やはり俺がボーダーA級部隊隊長をやっているのは間違っている。-改訂版ー 作:新太朗
気がつくともう半年も更新していませんでした!
ハイスクールの方や俺ガイルのR18の方ばかり更新していました。
でも感想で更新して欲しいとあったのでなんとか頑張ってモチベーションを回復させました(微弱)。
では、生徒会選挙編です。どうぞ。
一色いろは
迅さんの手伝いでネイバーである空閑をボーダーに入隊させるために色々と作戦を練った。それから俺は比企谷隊の他のメンバーにこの事を話した。
正直、止められるかと思ったがあいつらは嫌な顔一つせずに俺に協力すると言ってきた。この時、俺は自分で思っているほどあいつらの事を信頼していないんだと気付いてしまった。
だからこれからはもっとあいつらの事を信頼して行こうと思う。
次の日、俺は学校で授業を受けていた。作戦は練ったが遠征部隊が帰って来ない事には何も出来ない。だからこうして学校で授業を受けている。
迅さんが作戦の下準備をしてくれているので俺は楽が出来ている。
遠征部隊がこっちに帰ってくるのが早くて3日、遅くとも5日と言ったところだろう。遠征部隊の隊員の戦い方はしっかりと頭に入っているので十分臨機応変に対応出来るから大丈夫だろ。
それにしては平和だ。『ラッド』を駆除してからはこれと言って事件は起ってはいない。学校だってそうだ。
平塚静は居なくなり奉仕部は廃部、それによって雪ノ下と会う事は無いのであいつの毒舌を聞かずに済んでいる。
そもそも奉仕部以外で俺が雪ノ下と会った事は今まで殆んど無い。だから奉仕部さえ無くなれば会う事は無い!
まあ、クラスでは由比ヶ浜や葉山の視線が気になること以外、特に無いからな。後、三浦がたまに俺の方を見て不機嫌な顔をしてくる。
そんな顔をしたと事で怖くも何とも無い。まあ、三浦のアホ面を見られて少し愉快な気分になるから笑いを堪えるのが大変だ。
昼休憩になったので俺は教室を出てある場所に向かおうと席を立った。ある場所とは俺が見つけた学校で人気の無い静かな場所だ。
そこで浅葱と合流して弁当を貰って食べている。まあ、浅葱は炒飯以外は凄く美味しいので楽しみだ。
しかしどうして炒飯だけはあれほど不味くなるのだろうか?謎だ?
「八幡」
「浅葱」
教室を出ようと扉を開けた、そこには浅葱が居た。あれ?あの場所で集合すればいいのにどうして俺の居る教室まで来ているんだ?
「こんにちは。比企谷君」
「綾辻?どうしてお前が?」
浅葱の隣に綾辻が居た。それにしても少し顔色が悪いのか?良い色をしているとは見えなかった。どうしたんだ?
「綾辻はどうしたんだ?顔色が悪そうだが?」
「うん。八幡に相談したい事があるんだって」
「相談?もしかして恋愛相談って言わないよな?」
俺がそう言うと教室に残っていた男子が一斉に俺の方を……ではなく綾辻の方を見た。ホント、分かり易いな。
まあ、総武高校の生徒会副会長にしてボーダーの顔である嵐山隊のオペレーターで性格もいいとくれば、大抵の男子は綾辻に好意を寄せるだろうからな。
「私の事じゃなくて後輩の事なんだ……」
「後輩?……後輩が告ってきたのか?」
「だから恋愛相談じゃないから!」
どやら綾辻の相談は恋愛関係ではないらしな。それを聞いて男子達はどこかホッとしていた。だったら綾辻の相談って何だ?
「それでその相談って何だよ」
「えっと……ここじゃ何だしどこか別の場所でどうかな?今なら生徒会が使えるから」
「まあ、そこでいいか。浅葱は?」
「別に構わないけど」
いつまでも教室の扉の前で話しているのも何だから俺と浅葱と綾辻は生徒会室に向かった。本当なら別の場所で食べたかったがこの際、気にしないでおこう。
生徒会室に入って昼飯を食べる事にした。昼休憩は限られているからな。それにしても浅葱の手作り弁当は美味しいな。
甘めの出し巻き卵に冷めても美味しいから揚げ、少しピリ辛のきんぴらと味のバランスが実に素晴らしい!
俺は何をグルメレポーターみたいにしているんだ?
「……それで綾辻の相談って何だ?」
「うん。その前にこれを見て欲しいの」
綾辻が俺に渡してきたのは『生徒会長推薦者』と書かれており名前が『一色いろは』と記入されていた。女子生徒か?名前からして。
「これが?一体何なんだ?」
「これは実はいじめなの……」
「いじめ?これが……」
「うん……実はこの一色いろはさんって生徒会長になりたくてなったわけじゃないの。クラスの子が勝手に推薦させたの」
マジかよ!?でも綾辻がいる生徒会が本人確認をしていないなんて、ありえるのか?生徒会長はどこかぬけているような人だかしてもだ。
「本人確認とかしなかったのか?てか、生徒会選挙の担当って誰?」
「本人確認は私達が修学旅行の間に強引にしたみたいなんだ。担当は平塚先生だよ。先生が辞めて次の担当はまだ決まっていないの」
大丈夫かよ、この学校は!?てか、あの独身暴力女元教師はろくな事をしないな!職場見学にしろ夏休みのボランティアにしろ文化祭は殆んど何もしていたいし修学旅行では人の事を嵌めようとする。
教師以前に人間として駄目だろ。
「この一色の担任に相談しなかったのか?」
「相談はしたそうなんだけど、全然話を聞いてくれないようで……」
一色の担任も大概だな!!この学校にはまともな先生は居ないのか?教師も問題だが、生徒も問題があるな。いじめに生徒会選挙を使おうとかバカとしか思えない。
「それに比企谷君も少し関係があるの。推薦人のところの名前を見てくれない」
「推薦人?」
俺は綾辻の言う通り推薦人の名前を見ていくと『羽々斬夜架』と書かれていた。おい!夜架。お前、何クラスのいじめに加担しているんだよ!!
これは確かに俺にも無関係だとは言えないな。だが、あの夜架がいじめに加担したとは到底思えない。
「……後で夜架に話を聞いてみるか。それで綾辻はどうしたいんだ?」
「え?私?」
「ああ。一色を生徒会長にしたくないのか生徒会長にしたいのか。どっちだ?」
このまま一色が生徒会長になってもいいのか。それとも生徒会長にしたくなのか。そのどっちかでやる事が決まる。
「私は一色さんに決めてもらいたいかな。やっぱり最後は彼女の気持ちが大切だと思うから」
「まあ、そうだよな。とりあえず、本人から話を聞きたいんだけど。大丈夫そうか?」
「うん。大丈夫だと思うよ。放課後に生徒会室に来てもらうね」
「ああ。夜架にも来てもらうか」
クラスメイトの夜架に聞けば更に詳しく知る事が出来るかもしれないな。どういった理由で一色がいじめの標的になったのか、知らないとどうしようも出来ないからな。
放課後となり俺は生徒会室に向かった。その前に夜架に連絡しておかないとな。
『はい、主様。何かごようでしょうか?』
「ああ……」
電話をしたら僅か一秒で出てくれたよ。まあ、必ず出てくれるとは思ってはいたがそれにしては早いな。
「……これから時間、大丈夫か?」
『はい。問題ありませんわ』
「なら生徒会室に来てくれないか?」
『生徒会室ですね?分かりましたわ』
俺は生徒会室に向かった。浅葱にはボーダーで遠征部隊が帰ってくる日に防衛任務が入らないように細工してもらっている。
防衛任務の最中に帰ってきたら折角の作戦が台無しになってしまうからな。
「それじゃ比企谷君、夜架ちゃん。こっちが一色いろはさん。一色さん、彼が比企谷君で今回、一色さんの事で相談に乗ってくれた」
「初めまして~一色いろはで~す」
生徒会室に入り綾辻が一色を俺に紹介してきたが、この態度はイラッとしてしまうな。なんて言うか男を手玉に取る小悪魔系女子だな、こいつは。
男子には好かれても女子には嫌われるタイプだな。初対面の俺でもすぐに分かった。
「……比企谷だ」
「ありがと~ございま~す。先輩が相談に乗ってもらえてホントによかったで~す」
「……一色がいじめに遭うのがよく分かるな」
「いじめなんて~そんなの遭っているわけないじゃないですか~」
こいつの喋りは一々イラッとするな。
「綾辻。これはこいつの性格をどうにかしないともう駄目だろ……」
「あははっは……」
綾辻は苦笑いしている。まずは夜架に聞いてみるか。
「夜架はどうして一色を生徒会長に推薦するための推薦人に名前を書いたんだ?」
「クラスの人から一色さんが生徒会長になりたがっていると聞きましたのと私は特に興味が無かったので書きました」
「なるほど……」
やっぱり夜架は知らずにいじめに加担していたんだな。それにしてもどうしたものか。このままだと夜架がいじめに加担していた事になる。
そうなればボーダーのイメージによく無いと根付さんに何か言われるかもしれない。それは俺としても嫌だな。
「一色としてはどうしたいんだ?生徒会長をやらないのか?」
「わたし~来年、ボーダーに入隊しようかな~って思っているんですよ~だから生徒会長は出来ないんですよ~」
「ボーダーに入隊ね……理由を聞いてもいいか?」
「理由は~恥ずかしいから嫌です~」
ホント、イラッとするな。でもそうなると別の奴でも探した方がいいのか?でも探して見つかるならすでに綾辻辺りが見つけてそうだな。
「綾辻が会長になるってのは流石に無理か?」
「私が?無理だよ。副会長なら兎も角、会長だとオペレーターの仕事に支障が出てしまうかもしれないし……」
綾辻がやるのは無理か。かと言って俺もやりたくは無い。方法は二つくらいだな。
一つ目は一色にやる気を出させて生徒会長をやってもう事。
二つ目は一色でない奴に生徒会長をしてもう事。
思いつくのはこれくらいだ。これはこれで大変だ。
一つ目は一色にやる気を出させるのだが、ボーダーに入隊したがっているこいつをどう説得すればいいのかまったく思いつかない。
二つ目は生徒会長をしてもいい奴をどう生徒の中から探せばいいのか分からん。生徒会長は色々と面倒だからな。
そんな事を考えていると生徒会室の扉が勢いよく開いた。
「話は聞かせてもらったわ!!」
久々に読んでくれてありがとうございます。
次回の更新は出来る限り早めにします。
では、また。