無事試験も終わりましたので投稿です
とは言っても今回もまたやりたいこと詰め込んだら滅茶苦茶になった感じなのですが・・・
何はともかく、スタートです
「やったぁああああ!! 赤点&補習完全回避! “踏み込みが足りん!”ってか!?」
「テンションたけーなオイ、回避っつってもギリギリじゃねえか」
返還されたテストを両手に、飛び上がらんばかりのテンションで喜んでいる水穂に統夜のツッコミが突き刺さる
統夜の言う通り、全ての教科があと1、2点低かったら赤点という点数であるが、本人がよしとするなら良いのであろうか
すると、呆れたような目で水穂を見つめている統夜の背後から黒い影が統夜の腰めがけて飛びついてきた
「ぐぉっ! 一人、てめぇ・・・人様の腰にフライングタックルとは、やってくれんじゃねえか・・」
「統夜ぁあああ! やったぜ! 全科目赤点回避だ! 」
「ああ、良かったな。 だけどな、いきなりタックルはどうかと思う訳だよ、オレは」
「全部お前のおかげだ・・・この調子で期末テストも頼むぜ!」
「人の話を聞けぇえええ!!! あと、さりげなく図々しい頼み事してんじゃねえ!」
「そうよ、統夜はあたしの世話で精一杯なんだから!」
「それも違うわ、どアホっ!」
「(・・・・324人中、72位・・・な、なんだろう、良い順位ではあるんだけどリアクションに困る・・・・)」
ギャアギャアと騒ぎ立てている三人の隣で、彩音は廊下に掲示されている自分の順位を確認している
清桜学園のテストは全科目の合計点とそれに基づいた順位を大々的に発表する
その為テスト結果発表の際、廊下は一方では狂喜乱舞、また一方では阿鼻叫喚の絵面へと変貌するのが恒例となっているのだ
「――――あ、今回はルリルリに負けたかぁ・・・・ま、まあ、水穂のノート作ってたからな、うん、仕方ない仕方ない」
「言い訳とかダッサ」
「う゛っ・・・中々にキツイことを仰ってくれるじゃないか」
何食わぬ顔でサラッと毒を吐いてくるルリに、統夜は胸に木の枝でも突きつけられたかのような地味なダメージを受ける
それにしても、もうちょっと言い方ってものがあるだろう
「そこはこう・・・『これを励みにしてお互いに次も頑張ろう』みたいな発言があってもいいんじゃないかと思うんだが、オレとしては」
「・・・・バカっぽい」
取り付く島もないと言うのはまさにこの事か
―――ていうか接近すら許してくれないよこの子は、弾幕厚すぎんよ、ブライトさんも安心だよ!
そう話している二人の順位はいか程の物なのだろうかと、彩音は二人の正面を覗き込む
1位 天海琉璃
2位 南部統夜
目を疑った
「・・・えぇぇぇぇっ!? うそ、ルリちゃんはともかく統夜くんってそんなに頭良かったの!?」
「・・・・え? オレってそんなバカに思われてたのか・・・?」
本気で驚いて信じられないような視線を向けてくる彩音に、今度は胸にパイルバンカーでもくらったかのような衝撃を受ける
さっきのルリの言葉のダメージとはえらい違いだ
その場で膝をつき項垂れる統夜からは、なんか真黒なオーラが吹き出してるように見えた
「ご、ゴメンね! ほら、勉強教えてもらっといてこんなこと言うのもアレだけど、統夜くんって、なんでも出来る分、浅いというか中途半端というか・・・・そう!器用貧乏なイメージが」
「それ・・・・・フォローのつもり?」
「いいんだ、どうせオレなんて―――――」
「アンタもアンタでめんどくさいわね! 落ち込むならあたしの視界の外でやってろ、鬱陶しい!」
心底面倒くさそうに吐き捨てるルリ
いくら意識している相手の言葉とはいえ、ここまで簡単に落ち込むメンタルもどうかと思う
―――――その時、統夜は気付いていなかった・・・・・統夜達がごたごたやってる数メートル隣、掲示されている順位表をまるで苦虫を噛み潰したような表情で見つめる一人の青年がいる事に
放課後、水穂に平手打ちをくらったり、一人に激励ソングを歌ってもらったり、彩音に上目づかいで見つめられたりと、どうにかこうにか立ち直った統夜はボランティア部室でいつも通りの適当な一時を過ごしていた
「―――――それにしても・・・統夜くんとルリちゃん凄いよね・・・300人もいる中で1位2位なんて」
「いやぁ、それほどでもないわよ」
「お前が褒められてるわけじゃねえよ」
「何言ってんの、大事な幼馴染と同じ喜びを共有したいというあたしの心遣いよ」
ふふんと気分良さげに胸を張りドヤ顔してる水穂
だが、統夜から浴びせられる視線は冷ややかな物であった
「ま、統夜は勉強だけは人一倍できるからね~」
「ケンカ売ってらっしゃるのかテメエは」
と、そこで廊下の方から何やら不自然な音が響いてきた
具体的に言うと、漫画やアニメでよくある何かがドドドドドドと走ってくるときのような音だ
しかもその音は段々と近づいている
まぁ、こういう場合は決まって部室のドアがバァン!と開いて・・・
「―――――南部統夜ぁあああああああ!!!!!」
なんて考えていると、大体その通りに扉が開いて、一人の青年が叫び声とともに飛び込んできた
「―――――君という男は・・・なんで毎回毎回・・・」
部室に突入してきた青年は拳をきつく握りしめ、わなわなと震わせている
「おお、箕沢じゃん。 どした?そんなに大声で喚いたりして」
「どうした、じゃない! 僕は君に話があって・・・」
「まぁまぁ、そうかっかしなさんな。 ほら立ち話もなんだし、座りなよ。 お菓子もあるわよ」
「た、高倉・・・・ま、まぁ君がそう言うなら・・・」
水穂に促され大人しく座る青年
つい数秒前までの様子が嘘のようだ
「彩音は初めてだったわよね。紹介するわ、コイツは箕沢、あたしらと同じ学年よ」
「ああ、君が噂の転校生か。 僕は箕沢昴(このざわすばる)だ、生徒会に所属している」
「安藤彩音です、水穂ちゃんに誘われてボランティア部に入りました」
そういう性分なのか、お互いに丁寧に挨拶する二人
「―――――って、ちっがーーーーーーーーう!!!!!!! 」
「おわっ!?」
「南部統夜! 僕は君に宣戦布告をしに来たんだ!」
「宣戦布告ぅ?」
穏やかな空気からこれまた一変、突然立ち上がり統夜に詰め寄る昴
統夜は統夜で、戸惑いを露わにしている
「――――今回、いやこれまでのテスト・・・いつも1位2位は君と天海が独占している・・・」
「(二人ってそこまで凄かったの・・・?)」
「何故だ・・・・何故、ちゃらんぽらんで中途半端でいつも貧乏くじを引かされているような、残念男の君が僕より上なんだ!」
「ほっとけやボケェ!!! なんで初登場の奴にそこまで言われなきゃなんねえんだよ! 確かにこれまでも色々と因縁とか有った設定だけどもさぁ!」
「この際はっきり言おう、僕はそんな君が気に食わない、初めて会った時から大嫌いだった、なんか本能的に」
「そこまではっきり言ってくれると、かえって清々しいわ! つーか初登場にして、はっちゃけ過ぎだろうが!」
互いに睨み合いながら言い合っている二人
この二人の因縁等ついてはいずれ触れていくことになるだろう
「だいたい・・・幼馴染だからって、なんで高倉も君みたいな男に・・・」
「あぁ? 何だって?」
「な、なんでもない!」
一部分だけやたら小声で言っていたので聞き返すと、昴はブンブンと首を振って返した
「と、ともかくだ! 僕は君にデュエルを申し込む! 今からデュエル場で―――」
「あ、ゴメン無理」
あっけらかんと返した統夜に、昴はまるでギャグマンガのようなリアクションでずっこけた
「この後、妹を保育園に迎えに行かなくちゃいけないんだ」
「あんた、急に冷静になったわね」
「どういうつもりだ南部! 決闘者がデュエルを挑まれたのに逃げるとは!」
「逃げるんじゃねえよ! 先約だ先約! 誰がお前程度を相手にして逃げるかよ! 」
「何だと!」
「何だよ!」
「ちょ、ちょっと二人とも・・・」
バチバチと間に火花を散らせて睨み合う二人
どうやらこの二人本当に仲が悪いようである
しかしこのままでは、いつまでたっても話は平行線のままである
――――と、其の時
「――――――話は聞かせてもらった!」
またも部室の扉が勢いよく開かれ、全員の注意が其方に向けられる
そこには一人の青年が立っていた
制服をキッチリと着こなし、凛と佇んでいるその姿からは、何処か気品のようなものを感じる
「げ・・・・アンタは・・・・」
「龍巳さん!」
「会長!」
上から統夜、水穂、昴である
あからさまに面倒くさそうな表情、喜び、驚愕、と三者三様の表情を見せるが、彩音だけはよく分かっていないようでポカーンとしていると、青年はにこやかに彩音に語り掛けてくる
「君が噂の転校生だね。
――――私はこの学園の生徒会長、星城龍巳(せいじょう たつみ)だ。 よろしく頼むよ、安藤彩音君」
「は、はい・・・よろしくお願いします。 ――――でも、生徒会長さんが、どうして私の名前を・・・?」
「君は今話題の有名人だからね。 先日の統夜君との決闘も拝見させてもらったよ、良い決闘だったね」
「ど、どうも・・・」
有名人、という単語が少し気になったが、あの時の決闘を見られたならと少し納得していると、龍巳は何やら意味ありげな笑みを見せてきた
「――――それに、如何やら君は、私と均しい存在であるようだ」
「・・・・え・・?」
龍巳の言葉に、戸惑いの表情を浮かべる彩音だったが龍巳は微笑むだけで答えてはくれない
どうでもいいことだが、その隣で統夜がものすっごくつまらなそうな目で龍巳を見ていたりする
「――――さて、箕沢。 君たちの決闘、ここは私が取り仕切らせてもらおう。 南部君の都合を無視するわけにもいかないだろうからね。 異論はあるかい?」
「い、いえ、会長がそう仰るなら」
「なら決まりだ。 勝負は明日の放課後、デュエル場を空けておこう。 そこで思う存分闘うといい」
「分かりました。 聞いての通りだ南部、決戦は明日、精々首を洗って待っていることだな!」
「どこの百流デュエリストだアイツは・・・・」
その言葉を最後に部室から出て行く昴をため息交じりに見送る統夜
「―――――で、今回は何を企んでいるんですか?龍巳さん」
「・・・・何の事かな? 私は生徒会長として、生徒たちの決闘の実力向上のため尽力しているだけに過ぎないよ」
何処か釈然としない様子で龍巳を見据える統夜
龍巳は、変わらず余裕を持った笑みで返すのみだ
先程からの様子を見るに、統夜、水穂、龍巳は何やら単なる先輩後輩の関係だけでは無いことが、彩音には感じ取れた
「昔っから、アンタがそうやって笑ってる時は、何か企んでる時――――」
「――――そんな事よりも、このままだと妹さんを待たせる事になってしまうが、いいのかい?」
「え・・・・・・・・・・ああああああああああっ!!?? やっべ、もうこんな時間かよ!? 結いいいいいいいいいいい!!!!!」
時計を見るなり、一瞬で表情を青ざめさせた統夜は鞄を取り、乱暴に扉を開け部室を飛び出していった
なんだか上手い事あしらわれている感じだ
「すいません、龍巳さん・・・・あんな馬鹿で」
「構わないさ、相変わらずのようで安心したよ。
―――――では、私も業務に戻るとしよう。 安藤君、明日の決闘、楽しみにしているといい」
そう言って、これまた意味有り気な発言と共に部室を去っていく龍巳
とりあえず彩音は色々と思う事はあったが、最も疑問に思う事を水穂に聞いてみた
「水穂ちゃん達って、生徒会長さんと知り合いなの? ほら、下の名前で呼んでたし」
「ああ、その事か。 ・・・・まぁ、あたし等と龍巳さん、小中学校一緒だったから色々と慣れてんのよ」
「そうなんだ・・・・」
「ま、統夜の場合はそれだけじゃないんだけど・・・・・なんにしても明日は覚悟しといた方がいいかもね~」
「・・・・どういうこと?」
「統夜じゃないけど、龍巳さんの顔、きっと何か良からぬ事を考えてるわよ
――――それになんだか、彩音の事も気に入ってるように見えたし・・・・これは統夜も、うかうかしてらんないわね・・・・」
「統夜君がどうかしたの?」
「いずれわかるさ。・・・いずれな」
「???」
何処かで聞いたことの有るような台詞と共に薄ら笑いを浮かべる水穂
結局のところ、疑問ばかりが残る彩音であった
―――――
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―――――――――――――――
次の日
先の予定通り、デュエルフィールドにて対峙する統夜と昴
誰かが(大方水穂や龍巳辺りだろうが)言いふらしたのか、観客席には結構な数の生徒が集まっていた
「――――流石会長だ、大衆の前で君を打ち倒すことで、生徒会の力を知らしめる絶好の機会とするとは」
「おいおい、もう勝った気でいるのかよ? いくらなんでも気が早すぎるぜ? 遠足の前日にワクワクしすぎて眠れない小学生ですかぁ?」
「うるさいなぁ! なんで君は一々煽り文句を入れてくるんだよ!」
「最初に煽ってきたのはそっちだろうが! 」
《おおお・・・何やら決闘開始前から白熱した口論が交わされております・・・》
《白熱って言うか・・・・ただのガキの喧嘩ね》
《尚、本デュエルの実況は私、況崎実。 解説には2年1組高倉水穂さん、そしてゲストにはなんとなんと! 星城龍巳生徒会長をお迎えしております》
《よろしくお願いするよ》
少しずつ、お馴染みとなり始めている実況組の紹介も終えたが、ステージ上では未だに醜い口論が繰り広げられている、そろそろ決闘を始めてもらいたいのだが
そんな空気を察したのか、水穂はゲームセンターでよく見られるようなメダルを二つ、それぞれの額目掛けてぶん投げた
それぞれ上手い具合にクリティカルヒットしたようで頭を押さえその場に蹲る
「――――いってぇ・・・ほれみろ、お前がごちゃごちゃうっさいから、水穂が激おこじゃないですか」
「君が悪いんだろう! 僕のせいにしないでくれ。 大体君は――――」
《いい加減にしろやこのボケカスども!!! 先ずはあたしが拳で相手してやろうかぁ!?》
「「サーセンっしたぁっ!!!」」
まるでRHBのように綺麗にシンクロした動きで高速で頭を下げる2人
そして、すぐさま決闘態勢に入る
《そ・・・・それでは! 南部統夜対箕沢昴・・・デュエル開始ィィィ!》
アナウンスが流れると、互いにデュエルディスクを展開して叫ぶ
「「決闘!」」
「オレから行かせてもらう! オレは手札から“サイバー・ドラゴン・コア”を召喚!」
統夜の場にやや小さ目の機械の龍が現れる
サイバー・ドラゴン・コア 攻400
「コアの効果発動! デッキからサイバー、又はサイバネティックとついたカードを手札に加える! オレが加えるのは“サイバー・リペア・プラント”だ!
更に、カードを二枚伏せてターンエンド」
統夜 LP8000 手札3
モンスター サイバー・ドラゴン・コア
魔法・罠 伏せ2
《攻撃力400を棒立ち・・・・少々危険なのでは?》
《それがコアの困ったとこよね。 ――かと言って耐性も無いツインやエンドを融合するわけにも・・・・》
《統夜君にも何らかの策は有ると思うが・・・》
「僕のターン、ドロー! 先ずは“セイクリッド・ポルクス”を召喚! ポルクスを召喚したターン、僕はもう一度セイクリッドモンスターを召喚できる。 僕は“セイクリッド・カウスト”を召喚!」
セイクリッド・ポルクス 攻1700
セイクリッド・カウスト 攻1600
「このままバトルフェイズに入らせてもらう! カウストでサイバー・ドラゴン・コアに攻撃! ポルクスでダイレクトアタック!」
「・・・・っつ!」統夜LP8000→6800→5100
「僕はメインフェイズ2に入り、カウストの効果発動! 1ターンに二度、自分のセイクリッドモンスターのレベルを変更できる! 僕はカウストとポルクスのレベルを1つずつ上げる!」
セイクリッド・ポルクス ☆4→☆5
セイクリッド・カウスト ☆4→☆5
《レベル5のモンスターが二体、くるわよ、統夜!》
「僕はレベル5となったグレディとポルクスでオーバーレイ!」
☆5×☆5=★5
「“星の光を纏いし騎士よ! その力研ぎ澄まし、闇を祓いて天地を照らせ!”エクシーズ召喚! ランク5、“セイクリッド・プレアデス”!」
セイクリッド・プレアデス 攻2500
「(ここまで何もしてこなかった以上、あの伏せカードは展開補助用のカード・・・?)
僕はプレアデスの効果発動! ORUを1取り除く事でフィールド上のカード一枚を相手の手札に戻す! 僕は右の伏せカードを選択する!」
「(チェーンする意味は・・・・無いな)」
効果に従い、特にすることも無く手札に戻す
「僕はカードを1枚伏せてターンエンド!」
昴 LP8000 手札3
モンスター セイクリッド・プレアデス
魔法・罠 伏せ1
「オレのターン・・・ドロー!!」
ドローしたカードを確認した統夜は、僅かに目を見開く
「いくぜ箕沢・・・・こっから先はオレのステージだ!」
そして、ほんの一瞬だけ実況席にいる人物へと視線を向けたかと思うと、高らかにそう宣言した
「墓地のサイバー・ドラゴン・コアの効果発動! このカードを除外することで、デッキから“サイバー・ドラゴン・ドライ”を特殊召喚する!」
サイバー・ドラゴン・ドライ 攻1800
「更に、速攻魔法“フォトン・リード”を発動、手札からチューナーモンスター“トラスト・ガーディアン”を特殊召喚する!」
トラスト・ガーディアン 攻0
統夜のフィールドに、赤いヘルメットをかぶった小さい天使が現れる
「天使族チューナーだと・・・ただの【サイバー】じゃないということか・・・?」
「さあ、何番目かは知らんが、オレのエースの登場だ!
オレはレベル4のサイバー・ドラゴン・ドライにレベル3のトラスト・ガーディアンをチューニング!」
☆4+☆3=☆7
「“その美しくも雄々しき翼翻し、吹き荒ぶ旋風と成りて天に舞え!”シンクロ召喚! レベル7! “クリアウィング・シンクロ・ドラゴン”!」
蒼と銀のドラゴンが統夜の場に降り立ち、咆哮を上げる
その美しくも力強い姿に、観客も目を奪われる
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 攻2500
「バトルだ! クリアウィングでセイクリッド・プレアデスを攻撃!」
「攻撃力は同じのはず・・・・・そうか! 僕はセイクリッド・プレアデスの効果発動! クリアウィング・シンクロ・ドラゴンをエクストラデッキに戻させてもらう!」
一瞬考え込むような素振りを見せた昴だったが、すぐに何かに気付くとプレアデスの効果を発動する
「残念だったな! トラスト・ガーディアンの効果で、一方的な破壊に持ち込む気だったみたいだが、プレアデスの力の前では―――――」
「それがどうした?」
「何!?」
「オレはクリアウィング・シンクロ・ドラゴンの効果発動! フィールドのレベル5以上のモンスターを対象とするモンスターの効果が発動した時、その発動を無効にし破壊する!“ダイクロイックミラー”!」
プレアデスの放った光がクリアウィングに反射され、そのまま破壊されてしまう
「この瞬間、クリアウィングのさらなる効果発動! ターン終了時までこのカードの攻撃力を、さっきの効果で破壊したモンスターの元々の攻撃力分アップさせる!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 攻2500→5000
《おおお!!! 南部選手、相手の効果を逆手に取り、自身のモンスターの攻撃力の上昇につなげました!》
《恐らく、先のフォトン・リードやトラスト・ガーディアンも、シンクロ召喚先にプレアデスの効果を使わせるための物だったのだろう。 全てはクリアウィングの効果を最大限に生かすため・・・》
「行けえっ! クリアウィング! “旋風のヘルダイブスラッシャー”!」
「う、うわぁあああ!!!」 昴LP8000→3000
「よしっ! これでターンエンド!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 攻5000→2500
統夜 LP5100 手札3
モンスター クリアウィング・シンクロ・ドラゴン
魔法・罠 伏せ1
「僕のターン・・・・くっ・・・!」
あまりいいカードが引けなかったのか、顔を顰める昴
「(今のクリアウィングを倒す手段は無い・・・・ならば・・!)
僕は“セイクリッド・レオニス”を召喚! レオニスの効果により、続けて“セイクリッド・シェラタン”を召喚できる! 更に、シェラタンの効果により、デッキから“セイクリッド・ソンブレス”を手札に加える!」
セイクリッド・レオニス 攻1000
セイクリッド・シェラタン 攻700
「僕はレベル3のレオニス、シェラタンでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚! 現れろ!“機装天使エンジネル”!」
機装天使エンジネル 攻1800
「僕はこれでターンを終了する」
昴 LP3000 手札3
モンスター 機装天使エンジネル
魔法・罠 伏せ1
《箕沢選手、ここは防御の構えですか・・・》
《クリアウィングに戦闘破壊耐性持たせると結構めんどくさいことになるのね・・・》
「オレのターン、ドロー! エンジネルがイラスト通りの機械族だったら突破できるんだがなぁ・・・・仕方ない、このままバトルフェイズに入らせてもらう! クリアウィングでエンジネルに攻撃!」
「この瞬間、ORUを1つ取り除きエンジネルの効果発動! このカードを守備表示にし、このターンあらゆる破壊を免れる!」
「カードを一枚伏せて、ターンエンド」
統夜 LP5100 手札3
モンスター クリアウィング・シンクロ・ドラゴン
魔法・罠 伏せ2
「僕のターン、ドロー! よし! 罠発動“エクシーズ・リボーン”! 墓地のプレアデスを特殊召喚し、このカードをORUにする!」
セイクリッド・プレアデス 攻2500
「だけど、プレアデスじゃクリアウィングは・・・・」
「確かに、プレアデス単体では不可能・・・・だけど!」
そう言うや否や、手札のカードを発動させる
「僕は“RUM-アストラル・フォース”を発動! このカードは自分フィールドのエクシーズモンスターをランクが2つ上のエクシーズへランクアップさせる!
僕はランク3のエンジネルでオーバーレイネットワークを再構築!」
☆3→☆5
「ランクアップエクシーズチェンジ! 出でよ! “始祖の守護者ティラス”!」
刹那、エンジネルが眩い光に包まれ、やがてその光の中から如何にも天使、といった風貌のモンスターが現れる
始祖の守護者ティラス 攻2600
「クリアウィングの打点を超えてきたか・・・・」
「まだだ! 僕は“セイクリッド・ソンブレス”を召喚し効果発動! 墓地のセイクリッドを除外し、墓地のセイクリッドを手札に加える! 僕はレオニスを除外し、カウストを手札に戻す!」
「そしてカウストの効果は・・・」
「そうだ! この効果を使用した場合、更にセイクリッドモンスターを召喚できる! 現れろ、セイクリッド・カウスト!」
セイクリッド・ソンブレス 攻1550
セイクリッド・カウスト 攻1800
「僕はレベル4のカウスト、ソンブレスでオーバーレイネットワークを構築!」
☆4×☆4=★4
「“星の光を纏いし騎士よ! その力研ぎ澄まし、悪を穿つ鉾となれ!”現れろ!“セイクリッド・ビーハイブ”!」
セイクリッド・ビーハイブ 攻2400
《ここに来て怒涛の連続エクシーズ! 一気に反撃開始となるか!?》
「バトル! 始祖の守護者ティラスでクリアウィング・シンクロ・ドラゴンに攻撃!」
「ぐっ・・・・だが、シンクロ召喚に使用したトラスト・ガーディアンの効果により、攻撃力を400ポイント下げ、破壊を免れる!」統夜LP5100→5000
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 攻2500→2100
「だが、それも一度限り! 続けてセイクリッド・プレアデスで攻撃! 更にこの瞬間、ビーハイブの効果発動!このカードのORUを一つ取り除く事で戦闘を行うセイクリッドモンスターの攻撃力を1000ポイントアップさせる」
セイクリッド・プレアデス 攻2500→3500
「ちぃっ・・・・」統夜LP5000→3600
「まだだ! セイクリッド・ビーハイブで南部にダイレクトアタック!“セイクリッド・クロス”!」
統夜LP3600→1200
「僕は、バトルフェイズ終了時にティラスの効果を発動! 君のセットカードを破壊させてもらうぞ!」
ティラスの放った光が統夜の伏せカードを貫く
が、そのカードを見た昴は表情をしかめる
「“スキル・プリズナー”・・・・・」
「これでプレアデスの効果は封じたようなもんだな」
対照的に統夜はしてやったり、といった顔である
「僕はカードを一枚伏せて、ターンエンドだ!」
昴 LP3000 手札1
モンスター 始祖の守護者ティラス セイクリッド・プレアデス セイクリッド・ビーハイブ
魔法・罠 伏せ1
《(プレアデスの効果を封じたとはいえ、状況は統夜君に圧倒的不利と言っても差支えないだろう・・・・だが、彼なら―――)》
決闘を見据え、星城龍巳はそう思考を巡らせる
《(――――見せてもらうよ、統夜くん。 あの人から受け継いだ、君の実力とやらを)》
「――――オレの、タァーーン!!!」
ここぞとばかりに気合を入れてドロー一閃
「よし! 手札から“サイバー・リペア・プラント”を発動!デッキから“サイバー・ドラゴン・コア”を手札に加えて召喚! 効果により手札に加えるのは・・“サイバネティック・フュージョン・サポート”!」
「そのカードを加えたという事は・・・狙いは融合召喚か・・・!」
「そう、その通り! オレは今加えたサイバネティック・フュージョン・サポートを発動! これにより、ライフを半分支払うことで、このターン手札・フィールド上・墓地から選んでゲームから除外し、融合素材にできる!」
統夜LP1200→600
《自分から鉄壁を作っていくとは・・・・》
「さあ、乾坤一擲の大勝負と洒落込むぜ! 魔法カード“パワー・ボンド”発動!
オレは場のサイバー・ドラゴン・コア、墓地のサイバー・ドラゴン・ドライを融合する!」
「(二体・・・ツインの方か・・・だが、僕の伏せカードは聖なるバリア――――)」
「“解き放たれた不穏なる闇の力、今こそ歪められし機光龍を解き放たん”! 融合召喚! さあ、暴れ狂って、蹂躙して、殲滅しろ!!! “キメラテック・ランページ・ドラゴン”!!!」
キメラテック・ランページ・ドラゴン 攻2100→4200
現れたのは、何処かキメラテック・オーバーにも似ているがそれに勝るとも劣らない威圧感を放つ機光龍
「何だ・・・その融合体は・・・?」
「パワー・ボンドで融合召喚したモンスターの攻撃力は2倍になる。 そして、この瞬間ランページの効果発動! 融合素材の数だけ場の魔法・罠を破壊する! “アヴァランチ・バースト”!」
「ミラーフォースが・・・・」
ミラフォは仕事をしない
「ランページのさらなる効果、発動!デッキから機械族・光属性モンスターを2体まで墓地へ送り、この効果で墓地へ送ったモンスター分、攻撃回数を増やす!オレは“超電磁タートル”と“サイバー・ドラゴン・コア”」
「何!? 連続攻撃効果まで有るのか!? インチキ効果もいい加減にしろ!」
「プレアデス使ってる奴に言われる筋合いはねえ!
バトルだ! キメラテック・ランページ・ドラゴンでセイクリッド・ビーハイブを攻撃!」
《攻撃力4200の連続攻撃! これが通れば――――》
《いや、それは》
ランページ・ドラゴンの放った光線がビーハイブに直撃し、そのまま破壊される―――
――――と思いきや、ビーハイブはその攻撃の中、怯むことなくランページへと向かって行き、その巨体を弾き飛ばす
「!?」
「―――甘いぞ南部・・・光属性と戦闘を行う上で最も警戒すべきカードを忘れていたな・・・。 僕は手札から“オネスト”の効果を発動! 戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分、自身の攻撃力をアップさせる」
セイクリッド・ビーハイブ 攻2400→6600
「さあ、これで終わりだ!」
これにより、統夜のライフは0になる
そう思っても不思議ではない状況
統夜はそんな状況でニヤリ、と口の端を吊り上げ笑みを浮かべた
「―――――甘いのはどっちだ! カウンター罠“透破抜き”発動! 手札または墓地で発動する効果モンスターの効果の発動を無効にしゲームから除外する!」
「そ、それでは・・・」
セイクリッド・ビーハイブ 攻6600→2400
「正真正銘! これで終わりだ! キメラテック・ランページ・ドラゴンの攻撃! “ハウリング・エヴォリューション・バースト”!! サンレンダァ!!!」
「うわぁああああああああ!!!!!」
昴LP3000→0
「―――――
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―――――――――――――――
《――――遂に決着がつきました! 勝者は南部統夜二年生です!》
《最後は表サイバーらしく物理でボコッたって感じね》
《会長は何か一言・・・・・会長・・・?》
《あれ? 龍巳さん、何処に・・・》
一方ステージ上では、歓声を送ってくるギャラリーに統夜がどーもどーもと手を振って応えている
「――――くっ・・・・まさか、また負けるとは・・・・」
「まぁ、良いデュエルができたって事で今回は良しとしようや。 な?」
「・・・・・まぁ、確かに・・・君のいう事にも一理あるか・・・。
―――――だが、勘違いするなよ! これはあくまでもデュエルの結果を認めたのであって、君自身を認めたわけではないんだからな!」
「うっわぁ・・・・・悪いけど男のツンデレは一切お断りで。 ツンデレのオプションにはツインテを要求させていただきます」
「君って奴はぁ! せっかく人が真面目に話しているというのに!」
ちょっと良い感じの空気になったと思いきや、即座にその空気をぶち殺す統夜
緊張感も何もあったものではない
何はともあれ、これで決闘は終了
戻ろうとした二人だったが、そこで一人ステージに歩み寄ってくる人物がいた
「―――――少しばかり、勝負が早く着きすぎたようだ・・・」
「龍巳さん・・・・?」
突然現れ、ステージに上がって来たのは他でもない、生徒会長、星城龍巳であった
会場も突然の事態に戸惑いや期待が入り混じり、ざわつき始める
「これではせっかく集まってくれたギャラリーに申し訳が立たん・・・・そうは思わないか?
いや―――――
――――――私はそう思うッ!!!」
つい先程までの、人当たりの良さそうな好青年のイメージから一転
そこに居たのは、まるで獣のように目つきを鋭く光らせ、対戦相手を求めているような決闘者の姿
高らかに叫ぶ様子のあまりの変貌ぶりに、彼をよく知らないであろう一年生や彩音は開いた口が塞がらない状態だった
そんな中、統夜と水穂は
「《(・・・・スイッチ入ったな)》」
極々冷静に、内心で溜息を吐いていたりする
とは言っても、学園最強クラスの一角と言われる決闘者である龍巳が相手である以上、統夜としてはこんな機会を逃す理由は無い
決闘に応じようとした統夜だったが―――
「――――――すまないが、私の対戦相手は既に決定している・・・」
「・・・・?」
「私の挑戦、受けてもらうぞ!」
そう言って勢いよく指さした先に居たのは―――
「・・・・・・え・・・・私・・・ですか・・・?」
見るからに動揺しまくりな安藤彩音の姿があった
――To be next turn・・・
次回予告
統夜「始まりはいつも突然!」
舞香「いきなり学園最強の一角と戦う事になった彩音! その力に圧倒されながらも、勝機を見出すことはできるのか!?」
統夜「そして、生徒会長の真意とは?」
舞香「次回、遊戯王OGs第十一話『いつか空に届いて』 お楽しみはこれからだ!」
はい、というわけで第十話いかがだったでしょう?
新キャラの箕沢昴くん、彼は典型的な真面目くんキャラを書こうと思って生まれた産物です
統夜との因縁も持たせて、いずれは過去篇っぽいものも書けたら面白そうとか考えています
駆麻の時といい、統夜は男子に大人気です
ではまた次回に(^_^)/~