GOD EATER 〜神無き世界〜   作:死姫

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14話 武器を手にする理由 後編

 

 

「でかいなー、おい」

リンドウは肩に担いだ神機を振り下ろし、標的を見据える。

「隊長!今まで報告のあったクアドリガよりも、圧倒的に大きいですけど!」

「そうだなー、おそらくは・・・」

1度言葉を切り、己が相棒を構えた。

「喰ったな」

「えっ?」

アリサの疑問に答える前に、クアドリガは自分の体を光らせ始める。

「ちっ!アリサ!後ろに飛べ!」

「はっ!!!」

一瞬戸惑ったがアリサは指示通り後ろに飛び退く。その瞬間、

 

ドドーーーーーーーーーン!!!!

 

大きな音と共に、クアドリガの半径30メートルから火柱が立った。アリサはそれを見て驚きをかくせないでいる。そこに、同時に飛び退いたリンドウが降りてくる。

「図体がデカくなりゃ、攻撃も派手だなー。こーりゃ、くらいたくねぇな」

「ふざけてる場合ですか?さっき言ってた『喰った』って?」

「あぁ、あれな」

リンドウは悠長に煙草に火をつけてから、ひと吹きして話し出す。

「最初にヒバリから報告があった時、中型3体、小型が6体、だったか?その後にそいつらは消失している。つまりだ、あいつは出現と同時に自分の周りにいたヤツらを、まとめていただいたってことだ」

「そんな・・・」

「現にお前が知識として認識してるヤツとも、俺達が現場で遭遇してるヤツよりも、こいつぁ圧倒的にデカい。荒神の基本だな。喰って取り込み進化する。単純だがデカくなるのは悪くないな。シユウを取り込んだのに、飛べないのが救いだな。空飛ぶ戦車、いや、爆撃飛行船か?良かったなー、アリサ」

「どちらにしたって、あれが規格外なのは変わりないんですよね?どうするんですか?」

必死に抗議するアリサに1度目を向けてから、リンドウは煙草を投げ捨てた。

「・・・倒すさ」

「え?」

その言葉に目を見開いたアリサは、リンドウの顔がいつものおちゃらけた冗談ではないのを、瞬時に感じ取った。

「倒すって・・・」

「あいつが出現する前に、ユウとも連絡とっててな。今こっちにソーマとサクヤ、空木に藤木が合流の為に向かってるそうだ。いくら図体が大きかろうが、根幹はクアドリガ。何度もぶっ殺してる相手だ。人数稼げは、大した相手じゃ無いだろう」

「で、ですが!」

「アリサー」

二言目を遮り、リンドウはこちらにゆっくり向かってくるクアドリガを睨みつける。

「これだけは、忘れるな。俺達は、ゴッドイーターだ」

「あっ・・・」

「相手が神だろうが、喰らい尽くす。俺達の世界を守る為にな。わかるだろう?」

それを聞いた時に、頭が一気に冷静になったアリサは、自分の神機を銃形態へと変型させる。それを確認して、リンドウはニッと笑う。

「良い判断だな。バックアップは任せる。ギリギリの射程を保ちつつ、ぶっ放せ。あいつは範囲攻撃が多い。その形態じゃあ盾も出せんだろう?無理は絶対にするな。ヤバイ時には迷わず離脱しろ。これは、命令だ」

「了解!」

返事を確認して、リンドウはゆっくり前に歩き出す。指示は貰ったが、合図を聞いていないアリサは少し戸惑って呼び止める。

「隊長、待って下さい!突撃のタイミングは?」

それに対し、ゆっくり指を上に指した。

「えっ?」

「狼煙は、あいつが上げる」

そう笑ったリンドウの手の向こうに、空から落ちてくる人影。

(あれは、・・・・まさか⁉︎)

 

 

「おおおぉぉぉ!!!」

 

ザシュッ!!

 

オオオォォオォンッ!!!

 

 

クアドリガの背に、ユウが神機を突き刺した瞬間、

「いくぞ!!全て喰らい尽くせーーー!!!」

「っっ!!!!」

リンドウ、アリサは走り出した。

 

 

「ふっっ!!!」

突き刺した神機を体を軸にして引き抜き、ユウは即座にプレデターフォームに切り替え、上部のミサイルポッドに喰い千切ろうとした、が・・・

 

ガリュュウッ!!!

 

「くそっ!弾かれた!」

そのまま神機を銃形態に変更し、喰いつかせた当たりに乱射した。

(思った通り装甲が硬いな。もう少し削らないと・・)

そう思いながら撃ち込んでいたユウは、異変に気付く。クアドリガが熱を帯び、発光しだした。

「やばっ!!」

剣形態に切り替え盾を展開させ、吹っ飛ばされるのを覚悟で構えた時、

「そう何度も、やらせるかよ!」

リンドウがクアドリガの顔面前に飛んでいた。そのまま、

 

ガンッ!

 

グオオォォッ!!

 

神機で思い切り薙いだ。そのままクアドリガはバランスを崩し、攻撃は止んだ。

「かってー、全力だぞ、おい」

「リンドウさん!」

リンドウはクアドリガに着地し、腕をプラプラさせて文句を口にする。

「ユウ、捨て身の攻撃は感心しないぞ〜」

「すいません。ちょっと焦りすぎました」

「良いねー、たまには可愛気のあるところ見せてくれないと、お前が歳下だって忘れちまうな」

少し笑った後、ユウは再びプレデターフォームでミサイルポッドに喰いつかせた。

 

ガリュッ!!

 

しかし、またも弾かれてしまった。

「やっぱり硬いですね」

「あぁ、こりゃ地道に削るか」

「はい!!」

そう言葉を交わした後、二人は別方向へと飛び込んだ。

 

(・・・凄い)

アリサはバレットを打ち続けながら、リンドウとユウのデタラメな動きを見ていた。

最前線で歴戦を重ねてきたリンドウなら納得のいく強さなのだが、新型のユウは、半年前まで自分と同じ訓練生だったのだ。たった半年で、ここまでの強さ。アリサは「くっ」と唇を噛んだ。

(これが、第一部隊の実力)

そんな強さに嫉妬してか、アリサは急に撃つのをやめ、剣形態に切り替えた。

「アリサ?」

「ん?」

アリサの異変に、ユウとリンドウは距離を取り、手を止めた。

(私だって・・・、あのぐらい!!)

瞬間アリサは、クアドリガに走り込んでいた。

「はあぁぁぁ!!!」

「なっ!!馬鹿、よせ!!」

リンドウの静止の言葉を聞かず、アリサはクアドリガの正面から突っ込んだ。攻撃体制に入った瞬間、

 

ガコンッ!

 

(なっ!ミサイルがここからも!)

クアドリガの正面が開き、巨大なミサイルがアリサを待っていた。

踵を地面に食い込ませ、ブレーキをかけるが回避行動までは間に合わない。

(ダメ!当たる!!)

そう覚悟し盾を展開させて、後ろに踏ん張った時、

 

キィンッ!

 

ユウが目の前で、ミサイルを斬り裂いていた。そして、アリサを庇うように盾を展開した。その瞬間、

 

ドーーーンッ!!!

 

「くぅ!!」

「きゃあっ!!」

爆風に飛ばされ、ユウとアリサは廃ビルに向かって飛んでいく。

(このままじゃ!!)

自分と壁にアリサが挟まれてダメージが大きくなると判断したユウは、咄嗟に後手にアリサを掴んで自分の前に持ってきた。そしてそのまま壁に激突する。

「ぐはっ!!」

「っっう!!あ、どうして!!」

自分が庇われたのに気付いた時には、ユウは血を吐きながら倒れていた。

「ユウ!!アリサ!!無事か!!」

「私は大丈夫です!でもこの人が!!」

「この人は、ヒドイな。ケホッ!」

アリサの言葉に反応したユウに視線を戻したアリサは、ユウの状態を確かめる。

「肋骨、何本かいってるかな。あぁー、痛ったいなー」

「軽口はやめて下さい!こんな時に、ドン引きです!!」

「はは、怒られちゃった」

「あっ!い、・・いえ・・・、すいません」

少しシュンとしたアリサに、ユウは微笑みかけた。

「大丈夫。戦線に戻って。リンドウさんだけじゃキツイよ」

「でも、あなたが!!」

「ユウ」

「えっ?」

突然自分の名前を言ったのに、驚いたがすぐに気付いた。アリサはまだ、ユウの名前を1度も呼んでいなかったのだ。

「神薙ユウ。よろしくね、アリサ」

「こんな時に、こんなになってるのに、・・・本当・・、ドン引きです。・・・・・ユウ」

「うん」

やっと和解出来たのかと思った矢先に、クアドリガが集中放火を二人に放つ。

「っ!!野郎っ!!」

即座に体を反転し、救助に向かおうとするリンドウは、目を見開いて、足を止める。そのまま、ポケットから煙草を取り出し火をつけ、一服。

そして、

「おせぇぞ」と笑った。

 

 

チュドドドドドドーーーンッ!!!!

 

 

ミサイルを全て撃ち落としたのを視認し、ソーマは神機を担ぐ。振り返ってアリサを見て、そのまま視線を倒れてるユウに向ける。

「生きてるか?新型最強」

「待ってたよ。地上最強」

フッと口の端を上げ、ソーマはユウに手を伸ばす。

「まだ行けるか?」

「・・・当然!」

その手を掴み、ユウは立ち上がり、神機を拾う。

アリサはそんな二人にしばらくボーッと見入ってから、ハッと自分も立ち上がる。

その時初めてアリサは気付いた。

第一部隊が、集結してることに。

「ユウ!大丈夫?あんまり無理しないでよ!」

「ははっ、すいません」

「ユウさん、後は俺が前に出ます!バックアップに!」

「そうそう!俺達が来たからには、もう大丈夫っすよ!!」

「お前が1番の不安要素だがな」

ソーマの言葉に「えぇ!!」と叫ぶコウタを笑い、ユウは1度深呼吸をし、痛みをこらえながら息を長く吐きだす。

そして、

「隊長、命令を!」

と叫んだ。

リンドウもまた満足気に笑い、煙草を捨てる。振り返りクアドリガを睨みつけ、腹の底から叫ぶ。

「全員、突撃!!このデカ物を、喰い荒らせーー!!!」

《了解!!!》

その声に合わせ、全員が走り出す。

射程に入った瞬間、サクヤは凍結バレットに切り替えクアドリガの腹の射出口前を凍らせる。

「コウタ君!!」

「はい!!」

合図と同時にコウタは上部ミサイルポッドに向かって、貫通弾を放つ。さっきまで執拗にユウが攻め込んだかいあってか、ミサイルポッドは綺麗に撃ち抜かれ爆破する。

その気に乗じて、レンカが後ろ足に向かってプレデターフォームで喰いかかり、

「おおおぉぉぉ!!!」

グシャッ!!!

勢いよく千切りとった。

足を1本失った反動で転けそうになるその下を、アリサが勢い良く滑り込み、バレットを乱射して通過する。

そのまま倒れたクアドリガの眼前に、再度リンドウが飛び込んできた。

「今度は、どうだ!!」

思い切り振り下ろした神機は、クアドリガの頭を割り、体液が噴き出す。リンドウが降り立ち退いた後方には、ソーマが神機にオーラを溜めて構え、そのまま振り下ろす。

「くたばれぇーー!!」

バァーーンッ!!

その衝撃と共に、閉じられてた腹の射出口が開き、巨大なコアを晒す。そこに、凄いスピードでユウが飛び込み、プレデターフォームで巨大な口を展開する。そして、

 

ガブュッ!!!!

 

 

こうして、新生第一部隊の長い初任務は終わった。

 

 

 

 

 

 

 




長かったー。
一個の任務で、超長くなってしまいました!読んで下さった皆様、お疲れ様です!
まだまだ続くよ、ヨロシクです!
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