強烈な艶かしさを感じる。

 

初めは上司の命令で危険極まりない教会から態々盗み出しただけの、何をされても顔色一つ変えない退屈な人形だと思っていたが、ふとした弾みで覚えず、「無反応じゃつまらないから泣いてみろ」と呟き、それを忠実に実行したのが切欠だった。

 

その時は単に泣けとしか言わなかったから無表情なまま涙を流すという気味の悪い事になったが、そこからフリードの命令がエスカレートしていったのは間違いなく、彼女自身その瞬間を鮮明に覚えている。

 

「なんか言う事はないのかってぇ!」

 

「申し訳、ありません……ボクにできることなら、なんでもやります……だから、許してください……」

 

「っはは……なんだよなんだよ。もう()()()なんだなぁオマエ! 朝っぱらから欲情しやがってさ変態狐!」

 

「ご、めんなさ……っ!?」

 

二の句を言い切る前に少年の口を塞ぐ。舌を入れられ彼の顔は瞬く間に蕩けた物になるのでフリードは更に興奮を抑えられなくなっていく。

 

「っはぁ、……オマエがそんな目ェするからオレちゃんもその気になってきちゃったなぁ……うん決めた、戻る。いいな?」

 

「……はい」

 

若干息をつき、顔を上気させた少年はフリードに連れられて先程までの進行方向とは真逆━━━昨日少年とフリードが一夜を過ごした場所へと戻っていった。

 

これが最初のすれ違い。これから幾度となく交わり、離れていく少年と少女の物語の始まりである。

 

 

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