ハリーポッターの世界に神様が転生させてくれたので神様との約束通り全力で楽しむことにした 作:おどぽけ
今回は少女が転生した話ですが、さて…彼女は何処に転生したのでしょうか…
暗い。
暗い、暗い、暗い。
闇が目の前を覆っている。それに、何か苦しい。
何かに引っ張られて行くこの感じは何だろう。まるでどこぞのダイ〇ンに引っ張られていくような吸引力ではないか──
ブォン、と擬音が出そうな感覚と共に「何か」の体に入る。
(良かった、無事に転生できたみたい…)
と思ったのも束の間、何かがおかしいことに気がつく。必死にその違和感を探る。
(なに、この違和感は…)
考えろ、赤ん坊がいるのにこの相応しくないないのは何?場所?感覚?それとも…。と考えてそして気がつく
ぐっ、と赤ちゃんの力では最早目を開けることすらままならない。辛うじて開けた視界は余りにも不気味な色の天井を映し出すことしかない。
ごろん、ごろんと寝返りを打って周りの状況を把握しようとする。
(自分はベビーベッドに寝かされている…周りに人間の気配はなし、しもべ妖精もいないのか…いくら魔法師と言えど赤ん坊を置いていくのはないのでは…)
と恐らく前世より数倍は賢くなったであろう頭で考える。
が、
(ああ…ダメ…もう…無理…)
そりゃ賢くなったところで所詮は生まれて数ヶ月かの赤ん坊。パワーソースを使い切ったところでこてーんと眠りに落ちてしまった。
…がちゃり、ぎぃぃ、と扉を開ける音が響けば、コツコツと足音を立てて2人の老人が部屋に入ってくる。
「…よく寝ているよ、婆さん」
「…可哀想にね、爺さんや。この子も…『例のあの人』に親を殺されちゃって…」
そうして赤ん坊はたいそう大事そうに抱かれ、その家を離れたのであった。無論、本人は知るはずもなく、すやすやと寝ていた。
転生おそらく二日目、いや、私の場合一日一回しか起きないからおそらくではない。二日目だ。
ふっと目を開けると昨日とは打って変わって暖かい光が視界を包み込む。
「おお、起きたよ婆さんや。」
「どれ…ああ、可愛いね…」
…
「
言語がわかってても呂律が回らない赤ん坊だ。ろくな言葉が出てこない。
「おーよしよし…婆やが今ミルクを持ってきてあげるからね…」
それを婆さんは恐らくお腹がすいたと勘違いしたのだろう…いや、お腹は空いていたから合っているが、言葉とは違う。
そう言って婆や…彼女は姿を消し、爺さんが優しく話しかける。
「不幸だったね…でももう大丈夫だ…爺や達が守ってあげるよ…」
(…不幸だった?不幸の子なのか?)
状況理解が追いつかない。この子は不幸?なんで?どうして?
考え始めるとキリがない。ただ、一つだけ確信を持って言える。
この子…名前はわからずとも、どれだけ酷い目に合ったとしても。
私の身体となった時点でもうこれは私だ。そして私は「この体で生涯を全うする」。
この先何があろうと、過去に何があろうと、不幸と嘆いてもそれで諦めることはないのだ。
「ほらお飲みや『クロノ』。美味しい美味しいミルクだよ」
私はクロノという名前らしい。そして婆やが作ってくれたミルクは、何処か懐かしさを感じさせるような甘い甘い、美味しいミルクだった。
転生七日目。クロノこと私は…私ことクロノは?よちよちと元気に歩こうとしてはいはいをしていた。
爺やと婆やは優れた脳で分析した結果、裏表のなく優しいスーパーグッジョブな2人だと判明した。また、2人は恐らく結婚していないことも薄々感づいていた。
はいはいしながら、まず何をするかを考える。
(まず必要なのは情報に次ぐ情報。それに知識、それを手に入れるための本…)
もうよちよちしながらそんなことしか考えていない。ホグワーツ入学までの11歳は長いようで時間がないことをもう理解していた。
クロノ・フィン。変な名前ではあるしかなり短いが、自然と見になじむ。
こうして今日も婆やの料理の様子や爺やの読んでいる新聞を見に行ったりと、大変だ。
その様子に最初はびっくりしていた爺やと婆やも、今では微笑んで許してくれている。本当に寛容すぎる2人だ。
こうして月日は過ぎていく。前世で得た料理の知識と婆やのおかげで1人暮らしもできそうだ、と思ったのは内緒だ。
クロノ・フィンちゃんです。もしも名前が似ている人がいたとしたらごめんなさい。指摘してくれれば訂正します。