GOD EATER 〜神無き世界〜   作:死姫

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63話 神無き世界

 

 

翌日、神機保管庫にやってきたユウは、修理工房で作業するリッカの元へとやって来る。

作業に集中してると思って、ユウは少しの間待つことにした。

オイルや金属の匂いが充満するその場所は、どこかカンパニーを思い出させ、待つという時間を忘れさせる、魔法のような感じがした。

 

「・・・・ふぅ」

一段落ついたのか、リッカの声を聴いてから、ユウは立ち上がり近付いていく。

「リッカ」

「ふぇ!?あ、え?ユウ君!?」

「うん」

笑顔で後ろに詰められたリッカは、ユウに会えたことを喜ぶ半面、昨日思ったことが引っ掛かり少し複雑な表情をしてしまう。

そんな様子に気付いてか、ユウは優しくリッカの頭を撫でてから、少し目を伏せてから口を開く。

「リッカ・・・、聞いて欲しいことがるんだ」

「え・・・・。うん」

まさか付き合ってから1年も経たないうちに、別れ話かとビクつくリッカに、ユウは真っ直ぐその目を見て伝える。

「僕ね、しばらく極東を離れることになる」

「へ・・・・、えぇ!?なんで?聞いてない!」

「そりゃ、正確な辞令は降りてないし、君にも今話したから」

「そ、そうだけど!」

それを理由に別れ話かと、だんだんリッカは腹を立てだす。それに首をかしげながらも、ユウは話を続ける。

「どこかに転属って訳じゃないんだけど、結構な期間、リンドウさんとツバキさんとで、あちこち回るようになるんだ」

「そう。それで?」

「うん。それが全部片付いたら・・・、僕と結婚してくれないかな?」

「そう。それで?」

予想と違う答えに、今度はユウの方が戸惑ってしまう。

「それでって、返事を聞かせてくれない?」

「そう。それで?・・・・・・・なんの?」

「だから、結婚してくれないって」

「誰が?・・・・私が!?」

突然大声を上げるリッカに驚いて引いてしまうユウ。だが理解してもらえたのかと思って、ユウは続ける。

「まだまだ僕のことで話さなきゃいけないことあるけど・・・。多すぎるから、ゆっくり話していくよ。だからさ・・」

「する。待つ!ずっと待ってる!!」

「そう?」

「うん!ユウ君大好き!」

飛びついてきたリッカを受け止めてから、ユウは優しく抱きしめる。

目を閉じてみると、ミコが笑っているような気がして、少しだけ嬉しくなった。そんな中、胸の中のリッカが、ガバッと顔を上げてからユウを見てくる。

「じゃあ、さっそく聞かせて。昨日会いに行ったのは誰?」

「昨日?ユノとサツキ姉さんのこと?」

「また・・・、女!」

「え・・・、そりゃまぁ・・」

 

 

 

 

ザシュッ!!

最後の1体を沈黙させてから、ユウはコアを回収する。それから振り返ると、リンドウが近付いてくる。

「おうお~う。流石ユウ先輩だ。俺なんかじゃ、足元にも及ばない」

「リンドウさん。いい加減それ、やめません?」

「お前さんの反応が面白いうちは、続けようかな」

『出戻りだから』という理由に託けて、リンドウはユウのことを先輩付けで呼ぶ。当然面白いからだが・・。

そこへ溜息を吐きながら、ツバキが速足でやってくる。

「無駄口は良い。次の目的地に移動するぞ」

「了解!」

「了解です、姉上」

「リンドウ。貴様何度言ったらわかる。仕事中は、姉上と呼ぶな」

苦笑しながらツバキに対応しているリンドウ。それを横目に、ユウは笑いながら移動の準備をする。

そこへ、近くで見ていた少年が駈け寄ってくる。

歳は14,5だろうか・・・。

「あの・・・!」

「ん?どうしたの?」

ユウが優しく聞き返すと、少年はもじもじしながら話しかけてくる。

「僕も・・・、将来ゴッドイーターになって、その・・・。僕でもなれますか?」

質問に目を丸くしてから、ユウは優しく微笑んでから、頭を撫でる。

「僕の名前は、神薙ユウ」

「ぼ、僕は・・・、ヒロです!」

緊張した面持ちで名乗るヒロに、ユウは頷いてから伝える。

「なれるよ・・。君が、世界と戦う勇気があればね」

「あ・・・・・・、はい!」

嬉しそうに笑うヒロの頭を撫でていると、リンドウが呼びに来る。

「ユウ、時間だ」

「はい。・・・じゃあね、ヒロ。もし神機を握る時が来たら、大切なものを守るために使うんだよ」

「はい!!」

ヒロの手を振る姿を見送ってから、丁度ユノぐらいの歳かなと考えるユウ。少し嬉しそうなユウに、リンドウが声を掛ける。

「なぁ、ユウ。何か良いことでもあったか?」

その言葉に、ユウは空を見上げてから、返事を返す。

「はい・・・・。未来を託せる子に、出会いました」

 

走る車のラジオから、シオの好きだった歌が流れる。

世界中の痛む心を抱える人達へ。

『歌姫 葦原ユノ』からの贈り物・・・。

 

いつか誰にも訪れる さよならは泣かないで

美しく きっと 言おう・・・

 

祈る神無き世界で、人は・・・生き続ける。

 

 

 

 




ここまで読んで下さった皆様に、心より感謝します。
ありがとうございます!

これを書き出して約半年。入院したりなんだりで、中々先に進まぬ時がありましたが、ここに完結できたのは、呼んで下さる皆さんがいたからだと思います!


まぁ、結構良いペースで書けるようになったんで・・・・・、調子に乗って2も書くかな?
当初から言ってましたし!

また色々構想練ったりしますんで、時間が空くかもしれませんが、「読んでやろうか」と思って下さる方、お待ちください!神威ヒロの物語を、神無き世界を引き継いだ状態で、お送りしたいと思います!

長くなりましたが、GOD EATER~神無き世界~完結です!!

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