やはり俺がボーダーA級部隊隊長をやっているのは間違っている。-改訂版ー   作:新太朗

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更新、遅くなってしまって申し訳ありません!

正月初めは何かと仕事が忙しく、そしてあまり筆が進まなかったのも原因だと思います。

しかし今日からは出来る限り定期更新していきたいです。

どうぞ。よろしくお願いします。

では、どうぞ。


比企谷隊⑥

新学期が始まって一週間が過ぎて、今日はついにC級訓練生の入隊日だ。

ついにこの日がやって来た。小町のボーダー入隊が。

 

「ボーダー本部長、忍田真史だ。君達の入隊を歓迎する。君達は訓練生として入隊するが、三門市を……人類の未来は君達の双肩に掛かっている。日々研磨し正規隊員を目指して欲しい。私達は君達と一緒に戦える日を待っている。私からはこれで以上だ。後の説明は嵐山隊ならびに比企谷隊に一任する」

 

忍田本部長は敬礼をした後、訓練生が騒ぎ出した。職場見学を思い出す。碌な思い出ではなかったな。

赤い隊服に五つの星が描かれたエンブレムの4人と黒い隊服に三本の傷痕のような模様が描かれたエンブレムの4人が現れた。そしてオペレーターの服を着た女子2人。

 

「やあ、みんな!今日の入隊指導を担当する嵐山隊の嵐山准だ。よろしく」

 

嵐山さんは相変わらず人気があるな。キャーキャーと女子が騒ぎ出している。

それに綾辻、時枝、佐鳥、木虎の嵐山さん以外のメンバーもそれなりに容姿が良かったりするので人気がある。ホント、凄いな嵐山隊。

 

そして俺達……比企谷隊を見て騒がしくなってきた。特に男子が。

まあ、浅葱のスタイルいいから男が視線を向けるのも頷ける。

夜架は少しミステリアスな雰囲気があるし浅葱には劣るが、それでもスタイルがいい。

シノンは無愛想な顔をしているが、十分な美少女と言える。

最後に雪菜だが、顔が小さくて可愛い。

 

嵐山隊が女子に人気なら比企谷隊は男子に人気がある事が分かる。もしや上層部の狙いはコレなのだろうか?とちょっと考えてしまう。

 

「それじゃ入隊指導をする前にトリガーについて説明しよう。トリガーを起動して換装したら左手の甲を見て欲しい。数字があるのが分かるだろうか。その数字を4000まで上がるのが正規隊員になる条件だ。頑張って上げてくれ。それと彼の紹介をしないとな。比企谷、自己紹介を」

 

「……え?俺がやるんですか?」

 

「当たり前です。私達と違ってメディアに出ていない比企谷隊を知らないですから。早くしてください、比企谷先輩」

 

嵐山さんから自己紹介をしてくれと言われた時、少し考え事していたので不意を付かれてしまった。サポートと聞いていたので、自己紹介はしないでいいものと思っていた。

そして木虎に少し怒られてしまった。これらな受けるべきではなかったと後悔する。

 

「……はぁ~A級9位比企谷隊隊長、比企谷八幡だ。それで俺の隣がオペレーターの藍羽浅葱。アタッカー羽々斬夜架。スナイパー朝田詩乃。もう1人のアタッカー姫柊雪菜。この5人が比企谷隊のメンバーだ。何か質問があれば、ある程度なら答えるから」

 

自己紹介をした質問があるかを聞いた所、手を上げたのが居たので俺は手を向けて質問を言ってくれと促した。

 

「早く強くなる方法って、在ったりしますか?」

 

「あ~……一応にはある」

 

「その方法って何ですか?」

 

質問してきた奴だけではなく他のC級も嵐山隊も俺に注目している。質問なんて聞くんじゃなかった。

 

「……師匠を持つことだ。師匠から技を教わったりそれを盗んで、自分のものにしていく。経験面はしかたがないが、それでも技などは自分のものに出来る。これはあくまで俺の持論だから、そんなに深く考えなくていいから」

 

俺に質問してきたC級隊員はどうやら納得してくれたようで、ぶつぶつと何か考えていているようだった。

 

「それじゃそろそろアタッカー、ガンナー組とスナイパー組に分かれようか」

 

ナイス!嵐山さん。これ以上質問されたら緊張で変な事を言いそうだった。

 

「スナイパー組の子は俺に付いて来てね」

 

佐鳥が手を上げてスナイパー志望の隊員を連れて移動しようとしていた。移動する中に鶴見の姿が見えた。千葉村で見た暗い顔はしていなったので心配はいらないだろう。

 

「それじゃ隊長。私はあっちだから」

 

「ああ、しっかりな」

 

「隊長も、ね」

 

シノンはスナイパーの指導のため佐鳥と移動を始めた。こちらも移動するので気持ちを少し切り替えていこうと思った。

 

「こちらも移動するから付いて来てくれ」

 

 

 

 

 

嵐山さんを先頭に俺達はある場所に移動した。移動した場所は職場見学でもやった対ネイバー戦闘訓練だ。

 

「まず最初の訓練はこれだ。対ネイバー戦闘訓練。仮想戦闘モードの部屋の中で集積されたデータから再現されたネイバーと戦ってもらう」

 

嵐山さんの説明で周りが騒ぎ始めた。職場見学の時とまったく同じ流れだな。

まあ、これで大抵の事が分かるからな、これはこれで重要だよな。

 

「では、始めは比企谷に戦ってもらうから。よく見て置くように」

 

……ん?嵐山さんは今、俺に戦ってもらうって言ったか?

 

「……嵐山さん。やんないと駄目ですか?」

 

「ああ、しっかりとな。あ、それとアタッカー、シュータートリガーの2つで戦ってくれ」

 

やらないと駄目か。夜架か雪菜でもいい気がするが、何故か2人が真剣な眼差しを俺に向けてきている。

これは期待しているのか?俺に期待しないで欲しいのだが……。

俺は諦めて仮想訓練室に入って始まるのを待った。職場見学と同じように弧月を抜かずに軽く触れているだけだ。

 

『仮想訓練開始』

 

アナウンスと同時にジャンプして大型ネイバーの頭を飛び越えた。もちろん、飛び超える前に弱点の目を切ってだ。

 

『1号室終了 記録0.4秒』

 

終了のアナウンスが俺の記録を読み上げた。職場見学の時より0.1秒タイムが縮んだ。

そしてすぐに2体目の大型トリオン兵が現れた。

 

「バイパー」

 

俺は弧月を鞘にしまって、シュータートリガーのバイパーを起動した。トリオンキューブを27分割して放った。

ただし、直接ネイバーを狙うのは芸がないと思い、壁や天井に向かってバイパーを放った。弾丸トリガーが壁などに当たれば、それで終わってしまう。

だが、バイパーは跳弾した。まるでスーパーボールのように天井や壁に当たって4~5回ほど撥ね続けた。

まあ、実際には弾は跳弾したのではなく壁や天井に当たる前に軌道変更しているだけだ。最終的にはトリオン兵の目に全弾命中した。

 

『スーパーボール』

ボーダーでも出来る奴が殆んどいない俺が作ったバイパーの技だ。弾速と射程にトリオンをつぎ込んでやる遊びだ。

やるとしても狭い場所でないと出来ないし、そもそもやろうとする奴がいない。

俺が仮想訓練室から出て見るとC級隊員が引いていた。何故?

 

「お、お兄ちゃん!!今の何?!シュータートリガーってあんな事も出来るの?!さっきの他にも出来る人って居るの?!!」

 

小町が興奮して俺の両肩を掴んで前後に揺らしながら大声で聞いてきた。中々、いい妹ボイスだ。流石は俺の癒しの天使だけの事はあるな、小町。

 

「とりあえず、落ち着け小町。説明してやるから……まず最初の質問だが、あれは『スーパーボール』って言う技だ。2つ目だが、あんな事が出来るのはシュータートリガーでもバイパーだけだ。それで最後の質問だが、トリガーにバイパーを入れている奴で言うと出水位だ」

 

「そうなの?玲さんは?」

 

「那須はトリオンが足らなくて今の半分位なら出来ると思うぞ?」

 

「玲さんでも今の半分なんだ……」

 

「それと何でC級は全員が引いているんだ?」

 

これが疑問だった。引くような事はしていないと思うのだが、何故か引かれていた。

 

「そんなのさっきの見せられたら、素人からしたらどん引きものだよ!お兄ちゃん」

 

「え?マジで?」

 

「マジだよ。小町だって引いているもん」

 

小町の口からまさかの真実が告げられた!!……って何を俺は少し大げさに思っているんだろうか。

 

「嵐山さん。俺がやった事ってそんなに引くことですかね?」

 

「う~ん……まあ、ボーダーでも出来る人間はそうはいないかな。俺もあれはやり過ぎだと思っている」

 

まさか嵐山さんも引いているとは思いもしなかった。まあ、俺も滅多にやらない技だけどもそんなに引く程か?

 

「そうだったのか……俺の中では遊びだったんだけどな」

 

「あれを遊びって言えるのはお兄ちゃん位だよ」

 

「そうか……次はもっと手を抜いてやった方がいいな……」

 

初めての事や緊張でとんでもない事をしていまったんだな俺は……。来年やるとしてももっと上手くやろうと心に固く誓いを立てた俺であった。

 

「ヒキタニ君、少しいいかい?」

 




読んでくれておりがとうございます。

これから更新頻度が落ちるのですいません。

ハイスクールの方を更新していこうと思うので出来ればハイスクールの方も読んで下さい。

では、次回にお会いしましょう。

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