って訳で、買う買わないの間で揺れるママママインド
エクストラパックで壊獣も来たしで財布が薄くなる・・・
「―――――――――はぁぁぁ・・・・」
開幕早々、深い溜め息を吐く一人の少女
彼女の名は天海琉璃
腰のあたりまでの長さの金髪を先の方で軽く結っているのが特徴であり、顔立ちは凛々しい、または可愛らしいとも取れる美少女と言っても過言ではないだろう
「どうかしたの? さっきから、なんか元気ないけど・・・?」
そんな彼女の顔を心配そうにのぞき込む少年、高槻真(シン)
ピンと一本立ってぴょこぴょこと揺れているアホ毛がチャームポイントである
「べ、別に何でもないわよ。 ちょっと眠いだけ・・・」
そう言ってプイッと顔を逸らすルリ
ルリとシン、彼ら二人は世間一般では幼馴染といわれる間柄であり、小中高と、こうして二人肩を並べて登校するのがいつもの光景である
また、彼らは南部統夜等、主人公組と同じクラスである
―――というか、彼らについては一話の時点で少し登場しているので其方もチェックしていただけるとありがたい
話を戻そう
ルリの素っ気ない返事を聞いても、シンの表情からは微妙に心配の色は消えない
「・・・そっか、でも無理しちゃダメだよ? ルリちゃん、昔から一つの事に集中し始めると止まらないから・・・」
「そんなの、シンには関係無いでしょ」
「関係無いわけないよ、大事な幼馴染なんだから」
「幼馴染、ねぇ・・・」
その単語に、ルリは一層不機嫌そうに顔をしかめる
不機嫌になる理由など絶対に知らないであろう幼馴染を尻目に、またも深い溜め息を漏らす
ふと、昨晩の出来事がルリの頭を過る
~~~~~~~
《―――――はぁっ!? まだ何の進展も無しぃっ!!??》
「ちょ、水穂、声大きいわよ・・・・」
電話越しでありながらもとても響く、親友――高倉 水穂――の声に耳を抑える
《大声出したくもなるわよ。 せっかくまた色々と作戦考えたってのに・・・》
「それは悪いと思ってるけど・・・」
《シンとの関係、今のままで良いの?》
「・・・よくない」
シュン、とベッドの上で膝を抱えるルリ
彼女、天海琉璃は幼馴染のシンに想いを寄せていた。 LikeではなくLoveの方で
そりゃあもう周りから見れば一部の鈍感を除いて、すぐに分かるほどのベタ惚れである
それがいつからだったかなんて覚えてはいない。ただ、いつも隣で笑ってくれる幼馴染の存在は、気付いた時には彼女の中で、かけがえのない、とても大切なものになっていたのだ
ただ、彼女は困っていた。 めちゃくちゃに困っていた、自分のライフは100で手札も場も墓地も0なのに相手の場にはナチュビナチュパ+魔法・罠がガン伏せ+墓地にはネクガスキプリ電磁タートルという状態ぐらい困っていた
だからこそ親友兼恋愛アドバイザー(自称)の水穂に相談したのだが・・・
《―――な~にやってんだかねぇ・・・ツンデレルリルリは》
「誰がツンデレよ! それとルリルリって言うな!」
そう、彼女は“好意を持った人物に対し、デレッとした態度を取らないように自らを律し、ツンとした態度で天邪鬼として接する”性格、要するにツンデレなのだ
それも重度の、テンプレ的な、今となっては中々お目にかかれないような、パラレルレアな
《あたしは別に“お前が好きだぁぁあ!お前が欲しいぃぃぃ!”みたいな、情熱的な告白をしろ、って言ってるわけじゃ無いのよ?》
「どこのキング・オブ・ハートよ・・・・」
《“あたしは、ツンツンすることしかできない、不器用な女だ”とか言っちゃう? キンゲかエウレカのでもいいわよ?》
「なんで三大恥ずかしい告白シリーズが出てくんのよ・・・・」
《まあ、要するに、あたしが言いたいのは、ルリはもうちょっと分かりやすく自分の気持ちを表せってこと!》
「そんなこと言われても・・・・」
《ま、それができるなら苦労しないってのは分かってるけどさ・・・もうあたしらも二年生なんだし、そろそろ勇気出してぶつかって行った方がいいんじゃない? 別にシンだってルリルリの事嫌ってるわけじゃないし》
「そ、そうかなぁ・・・だって、あたしシンの事すぐに殴るし蹴るし踏んづけるし本投げつけるし・・・」
《(分かってんなら止めればいいのに)・・・それでシンが怒ったことは?》
「ない、けど・・・・たぶんあたしに気を使ってるからで・・・・シンはいつも優しくてカッコいいし、他人に気使いだってできるし、この間だって――――」
《・・・・(なんで、こいつの惚気話を聞かねばならんのだ)》
もじもじと恥ずかしそうに話しているルリの姿が見えたかのように、電話越しに水穂のため息が聞こえた
~~~~~~~~~~
あの後も、水穂にたっぷりと相談(と言う名の惚気話)をしていた
最後の方は水穂も適当に相槌を打つだけだったが
「(分かりやすく・・・・か・・・・)」
水穂に言われたことを思い出し、チラリとシンの様子を伺う
確かに水穂の言う事も一理ある
自分から動かなければ状況に変化など起りはしないのだ
とりあえずは何か共通の話題でも出して話そう、まずはそこからだ
と、自分に言い聞かせ、意を決して――――
「――――し、シン・・・!!!」
「どうかしたの?」
「そ、その・・・・今日はいい天気ね!」
「・・・・曇ってるよ?」
――――見事に自爆した
人間、度を過ぎた緊張をしている時などは案外変な事を口走ってしまうものである
「ち、違うの!今のは、その・・・・!」
「本当に大丈夫? やっぱりどこか悪いんじゃ・・・?」
「だから大丈夫だって言って――――」
「ちょっとゴメンね」
シンはそう言うと、徐に自分の右手をルリの額に押し当て、左手を自分の額に押し当てだした
あまりにも突然の行動にルリの頬が赤く染まる
「ひゃっ・・・! し、しん・・・なな何して・・・」
「う~ん・・・少しだけ熱っぽいかなぁ。 顔も赤いみたいだし、今日は―――」
「だ、誰のせいだと、思ってんのよぉぉぉっ!!!!!」
「ぐふっ!!!」
その赤くなっている顔を隠すため、そして恥ずかしさを紛らわすために放った渾身の拳がシンの鳩尾に突き刺さる
「ふんっ!!! シンのバカっ!!!!!!」
結果として、シンはその場に蹲り、ルリはすたすたと歩いて行ってしまった
「―――――お、そこで倒れてんのは、我がクラスメートのシンではないか」
「と、統夜くん・・・」
「おはよーさん」
倒れ伏し、ピクピクと痙攣しているシンの隣に統夜が並ぶように立つ
統夜は大体の状況を理解したように頷くと、シンに手を貸し立ち上がらせる
「―――で、今回は何だ? なんだか体調が悪そうなルリルリを心配してたら、よく分からない内に理不尽な渾身の拳を鳩尾に貰ったのか?」
「すごく具体的な予想だね、説明不要だよ」
「今日も今日とて、ルリルリの愛情表現は激しいですなぁ」
「愛情・・・? どういう事? ボク殴られただけなんだけど・・・」
「いや、ルリルリのアレはどう考えてもただの照れ隠――ぶへらぁっ!!!!!」
突然、何処からともなく・・・ではなく真正面から飛んできた分厚いハードカバーが統夜の顔面にぶち当たる
先に行ったはずのルリが怒りの形相で統夜を睨みつけていた
「な、なにが愛情表現よっ!!!!! ばばばバッカじゃないの!!!??」
「いってぇ・・・そんなに照れんなよルリルリ」
「うっさい!このヘタレバカメガネ!!! ほら、シンもこんな奴放っといてさっさと行くわよ!!!!」
ルリはそう言い残して、シンの腕を引いて再び歩いて行った
その顔は統夜に言われた内容が図星だった為か、先程に増して一層赤く染まっていた
―――――
――――――――――
―――――――――――――――
時は飛んで昼休み
「うぅ・・・重い・・・」
彼方此方から生徒の声が飛び交う中、彩音は大量の紙の束を抱えて廊下を歩く
次の授業で使う資料を運ぶように先生に頼まれたのだ
最初は自分一人でも大丈夫だと思っていたが、予想外の量と重さに苦労させられる
こんな事なら意地を張らずに水穂に手伝ってもらえばよかった、と後悔する
誰か知り合いでも通りかからないか、と考えたが生憎転校したてで知り合いも少ないという事実を思い出し、ちょっとへこむ
仕方ないからどうにか一人で頑張ろうと思っていると、不意に腕にかかる負担が軽くなるのを感じた
ふと隣を見ると、なんとも人の良さそうな少年が、自分が持っていた資料の半分程を持ち上げたのだと理解できた
「大変そうだね、手伝うよ」
「あ、ありがとう。え~っと、高槻くんだよね?同じクラスの」
うろ覚えの記憶をどうにか手繰り寄せながら言うと、彼は「シンでいいよ」と軽く笑いながら答えた
そう言えば、統夜とよく話していた男子だ
「ゴメンね、私の仕事なのに手伝ってもらって・・・」
「そんな気にしなくてもいいよ。
それに、重い荷物抱えてる女の子を放っておけないしね」
申し訳ないと謝る彩音だったが、シンの混じり気の無い笑顔にホッと安心する
―――――
――――――――――
―――――――――――――――
「――――って、事があったんだ」
「ふぅん・・・・」
これまた時はぶっ飛んで放課後
ニコニコと楽しそうに話している彩音とは対照的に、面白くなさそうに眉根を寄せて相槌を打つ統夜
「シンってうちのクラスのアホ毛で男の娘的な見た目のあのシンよね?」
「なんでそんなに説明的なのか気になるけど・・・そのシンくんだと思うよ」
あはは・・・と苦笑しながら肯定する彩音
「でも、あの時は本当に助かったよ。シンくんって、優しい人なんだね~
――――私、ああいう人好きだなぁ」
何気なく呟く彩音
その言葉に統夜のくわえていたシュークリームがべちゃっと音を立てて落ちる
「ちょっと、シュークリーム落ちたわよ」
「・・・・・・」
「おーい、統夜ー?」
落ちたシュークリームに構うことなく固まってしまっている統夜の前で水穂が手をひらひらと振ってみせるがやはり反応が無い
その目からはハイライトが消えている
「統夜くんどうかしたの?」
「あ~・・・気にしなくてもいいわよ。 それより何か用事があるって言ってなかった?」
「あ、そうだった! 職員室に来るように呼ばれてたんだ。 ちょっと行ってくるね」
そう言い残して、忙しなく部室から去っていく彩音
一方の水穂は未だに固まって白くなっている統夜を見て、はぁっと溜息をつく
「統夜~」
「・・・」
「統夜く~ん」
「・・・」
「ゴホン・・・この手ーを放ーすもーんかー♪」
「真っ赤なぁ誓いいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!―――――はっ!?オレは一体何を・・・?」
水穂の歌に合わせて統夜が叫び、どうにか復活する
だが、先程の彩音の発言を思い出してなのか、その表情にはすぐに影が差す
「そんな気を落とさなくても大丈夫よ。どう考えてもアレは、助けてくれた優しいクラスメートに対してのLikeの方の好意で・・・・」
「でも・・・・漫画とかだと、そっからラブコメに発展してく事もあるだろ・・?」
「ま、まあ・・・無くは無いかもだけど・・・」
「それに相手は、あの一級フラグ建築士のシンだぞ・・・勝てるわけねぇよ・・・」
急に全身から真黒なオーラを放出し始めたかと思うと、ぶつぶつごちゃごちゃと呟き始めた
完全にネガティブモード突入である
「冷静に考えてみれば、最初から彩音に振り向いてもらうなんて無理だったのかもな・・・・オレは水穂みたいに馬鹿力持ってるわけじゃないし、ぶちょーみたいに愛されキャラって訳でもないし・・・誇れるところなんて妹達への愛の大きさくらいしかないし・・・」
「・・・・・・・」
「どうせ、彩音だってこんなダメダメ男といるより――――」
「この馬鹿野郎っ!!!!!!」
「そげぶっ!!??」
統夜の放つ真っ黒いオーラをぶち破り、水穂の拳が左頬を捉える
あまり力を入れた拳でもなかったが、統夜を黙らせるには十分であった
「何しやがる水穂!!!」
「アンタガソンナヨワキデドウスンノヨー、ジブンノコトヲアーダコーダイッテルヒマガアルナラドウヤッテフリムイテモラウカカンガエロ、バーカ」
「読みにくっ!? すっげぇ棒読みじゃねぇか! そこは熱く激しく語り合うところだろうが! どんだけやる気ない激励なんだよ! そんなんじゃ気力が上がるどころか下がりまくるわ! 脱力するわ!!!」
「ごめん、殴ったらもう満足しちゃって」
「人をサンドバッグか何かだと思ってんじゃねえぞ!!!」
「あ、元気出たわね」
「ああ!!! おかげさまで悩む気なんてすっかり失せてしまいましたよ!!! 感謝感激だコノヤロー!!!」
「いやぁ、それほどでも」
「褒めてねぇよ!!!」
ここに来て統夜怒涛のツッコミ
息を整えていく中で、これも水穂なりの激励の仕方なのだろうかと一瞬だけ考えた統夜だったが、なんか負けた気がするので認めないでおく
「ま、さっきも言ったけど、気を落とさなくても大丈夫よ。 統夜は統夜らしく、ね」
ウィンクしながら統夜を指差す水穂
「ほんとフリーダムな女だよ、お前は・・・」
「悩んでるのが馬鹿馬鹿しくなってくるぜ~、って感じでしょ?」
「全くだ」
短く肯定すると、そのまま振り返り部室の扉を開く
「何々? 早速彩音にダイレクトアタックしに行っちゃう?」
「飲み物買ってくるだけだ・・・・・・ついでにお前の分も買ってきてやるよ」
「コーラで」
「ん、了解」
後ろ手で右手を振りながら部室を出て行く統夜
「あ、統夜、今はどうでもいいことなんだけど・・・」
「・・・・何だ?」
「正確には真っ赤な誓いの“っ”っていらないのよ?」
「ホントにどうでもいいな!!!」
―――――
――――――――――
―――――――――――――――
「(――――オレらしく、か・・・・)」
水穂に言われた言葉を思い出しながら廊下を歩く統夜
あんな風にふざけているように見えても、なんだかんだ言ってアドバイスをくれる水穂には感謝に堪えない
本人に言うと絶対に調子に乗るので胸の内に秘めるだけだが・・・
と、そこで統夜は前方で何やら怪しい姿勢をとっている人物を見つける
とは言ってもその人物が同じクラスの友人である、ルリだと気付くのには5秒もかからなかったが
「何してんだルリルリ・・・・?」
「しぃっ・・・・・・・・声がでかい・・!」
現在のルリの体制を言うとアレだ、尾行中の刑事とかが壁や電柱の陰から何かをのぞき込んでいる時のあの体制だ
具体的に言うと・・・[壁]_・)チラッ・・・・これだ
何があるのだろうかと、統夜も一緒になってのぞき込むと・・・
なんとも楽しそうに二人きりで話している、彩音とシンの姿がそこにあったのである
つい先ほどあんなことがあっただけに、その光景は統夜のメンタルにダメージを与えるには十分であった
「・・・おい」
「・・・何よ?」
「・・・あれはどーいうことだ?」
「・・・あたしが知りたいわよ」
よく見ればルリの額には青筋が浮いており、機嫌が悪いのが見て取れる
「まさか・・・、恐れていたことが現実に・・・?」
「・・・何があったのよ?」
統夜は、先程の部室でのやり取りをルリに説明する
するとルリの額の青筋の本数が三割増しになり、わなわなと震えている、統夜の目にはルリから黒いオーラが噴出しているようにも見えた
・・・・出来れば幻覚か何かであってほしいと思う
「―――あんっのバカ・・・・」
「・・・る、ルリさん? 怖いですよ・・・?」
「昔から、いっつもいっつも色んな女とフラグ立てて・・・アンタはギャルゲの主人公かーーーーー!!!!」
「ちょっ!? ルリルリ声デカい! 2人に見つか―――」
「二人とも、何してるの?」
「はい手遅れだったーーーー!」
ルリの口を抑えている統夜が振り返ると、そこには不思議そうな表情を浮かべている彩音とシンの姿
「統夜くん?」
「いや、これはだな・・・あれだ、二人が随分と仲良さげだったので、何かあったのかなぁ・・・なんて思ったり思わなかったり・・・」
「特に何もないよ? たださっきのお礼とか言ってただけで・・・・後は――――」
「ルリちゃん、どうかしたの? さっきから様子が・・・」
「・・・・・の・・・・バ・・・」
「・・・? ルリちゃ―――」
「シンのバカあああああ!!!!!!!」
「ぐはぁっ!!!!!!???」
涙目になっているルリが放った渾身の拳が鳩尾を捉え、シンを吹き飛ばした、目測にして2mくらいだろうか、一般的な女子高生の行う芸当とは思えない
あの細腕からどうしてあれ程の一撃が放てるのだろうか、と統夜は思う
「―――――決闘よ!!!」
「はい?」
ルリがズビシッ!と彩音を指さしながら高らかに叫んだ
指された彩音はというと、まるで意味が分からんぞ!と言わんばかりに首を傾げている
統夜なんかルリの突飛な行動+言動に妙にワタワタしている
「あたしとデュエルしなさい!! あ、あんたなんかに、シンの事は渡さないんだから!!!」
「え、えっと・・・どうしてそんな流れになるのでしょうか・・・?」
「落ち着けルリルリ! お前その発言は色々とマズいから! 主にお前の今後に関わってくるから!!つーか渡さないって言ってるくせに自分で気絶させてるから!!」
「うるさいうるさいうるさーい!!!!!」
統夜や彩音の言葉など少しも耳に入っていない
かなり強引な勢いでデュエルディスクを構えるルリ
「―――――よく分からないけど・・・・そのデュエル受けるよ!」
「えええっ!!?? なんでだ!? なんで今の流れで受けるんだよ!?」
「前に私のデュエルの先生が言ってたんだ、“売られたデュエルは例え借金してでも、後悔する事になってでもとりあえず買う物だ”って!」
「何教えてんだあの人は!!!」
暴走気味、決闘バカ、それぞれに対する激しいツッコミの嵐
その光景は傍から見れば完全に、何だコイツら?状態だろう
でも大丈夫、遊戯王的には多少強引でも何の問題も無い
「大ありだよ!!!」
遂にはナレーションにまでツッコミを入れてしまう統夜
そんな統夜をそっちのけで、彩音たちは互いにデュエルディスクを構える
「「決闘!」」
彩音(決闘したいだけ) LP4000
VS
ルリ(半錯乱中) LP4000
「カオスだ・・・・・」
―――――
――――――――――
―――――――――――――――
勢いに任せて始まったデュエル、先攻はルリ
「あたしのターン! 魔法発動“天空の宝札”!手札の“光神機-轟龍”を除外して、カードを2枚ドロー! そしてモンスターをセット、カードを1枚伏せてターンエンド!」
ルリ LP8000 手札3
モンスター 伏せ1
魔法・罠 伏せ1
「私のターン、ドロー!(天空の宝札に轟龍・・・・天使デッキみたいだね)」
ドローしたカードを手札に加え戦術を立てる
「私は手札の“ゴゴゴゴーレム”を墓地に送り、魔法カード“オノマト連携”を発動! デッキから“ガガガマジシャン”と“ドドドバスター”を手札に加えるよ!
そして、相手の場にのみモンスターがいるときドドドバスターはレベル4になって特殊召喚できる!さらにガガガマジシャンを召喚!」
ドドドバスター 攻1900
ガガガマジシャン 攻1500
「レベル4のモンスターが2体!」
「私はレベル4のガガガマジシャン、ドドドバスターでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」
☆4×☆4=★4
「“その鋭い刀で、どんなものでも一刀両断!”来て“ガガガザムライ”!!」
ガガガザムライ 攻1900
「統夜くんとの決闘でも出していたモンスター・・!」
「とりあえずは攻めに来たのか」
「ガガガザムライの効果発動!フィールドのガガガと名の付いたモンスター一体はこのターン2回攻撃ができる!
ガガガザムライでセットモンスターに攻撃!」
ガガガザムライが手に持つ刀でセットモンスターに斬りかかる、がその斬撃はあっけなく弾かれてしまう
「セットモンスターは“ジェルエンデュオ”!このカードは戦闘では破壊されない!」
ジェルエンデュオ 守0
「うぅ・・・・ガガガザムライが無駄になっちゃったか・・私はこれでターンエンドだよ」
彩音 LP8000 手札4
モンスター ガガガザムライ
魔法・罠 無し
「あたしのターン、ドロー!ジェルエンデュオをリリースして“The splendid VENUS”をアドバンス召喚!VENUSの効果で天使族以外のモンスターの攻守は500ポイントダウンするわよ!」
「えぇっ!?」
The splendid VENUS 攻2800
ガガガザムライ 攻1900→1400
「更に、罠発動“奇跡の光臨”!除外されている轟龍を特殊召喚する!」
光神機-轟龍 攻2900
「攻撃力2800と2900・・・・こっちはVENUSの効果で弱体化してるのに・・・」
「バトル!まずはVENUSでガガガザムライに攻撃!」
彩音LP8000→6600
「続けて轟龍でダイレクトアタック!」
「きゃあああっ!!!!」
彩音LP6600→3700
「あたしはこれでターンエンド!」
ルリ LP8000 手札3
モンスター The splendid VENUS 光神機-轟龍
魔法・罠 奇跡の光臨
「私のターン・・・・この手札じゃ・・・モンスターをセット、カードを一枚伏せてターンエンド」
彩音 LP3700 手札3
モンスター 伏せ1
魔法・罠 伏せ1
現在の手札ではルリのモンスターを倒すことはできない
彩音の表情に焦りの色が見える
「あたしのターン! 手札から“神秘の代行者アース”を召喚! 効果により、デッキから“奇跡の代行者ジュピター”を手札に加える!」
神秘の代行者アース 攻1000
「バトルよ! 轟龍でセットモンスターを攻撃!轟龍には貫通効果がある!」
「この瞬間、VENUSを対象に永続罠“デモンズチェーン”発動! これでVENUSは効果が無効になり、攻撃ができなくなる!」
「構うな! やっちゃいなさい、轟龍!!」
「せ、セットモンスターは“キラートマト”・・・・!くうぅっ!!!」
彩音LP3700→1900
「戦闘破壊されたとき、デッキから攻撃力1500以下の闇属性モンスターを攻撃表示で特殊召喚する! 来て“ガガガマジシャン”!」
ガガガマジシャン 攻1500
「なるほど、だからデモンズチェーンで攻撃力が高い轟龍ではなくVENUSを狙って、攻撃力減少効果も無効にしたのか。 これでアースによる追撃も受けない・・・」
「くっ・・・・あたしはこれでターンエンド」
ルリ LP8000 手札4
モンスター The splendid VENUS 光神機-轟龍 神秘の代行者アース
魔法・罠 奇跡の光臨
「―――――ふふふ」
「・・・何が可笑しいのよ、アンタ」
「あ、そんなんじゃなくってね・・・」
こんなライフに大差がついた状況だというのに小さく笑っていた彩音に、ルリが訝しげに眉をひそめる
彩音は苦笑しながら謝り、言葉を続ける
「強いんだね、ルリちゃん・・・・シンくんが言ってた通りだ」
「え・・・?」
「さっき話してる時にね、ルリちゃんの事たくさん教えてくれたよ。 ちょっと怒りっぽいんだけど、本当はすっごく優しい子だって」
「シンが、そんな事・・・」
「それで、私もそんなルリちゃんとお話ししてみたい、決闘してみたいって思ったの。 だから、今はルリちゃんと決闘できてすっごく楽しいよ!」
そう言って、一切の混じり気も感じられないような笑顔を見せる彩音
ルリはその笑顔につい数秒前まで湧き上がっていた、ささくれた感情がすぅーっと引いて行くのを感じた
今は気絶して目を回している幼馴染の姿を見ると、何とも申し訳なくなってくる
「行くよ!私のターン!」
そんなルリの思いもしらず、彩音は力強くカードを引く
「魔法カード“ドドドドロー”を発動!手札のドドドウォリアーを墓地に送ってデッキから二枚ドロー!
――――よし! 私は“ガガガガール”を召喚!」
ガガガガール 攻1000
「ガガガガールは場のガガガマジシャンとレベルを同じにすることができる!ガガガガールのレベルを4に変更!」
ガガガガール ☆3→☆4
「行くよルリちゃん! 私のエースモンスター、見せてあげる!」
「エースモンスター・・・?」
「私はレベル4のガガガガールとガガガマジシャンでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!」
☆4×☆4=★4
「“その白き翼に思いを託し、全てを守り抜く力を今ここに!”
エクシーズ召喚! 来て!“№39 希望皇ホープ”!!!」
№39希望皇ホープ 攻2500
彩音のフィールドに白き翼をもった戦士が現れる
「―――――ホープ・・・だと・・?――――――何で彩音が・・・!?」
その姿を見た統夜の表情に、驚愕の色が浮かび上がる
「(・・・・・・そう、か・・・“先生”とやらは彩音にホープを託したのか・・・)」
――――が、すぐに何かに納得したかのような小さな笑みを浮かべる
そして、意識を再度決闘の方に向ける
「ガガガガールはこのカードを含むガガガとついたモンスターのみを素材としてエクシーズ召喚した時、相手の特殊召喚されたモンスター一体の攻撃力を0にする!対象は轟龍! “ゼロゼロコール”!!」
光神機-轟龍 攻2900→0
「轟龍が・・・・」
「バトル!希望皇ホープで光神機-轟龍に攻撃!“ホープ剣・スラッシュ”!!」
「きゃあああっ!!!」
ルリLP8000→5500
「私はカードを2枚伏せてターンエンドだよ!」
彩音 LP1900 手札1
モンスター №39希望皇ホープ
魔法・罠 伏せ2 デモンズチェーン
「(どうしよ・・・・)」
彩音がターンを終え、自分のターンとなったルリだったがその表情は優れない
シンが彩音と楽しそうに話してるのが気に入らなくて、無理矢理に始めたデュエル
冷静になった頭で考えてみると、あまりにも自分勝手だったような気がする
こんな精神状態で、まともに決闘なんてできるのだろうか
いっその事、このままサレンダーでもして、さっさと謝った方がいいのではないか、といった考えが頭を過る
「――――ルリ!」
だが、そんな思考は横から掛けられた声に掻き消されることになった
「・・・・シン・・・?」
「何暗い顔してるんだよ! 今からルリのターンだろ! ――――何考えてんのかボクにはさっぱり分かんないけど、今はとにかく目の前の決闘を楽しもう!
ボクは、ルリのカッコいい決闘が好きなんだから!」
「っ・・・・・!」
誰のせいで悩んでると思ってるんだ、と言いかけた言葉を飲み込む
真っ直ぐに自分の事を見据えて語りかけてくる幼馴染の姿に、迷いが綺麗に吹き飛ばされた気がした
そうだ、少なくとも目の前の相手は自分との決闘を楽しいと言ってくれた
なら、とにかく今は全力でそれに応えよう
「頑張れ、ルリ!」
「―――――うん!」
「見せつけてくれるじゃねぇか・・・・」
2人の姿を見て、統夜はつまらなそうにそう呟いた
「あたしのターン・・・・ドロー! あたしはVENUSをリリースして“アドバンスドロー”を発動! デッキからから二枚ドロー!」
デモンズチェーンにより、効果、攻撃をともに封じられているVENUSを生け贄に新たに手札を増強するルリ
「今度はこっちの番よ! あたしの相棒を見せてあげる!」
「ルリちゃんの、相棒・・・?」
「あたしは速攻魔法“クリボーを呼ぶ笛”を発動! デッキから“ハネクリボー”を特殊召喚!」
ハネクリボー 守200
笛の音色に導かれ現れたのは、毛むくじゃらの体に天使っぽい羽根を生やしたモンスター、ハネクリボー
その姿を見た彩音はその瞳をキラキラと輝かせる
「うわぁっ・・・!!!可愛い!!!統夜くんの虹クリボーと一緒だね!!」
「これだけじゃないわよ、永続魔法“コート・オブ・ジャスティス”発動!フィールドにレベル1の天使族モンスターが存在する時、手札の天使族を特殊召喚できる!来なさい“裁きの代行者サターン”!」
裁きの代行者サターン 攻2400
「あたしは、レベル6のサターンに、レベル2のアースをチューニング!」
☆6+☆2=☆8
「“黎明へと導く破邪の煌きよ、我が声に耳を傾けたまえ”!シンクロ召喚!レベル8“神聖騎士パーシアス”」
神聖騎士パーシアス 攻2600
「更に、あたしは墓地のアースを除外することで“マスター・ヒュペリオン”を特殊召喚!
そして、“奇跡の代行者ジュピター”を通常召喚!効果により、墓地のジェルエンディオを除外して、このカードの攻撃力を800ポイントアップ」
マスター・ヒュペリオン 攻2700
奇跡の代行者ジュピター 攻1800→2600
「攻撃力2500オーバーが三体・・・」
「あたしは、ヒュペリオンの効果発動!墓地のサターンを除外して、ホープを破壊!」
「マズい、ホープが破壊されたら彩音の場はがら空きだぞ!」
「させないよ!罠発動“スキル・プリズナー”!ホープを対象にする効果を無効にする!」
ヒュペリオンの放った光弾を謎のバリアが防ぐ
「むっ・・・だったらこのままバトル! ヒュペリオンで希望皇ホープに攻撃!」
「この瞬間、ホープの効果発動!ORUを1つ使い、攻撃を無効にする!“ムーンバリア”!」
「そんな効果が・・・だったらパーシアスで更に攻撃!」
「ホープの効果でもう一回無効!」
これで、ホープのORUは0
これ以上攻撃を防ぐことは不可能となる
「更に、ジュピターでホープに攻撃!」
「この瞬間、ホープの効果発動!ORUを持っていないこのカードが攻撃対象になった時このカードを破壊する!」
「デメリット効果か・・・だったら、このままダイレクトアタック!」
「これ通ったら負けだもんね、罠発動“エクシーズ・リボーン”!墓地のホープを特殊召喚して、このカードをORUにする!」
「二度目の巻き戻しか・・・一応ホープに攻撃!」
「ムーンバリアで無効にするよ!」
実際、アニメでもホープがここまで効果を使ったのは少ないと思う
後半は効果を無効にされることが多かったし
「あたしは、これでターンエンド」
ルリ LP5500 手札2
モンスター 奇跡の代行者ジュピター マスター・ヒュペリオン 神聖騎士パーシアス ハネクリボー
魔法・罠 コート・オブ・ジャスティス
「私のターン、ドロー!!」
一度は立て直したが、再度ピンチに陥ってしまった彩音
だが、その口元は笑っている
それは、この決闘を本気で楽しんでいる証
「―――――私は“ゴブリンドバーグ”を召喚! このカードの効果により、手札からレベル4以下のモンスター“EMプラスタートル”を特殊召喚!そしてゴブリンドバーグは守備表示になるよ」
ゴブリンドバーグ 守0
EMプラスタートル 攻100
「私はプラスタートルの効果発動! このカードとゴブリンドバーグのレベルを1つずつ上げる!」
ゴブリンドバーグ ☆4→☆5
EMプラスタートル ☆4→☆5
「!!・・・・狙いはランク5のエクシーズ召喚!」
「そのとーりっ!!!私はレベル5になったゴブリンドバーグ、プラスタートルでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」
☆5×☆5=★5
「“我が招きに応じるは、獣王の力を宿す覇者の証!”エクシーズ召喚!
“ZW-獣王獅子武装”!!!!」
ZW-獣王獅子武装 攻3000
「ZW・・・?」
「私はORUを一つ使って、ZW-獣王獅子武装の効果を発動! デッキからZW1枚を手札に加える!私が加えるのは“ZW-荒鷲激神爪”!! このカードは相手よりライフが2000ポイント少ない時、特殊召喚できる!」
ZW-荒鷲激神爪 攻2000
「そして、2体のZWの更なる効果発動! このカードをフィールドの希望皇ホープの装備カードとし、その攻撃力をアップさせる!」
「なんですって!?」
「そして、二体のZWの力を加えたホープの攻撃力は―――」
№39希望皇ホープ 攻2500→4500→7500
「バトルフェイズ! 希望皇ホープでジュピターを攻撃! いっけぇ!“ホープ剣・ライオ・イーグル・スラッシュ”!!!!」
ホープの放った渾身の斬撃が、ルリのライフを削り取った
ルリ LP5500→0
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決闘が終わり、その場に立ち尽くしているルリ
そこにシンが近づき、労いの言葉を掛ける
「――――お疲れ様、良いデュエルだったよ」
「・・・負けたけどね」
「でも、楽しかったでしょ?」
「・・・・・うん」
シンの言葉に素直にそう返す
その顔は何処かすっきりしているようにも見えた
「――――それで、なんでさっきはあんなに怒ってたの?」
「そ、それは・・・・・」
「それは・・・?」
「――――べ、別に何だっていいでしょ! シンには関係ない事よっ!」
「えぇっ!? なんでそうなるのさ!」
「う、うるさいうるさい!! あたしがいいって言ったらいいの! これ以上聞いたら殴るわよ!」
「痛っ! 殴りながら言わないでよ・・・・」
「ふんっ・・・シンのバーカ!」
「ちょっ! 待ってよルリちゃん!」
ルリがすたすたと歩いて去ってしまい、シンがそれを追いかけていく
統夜はその状況に若干のデジャヴを感じながらも二人を見送る
「よく分からないけど・・・・仲直り出来たってことなのかなぁ?」
「どうだかな・・・」
と、そこで彩音が何かを思い出したように口を開く
「――――そういえば、さっき統夜くんもなんか様子が変だったけど、何かあったの・・・?」
「・・・・ぬ・・」
そういえばそうだったと痛いところをつかれ、口をつぐむ統夜だったが
「さ、さぁ? 何の事でしょうかねぇ、オレにはさっぱり分からないよー」
「・・・・・そんな棒読みだと、怪しさ満点なんだけど・・・・。
―――よし、分かったよ、じゃあデュエルしよう! 私が勝ったら何があったか教えてもらうからね!」
「そ、そう来たか・・・・」
満開の笑みを浮かべて、デッキを統夜の目の前に突き出してくる彩音
そんな彩音につられて統夜も口端をつり上げるとデッキを取り出す
「分かった・・・・ただし、オレも負ける気は無いからな」
「そう来なくっちゃ! じゃあ行くよ!」
「「―――――決闘!!!」」
――To be next turn・・・
統夜「どうも、皆さん! 第七話を読んでいただき、ありがとうございます! 今回は、シンとルリルリ、二人のクラスメートに焦点を当てた話となりましたが・・・」
舞香「・・・・・」
統夜「って、あれ? ぶちょーどうしたんですか? そんなに頬膨らませちゃって」
舞香「どうしたもこうしたもあるかーーー!!!!! なんでわたしの出番が無いんだよーーー!」
統夜「元々、最初の段階では今回の話にぶちょーは出ない予定だったんだからしょうがないですよ」
舞香「むぅぅ・・・・」
統夜「ほら、むくれないでください、かわいい顔が台無しですよ?」
舞香「ふ~ん・・・・じゃ、予告行くか」
統夜「いやいや!軽く流さないで下さいよ! そこはぶちょーが『か、かわいいだなんてそんな・・・』とか言いながら赤面して、オレが『顔赤いですけど大丈夫ですか?』とか言って、おでこコツンと合わせたりするところですよ!」
舞香「半分は今回の冒頭じゃねーか。 というかそんなベタなラブコメ展開お前には似合わないぞ」
統夜「いいじゃないですか! オレだってたまには王道主人公みたいな事したいですよ!」
舞香「それでは次回、遊戯王OGs第八話『緋色の空』!君は、刻の涙を見る・・・」
統夜「スルーしないで!!!」
ライトニングでぉkとは言ってはいけない(震え声)
出すのが簡単すぎるが故の弊害がこんなところまで・・・
ルリルリは分かりやすくツンデレって感じのキャラのつもりで書いています
古今東西のツンデレキャラの要素を詰め込んだようなキャラです
作者の欲望が生んだ産物です
でも結局、可愛く表現できるかは作者次第・・・
では、今回も読んでくださった方はありがとうございました
ご意見ご感想お気軽にどうぞ