記憶と知識とそれから才能?   作:不比等藤原

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いや、すみません。ホントにすいませんorz

泣いたり。落ち込んだり。すごかったんです。それでも許してくれるなら是非読んでやってください!!


11、ああ、無情……的な

突然だけど、私は人間には向き不向きがあると思う。

 

例えば、私は自慢ではないが頭がそれなりにいい。工藤くんは推理力や観察力、アガサ博士は着眼点や技術などそれぞれ人並み以上だ。

だから私は薬の事に関しては2人には負けない。工藤くんは事件を解決することでは恐らく世界トップクラス。博士も発明という一点ではそうだ。

 

だけど苦手な事もある。

私は運動がとても得意というわけではない。

工藤くんは……まぁ、幼馴染みの事を見れば分かるだろう。

博士は自身の健康管理がダメダメだ。

 

つまり、

人間とは何か一点がすごいからといって他の事もそうとは限らない。だからそこそこ頭がいい私にも解決できない事などこの世には溢れている。

 

 

……なぜ、今こんな話をするのか?それは私が今、ある難題に悩まされているからだ。

 

…話は少し前まで遡る。

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

「……や、やっと終わった。」

 

 

私の横からは穏やかな寝息が聞こえてくる。

時刻はおよそ午前3時、

なぜか彼からの超至近距離避難不可羞恥言葉責め攻撃が始まって私の感覚では5時間程が経過していた。

 

ずっと伏せていた顔を上げてみる。

 

 

…ち、近い……。

 

本当に近かった。

具体的に言うならポッキーゲームくらいの距離だ。

 

 

理由はわかっている。

私が彼の攻撃に反撃(物理)を最初はしていたが、途中からやめて無視する事にしたからだ。

 

……その結果、彼が距離を近づけてきて、さっきよりも多く話しかけてきたのだ。

 

いやいや、拒否してるって気付きなさいよ。

 

 

その後もその時間は続き、寝たふりをしたところでようやく止まり、私の頭を撫でてから彼は眠りについた。

 

……別にどうでもいいが撫でるのが異常にうまかったと言っておく。思わず声が出そうになるほどだった。

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

私は今ほど自身の行いを後悔している時はない。

なぜあの時

「この恨みをどうやって晴らしてやろうかしら。」

なんて考えたんだろう。

そしてなぜ、

「ふふふ、一晩中肌寒い思いをするといいわ。」

なんて結論に至り彼から布団を奪ったのだろうか。

 

 

そのどちらかがなければ……。

 

というか彼から布団を奪わなければこんな事には……。

 

 

「……んん、」

 

近くから声が聞こえてくる。幸せそうな声だ。

というかそうじゃなかったら流石に私も我慢できない。

 

 

 

 

なんて私は考えない。

というかそんな余裕はない。

 

なぜ?

 

その理由は距離よ。

 

聞こえてくる声は近い。

いや、本当に近い。

それはもう寝る前に考えてたポッキーを使った、もはややってる人見た事無いわ〜、というゲームレベルの距離よりももっと近い。

 

 

そしてなぜだろうか私の体が動かないのだ。

別に、金縛りが!なんて事はない。

私はそんなに疲労が溜まってはいないもの。

確かに昨日は疲れたけど、そんなに私の体はヤワではない。

 

ではなぜか?

 

少し推理の時間をとるわね。

少しずつヒントを出していくわ。

1、彼には布団がない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2、ここは海が近いせいかそれほど暑いという事はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3、私はちゃんと布団を被っていたので温かい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4、なぜか圧迫感がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後だ、彼との距離。

 

 

もうわかっただろうか。

私は今、……その………えっと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の上に覆い被さっている。

 

……え?意味がわからない?

それは私が言いたい。いや、本当になんで?

 

 

 

 

 

 

 

…漸く思考が正常になってきた。私の状況を整理しよう。

まず目を開けると見えるのは彼が着ている服。その胸元だ。

背中の圧迫感の方をみる。彼の腕に抱きしめられている。

 

…私の腕を見てみる。

……うん、完全に彼の背中に回っているようだ。

…足の方を見てみる。

……なぜだろう、しっかり固定している。私の足が。

 

 

 

 

 

 

 

 

いやいやいやいや。……え?なんで??

 

 

…百歩譲って私が布団代わりにされているのはわかる。いや、ホントはわからないけどまぁいい。

 

 

問題は私の腕と脚だ。一体何があったの?

なんで抱きしめているの??

 

 

絶賛頭の中がパレード中である。

 

 

 

 

 

 

 

〜10分経過〜

 

 

 

 

……だ、だいじようぶ。

 

漸く思考が追いついた。まだ少し混乱してるけどもうあれだ。多分そういう夢を見た結果こうなったのだ。そう思うようにした。

 

 

 

というか早くこの状態から脱出しなきゃ。

 

そう思って彼の腕の力が緩んだ時を見計らいどけ、立ち上がろうと思った時に彼と目が合った。

 

……そう、顔があったではない。目が合った。

 

今の状況をもう一度説明しよう。

 

彼の腕は退けたので、普通の状態だ。

 

私の腕は今、退けるために掴んだ彼の服にある。

 

私の脚は起き上がる為に力を入れてあり、彼の脚にまだ少し絡まっている。

 

ちなみに、お互いの服装は寝巻きなので少し薄着でさっきまでが変な体勢だったため、少し乱れている。

 

ちなみに恐らくだが、私の顔はさっきまでパニックだったので少し赤い。

 

目を覚まし、いきなりこの状況をみたらどう考えるだろうか。

 

そしてそして自身が当事者だったらどう思うだろうか。

 

 

 

……いや、落ち着くのよ。

彼はこう見えて組織の一員。

そしていつも私で遊ぶような性格の子供とは思えない子供。

これぐらいではなんとも思わない……かも?

 

 

 

彼の表情をみる。

引きつった笑みを浮かべている。

心なしか顔が赤い気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……あ、これはダメね。

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

俺は小学生転生者(笑)、上野瑞樹。

知り合って間もない同級生の灰原哀(本名、宮野志保)と島に旅行に行って、

就寝中に頭を撫でた時の半端ない緩み顏を目撃した。

(注、質問は受けんからな!めちゃくちゃ天使だったと言っておこう!!)

寝顔を見るのに夢中になっていた俺は背後から近づいてくるもう1人の灰原さんに気づかなかった!

俺はその灰原さんに上目遣いで文句を言われ、目が覚めたら・・・

 

 

 

 

 

天使(灰原さん)が俺の上で寝ていた。

 

 

 

(上野瑞樹)が起きていると第2第3の灰原さん(奴ら)にばれたら、

また上目遣いをされ、周りの人間にも見られてしまう。

自身の欲望に従い寝顔を堪能することにした俺は、

灰原さんが目覚めた時、とっさにまだ起きていないふりをし、

お互いに恥をかかないために、

灰原さんが離れるのをひたすら待った。

 

 

お互いの為に真実を隠す、見た目は子供、頭脳は大人、その名は………。

 

うん、そろそろ、現実を見なきゃね。

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、ちがうんすよ!なんか凄いいい夢から起きたら現実でも凄いいい事が起きてたんで暫く固まってたんすよ!

 

 

そしたら目が覚めちゃったんすよ!

 

 

多分、夢で抱き付いたりした結果こうなったと思ったんで離れるのを待ってるんすよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……にしても全然離れないな?

 

 

 

 

……こっそり確認するか?

…いや、まだあまり経ってないか、向こうも固まってる可能性があるし、あと少し待とう。うん。俺は慎重だからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜10分経過〜

 

 

 

……いやいや、長すぎるやろ。

少し確認するだけなら大丈夫かな?

 

…よし!やろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………わぉ。

 

 

 

 

 

 

あ、ありのまま目に飛び込んできた事を話しますぜ?

 

 

目を開けると天使もとい灰原さんが俺の服に手をかけていた。しかもかなり握りしめている。

しかもそれだけではない。なんと俺の脚は彼女の脚にからめられ、身動きが取れない状態である。

彼女の服を見てみよう。乱れている。具体的に言うなら少しズボンがずれ、服がめくれ上がっている。

そして彼女の顔に注目してみよう。赤くなっている。

息は荒い。なぜか少し笑っている?

 

 

 

 

……うん、やばい。

 

 

 

すげえだろ?これで小1なんだぜ?

 

 

 

なんて馬鹿なことを考えていると本当に大変なことになる気がしたので、彼女が固まっている間に抜け出して部屋をでる。

 

というかなぜだろう。体がとても重い。フラフラする。おかしい。昨日はちゃんと布団を被って寝たはずなのに。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

気がついたら彼がいなくなっていた。

 

……いやいやいや!絶対誤解されてる!

 

 

やっと動き出した頭で即座に判断し、彼を追いかけると彼はテーブルについていた。

彼は私と目が合うと、今まで見た事のない笑みを浮かべた。

 

 

………まって!お願いだから話を聞いて!

 

 

そう目で訴えても彼はニッコリとして頷くだけ、もはや話す事はないという事だろうか。

それはまずい、主に私の体裁的にまずい!そう思ったので半ば強引に食事が終わった後、彼を部屋に連れ込み話をしようとした。

 

 

 

……しようとしたらあら不思議、おばさんのよろしくね〜という言葉に返事をした後、彼は私から離れた部屋の隅に正座していた。

 

 

「……あの、多分勘違いしてると思うわ。」

 

「あ、やっぱりそういう系だよね!」

 

 

私は安堵した。よかった。彼はちゃんとわかっていてくれた。

 

 

「大丈夫だよ、誰にも言わないから。」

 

 

…………んん???

 

なぜだろう。彼の言葉が理解できない。

 

「確かによくよく考えてみたらそういう年だもんね!大丈夫!誰にも言わないよ!」

 

なぜだろうか、理解できたけど言葉が出てこない。そして彼のテンションが高い。まるで何かを笑い飛ばそうとするかのようだ。

 

 

「あ、あの……。」

 

「でも、できれば今度からは襲うのはやめてほしいかな。ほら、やっぱり年齢は大事でしょ?」

 

 

「……ち、」

 

「え?」

 

「ちがーーーーう!!」

 

そしてこの後必死に弁解をしているのだが、なぜか全然話を理解してくれない。気にしなくていいとか、そういう言葉ばかりが返ってくる。

 

 

「もう!さっきから言ってるでしょ!」

 

「わかってるよ。気にしないで。」

 

「だから〜〜!!」

 

 

 

なんで信じないの?!

え?もう諦めるしかないの?いやいや、いくらなんでもこの誤解はまずい。

人に話されても困るし何より彼が私を嫌えば私を組織に報告する可能性まで出てくる。

でもどうすれば……。

 

「あ、あなたは小学生でしょ!いくらなんでもませすぎよ!」

 

「え〜〜?それを言ったら灰原さんもだよね?」

 

 

だからあなた私の事知ってるでしょ!!!

 

 

……いや、むしろそこから崩せるかも。

 

「そ、それなら尚更ないじゃない。お互い小学生でしょ?」

 

「いや、それはほら。灰原さんだし?」

 

あなたは私をどっちで扱ってるのよ〜〜〜!!!

都合のいい方を使うな!!

 

 

「さ、さっきと矛盾してないかしら?」

 

「いやいや、灰原さんなら小学生でも色々知ってそうだし。」

 

「あなたは私をなんだと思ってるの!?」

 

小学生の頃なんてそんな事一切知らなかったわよ!!

……え?私そういうイメージなの?

 

 

「え、…だって色々皆んなに教えてたりするよね?」

 

「え、あ、そっち?」

 

 

「………………………」

 

 

ああ!ちがっ!そうじゃないから!そんな目で見ないで!!

 

 

「…………灰原さん。」

 

 

「っ!」

 

彼の雰囲気が豹変した。

さっきまでのふざけた雰囲気はない。静かで、まっすぐで、嘘を許さない。ひたすらに真実を知りたいという目だ。

 

 

「いくつか…質問に答えて欲しい。」

 

 

これは、もしかして私を匿うかどうかを見定めようとしてる?……いや、大丈夫。おそらく今回の事の事実確認。なにも私には後ろめたい事はない。変にビクビクしてたらむしろダメよ。しっかりしなきゃ。

 

 

「…いいわよ。何?」

 

「………その、……やっぱりそういう事を我慢してるのかな?」

 

「〜〜っ!?」

 

な、なな何を聞いてきてるのよこいつは!

いつももうちょっと良い言い方してるのになんで今回に限ってそんな直球なの!?

顔を赤くするくらいなら聞くな!!

バカなの!?

いや、答えられるわけないじゃないそんな事!

 

「あ、ごめん!これはいくらなんでもダメだな。」

 

…あ、よ、よかった。質問が変わるみたいね。

 

「んー、その、そういうのに少しは興味あるのかな?」

 

……こ、こいつは、小学生にそんな質問してきていいとでも思ってるのかしら?

 

……小学生じゃないと分かってるからしてきてるのか。

 

「…っ…、ま、全くといえば嘘になるわね。」

 

「……そっか。」

 

……やばいわね。どうしよう。これはどっち?というか顔が熱い!

 

 

「……なら、今朝の事は?」

 

「それは違うわ!ホントに違うの!!」

 

「落ち着いて。……信じて良いんだよね?」

 

「当然よ!!」

 

「…ん。信じる。」

 

 

彼はホッとしたように微笑んだ。

……よ、よかった〜〜。一時はどうなる事かと……。

 

 

 

「そういえば灰原さん。」

 

「なに?」

 

「今日の昼くらいまでしか自由に動けないと思うし行きたいところある?」

 

 

「?明日まではこの島にいるのよね?」

 

「まあそうなんだけど。ちょっね。」

 

「?……別にないわね。前に来た事もあるし。昨日もいろんな場所を回ったもの。」

 

「そっか。なら今日は船着場でどんな人が来るか見ない?」

 

「…それ楽しいの?」

 

「ふふふ、びっくりはすると思うよ。」

 

「……ならそれで良いわ。」

 

「ありがと。じゃあ30分後位に戻って来るからそれまでに着替えといてもらって良い?」

 

「わかったわ。」

 

「おけ。じゃあ30分後にね。」《ガララ》

 

 

……ふぅ。船着場ってなにするのかしら?有名人でもくる?でも今更取材に来るテレビ番組なんてあるのかしら。

《ガターン!!ガシャン!》

 

……え?なんの音?

 

襖を少し開けて覗いて見えるのは、電話の置いている物入れと一緒に倒れている少年………え?

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

………目を覚ました知らない天井だった件について。

え?どこここ?あれ?なにがあったんだっけ?

 

 

「っ!気がついたのね!」

 

ん?灰原さん??

あ、そっか。という事はここは泊まった民宿??

 

「灰原さん。ここどこ?」

 

「ここは病院だよ。」

 

 

ん?いつからいたんだ?この人。あぁ、ダメだ。目を動かすのもしんどい。

 

「……病院?」

 

「覚えてないかい?君は高熱で倒れたんだよ。昨日の事だよ。ドクターヘリでこっちの本格的な病院に運んだんだよ。」

 

 

「……そうですか。ありがとうございます。」

 

「いやいや、僕らの仕事だからね。感謝するならこっちの女の子にしなさい。ずっと付いていてくれたんだよ。」

 

「え、いや、私は…。」

 

「灰原さん。」

 

「……は、はい。」

 

「ありがと。」

 

「………どういたしまして。/////」

 

「さ、もう寝なさい。まだしんどいだろう?」

 

「はい。ありがとうございます。」

 

確かにしんどい。だからしょうがないな。うん。しょうがない。

 

 

でもね?一つだけ言わしてもらっても良いかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メインイベント見逃したぁぁぁぁぁぁあ!!!!!

 

 

 

 

 

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