俺的ヒロインです!
「コア回収、終わったかー?」
「はい、終わりました!」
「こっちも問題ない」
「みんな、お疲れ様♪」
任務は問題無く終了し、コアの回収も終了したところだ。
荒神を形成するオラクル細胞は、『コア』と呼ばれる人間の心臓部、もしくは脳に値するモノを中心に多細胞が集結し、1つの生物として形をなしている。つまりコアの回収=心臓をえぐり出すという事だ。
「あー、第一部隊雨宮だー。コア回収完了、今から帰投する。今日も全員無事。以上!」
『了解しました。無事のお帰りお待ちしてます』
オペレーターの竹田ヒバリとの会話を終了し、リンドウが改めて皆に向かい合う。
「よし、じゃあー、帰るか!」
任務を行う際、現地への移動は様々だ。
近くであれば専用の大型バギーにて移動、遠方に赴く際にはヘリや輸送飛行船などで移動する。緊急時には走っていく事もしばしばあるとか・・・。
今回の任務はバギーでの移動、帰りもリンドウの運転に揺られ極東支部に凱旋である。
荷台に2人で乗る事になったユウは、ソーマに話しかけようか迷っていた。任務では中々の連携ができたと思うのだが、対面式で緊張のあまり余計な事を口走ってしまったので、少々ビクついているのだ。
「・・・おい」
「は、はい!」
突然話しかけられたので、挙動不審な反応をとってしまい、またもやしまったと顔色を伺う。
「ちっ。・・・一々構えなくても良い」
「はい!ソーマさん!」
「ソーマで良い。テメェにさん付けで呼ばれるとか、気持ち悪い」
「あ、・・・・・・はい〜」
こういう人なのだろうとわかってはいても、ユウは元々高圧的な態度に慣れていないので、つい縮こまってしまう。
「もう、ソーマ。話しかけるまでは褒められた行為なのに、どうして脅かすような態度に出るのよ」
「ふん」
見かねたサクヤが窘めにかかっても、ソーマは相変わらずその態度を改善する気はない意をしめし、サクヤに溜息をつかせる。そんなやり取りを見ていたリンドウが苦笑しながら口を開く。
「サクヤ、あれもソーマの1つの愛情表現と思えば可愛いもんさ。それに初対面でこんなに仲良しさんになれたのが初めてで、ソーマ自身も戸惑ってるんだろ?」
「なっ、リンドウ!テメェは・・!」
「照れるな照れるなー、ははっ。ほーら、思う存分友情を深めたまえ」
「ちっ!クソ!」
リンドウにからかわれ、しばらく黙るソーマ。ユウはまたどうしようかと、あたふたしている。そんな様子を横目で見ながらサクヤは、戦闘の時とのギャップについ吹き出してしまった。
沈黙続くなか、もうすぐ極東支部に着くという頃に、ソーマがユウに目を向けた。
「・・・おまえの、さっきの動き・・」
「えっ?あ、はい」
「・・・・良かったんじゃないか?」
「・・・・・・」
「へぇ〜」
「・・・・・・・うそ」
ソーマが発した意外な言葉に、三者とも物珍しげに目を向ける。
「・・せいぜい、死んでくれるな」
「は、・・はい!」
「・・・ふん」
そんな短い会話を、リンドウとサクヤは心の中で大笑いしつつ喜んだ。
「お疲れ様!」
報告を終え自由時間を貰ったユウは、初任務に出た高ぶりから神機保管庫に来ていた。すぐに休めとツバキには言われたものの、正直気持ちが高揚しすぎて、眠りが訪れなかったのだ。
そんな中、ゆっくり自分の神機を眺めていた所、神機開発及び管理担当主任の楠リッカが声をかけて来たのだ。
「どうも、お疲れ様です、リッカさん」
「リッカで良いよ、ユウ君。後、敬語もいらない」
「ん。それじゃあ、・・リッカ?」
「何で疑問系?」
少し控えめに笑ってから、リッカはユウからユウの眺めていた神機に目を移した。
「どう?神機の調子は?今日、初任務だったんでしょ?」
「はい。じゃなかった、うん。凄く調子良かったよ。・・・ただ・・」
「ん?何か引っかかることでも、あった?」
少し考えるように、指を顎に当ててから、ユウは顔を上げた。
「何か、少し軽いかなって。今日初めて荒神を斬りつけた時に、重さが足りないのか思ったより反動がキツかったかな?」
その答えに「へぇ〜」と、リッカは興味深げにユウを見た。
「そっか。最初に神機を持つ時、大抵のゴッドイーターは重すぎて振れないって言うんだけど、ユウ君は逆に軽い、かー」
「何か不味かった?」
「ううん。そんな事ないよ。了解!じゃあ、明日までに調整してみるから、確認次第教えてくれる?」
「うん、わかったよ!・・・リッカは、神機好きなんだね」
その質問に、リッカは当然と言わんばかりに笑顔になって喋り始める。
「そうなんだよねー!元々、機械いじったり、モノを作るのが好きだからさ、もうーこれって結構な天職だと思うんだよね!しかもさ、この世界を救う為に戦うゴッドイーターの命を守る=人々を護る神機を私が作ってるってのが、もう最高!しかもね、神機も多種にわたってるじゃない?あっ、そうそう!多種といえば、今本部の方で開発されてる新しい神機の話知ってる?実装まではまだまだらしいけど、それが出来れば、また新たな方向性が、」
「ちょ、ちょっと、リッカ?リッカ⁈」
「は、え?・・・あっ」
唐突に饒舌になったリッカに戸惑って話を止めたユウ。に対して、やっちまった感満載の顔で、リッカが2、3歩退く。
「ご、ごめんね!何か、私神機の事になると割とおかしいと言うか、いや、自覚はしてるんだけど、なんとも。あー、だからね、あー・・・・・・・ごめん」
肩を落として項垂れるリッカを見て、急に可笑しくなったのか、ユウは声を上げて笑い出した。
「ちょ、酷いよユウ君!そんなに、笑わなくても!」
「ごめんごめん。いや、ここに来てから色々気を張り詰めてたから、久しぶりに凄く笑っちゃった。ハハハッ」
「むぅ〜」
ユウの反応にむくれたリッカに、ユウはポンッと頭に手を置き、優しく撫でた。急な行動に、リッカはしばらくキョトンとしていたが、理解した瞬間顔を真っ赤にして飛び退いた。
「ちょ、な、なになになにー!?ユウ君、え?え?なにー!?」
「ごめんね。つい、ね。嫌だった?」
「べべ、別に、嫌じゃ・・ないけど」
「そう?良かった」
悪びれもしないユウの態度に、「セクハラだー!」といつものノリを出せなかったリッカは、目を泳がせてユウを直視出来なくなった。
少しの沈黙の間、神機を眺めていたユウは「うん」と頷きリッカに向き直った。
「それじゃあ、神機よろしくね!」
「え?あ、は・・・・はい。・・」
何事も無かった様に去っていくユウを、リッカは視界から外す事が出来ず、ユウが去ってから30分後に正気を取り戻したのであった。
私は、実はアリサが好きです。
でも、止ん事無き事情により、ヒロインはリッカ決定ー!
てか、段々1話の文章長くなってる。
すいません!頑張ります!