GOD EATER 〜神無き世界〜   作:死姫

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6話 彼想いて、夜に咲く花

 

 

「どうかね、新型の調子は?」

支部長室には、ツバキ、榊博士、そしてシックザール支部長が集まっている。

「はい、神薙ユウは目覚ましい成長を遂げています。ハッキリいって、単純な戦闘能力でいえばリンドウ、ソーマに全く引けを取らず、下手をすれば、」

「ふむ、凌駕していると?」

「・・・はい」

「そうか。非常に喜ばしいね」

そう言いながら、支部長はソファーに背をもたれる。初の新型ゴッドイーターとして、多少強引な手段で手に入れたのが功をきす。彼に取ってこれ程都合の良いことはない。そんな様子を見ていた榊博士が、軽く咳をし口を開く。

「彼はかなり特殊なのだろうね。彼のオラクルの適合率はソーマ君と同等だよ。そして、ソーマ君同様、安定している。ある意味、共存していると言った方が良いのかな?」

「素晴らしいじゃないか、ペイラー。君も良い観察対象が出来て、さぞかし満足ではないのかい?」

少し皮肉掛かった言葉にも、特に心乱さず、榊博士は続けた。

「そうだね。彼は非常に興味深いよ。だから、無茶して簡単に壊してくれないでおくれよ、ヨハン」

「ふっ、肝に命じておこう」

そんな二人のやり取りに、ツバキは不快感を覚えていた。

彼女にとっては、どんな存在であろうとも大切な部下であり、こんな物扱いされることに苛立ちが収まりきらなくなる。でも、ここで反発しても、自分の立場を悪くし、結果的には死地に赴く部下達を最大限守る事が出来なくなるだけ。

自分の気持ちを抑えつけ、今はただ冷静にと、歯を食い縛ることしかできないのだった。

 

 

「ユウ」

「あ、サクヤさん」

訓練所での汗を流し、一人ジュースを飲んでいたユウにサクヤが声をかけてきた。

「どう?少しはここの生活にはなれた?」

「はい。皆良くしてくれますんで、なんとか」

「そう。良かった」

自販機でジュースを買ってから、サクヤはユウの隣に腰を下ろす。プルタブ開けて半分くらい一気に流し込み、フーと息をつく。

「サクヤさん、疲れてます?」

「え?・・・そうかしら。そう、見える?」

少し気になったのか、頬に手を当て軽く熱を計るそぶりを見せる。

「んー、なんていうか、最近第一部隊は出ずっぱりだから。サクヤさん、女性だし、疲れてるかな〜って」

「あら、それって男女差別?」

「いえ、そんなんじゃ!」

「ふふ、冗談よ」

少しユウをからかってから缶を口につけ一口、それから足下を眺めながらゆっくりと喋りだす。

「実はね、最近リンドウが一人での任務増えて来てるでしょ?ちょっと、気にかかっちゃって」

「あ、あーー、確かに。リンドウさんたまにふらっと一人で行っちゃいますよね」

「そうなの。私は、リンドウを守る為にゴッドイーターになったところあるから、離れると不安になるのよね」

「・・・なんか、大人な感じですね」

少し赤くなったユウに、微笑みかけ、そのまま話を続けた。

「別に隠してないからね、私とリンドウの事。でも、これってやっぱり、リンドウにとっては重いかしら」

話していて少しばかりネガティヴになったのか、サクヤが目を細めて寂しげになったのを見て、ユウは笑顔で立ち上がった。

「大丈夫ですよ!きっと、リンドウさんもわかってくれてますよ、サクヤさんのこと」

「ユウ」

「今は任務の関係上すれ違ってますけど、きっと落ち着いたら悩んでた事がバカバカしくなる。そんな感じになりますよ!」

そんなユウの笑顔につられてか、自然と頬が綻んでゆくのを感じ、サクヤも声を明るくする。

「そうね、そうよね!もう、何悩んでんだか。ありがとう、ユウ!なんかお姉さん、元気貰っちゃったな!」

「良かったです」

二人で笑い合い、空き缶をゴミ箱に押し込む。サクヤも晴々とした表情で、大きく背伸びをしユウに向き直る。

「ところでさ、ユウにはイイ人、いないの?」

「え?僕ですか?ここに来てまだ3ケ月程度ですよ?まだそんな・・」

特に動揺した様子が無いところから、その言葉が真実だとわかると、途端にサクヤは面白くなさそうに詰め寄る。

「えー、本当にいないのー?私、協力しちゃうけど?」

「そんなこと言われても・・、参ったなぁ」

「もしかして、ソーマ?最近1番の急接近!ソーマ!・・・美男と美男。BL・・・・・・、ありだわ!」

「それ、ここだけの冗談にして下さいね」

ふふふっと、不敵な笑いを浮かべるサクヤと割とマジで困ってるユウは、そのままエントランスにエレベーターで降りた。

 

 

 

 

 

 

 




ちょっとした日常です!
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