遊戯王OGs~オリジナルジェネレーションズ~   作:クロの助

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ベース自体はあったので

あっさりと投稿できました

当面はストックもあるしこのペースを維持出来たらなぁ・・・

※今回もデュエル無し回です


第二話『決闘者が出会ったらやることはいつだって1つ!前編』

 

 

「――――えーっと、彩音ちゃんは御両親の都合でつい最近こっちに越してきたばっからしいから、皆色々教えてやんだぞー」

 

ゼナスの言葉に教室から揃って返事が上がる

 

「席は一番後ろの・・・・ほら、あの冴えない眼鏡の隣だ」

 

その一言に、統夜は頬杖からガクッと顔を落とし机に頭をぶつける

ゼナスの指はまっすぐに統夜を指していたからである

 

「ちょっ!?誰が冴えない眼鏡ですか!転校生にいきなり変なこと言わないで下さいよ!」

「だいじょーぶだいじょーぶ、軽いジョークだって。そうマジになんなよ」

「言っていいジョークと悪いジョークがあるっての!」

 

はははっと軽快に笑うゼナスに統夜の反論も軽くいなされてしまう

教室の彼方此方からもクスクスと笑い声が聞こえる

水穂なんかは隣で大爆笑している

 

「アハハ!冴えない眼鏡とはよく言ったもんよねぇ!」

「だろ~?さっすが水穂ちゃん、よく分かってんじゃねえの」

「お前らなあ・・・・・」

「まあ、落ち着けって統夜くん。そもそも、君は俺に感謝してもいいぐらいなんだぜぃ?」

「感謝?」

 

流石にイラッと来たのか一発怒鳴ってやろうかと考えた統夜だったが、ゼナスの一言に遮られ、頭の上に疑問符を浮かべる

 

「このクラスの席順は、俺がちょっとだけ考えて決めたもんだ・・・・・即ち、転校生の隣にお前が来るようにしたのも俺という事だ!」

「っ!?」

 

その一言に統夜の顔色が変わる

 

何故、わざわざ自分を?

確かに正直に言ってしまえば嬉しいことは確かだ

だが、そうすることによる自分以外に対する利点などというものは一切考えられない

 

 

 

ごちゃごちゃと統夜が考えていたところで、ようやくゼナスが口を開く

 

 

 

 

 

「―――――この学園屈指の“ヘタレ”といわれる統夜くんなら転校生にいきなり手ぇ出すなんてこともしないだろうしな。ヤローと隣になるのは人数の都合上避けらんないから、少しでも安全な奴を、って思ったわけよ!」

「少しでも真面目に考えたオレがバカだったよ!!!!つーか誰がヘタレだ!」

 

さっすが俺!と決め顔でグーサインを決めてくるゼナスに盛大にツッコむ

水穂なんかは笑いすぎたのか机に突っ伏してぴくぴくしていた

教室の彼方此方からも「それなら、しょーがないかー」「そういう理由ならねー」「ヘタレっぷりで統夜に勝てるわけねーもんなー」と渋々納得するような声が聞こえ、統夜は少し泣きたくなった

 

 

 

―――――

――――――――――

―――――――――――――――

 

 

「え、えと、その・・・よろしくね?」

「お、おう・・・」

 

指定された席に座った彩音は少しびくびくしながら統夜に挨拶してくる

その様子が可愛らしく、思わずドキッとして自分まで敬語になってしまう統夜

 

「んじゃ、質問とかは休み時間のうちに適当にやっとけよー。始業式にだけは遅れないようにな」

 

そう言い残して、ゼナスが教室から去った途端彩音の席に生徒たちが殺到し怒涛の質問タイムが始まる

が、一斉に質問をされている彩音はアワアワと戸惑っているだけだったりする

 

「はい、一旦ストップ!」

 

と、そんな様子を見かねた水穂がパンっと手を叩いてその場を鎮める

 

「ほらほら、この子も困ってんでしょ。いくらなんでも聖徳太子じゃないんだから、一斉に彼是聞かない。

特に男子!テンションがハイになるのも分かるけどそんなにがっつくな!そんなんだからモテないのよ!」

 

その言葉、というか後半の言葉が余程効いたのか、群がっていた男子たちが全員その場に膝をつき項垂れる

 

「言いすぎだろ、おまえ・・・」

「お祖父ちゃんが言っていたわ・・・“良薬は口に苦し、真実は心に痛し”ってね」

 

決まった、とでも言いたげにドヤ顔を見せる

統夜自身は水穂がこうして毒を吐くことにも慣れているため左程答えてはいないようだが

 

 

「え~っと、彩音だっけ?あたしは高倉水穂、親しみを込めて水穂お姉さまって呼んで―――」

「いきなり何アホなこと言ってんだよ!」

「ぐへぇっ!!!!」

 

スパコーン!という快音と共に頭にハリセンが叩き込まれ、水穂はとても女子とは思えないような悲鳴を上げる

 

「そ、その・・・お、お姉さ」

「冗談だから言わなくてもいいわよ。あんた、一々可愛いわね・・・・・で、こっちの冴えない眼鏡のヘタレが幼馴染の―――」

「まだそのネタを引っ張るかお前は!普通に紹介すればいいだろ!」

「それ以前に自己紹介ぐらい自分でしなさいよ」

「まさかの正論!?いや正論だけどもこの流れでお前が言うか、普通」

 

と、一通りツッコんだ後つぐみの方に体を向け、自己紹介する・・・・という流れだったのだが

 

「え、えと・・・・その・・・」

「(いやいや、何をそんなに緊張してんのよ)」

 

そう心の中でツッコむ水穂

今の統夜はというと、完全に目が泳いでおり、まともに目を合わせることもできていない

その上、その右手は前髪を弄るために忙しなく動いている

これは統夜の癖で、統夜は考え事をしているときや落ち着かない時などは前髪を人差し指でくるくると弄るのである

 

「(まあ、無理もないか・・・・)」

 

―――少なくとも、水穂の知る範囲では統夜のリアルでの恋愛ステータスはほぼ0に近い

先程からチラチラと示唆されている通り、統夜は真性のヘタレであり、自分の好み(恋愛面で)の異性に対してはまともに話すことなどできず、これまでの人生では“好きな女子を斜め後ろの木の影から見つめる男子”というポジションでいるのが精いっぱいだった

最近では“三次元の恋愛など意味は無い、二次元にこそオレが求める真の愛があるんだ”が統夜の口癖に成りかけていた

 

そんな統夜(ヘタレ)にいきなり隣の席になった美少女転校生とまともに話せ、というのは難しいだろう、と水穂は判断し助け船を出そうとした所で、無情にも鐘が鳴る

始業式開始の時刻が近づいたため、生徒たちはぞろぞろと体育館へと向かっていく

 

 

 

 

―――――

――――――――――

―――――――――――――――

 

 

 

 

 

「はぁ・・・・」

 

始業式は教頭のただただ長い話を聞き流すのみで無事終了した

が、統夜の口からは深い溜め息が零れる

理由は分かっている

あの転校生の少女―――安藤彩音の事だ

 

 

統夜からすれば大っ変に不本意な理由ではあるが、せっかく隣の席になった。否、なれたのだ

それだけ?と思うかもしれないが彼にとっては大きな問題

まさしく、これは偶然を通り越して運命とでも言うべき状況なのだ

 

ある人が言うには、人と人との関連性は何より第一印象によるところが大きいという

だというのに

 

 

~~~~~~~~

 

 

「お、おう・・・」

 

 

「え、えと・・・・その・・・」

 

 

~~~~~~~~

 

 

話す、いやまともに自己紹介することもできなかった

これはマズいんじゃないだろうか・・・・

もし“不愛想な男”とか“まともに話せない男”なんて思われていたら・・・

 

と、ネガティブな思考が頭の中で渦巻いていると、トントンと肩を叩かれる

振り返ると水穂が親指で後ろを指しながら言う

 

 

「ちょっと面貸しなさい」

 

 

 

と、少々古臭くも感じられるような言い回しで連れてこられたのは、このようなシチュエーションではある意味定番とも呼べる体育館裏であった

 

 

「――――で、なんだよ水穂、こんなとこまで引っ張り出して」

「ちょっと話があってね~」

 

統夜は大人しく着いて来てしまったことに早くも後悔した

水穂が“ちょっと話がある”と言う時は九割方ろくでもないことを言いだすときである

 

「単刀直入に聞くわよ」

「へいへい、どうぞどうぞ」

 

もはや適当に聞き流そうとしている統夜

 

「転校生の子に惚れたでしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――ボンッ!!!!

 

「うおぁっ!?」

 

突然、何かが破裂したような音が響いたかと思えば、統夜が顔を真っ赤にして、プシューと煙まで出している

 

「ななななな何を言ってんだ!!!!あああある訳がないじゃないか、そそそそんな事HAHAHAHA」

「ちょっ!?統夜、なんか喋り方おかしいわよ?」

「おかしいって?そンな事あるわけねェだろ、HAHAHAHA!ってトウヤはトウヤは笑ってみたり!!」

「統夜が壊れた・・・・」

 

なんと分かりやすい反応であろうか

動揺しているのが見え見えである

 

「そ、そりゃあ、たしかに見た目も声も仕草も可愛かったし、背丈とか髪型とかいろんな部分がオレの好みどストライクだけど・・・惚れたなんて・・・」

「いやいや、そこまで言うなら認めなさいよ」

 

正論である

 

「だって・・・・」

「何よ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「恥ずかしい・・・・・」

「乙女か!!」

 

頬を赤くしてもじもじと恥じらいながら言うその姿は、するべき人がやっていれば良い画になるのであろうが、残念ながら統夜のような男子がやっても全然であった

 

水穂は頭に手を当て大きなため息を吐くと諭すように問いかける

 

「いい、統夜?耳の穴かっぽじって、よーく聞きなさい。あんたがホントの本気であの子に惚れたってんなら、あたしは幼馴染としても、親友としても、とことん応援してやるし、協力だってしてやるわよ」

「水穂・・・」

「ただし!」

 

水穂の言葉が統夜の心を打ったのも束の間、ビシッと音を立てるように指をさされる

 

「そのためには何よりもまずはあんたが前に進まなきゃなんないのよ!」

「オレが・・・前に?」

 

統夜の鸚鵡返しに水穂は「ええ・・・」と頷いて話を進める

 

「あたしの調査によると、既にあの子に狙いを定めている生徒は多いわ」

「いつの間に・・・」

「そんな中、冴えない眼鏡で極度のヘタレのあんたがどうやってあの子のハートを握りつぶすのか」

「どんだけそのネタ気に入ってんだよ。それとハートは握りつぶすんじゃなくて掴むもんだ、キャッチするもんだ」

「こまけぇこたぁいいんだよ!

ゴホン、そしてそのために何よりも大事なこと・・・・それは・・・」

「それは・・・?」

 

真剣な雰囲気に、ごくり・・・と、息をのむ

 

「まず、自分がどんな人間かってことを全力で伝えるのよ、互いの事をよく知ることがよりよい人間関係の第一歩!」

「な、なるほど・・・」

 

思いの外まともなアドバイスが返ってきたことに若干驚く統夜

 

「で、そのためにはどうすれば・・・」

「ふっ・・・簡単なことよ、此処を何処だと思ってんの―――」

 

 

 

―――――

――――――――――

―――――――――――――――

 

 

新学期初日という事で、今日は始業式のみで終了となり生徒たちは次々に教室を後にする

彩音も同様に帰ろうとしたところで後ろから声を掛けられる

 

「安藤さん、ちょっとこの後時間ある?」

「え、あ、はい。あります、けど・・・・」

 

声を掛けてきたのは、つい先ほど自分を質問の嵐から救ってくれた高倉水穂であった

 

「だったら、この学園のこと色々案内してあげよっか?ほら、此処って意外と広いし教室の数も多いから。」

「そうなんですか?じゃあ、お言葉に甘えて・・・」

「OK、じゃあ着いて来て」

 

 

 

―――――――というやり取りが数十分前のことであった

 

「――――んで、あっちに見えるのが運動部の部室棟で、その隣が文化部の部室棟」

「どっちも大きいんですね。」

「まあ、この学校生徒の数が多い分部活の数も多いからねー。なんかよく分かんない部活とかあるし」

「そうなんですか・・・」

 

大方主要な施設等の案内を済ませた二人は肩を並べて廊下を歩く

と、そこで水穂が何かに気付いたかのようにポンと手を叩く

 

「どうかしたんですか?」

「それよそれ!」

「?」

 

それ、と言われても何が何だかさっぱりな彩音は首を傾げる

 

「あんた、さっきからなんで敬語なのよ?」

「え、ええ~っと・・・そう言われましても・・・」

「とにかく、クラスメートである以上、そういうのは無し!以後敬語禁止!」

「た、高倉さぁん・・・」

「ついでに苗字で呼ぶのも禁止!」

「ええぇっ!?」

 

一方的にガンガン要求をぶつけられ、困ったような表情を浮かべる彩音

それに反して水穂は楽しげに、まるで新しい玩具で遊ぶ子供のように笑っている

 

「別に、そんな難しく考えなくてもいいっての。ただふつーに気軽に友達として接してくれればいいって事」

「友達・・・・?」

「え゛?・・・もしかして、嫌だった?」

「ち、違います!!!!決して間違っても全然まったく何が何でも天地がひっくり返ってもそんな事は無いです!!!!わ、私はただ―――」

「わ、分かったから一旦息継ぎしようか?」

 

凄まじい勢いでまくし立て、ハアハア、と肩で息をしている彩音

 

「そ、その・・・私なんかで良かったら是非お友達に・・・」

「ていっ」

「あぅっ!」

 

ビシッと軽いチョップが叩き込まれ、おでこを抑える

 

「だから難しく考えすぎだって。彩音とあたしは友達、それだけでいいでしょ?」

「―――――うん!」

 

水穂の言葉がよほど嬉しかったのか、彩音はこの日一番の笑顔で応じるのであった

 

因みに、その笑顔に水穂が一瞬ドキッとしたのは別の話である

 

 

 

 

「――――で、ここを真っ直ぐ行った所がデュエル場よ」

「清桜学園のデュエル場の設備は最新鋭揃いなんだってね」

「よく、知ってるわね~。彩音はデュエル強いの?」

「強いかどうかはよく分かんないけど・・・デュエルは好きだよ?」

 

彩音の言葉に、水穂はそうかそうかと頷く

その時、一瞬だけ怪しげな笑みを見せたことに彩音は気付かなかった・・

 

「じゃあ、こっからは選手交代って事で、彩音はこのままデュエル場に行ってくれる?」

「別に大丈夫だけど・・・水穂ちゃんは―――」

「いいからいいから」

 

と、聞く暇も与えられず背中を押されてデュエル場に向かう

 

 

 

 

 

そして、言われたとおりに進み、通路を抜けるとそこは広いホールとなっており、中央部にデュエル用のステージのようなものがあった(GXのやつを想像してくれると手っ取り早いと思います)

 

しかし、何故か観客席には多くの生徒がおり、こちらを見ていた

 

彩音が訝しんでいると・・・

 

《おお~っと!来ました!本日、2年1組に転入してきた謎の美少女転校生、安藤彩音!》

 

デュエル場の広いホールに備え付けられているスピーカーから声が響き、観客席にいる生徒たちからも歓声が上がった

 

「え・・・・・ええっ!?」

 

しばし呆然と立ち尽くしたつぐみだったが、デュエルステージに立っている人影を見つけ歩み寄ろうとする

その、人物は腕を組んだまま直立していた、所謂“ガイナ立ち”と呼ばれるポーズである

 

「あ、あなたは・・・・・」

 

彩音はその人物に確かに見覚えがあった

 

 

 

 

―――と言うよりもつい数時間前に会ったばかりである

 

 

 

《ではではぁっ!!!これより!安藤彩音、歓迎デュエルを始めたいと思います!

対戦者は、同じく2年1組、南部統夜だぁぁっ!!!!》

 

「・・・・・・・・・・・」

 

 

 

――To be continued・・・

 

 

 






統夜「なんか小説中のオレの扱い酷くね?水穂の方が主人公してるように見えるんだけど」

作者「ダイジョブだ、その分次回で大活躍するから・・・・・・・たぶん」

統夜「たぶん!?たぶんって言ったか今!!??」

作者「そもそも・・・いつから自分が主人公だと錯覚していた?」

統夜「なん・・・・・・だと・・・・・・・」





~次回予告~

水穂「ついに始まった統夜VS彩音のデュエル!
だけど、統夜の様子が何だかおかしい・・・?
   どうしたっての統夜!?デュエルに集中できてないなんてアンタらしくないわよ!」

統夜「次回!遊戯王OGs第三話『決闘者が出会ったらやることはいつだって1つ!後編』
お楽しみは、これからだ!」



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