ハリーポッターの世界に神様が転生させてくれたので神様との約束通り全力で楽しむことにした 作:おどぽけ
因みにそれを怠った作者は危うくピーポーされるところでした。
そうだ、図書館に行こう。
突然某電車会社のCMのようなキャッチフレーズみたいな言葉と共に思い浮かんだ。
思い立ったが吉日、とばかりに5ヶ月前誕生日プレゼントに貰った本に栞を挟んで本棚にしまうと、お爺さんとお婆さんのところへと行く。
「お爺さん、お婆さん。私図書館に行きたい!」
2人は少し驚く。が、既に慣れたのだろう。ニコニコとしながら「それじゃあ行こうか」とお爺さんが立ち上がる。
驚きながら慌てて手を振りながら止める。「お爺さん、私1人でいけるよ!?」と。あまり足腰の良く無いお爺さんに歩かせるのは申し訳ないし、調べ物に関して言われても少し面倒くさい。
しかしお爺さんは「一人で行かせるのは危険だからね、何、爺は見守るだけだよ」とニコニコしながら言った。
「私は晩御飯の用意をしてるからね…あんまり、遅くならないようにしておくれ」
このお婆さんの追い討ちが決定打になり、私は(しぶしぶ)お爺さんの同行を認めた。
「わかったよ婆さんや。少し待ってておくれクロノ」
そう言うとお爺さんは少し時間をかけて自分の部屋から帽子を持ってくる。娘とのお出かけだ、格好つけたいのだろうと思った。
「それじゃあいってくるよ」
「いってきます!」
そう言って扉から外へ出る。
思えばお爺さんとお出かけするのはいつぶりだろうか。
3年?いや、もしかして初めて?足腰の悪いお爺さんとお婆さんは基本的に一緒に出かけない。なのにお爺さんが行くと言ったのは、やはり少し離れた図書館は不安だからだろうか。
お爺さんと学校や友達について話していると、図書館についた。お爺さんは聞き上手なのか、娘の話に興味があるのか終始嬉しそうに聞いていた。
まず探したのは5年半ほど前…つまり「ハリー・ポッター」についての新聞だ。案の定その新聞はすぐに見つかった。
(ああ…ハリー…)
新聞を読みながらうっとりする少女、いや幼女は傍から見たらシュールにシュールを上乗せするほど変な光景だったろうと後から思った。
次に魔法関連や薬物、占いについてなどホグワーツで学ぶであろう知識の本。これは教科書があったため、その辺を軒並み借りていく…予定だったのだが、お持ち帰りの事情(5歳とお爺さんでは本が重すぎる)があり、そのうちの何冊かはその場で読んで容量が余りに余っているであろう頭に叩き込むことにした。
ペラペラと捲って頭に叩き込んでいると、何やらガラの悪そうな兄ちゃん3人が近寄って来る。
「うーわー、大人ぶって教科書なんて読んでるぜ…お前みたいなお子ちゃまには絵本がお似合いだよ!」
「あっはは!間違いねえなー」
ゲラゲラと笑いながら見下してくる彼ら。しつこい、うざい、油断してるの三拍子揃ったかなりのクズだろう。
「なにか御用ですか?」
とりあえずサラっと受け流して用件を尋ねる、が。
「おう。お前の体に用があってな」
ああ、これは…
「はあ。お断りしますが」
「あ?お前に拒否権なんてねえんだよ!」
そう言うと彼等は杖を取り出す。それを見ると流石にこれやばい、というのを理解する。
(ちょ…生ハリー見てない!死にたくない!)
そう思いながらも杖のない幼子には杖をもったやばい人には勝てないのだ。
そう思った矢先だった。
唐突に横から紅色の閃光が向かってきたと思えば、彼等の杖を吹き飛ばす。
これを私は知っている、目が動きを覚えるほど映画で見た呪文。
(武装解除呪文…!?しかも詠唱は聞こえなかった、つまり無言呪文だわ…この精度で無言呪文なんて恐ろしい…)
その後、先ほどとは違う赤い色の閃光が走る。恐らくこれは「失神呪文」だ。しかもまたもや無言呪文。恐ろしい。
魔法使いがよく使用する図書館だからか、対応も慣れたのだろう。スタッフがパタパタと走ってくると、杖を持ったまま私を囲むように倒れている彼等を見て、ズルズルと引きずって行く。
それにしても、誰なのだろうか。あの呪文を放ったのは─
「大丈夫かい?クロノ」
騒ぎを聞きつけて走ってきたのか、お爺さんが慌てたように来る。
「あ、うん…」
誰なのかはよくわかっていない。だが、誰かが助けてくれたのは確実だ。
正体のわからない人に向けて心の中で感謝を述べると、読み切れなかった本を借りて返った。何故か、もしくはこの世界ではよくあるからなのかスタッフは誰ひとりとして私たちを引き止めなかった。