遊戯王OGs~オリジナルジェネレーションズ~   作:クロの助

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前に投稿していた内容だとあまりにデュエルがあっさりしていてつまらないので大幅に決闘内容を書き直して投稿しました
少しはましに・・・なったかな?

決闘の内容に関しては積極的にご意見ご感想等を頂けるとありがたいです、というかお願いします



作者の一言

ヒャッホオオオオオオオオ!!!!古代の機械新規来たぜぇええええええ!!!!!


第五話『ただ、思いのままに』

 

なんやかんやで色々と大変だった月一試験も終わった放課後

 

「彩音、部活はどうするの?」

「脈絡も前置きもあったもんじゃねぇな」

 

水穂がいきなり言ってきた、特に予定も無いので、荷物を纏めてまっすぐ家に帰ろうとしていた彩音は水穂に聞き返す

 

「部活・・・?」

 

「そ、部活動、またはクラブ活動とも言ったりするわね」

 

「いや部活動は知ってるけど・・・今は特に・・・」

 

元々、特に好きなスポーツ等があるわけでもなく、前の学校でも暇があればひたすらデュエルに打ち込んでいた彩音はこれまでそういった経験も無くこの学校でもそうなるのだろうと、特に意識はしていなかった

 

「特に決めてないんだったら、うちの部活来てみない?もちろん、この後暇だったらでいいけど」

「ええ~っと・・・・」

「お菓子とかもあるわよ? せっかくだから彩音の歓迎会も兼ねて、どうかな?」

 

水穂の後ろでは統夜がなんとも申し訳なさそうに苦笑しながら、こちらを見ている

たぶんアレは「言い出したら聞かない奴なんだ、付き合ってやってくれ」といった類の苦笑だろう、と彩音は判断できた、というかカンペ出してた

 

「じゃあ、お言葉に甘えて」

「よし、じゃあ早速行こう!」

「わぁっ!!??」

 

聞くや否や待ってましたと言わんばかりにそのまま彩音の手を引き、何処かへと引っ張っていく水穂

 

 

 

 

―――――

――――――――――

―――――――――――――――

 

「ここが我等ボランティア部員の集う拠点・・・・基、部室よ!」

 

ボランティア部と書かれた札がぶら下がっている部屋

ここがその部活メンバーが集う部室である

 

広さは中々の物で、元々文化部の部室棟自体が旧校舎の一つを改築して作られたものであるため、一般的な教室とほぼ同等の広さである

とは言っても、大きな衝立で遮られていて、今の彩音には3分の2程度の広さにしか見えないが

 

「まあ適当に座ってて、今統夜がお茶入れるから」

 

と水穂に促され、2~3人掛けのソファに座る彩音

統夜は特に何を言うでもなく、衝立の反対側に消えていく

 

「それで・・・ボランティア部ってあんまり聞かない名前だけど、何をする部活なの?」

「そりゃあ、ボランティアでしょ」

「いや、できればもうちょっと具体的に―――」

 

と、そこで統夜がお盆に乗せたお茶を持って再び現れた

 

その眉間には何故か皺が寄っている

 

「―――水穂、冷蔵庫にあったプリン知らねぇか?」

「・・・・・・知らない」

「何だ今の間は・・・!!!!」

 

プイッとそっぽ向く水穂に半場キレ気味の統夜

よく見れば水穂は冷や汗を流しているように見えるし、その目も何処か泳いでいた

 

「あ、あたしじゃないわよ!!!そ、そう!ぶちょーが昨日食べてるの見たわよ!」

 

「ほぉ・・・・ぶちょーがねぇ・・・・」

 

「そ、そうよ!」

 

「ぶちょー、昨日は風香ちゃんの買い物に付き合うからって、部室に来てないんですが」

 

「あ・・・・・じ、じゃあアレよ!一人がこっそり忍び込んで・・・」

 

「“じゃあ”じゃねえよ!!!このどアホっ!!!そう言ってる時点でお前が食ったってのは明らかになってるんだよ!!!どうしてくれんだ!!あのプリン、シュテルンの新作で、朝6時から並んでようやく手に入れたんだぞ!!!」

 

「う、うっさいわね!男がプリン一つでぐちぐち言ってんじゃないわよ!!」

 

「なんで逆切れされなきゃなんねぇんだよ!!」

 

「ふ、二人ともおちついて・・・・」

 

口喧嘩をおっぱじめる二人の間で何とか宥めようとする彩音だが、まさにハリケーンのような二人の口喧嘩に口を挟むなど到底無理だったようでただアワアワとしている

 

「だいたいお前はいつも――――」

 

「ああ、もう!しつっこいわね!」

 

「あ、あれ~?ど、どうして胸倉掴むんですか水穂さん・・・・?」

 

「ゴチャゴチャと五月蠅いのよアンタは!ちょっと黙っててもらうわよ!さぁ、歯を食い縛りなさい!!」

 

「MATTE!その振り上げている拳を下げろ!お前それでも決闘者か!」

 

「リ ア リ ス ト だ !」

 

 

 

 

そう言って、水穂が高々と掲げていた拳を振り下ろした時、ボランティア部室の扉がコンコン、と外側からノックされ、その音に反応した水穂の拳は統夜の顔面数ミリ前で停止する

 

助かった・・・と、か細い言葉が統夜の口から漏れるのと同時に、部室の扉が控えめに開かれる

そこに立っていたのは、綺麗な黒髪をボブカットにした小柄な大人しそうな少女だった

 

「あ、あの・・・・ボランティア部の人に用事があってきたんですけど――――」

 

 

―――――

――――――――――

―――――――――――――――

 

 

現在、統夜と来客が向かい合う形で話を進めており、そこから少し離れたところに置いてある丸テーブルで水穂と彩音が二人の様子を遠巻きに見ている

 

彩音は一度帰ろうとしたのだが

『ボランティア部がどういう部活なのか、実際に見てもらった方が早いわね』

と、水穂に引き止められた

 

「―――――えーっと、生憎ぶちょーが不在なので副部長のオレが応対させてもらうよ。じゃあ、まずは名前とクラスでも教えてもらえるか?」

「は、はいっ。1年2組、篠坂楓(しのさか かえで)です」

「楓ちゃん、か・・・」

 

統夜は小さな手帳に逐一楓の言葉をメモしていく

 

「あれ?篠坂、ってもしかして・・・剣道部の・・」

「あ、はい、剣道部主将の篠坂凛(りん)は私の姉です」

「やっぱりか!そういや先輩言ってたな~。“とってもかわいくて賢い、自慢の妹がいる” って」

「お姉ちゃん・・・・」

「まあ確かに、同じ妹を持つ身とすれば、こんなかわいい子が妹を自慢したくなるのも分かるけどな」

「そ、そんな・・・・」

 

どストレートに褒められ、恥ずかしそうに顔を赤くする楓

そんな様子を見て楽しそうに笑っている統夜

 

「―――――それで本題に入らせてもらうけど・・・・何かうちの部に用事っていうのは?」

「はい・・・実は、これを探して欲しいんです」

 

そう言って、楓は携帯の画面を見せる

そこに映っていた画像には、何やらネズミのような犬のような、よく分からないキャラクターのストラップが写っていた

 

「これって・・・・」

「あ、私知ってるよ!あの“もふもふランド”マスコットのもふ助くんだよね?」

 

と、反応したのは彩音

 

もふ助くん

もふもふランド、という大人から子供まで幅広い世代から大人気のテーマパークのマスコットであり、大きな瞳と大きな耳、そして緑の帽子がトレードマークの大人気キャラである

 

「それだけじゃない・・・・!!この写真のストラップは、ロケットランチャーを背面に装備し、両手にはガトリングガンをそれぞれ2丁、さらにプロペラントタンクを増設、そして極め付けに頬に十字傷がある・・・・先着1000個しか発売されなかった限定モデル・・・・通称“フルアーマーもふ助くん”だ!」

「なんでアンタは、もふ助についてそんな詳しいのよ!!!」

「間違えるな、水穂!これはもふ助くんだ!『くん』をつけろよ、デコ助野郎!」

「どうでもいいっての!」

 

かなりエキサイト気味の統夜に鬱陶しげに吐き捨てる水穂

と、そこで統夜が鞄からゴソゴソとあるものを取り出す

取り出したのは携帯ゲーム機で、それには丁度話題になっていたストラップがついていた

 

「先輩も持ってたんですね!」

 

「ああ、妹たちがもふ助くん大好きで、オレもそっから興味持ち始めてな。それで、朝早くから並んで買いに行ったってわけ」

 

「優しいんですね、妹さんたちが羨ましいです」

 

「いやぁ、そんな・・・・」

 

「なにデレデレしてんのよ・・・・・・・で、探して欲しいってことはどっかで落としたとか、そんな感じ?」

 

嬉しそうにニヘラっと笑う統夜

このままでは話が進まないと判断した水穂が脱線気味だった内容を一度戻す

 

「はい・・・普段は携帯につけているんですけど、帰ろうとしたら無くなっていて・・・たぶん何処かに落としちゃったんだと思うんです」

 

「なるほどね・・・・」

 

「それで、同じクラスの友達に相談したらボランティア部ってところに行って相談したら助けてもらえるって・・・」

 

後半になるほど、だんだんトーンが落ちていく

 

「あれ、私の合格祝いにお姉ちゃんがくれた大事な物なんです・・・だから、どうしても諦められなくって・・・」

 

「統夜・・・」

 

「ああ・・・」

 

そう言うと徐に立ち上がり、何処から取り出したのか、腕章を身に着ける統夜

そこに書かれているのは“部長代理”の文字

 

「OK、楓ちゃん。もふ助くんストラップ、オレ達ボランティア部が絶対探し出して見せる!!!・・・だから、安心しろ」

 

「・・・はい、ありがとうございます!」

 

フッと安心させるように優しく微笑む統夜

その姿に安心を覚えたのか、楓も嬉しそうに微笑み返す

 

「さて、どうするか・・・こういうのは、ぶちょーがいればすぐに見つかるんだがな・・・・・・何よりあのストラップは人気が高い、最悪誰かに取られる可能性もある、時間の問題だ」

 

「統夜、とりあえず学校に残ってる暇な連中には、見つけたら連絡くれるように頼んどいたわよ」

 

「そいつは重畳。・・・・朝宮先輩との連絡は?」

 

「未だ消息不明」

 

「何やってんだあの人は・・・・・とりあえず、楓ちゃんは最後にストラップがついてることを確認した場所、その時の状況、少しでも関係ありそうな事は全部教えてくれ」

「統夜くん」

 

いきなり、彩音に話しかけられる

 

「私も手伝うよ、人手は多い方がいいでしょ?」

 

「こちらとしてはありがたいけど・・・いいのか?」

 

「もちろん! ・・・・・というか、さっきの話を聞いたらほっとけないと言いますか・・・私も転校生とは言っても一応先輩だからね」

 

「そう、か・・・じゃあ頼むよ

 

では、新学期最初の活動って訳で・・・・・ボランティア部、出動!!」

 

 

 

―――――

――――――――――

―――――――――――――――

 

 

 

 

「――――――と勇んでみたものの・・・簡単には見つからねぇか・・」

 

現在、楓から話を聞いた結果、落とした可能性が一番高いと判断した中庭を探索中のボランティア部+2

 

「統夜ー、そっちあったー?」

「いや、こっちには・・・って水穂、頭凄いことになってんぞ」

 

統夜の言う通り、水穂の頭には木の枝やら葉っぱやらがくっ付いており、ちょっとした生け花や植木のような状態になっていた

 

「あ~、さっき茂みに頭突っ込んだからか・・・」

「ほれ、後ろ向け、取ってやるから」

「きゃー、統夜くんやさしー。惚れそうだわー」

「え、まじかー、うれしーなー」

 

なんて棒読みで軽口を叩き合いながらも、丁寧にゴミを取っていく統夜、マジオカン

 

「―――で、どうする?落し物の方には届いてなかったらしいわよ」

「少し暗くなってきたし、もう少し中庭探したら、楓ちゃんと彩音には帰ってもらうしかねぇな、いつまでも付き合せるわけにはいかんだろ・・・・・って、なにニヤニヤしてんだ」

「ん、何でもないわよ。ただ、そのモードの統夜は頼りになるなー、って思っただけ」

「・・・・?」

 

微妙に意味の解らないことを言う水穂に疑問を抱く統夜

 

「あんたは昔っから年下にはやたらと甘いからね・・・楓ちゃんが妹達に重なって見えたんでしょ? やっぱヘタレな統夜より“お兄ちゃんモード”の統夜の方が数段良いわよ」

「んだよ急に持ち上げやがって・・・」

「(普段からそれなら少しはモテるのに・・・・) なんでもないわ、じゃ、私は一旦落し物見てくるから、こっちはよろしくね」

「お、おう・・・」

 

と、そこでまたも背後から声を掛けられる、今度は彩音の声だったが

 

「統夜くん、そっちにあった?」

「いや、こっちには無いみたいだ」

 

さっきも似たような台詞聞いたなぁ・・・・なんて思いながら応対する

さっき水穂と話してた内容を伝えるのに丁度いいか、と思い口を開こうとしたところで横やりに遮られる

横やりと言っても真正面の相手からだったが

 

「――――統夜くん達って、いっつもこういう事してるの?」

 

「こういう・・・・って、部活の事か? そうでもないぞ、普段は結構部室でだらけてること多いし。 あ、ゴミ拾いはよくするな、うん」

 

「そうなんだ・・・・でも、偉いよね。こうやって誰かのために頑張って色々やるなんて」

 

その彩音の言葉に、統夜は一瞬ポカーンと制止するがすぐにククク・・・と笑い始める

 

「な、なんで笑うの!?」

 

「いやぁ、ゴメンゴメン。彩音のその台詞、オレがこの部に入りたてのころに言った台詞と同じだったからつい、な。 別に、そんな大層なもんじゃないんだよ、少なくともオレは」

 

「・・・・・? どういうこと?」

 

「オレ、一年前に無理矢理この部に引きずり込まれてさ(物理的に)、最初は“なんなんだこの部は!?”って思ってて、活動も成り行きでやっていますって感じで―――」

 

何処か遠くを見ているような目で壁に背中を預けながら、語り始める統夜

 

「―――でもな、こんな感じで色々やってると思うんだ。なんとなくこうやって誰か助けたり、ゴミ拾いしたり、部室で水穂とか先輩たちと適当に過ごしてるあの空間が、この時間が、凄く居心地いいって言うか、気楽で良いって言うか、楽しいって言うか、充実してるって言うか・・・・」

 

統夜は、オレ何言ってんだとでも言いたげな苦笑を浮かべながらも、どこか楽しそうに話す

 

「“誰かを助けたい”なんて立派な考えは無いんだ。ただ、今更離れたくないだけだよ、この部から」

 

悪いな口下手で、と最後に付け足し楓の方に歩いて行く統夜

その背中を見つめながら、彩音はあることを考えていた

 

 

 

―――――

――――――――――

―――――――――――――――

 

 

 

「――――と、言う訳で。後はオレと水穂が探しとくから、大変言い辛いのですが二人は帰っても・・・」

「わ、私なら大丈夫です!」

 

+2の二人に帰宅を勧める統夜だったが、二人(特に楓)は帰る気など微塵も無いらしく、一向に引こうとしない

因みに水穂は暗くなってきたため、一度職員室で顧問の先生に事情の説明と協力の申し込みに行っている

 

「そう言われてもなぁ・・・ほら、一応オレと水穂は部活でやってるけど二人は違うし、無理にやらせるのも・・・家の人も心配するだろうし」

「連絡するから大丈夫です!」

「ここまできたら、最後までお手伝いさせてくれないかな・・・?」

「う・・・」

 

結局、押し切られてしまいそうになる統夜

 

仕方ないからもう少しだけ、と言おうとした時、またも背後から声を掛けられる

 

 

 

 

「―――――見つけたぞ、南部統夜!」

 

振り返って姿を確認すると、そこには紫色の短髪の青年がビシッと統夜に向かって指を指しながら立っていた

 

「お前は――――」

 

「忘れたとは言わせんぞ!この“駆麻麻仙吏(かるま せんり)”の名を!」

 

「いや、別に忘れてねえよ。忘れたかったがな」

 

「ここで会ったが百年目、今日こそ決着をつけるぞ!そして、学年最強の機械族使いの座はこの俺が―――」

 

「もしもーし、聞いてますー?」

 

不幸だ・・・とでも言いたげな溜息を吐きながら頭に手を当てる統夜

後ろの二人は、不思議なものを見る目で前の男を見ている

 

「統夜くん、あの人は・・・・?」

 

「・・・・・・学年一、空気が読めない男だ」

 

駆麻仙吏

統夜と同学年の生徒であり、同じく機械族デッキの使い手、という理由から何かと統夜に挑みかかってくる相手である

しかし、その正確には難ありで、学園でも屈指の空気の読めない、迷惑男の烙印を押されている

統夜自身も最初はライバル関係のようなものを楽しんでいたのだが、最近では相手の変なベクトルのテンションについていけず、すっかり参っていた

 

 

「さあ、決闘だ南部統夜!構えろ!!!」

 

「いや、今は・・・・・・って、お前それは!?」

 

統夜はここで重大なことに気が付いた、駆麻のポケットから統夜達がずっと探していたもの―――もふ助くんストラップ―――が飛び出ていることに

 

「おまえ、それどうやって手に入れた!?」

 

「ああ、これか?先ほど此処で拾ったものだが・・・」

 

間違いない、アレは楓が落としたものだ

そう判断した統夜は、駆麻に事情を伝える

 

「―――――なるほど、事情は把握した。俺はこんなものに興味は無い、返してやってもいいだろう」

「ホントですか!!」

「ただし、条件がある!!!」

「条件・・・?」

 

その言葉を聞いた統夜は訝しげに駆麻を睨む

駆麻はそんな統夜を指さし続けながら言う

 

「南部統夜、貴様が俺に決闘で勝つことだ!」

 

「えっ・・・・!?」

 

その一言に、三人の表情が驚愕に染まる

 

「ちょっと待ってよ!なんでそんな話になるの!?」

 

「フンっ、折角の俺と南部統夜の決闘だ、何か代償が無ければ面白くあるまい。少なくとも今は俺の所有物だ、精々有効に活用させてもらう」

 

「そんな勝手な・・・・!」

 

「お願いです、返してください!それは大事な物なんです!」

 

「五月蠅いぞ!これは俺と南部統夜の問題だ!部外者は黙っていろ!」

 

「そんな・・・・」

 

「っ!! いい加減に・・・・・」

 

まるで子供のような、あまりにも身勝手すぎる言い分に黙ってなどいられるはずも無い

怒りを露わにした面持ちで駆麻に向かおうとした彩音だったが、今まで少し沈黙を保っていた統夜の手で制止される

 

 

 

 

「―――――ふざけたことを・・・・」

 

「っ!?」

 

冷たく、低く、まるでナイフのような声が静かに響いた

今まで一度も耳にしたことのないような、冷たい声が

さらに、彩音が驚いたのは統夜の表情である

 

まだ出会って数日だが、彩音の知る南部統夜と言う人物は、笑って怒ってコロコロと豊かに表情を変えている

 

しかし、今の統夜はどうだろう、まるで無機物のように、まるで停止中の火山のように、無表情に相手を見据えている

 

「―――――いいぜ、決闘、してやる」

 

 

間違いない、統夜は今怒っている

 

「ほお、漸くその気になったか!ならば見せてやろう、俺の力を!そして、学年最強の機械族使いの座はこの俺が―――」

 

「はっ、くだらねえ・・・・くれてやるよ、そんなもん」

 

「何・・・・!?」

 

「んな誰が付けたかも分からないような称号に目が眩んで・・・・大事な物が見えなくなるようなら・・・そんなもんいらねえ」

 

「・・・・・・」

 

「毎度毎度、お前の態度には散々イライラしてきたが・・・・今は――――」

 

相手に対する興味など全くない、今の統夜の言葉や振る舞いからはそういった事が感じ取れた

統夜は少し屈んでポケットからハンカチを取り出し、俯いている楓の頬をハンカチで優しく拭う

楓の目から流れた一筋の涙の跡を

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――――ただ、思いのままに潰させてもらう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「決闘!!」」

 

 

先攻はデュエルディスクの機能により駆麻からとなった

 

 

 

 

 

 

「潰すだと!?笑わせるな南部統夜!見せてやろう、この俺の力を!

俺は自分フィールドにモンスターが居ないことにより“フォトン・スラッシャー”を特殊召喚!」

 

フォトン・スラッシャー 攻2100

 

「更に“レスキューラビット”を召喚し効果発動!このカードを除外し、デッキから二体の通常モンスターを特殊召喚する!現れろ“ジェネクス・コントローラー”!!」

 

ジェネクス・コントローラー×2 攻1400

 

ジェネクス・・・豊富な種類のチューナーやそれ以外のモンスターから、様々な能力を持つ専用のシンクロモンスターを呼び出すテーマである

 

「俺はレベル4のフォトン・スラッシャーにレベル3のジェネクス・コントローラーをチューニング!!!」

 

☆4+☆3=☆7

 

「“英知の結晶、今その右腕に光の力を宿し出撃せよ”!!シンクロ召喚!“A・ジェネクス・トライフォース”!!!」

 

A・ジェネクス・トライフォース 攻2500

 

「トライフォースの効果発動!光属性の非チューナーをシンクロ素材としたこのモンスターは1ターンに1度、自分の墓地の光属性モンスターをセットすることができる!俺は“フォトン・スラッシャー”をセット!

更にコントローラーを墓地に送り、魔法カード“馬の骨の対価”を発動!カードを二枚ドローする!

オレはカードを1枚伏せてターンエンド!」

 

駆麻 LP8000 手札4

モンスター A・ジェネクス・トライフォース 伏せモンスター

魔法・罠 伏せ1

 

「さあ、来るがいい南部統夜! 今日こそ貴様を倒し俺が—————」

 

「獲物を前に舌舐めずり、三流のする事だな」

 

「貴様ぁっ!!」

 

「オレのターン! オレは“超重武者装留イワトオシ”を召喚!」

 

超重武者装留イワトオシ 攻1200

 

「オレは手札から“超重武者装留チュウサイ”をイワトオシに装備! そして、チュウサイが装備されているイワトオシをリリースすることで、デッキから超重武者モンスターを一体特殊召喚できる!

“動かざること山の如し!不動の主、荒ぶる憤りをここに示せ!”現れよ!“超重武者ビッグベン-K”!!!」

 

超重武者ビッグベン-K 守3500

 

ズズゥン・・・という重厚感のある音と共に刺叉状の武器を持ったこのデッキの主軸ともいえるモンスターが現れる

 

 

 

「この瞬間、墓地に送られたイワトオシの効果が発動!デッキから超重武者モンスターを手札に加える! オレはデッキから“超重武者テンB-N”を手札に加える!」

「最上級モンスターの高速召喚・・・・!」

「バトルだ! ビッグベン-Kでトライフォースに攻撃!」

 

ビッグベン-Kは守備表示のまま、守備力を攻撃力として扱って攻撃ができる

ビッグベン-Kの守備力は3500、対するトライフォースは2500、このままなら問題なく破壊できる値である

 

「させん!罠発動! “陰謀の盾”、トライフォースを1ターンに一度、バトルによる破壊から守る!また、戦闘ダメージも0になる!」

「・・・オレはこれでターンエンド」

 

統夜 LP8000 手札5

モンスター 超重武者ビッグベン-K

魔法・罠 無し

 

 

「俺のターン! ドロー!」

 

互いに第一ターンを終えいよいよここからが本番だとでも言う場面、先に大きく動いたのは駆麻だった

 

「俺は魔法カード“儀式の下準備”を発動! デッキの“ドリアードの祈り”を指定し、このカード自身と、このカードに記してある儀式モンスター、“精霊術師ドリアード”を手札に加える!」

 

「儀式!? ジェネクスはシンクロ主体のデッキのはずじゃ・・・・」

 

実際の所、デッキ内に多数の召喚方法のギミックを仕込むことは難しい事ではないのだが、予想外の儀式召喚の登場に驚く彩音

 

「ふっ・・・この俺様にしてみれば、複数の召喚方法を操るなど容易い事。 俺はフィールドのフォトン・スラッシャーを反転召喚し、ドリアードの祈りを発動。 フォトン・スラッシャーを生け贄とし、儀式召喚を執り行う! 現れよ、“精霊術師ドリアード”!!」

 

精霊術師ドリアード 攻1200

 

「更に、“手札抹殺”を発動! 互いに手札を全て捨て、同じ枚数ドローする。 この瞬間、墓地に送られた“ジェムナイト・オブシディア”の効果が発動!オブシディアの効果で、墓地のジェネクス・コントローラーを特殊召喚する!」

 

アドバンテージこそ大きく稼いでいるわけではないが、カード一枚一枚の効果を無駄なく使っていく駆麻

 

「こっちも手札交換させてもらうぞ・・・(せっかくサーチしたテンB-Nが墓地に送られたか・・・)」

「俺はレベル3の“精霊術師ドリアード”にレベル3の“ジェネクス・コントローラー”をチューニング!!」

 

☆3+☆3=☆6

 

「シンクロ召喚! 現れろ!“A・ジェネクス・トライアーム”!!」

 

A・ジェネクス・トライアーム 攻2400

 

現れたのは黒いボディを持った機械の戦士

 

「“トライアーム”も“トライフォース”同様、非チューナーの属性によってその効果を変える! 俺は手札一枚をコストに、風属性モンスターを素材とした時の効果を発動!」

 

「え? ドリアードは光属性じゃ・・・・」

「違うの楓ちゃん。 ドリアードはその効果で自身を炎、水、風、地の四つの属性としても扱うんだよ」

 

「ほぅ・・・よく分かっているな転校生! さあ!トライアームの効果により手札をランダムに捨ててもらうぞ!」

「ちっ・・・」

 

統夜の手札から捨てられたのは“速攻のかかし”であった

 

「手札誘発を落とせたか、どうやら運が無かったようだな! だがまだ終わらん! 俺はトライフォースの効果で再度墓地のフォトン・スラッシャーをセット!更に、セットモンスターをリリースし、“エネミーコントローラー”を発動!」

「・・・・っ!?」

「理解したようだな! そうだ、エネミーコントローラーの効果により、このターン、貴様のビッグベン-Kのコントロールはオレの物となる!」

 

「そんな・・・先輩のモンスターが・・・」

 

楓の表情が絶望に染まる

これにより、駆麻の場のモンスターの合計攻撃力は8400

つまり、一斉攻撃により、統夜のライフはゼロとなるのだ

 

「バトルだ! 行けぃ!!! トライフォース、トライアーム! 南部統夜のライフを削り取れ!」

「ぐぁぁっ!!!!」

 

統夜LP8000→5600→3100

 

「これで終わりだ、せめて最後は貴様のモンスターで葬ってくれる! 行くのだ!ビッグベン-K!!」

 

「統夜くん!!」

「先輩!!」

 

このままでは統夜の敗北、二人の悲痛な声が響く

そんな中、今まで不動を保ってきた統夜が遂に動いた

 

「こんな簡単に終わらねえよ! 行くぜ相棒、墓地の“虹クリボー”の効果を発動! 相手のダイレクトアタックに反応し、このカードを墓地から特殊召喚する!」

 

虹クリボー 守100

 

「でたぁっ! 統夜くんの虹クリボーだ!」

 

「くっ・・・かまうなビッグベン-K! 虹クリボーを粉砕しろ!!」

 

巨体から繰り出される一撃を善良で受け止め破壊される虹クリボー

しかし、その働きは、統夜を確実に次のターンへ導いた

 

「俺はメインフェイズ2に墓地の“シャッフル・リボーン”の効果を発動!俺のフィールドにいる、ビッグベン-Kを貴様のデッキに戻し、一枚ドロー! カードを二枚伏せてターンエンドだ!」

 

統夜 LP8000 手札0

モンスター A・ジェネクス・トライアーム A・ジェネクス・トライフォース

魔法・罠 陰謀の盾 伏せ2

 

「オレのターン、ドロー!」

 

相手の猛攻を耐えきった統夜、ここに来て反撃の狼煙が上がる

 

「いくぞ!こっちのフィールドにモンスターが存在せず、其方に二体以上存在するため“超重武者テンB-N”を特殊召喚!」

「二枚目を引いていたのか!?」

「効果により、墓地のイワトオシを特殊召喚! そして、テンB-Nを手札に戻し“A・ジェネクス・バードマン”を特殊召喚!」

 

統夜の場に現れたのは皮肉にもジェネクスの名を持った緑色の鳥型モンスター

そして、バードマンはチューナーである

 

「オレはレベル4のイワトオシにレベル3のバードマンをチューニング!」

 

☆4+☆3=☆7

 

「“その美しくも雄々しき翼翻し、吹き荒ぶ旋風と成りて天に舞え!”シンクロ召喚! レベル7! “クリアウィング・シンクロ・ドラゴン”!」

 

蒼と銀のドラゴンが統夜の場に降り立ち、咆哮を上げる

その美しくも力強い姿に、彩音も目を奪われる

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 攻2500

 

「まだだ! オレは墓地に送られたイワトオシの効果でデッキから“超重輝将ヒス-E”を手札に加える!オレはスケール1の“超重輝将ヒス-E”とスケール8の“超重輝将サン-5”でペンデュラムスケールをセッティング!」

「何ぃぃぃっ!!?? ペンデュラムだと!?」

「“揺れ動く光の軌跡、その狭間に眠りし力よ、今その力を解き放て”!!!

ペンデュラム召喚!!!現れろ!オレのモンスター!!」

 

◆1~PENDULUM~◇8

 

「“超重武者ホラガ-E”二体、“超重武者テンB-N”!!!」

 

 

超重武者ホラガ-E 守600

 

「レベル4のテンB-Nにレベル2のホラガ-Eをチューニング!」

 

☆2+☆4=☆6

 

「“雄叫び上げよ。神々しき鬼よ!見参せよ、欲望渦巻く戦場に”!シンクロ召喚!“超重神鬼シュテンドウ-G”!!」

 

超重神鬼シュテンドウ-G 守2500

 

「シュテンドウ-Gのシンクロ召喚成功時、オレの墓地に魔法、罠が存在しない為、相手フィールドの魔法、罠を全て破壊する!!」

「しまった!!!陰謀の盾だけならまだしも“聖なるバリア-ミラーフォース”二枚が!!!」

 

ミラフォは仕事しない

 

「そして、レベル6のシュテンドウ-Gにレベル2のホラガ-Eをチューニング!」

「更なるシンクロ召喚だと・・・!!」

 

☆6+☆2=☆8

 

「“闇に潜む忍びの者よ。山に木霊する叫びと共に、荒れ果てた戦場へと現れよ!”シンクロ召喚!“超重忍者サルト-B”!!」

 

超重忍者サルト-B 守2800

 

「すっごい!!統夜君の連続シンクロ!」

「頑張ってください! 先輩!」

 

「手札から“超重武者装留グレートウォール”、“超重武者装留シャイン・クロー”をサルト-Bに装備! これにより、守備力は1700ポイントアップ!!」

 

超重忍者サルト-B 守2800→4500

 

「バトルだ! 超重忍者サルト-Bでトライアームに攻撃! “超重抜刀・影の太刀”!!」

 

駆麻LP8000→5900

 

「この瞬間、サン-5のペンデュラム効果発動! 超重武者モンスターが相手モンスターを破壊した場合、もう一度続けてアタックできる!」

「しゅ、守備力4500の連続攻撃だと!?」

「(文面だけ見ると、何言ってんだって感じだろうな、それ・・・)

サルト-Bでトライフォースに攻撃だ!」

 

駆麻LP5900→3900

 

「いけぇっ!!!! クリアウィング! ダイレクトアタックだ!」

 

「相手の場はがら空き、手札も無い!これが通れば大ダメージだね!」

 

「―――――だが! まだだ、まだ終わらんよ!!!俺のライフは尽きん!」

「いや、終わりだ!!!サルト-Bの効果を発動! フィールドの魔法、罠を一枚破壊し、相手に500ポイントのダメージを与える!オレはペンデュラムゾーンのヒス-Eを選択!」

「何を馬鹿な事を! その程度のダメージでは足りんぞ!」

「オレの狙いはそこじゃない! その効果に対して、クリアウィング・シンクロ・ドラゴンの効果を発動!フィールドのレベル5以上のモンスターの効果が発動した時、その発動を無効にし破壊する!“ダイクロイックミラー”!」

 

サルト-Bがペンデュラムゾーンのカードに向けて放ったクナイをクリアウィングがその身からはなった光で反射し、逆に破壊してしまう

 

「自分のモンスターを破壊!? どうしちゃったんですか先輩! それに何の意味が・・・」

 

「この瞬間、クリアウィングのさらなる効果発動! ターン終了時までこのカードの攻撃力を、さっきの効果で破壊したモンスターの元々の攻撃力分アップさせる!」

「何いいいいぃぃぃぃっっ!!!!?????」

 

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 攻2500→4500

 

 

「とどめだ!クリアウィング! 風より速く、雲より高く!雄々しき翼で天に舞え!“旋風のヘルダイブスラッシャー”!!!!!」

「ぐわああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」

 

 

 

駆麻LP2400→0

 

クリアウィングの放った最後の一撃が駆麻のライフポイントを削り取った

 

 

 

「これが・・・若さか・・・・」

 

「―――――閉幕(カーテン・フォール)だ・・・アンコールは無いぜ」

 

 

 

 

―――――

――――――――――

―――――――――――――――

 

 

 

「―――――ありがとうございました!」

 

そう言って、深々と頭を下げる楓

 

「オレ等は大したことはしてないよ。結局、見つけたのだって、オレじゃないし・・・」

 

「でも、あの人から取り返してくれたのは先輩です。 ―――それに、私ひとりじゃ本当にどうしようも無かったと思います」

 

謙遜する統夜に、楓は首を横に振って応える

 

「だから、お礼を言わせてください。――――――本当に、ありがとうございました」

 

「分かった、受け取っておくよ、その言葉」

 

「それと・・・・・その、ですね」

 

「―――?」

 

何か言いにくそうに、顔を俯かせる楓

 

「・・・・・あの時の先輩、凄くかっこよかったです」

 

「はははっ、そう言ってもらえると嬉しいな、ありがとう」

 

そう言って楓の頭に手を伸ばすと優しく撫で始めた

 

「せ、先輩!?」

 

「ん?どうした?」

 

「どうしたって、そ、その・・・あうぅ・・・」

 

身を縮こませ、統夜からすれば変な声を上げている。困っているような、弱ったような

 

「あ、そうだ。できればでいいんだが・・・駆麻のこと恨まないでやってくれよ、今回はあんなこと言ってたが、本当はそんなに悪い奴じゃないんだ。ただ、周りが見えてないだけって言うか―――――」

 

統夜が何やら色々言っていたが楓の耳には一切入ってこない

それほどまでに楓の心中は混乱していた

 

「――――統夜ー!!準備できたわよー」

「ああ、分かった。今行く! さ、楓ちゃん、ここまで来たらもう少し付き合ってもらうぜ」

 

そう言って、統夜が楓の手を引いて向かう先では、水穂が三脚とカメラを用意していた

 

「統夜くん、これは・・・?」

 

「我等ボランティア部の伝統、というかお約束みたいなもんでな、一事件終わった後に関係者で記念撮影するんだ。 まあ、伝統って言っても先代部長が言いだしたことなんだけどな」

 

「そうなんだ・・・」

 

カメラのタイマーをセットした水穂も含め四人で並び、記念写真を撮った

 

「―――――うん」

 

そんな中、彩音が呟いた一言の意味を統夜達はすぐに知ることとなる

 

 

 

―――――

――――――――――

―――――――――――――――

 

 

 

 

次の日、学園の廊下を並んで歩く統夜と水穂

 

 

「―――それにしても、楓ちゃん良い子だったな」

 

「まあ、そこは否定しないけど」

 

「でもなぁ・・・・・」

 

「でも、何よ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――できれば一言“お兄ちゃん”って呼んでほしかった・・・」

 

「アンタのその一言で今回の話の全てが台無しになったわぁぁぁっ!!!」→↓↘+P

 

「ぶげらぁっ!!!」

 

後悔がにじみ出る一言を呟いた統夜は、鬼気迫る勢いの水穂が放った拳によってギャグマンガのごとく天井に頭をめり込ませることになった

 

 

 

その衝撃音を聞きつけたのか、彩音が小走りで寄ってきた

 

「――――あ、おはよう、水穂ちゃん。ちょっと話が・・・・・って、統夜くん何があったの!? ていうかこれ統夜くんだよね!? 生きてるよね!?」

 

「大丈夫よ、これくらいで死ぬような奴があたしの幼馴染やれるわけないじゃない」

 

「二人はどんなバイオレンスな幼少期を過ごしてきちゃったの・・・?」

 

よく見ると統夜がぴくぴくと微かに動いているので、どうにか生きてはいるのだと少しだけ安心する

 

 

「―――それで、あたしに何か用があったみたいだけど・・・?」

 

「あ、うん。 これを渡そうと思って」

 

そう言って、鞄から取り出したのは入部届、と書かれた一枚の紙

 

そして、入部希望欄に書いてあったのは“ボランティア部”の文字

 

「――――彩音、これって・・・」

 

「昨日の二人を見てたら、本当に楽しそうだなって思って・・・不束者ですが、これからはクラスメートとしてだけじゃなくて、部活仲間としてもお願いします」

 

少し恥ずかしそうな笑顔を見せながらもじもじと言う

 

そして、水穂も笑顔で彩音の手をとって答える

 

「えぇ! もちろん大歓迎よ、彩音! さっ!それじゃあ、そろそろ時間だし、教室行きましょうか」

「うん!」

 

そうして、2人は教室に向かって歩き出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・え?オレは?」

 

 

――To next turn・・・

 

 





水穂「こうして、彩音も無事にボランティア部に入部しました! 良かったわね、統夜。これでまた一歩前進よ!」

統夜「ああ、それは良かった・・・・・・だけど最後のアレは何だよ!?あそこだけ見たら水穂か彩音が主人公で、オレはただのギャグ要員じゃねぇか!!!」

水穂「別に、今に始まったことじゃないでしょ? それに、今回は今までで一番主人公っぽかった思うわよ?」

統夜「それもそうかもしれんが・・・・・やっぱり駄目だ!もう我慢の限界だ!作者に抗議してやる!」

水穂「そんなこと言って・・・これ以上ひどい目にあうだけよ?」

統夜「う・・・・・・我慢します・・・・」

水穂「ヘタレめ。 まあいいわ、それでは次回、なんと存在は一話から示唆されていたのに全く出番が無かったあのキャラが登場!遊戯王OGR第六話『私がぶちょーだ!』決闘者の修羅場が見れるわ!!」

統夜「これネタバレだよな・・・・」






今回は統夜の本性を少し公開+大暴走+マジ切れデュエル、って感じでした
統夜のヘタレは妹属性持ちには適用されません
統夜があんなランキング(第零話参照)で一位になったのも、一年生なので周りに妹属性持ちがいなかったからです・・・・・いても変わらないか
彼の属性力は妹属性です、妹大好きなお兄ちゃんである彼にとっては、ちっちゃい子全部が妹です、全ちびっ子の兄(と言う名の変態)です
妹たちに対して抱く感情はアレです、好きのベクトルが恋愛とかとは全く逆方向です
なのでナチュラルに頭なでたりします、どこぞの鈍感主人公たちのスキルの発揮先が限定されているだけです

では、ご意見ご感想アドバイスもお気軽にどうぞ!
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