GOD EATER 〜神無き世界〜   作:死姫

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47話 炎舞う戦場 前編

 

 

棄てられた工場跡地。

討伐任務に来ていた第二部隊は、標的からコアを回収し終わり、帰投前の報告をしていた。

「こちらタツミ!ヒバリちゃん、任務完了したぜ。今から帰投するよ」

『了解しました。例の新種の事もありますので、気を付けて下さい』

「あっ!心配してくれてんの?嬉しいな〜」

『・・・無事の帰還を・・』

プツッ!

無理矢理切られた無線を見つめながら、溜息を吐くタツミ。そんな何時もの様子に、ブレンダンとカノンは苦笑しながら近寄る。

「相変わらずだな」

「うるせぇよ!」

「まぁまぁ、タツミさん落ち着いて」

「・・・・お前に言われたくありません」

変わらぬやり取りに、最終的に笑顔を交わし、タツミは神機を肩に担ぎ改めて周りを見回す。倒れた荒神の残骸も、コアを回収された為、身体が霧散し始めている。

やり残した事はないと確認を終えてから、タツミは二人へと振り返る。

「よし!そいじゃ、帰る・・」

 

ドォォンッ!!!

 

「・・・・・マジかよ〜」

嫌な予感に首を振り、音の方向へと目を向ける。そんなタツミに習い、ブレンダンとカノンもそちらへと視線を向ける。

「っ!!・・これって⁉︎」

「タツミ!」

「わかってるよ・・」

二人が身構える前へと足を進めながら、タツミは頭をかきながら神機を振り下ろし、それから中段へと構える。

第二部隊の視線の先には、極東支部で今もっとも危険視される相手がこちらを睨んでいる。

 

「・・・ハンニバル!」

 

グゥオォォォォ!!!

 

身体中に炎を纏いながら、その名を呼んだタツミに応える。

頬を伝う嫌な汗を感じながら、タツミは無線を本部へと繋ぐ。

「ヒバリちゃん・・・、聞こえてる?」

『タツミさん!新たなオラクル反応・・これは!」

「あぁ、目の前にいるよ。・・・・・援軍、頼む・・よ!!」

そう叫び、タツミはハンニバルへと走り出す。それに続き、ブレンダンとカノンも戦闘へと足を運ぶ。ハンニバルは、向かってくる敵へと大きく吠えた。

 

 

第二部隊がハンニバルと接触したと連絡が入って間もなく、ヒバリは緊急警報を鳴らす。

 

『緊急連絡!雨宮三佐!!至急、作戦司令室へとお願いします!』

 

「至急、作戦司令室へ・・・!」

「ヒバリ!出たのか⁉︎」

警報を聴いてか、ツバキが司令室へと飛び込んでくる。ツバキの言葉に深く頷き、ヒバリはスクリーンへとオラクルレーダーを呼び出す。そこには、第二部隊の面々のビーコン反応と、大型荒神のオラクル反応が映し出されていた。

「間違いないか⁉︎」

「はい!連絡してきたタツミさんの反応から察するに、間違いありません!援軍の要請も!三佐!」

「わかった!直ぐに極東内に残っている者を集めろ!それと、第一部隊に連絡をとれ!」

「わかりました!」

指示を終えると、ツバキは無線の回線を神機保管庫へと繋ぐ。暫くのコールの後に、リッカが出る。

『はい、保管庫です!』

「リッカか⁉︎そこにユウはいるな⁉︎」

『えっ?は、はい。代わりますか?』

「頼む!・・いや、待て!先に聞くが、ユウの神機の修理は終わってるな?」

『えぇ、直ってます』

「上出来だ!代わってくれ!」

少しだけホッと胸を撫で下ろし、ツバキはユウの声を待った。

 

リッカに送受信機を渡されてから、ユウは回線の向こうのツバキへと話しかける。

「はい、こちらユウです。ツバキさんどうしました?」

『ユウ!ハンニバルだ!第二部隊が接触し交戦中!神機が直って早々悪いが、いけるな?』

ツバキの言葉に身体中に鳥肌が駆け巡るのを感じ、そして空いた手で拳を握り、ユウは強い眼差しで答える。

「行きます!場所は?」

『廃工場跡地だ!後で第一部隊を応援に向かわせる!頼んだぞ!』

「了解!!」

無線を切ってから、ユウはリッカへと顔を向ける。それに応えるよう頷きながら、リッカは作業台に置かれていた神機を指差す。そこに置かれた神機は、今迄のオレンジ色の刃に、黒いラインが走っている。持ち手を握り、腕輪とリンクさせると、オレンジ色の部分が濃く変色し緋色となる。

「・・・これは・・」

ユウがそれを驚き眺めていると、リッカが横から説明しだす。

「今迄よりも神機との適合率を引き上げたんだよ。レンカ君の時と似た感じで、ユウ君の偏食因子の適合率に耐えれてなかったみたいだからさ。・・・後、ユウ君は癖みたいに偏食因子を取り込むから、その力にも耐えられる様にしなきゃだしね」

「・・・何だか、面目ない」

苦笑しながら頭を下げるユウに、大きく息を吐き、リッカは真面目な顔をして想いを伝える。

「今度は・・・負けないでね!」

その言葉に笑顔を向けてから、ユウは神機を肩に担ぐ。

「了解!」

 

 

ユウが極東を発った頃、第一部隊として出ていたサクヤ、レンカ、アリサ、コウタの四人は、廃工場跡地まで車を飛ばして向かっていた。

「ユウよりも先に現場に着きそうね。いい、みんな!無理は禁物よ⁉︎今回に限っては例外だから、動けるゴッドイーターは全員来るわ。確実に叩くためにね!だから、個人プレーは出来るだけ避けなさい!いいわね⁉︎」

《了解!!》

返事を確認したサクヤは、再び運転に集中する。廃工場ももう目に見える距離。後はタツミ達、第二部隊と合流するだけだと思ったっ時、

「サクヤさん!!上!!」

「えっ?・・・っ!!」

何処からかタツミの声が聞こえたかと思い、言われた通り上を見上げた時には、大きな影が降って来ていた。

「こっ・・のぉ!!」

サクヤがアクセルをふかせねがら、ギアをトップからオーバートップへと切り替え直進する。そこへ、

 

ドオォンッ!!

ゴオォォォォッ!!!

 

標的であるハンニバルが降り立ち、ワンテンポ遅れて第二部隊が着地する。

バックミラーで確認してから、ハンドルを切りつつギアを3rdへと落としブレーキをかける。車が横滑りに止まったと同時に、荷台に乗っていたレンカとコウタは神機を持って飛び降りる。サクヤとアリサも、座席を降りてから手早く神機を固定台から取り外し、標的へと駆け出す。

「タツミ!大丈夫⁉︎」

「そっちも無事ですか⁉︎」

「あなたの、お陰でね!!」

第二部隊と合流したところで、サクヤ達も武器を構えて、ハンニバルを睨む。

「タツミ。指揮権を貰うわね」

「どうぞどうぞ。さぁどうしますか?第一部隊隊長殿♪」

タツミがからかう様に笑うと、サクヤも笑みを浮かべながら言葉を返し、皆へと指示を伝える。

「茶化さないの。じゃあ行くわよ!第1波はタツミとレンカ!相手の気を逸らしながら、隙を見つけて切り抜いて!第2波にアリサとブレンダン!気を削がれてるところを攻撃!前衛はこれを波状に繰り返して!コウタとカレンちゃんは私とバックアップ!カノンちゃんは・・・取り敢えず落ち着いてね!みんな、わかった⁉︎」

《了解!!》

「・・・・・」

皆が役割を理解し返事を返す中、一人レンカは相手に向かって構えたまま、黙って俯いている。気にかかったタツミが、ハンニバルに警戒しつつレンカの隣へと立ち、肩へと手を置く。

「おい、レンカ?どうしたんだよ?」

「・・・・・っ・・」

何か呟いた気がしてか、タツミは肩を揺すりながら、再び声をかける。

「おい、レンカ⁉︎」

「・・・・こいつは・・・俺が!!」

その言葉に首を傾げたタツミを振り払い、レンカは猛烈なスピードでハンニバルの前に移動し、振り上げた刃を手に叫ぶ。

「おおぉぉぉっ!!」

ザシュッ!

ギャッ!!

鼻先を斬り裂かれた痛みに声を上げ、ハンニバルは顔を手で覆い後づ去る。

「おいおいおいおい・・・。レンカも強くなったなぁ、おい」

「確かにな」

関心するタツミとブレンダンの言葉に流されてか、レンカは更なる追い打ちをかけて、攻め込んで行く。

「はあぁぁっ!はぁっ!!」

ザシュッ!ズシュゥッ!!

グガッ!ググガガァァッ!!

レンカの刃が1つ、2つと敵を斬り刻む。徐々に追い込まれて行ったハンニバルは、頭を抱えて踞る。

「これ、レンカ一人で行けるんじゃね?」

「タツミ!ブレンダン!アリサ!捕食は全員で行いなさい!コアは1つじゃないのよ?」

「そうですね!タツミさん!ブレンダンさん!」

「わかった!行こう!・・・ん?」

走り出そうとした足を止めたブレンダンが、ある一点を見て目を見開く。その方向に嫌な予感が働いたアリサも、視線をゆっくり動かす。

「・・・・・・レン、カ?」

「・・・・ぐぅ・・・ぅぅぐぐっ・・!」

さっきまで優勢に戦っていたレンカが、目の前のハンニバル同様、膝をついている。そんな彼の服の隙間から見える肌という肌が、オラクル細胞暴走時の痣に侵されていた。

「これ・・・どういう・・ことだよ。レンカ!お前体が!」

タツミの叫びと同時に、

 

バリリッ!ブシャァッ!!

「んぅ・・・・っ!!ぐ・・があぁぁぁぉあぁっ!!!」

 

レンカの肩口から、黒く歪な突起が飛び出し、レンカはその苦痛に叫びをあげて転がり回った。

そして、その姿を最も恐れていたアリサは、顔を歪ませて、手の中の神機を落とす。

「いやぁぁぁぁっ!!レンカーー!!」

「くそぉ!!こんな時に!!」

駆け寄るアリサに続いて、コウタも陣形を崩し走り出す。しかし、十分に休めたハンニバルが、その身体をゆっくりと起こし、右腕に炎の刃を形成し中腰に構える。

「コウタ!止まりなさい!アリサ!くっ・・!このっ!!」

聞く耳を持たないアリサとコウタに見切りを付け、サクヤは凍結バレットに切り替え、ハンニバルの顔面に射つ。

 

バキィィン!!

 

それを左手の甲羅で受けてから、ハンニバルは大きく上へと飛び上がる。構えた右腕を後ろへ引き、標的に捉えたレンカへと飛び込む。

その光景に、"あの雨の日"の出来事が蘇る。思わず手を伸ばし、叫びそうになった時、

 

ドォォォーーンッ!!!

 

炎の刃がレンカ達へ届く前に、ハンニバルはその体を後方へと吹き飛ばされていた。

転がってもがくハンニバルを睨みながら、「ちっ」と舌打ちをして、吹き飛ばした当人がレンカ達の前に立つ。

「・・・生きてるな。退がれ」

「・・・・・ソー・・マ、さん」

苦しみに耐えながら、絞り出すように声を出すレンカと、彼を庇うように抱いているアリサ。そんな二人から視線を正面へと直し、ソーマはハンニバルへと刃を突きさす。

「俺の仲間が世話になったな。・・・こっからは、俺が相手をしてやる。・・・・・・いくぞ」

言葉に合わせて前へと走り出す。そして、踏み込みに合わせて飛び込み、純白の神機を振り下ろす。

 

 




今回は早めに!

なまえの『ハンニバル』という荒神の名前の由来を勝手に考えたんですが、実際はどうなんでしょうね?
やっぱり第二次ポエミ戦争起こした、ハンニバル・バルカからなんでしょうか?
でもこれだと、どこらへんにこじ付けを?ってなるし・・・。



まぁ、良いか。
きっと、ハンニバル・レクターですよ!(笑)
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