記憶と知識とそれから才能?   作:不比等藤原

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13、悪夢は突然に。前編!的な

ある休日、悪夢は…突然やってきた……。

 

最近は、

珍しいことに特に何があったということもなく過ごしていたのに…。

 

……今思えば嵐の前の静けさだったのね…。

 

ほんとに、なんで…私はこんなに必死に頭を使わないと行けないのだろうか……。

 

そういえば、やはり危機感というものが私は足りないのではないかと最近思ってきた。

もしかしたら彼はそれを補う為に定期的に何か面倒事を……いや、それはないか。あれは絶対私で遊んでいる。私の気が緩んだタイミングで爆弾を投下して私が慌てふためくのを見て楽しんでるんだ。

絶対そうだ。そうに決まってる。

 

……まぁ、確かに、ごくごく偶にだけどいつも通り私の反応を楽しむ為の爆弾かと思ったら中身は組織の手が届かない、というかもう見ていない場所での休日だったり、単純な気遣いからくる言葉だったりしたけども……。

 

……とはいっても、

あくまで私がその真意に気付くまでは、

次はいったい何をする気だと不安になり少しソワソワしたり悩んでいたりする私の姿を見て楽しんでいるが。

……しかも、

私が本当にあと数分、もしかしたらほんの数秒後に気付く、または答えに辿り着くタイミングを見計らって私に正解を聞かせるという徹底ぶりだ。

 

あと少しで、自分で解いた事による達成感や爽快感のような、身体や頭が一気にフッ、と軽くなるような、言葉では言い表せないあの気持ちよさに手が届くと思った瞬間にお預け。

おかげで、最近の私はずっとモヤモヤしっ放しだし。うぅ、早くスッキリしたい。なんで彼は毎回考えるスピードを変えて特に考える前に答えを言わそうとしても完璧なタイミングまで待ってから話すのかしら。

 

そして、

もし私が少しでも戸惑ったり驚いた顔をしたら「え?いったいなんだと思ってたの?」と、ニヤニヤ無邪気ではない方で笑う。

私が間違った推理をした時だけは彼はその後、何も喋らずじっくりとその間違った推理を最初から最後まで私に喋らせようとするのだ。

 

最初は、

こんな風に推理していた。

とだけ言ったのだけど、

 

彼は何も話さずじっと私を見るだけだった。おそらく先を促しているのだろう。

5分ほどたって沈黙に負けた私は、その時に何を見たか。その見たものから何を考え、どう勘違いしていってしまったか。

と、

私自身の間違いを私に解説させながら紹介させ、さらにその時、自信がどれ位あったかなどという心境を喋らされ、最後に

『解説によるとその時は随分と自信があったみたいだね。

今、冷静にその推理とその時の心境を思い出したよね。

そしてさらにそれをこの場で解説しながら紹介してくれた訳だけど、ねぇ、今どんな気分?

その時の心境は分かったから。

その時の自信満々で間違ってた推理を心境を含めて僕に事細かに解説しながら紹介した今、灰原さんはどんな気分?』

と、要約するとこういう事をにやにやしながら幾つにも分けて聞いてくる。

本当に鬼畜で外道だ。

 

彼、絶対にわかってやっている。

間違っていると既に教えられた推理を、しかも正しい答えを私に教えた人に、それも私が何をどう勘違いしたのかを事細かに心境を踏まえて説明した時にどんな気持ちだったか?

 

そんな事、

口に出さなくても終始笑っていた彼と終始顔が赤かった私を見れば赤の他人でもわかるでしょ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………ふぅ。思考がそれたわ。今はこれに集中しないと。これは……私の命が掛かっているんだから。

 

 

◇◇◇

 

 

〜〜朝の9時〜〜

 

 

「哀くーん。なにか届いとるぞー。」

 

「は〜い。今行くわ〜。」

………ん?私に届け物?

 

 

私は荷物が届いだという事に疑問を持った。私が此処に居ると知っている人は結構いる。小学校にも通っているのだから当然だ。

だけど、

直接ではなく、届け物として私に出す人なんていな……。

…あぁ。そういえば最近できたわね。休日まで考えたくなかったから片隅に追いやっていたわ。

…まぁ、最近何もなかったから実は内心そろそろかな?と思っていたりしたから、予感的中という事ね。

 

 

〈ガチャ〉

「博士?届け物って何?」

 

「おお哀くん。これじゃよこれ。」

 

……これは………。メモリーカード?

 

「何かしらこれ。」

 

「ん?知り合いではないのかのぉ?」

 

「いいえ、多分知り合いよ。でもこんな物をもらう覚えがないのよね。」

 

「ふむ。ワシや新一がいた方がよいかのぉ。」

 

「………いえ、止めておいて。これは私一人で確かめるわ。ご飯自分で食べといてね。」

 

「哀くんは?」

 

「部屋で確かめてくるわ。……絶対に入ってきちゃダメよ?」

 

「ははは、わかっとるよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ふぅ。」

 

 

なぜだろうか。このメモリーカード、とても嫌な予感しかしない。多分、うん。間違いなく彼からだろう。という事は?……うん。間違いなく面倒な物が入ってる気がする。

 

 

 

「……はぁ、確かめるしかないわよね…。」

 

まぁ実際ホントに私には覚えがない訳だし、今回のはもしかしたら偶にある方かもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

………なんて思っていた時が私にもあったな〜〜。

メモリーカードを挿してデータを見た私は絶句した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………そこには、私が写っていた。

いや、でも盗撮がどうこうではない。合成でもない。

完璧な作り物だ。

だけど、

クオリティが高すぎる。

全く覚えがない本人だからわかるが、他の人が見たらこれはコスプレ姿でポーズをとっている私にしか見えないだろう。

…って何してるの!?こんな物作って何がしたいの!?というか完成度がおかしい!!何をどうしたらこんな物が作れるのよ!

 

そんな事を考えていたら、画面に動く私が現れた。

………もう突っ込まないわよ…。

 

『始めまして。』

「ブフッ!」

……え?なんで声まで私??

 

『私は彼が作った人工知能。

まぁ、彼はただシミュレートする為のプログラムを作るつもりだったみたいだけど、未来や行動を予測するプログラムなんて作ったら思考する為に人格が産まれたってわけね。』

 

「ちょ、ちょっと待って!」

 

『言いたいことはわかるけど彼には出来るのよ。』

 

………あれ?なんだろ納得してしまった自分がいる。

 

「彼はなんでそんなもの私に?」

 

『……?…あぁ、彼は私のこと気づいてないわよ。……それで、私がいるパソコンで纏めてたからこっそりとプログラムを作って干渉したわけ。』

 

「な、なるほど?」

 

『貴女が欲しいだろう情報を渡せるけど、どうする?』

 

「……情報によるわ。」

 

『それは今は言えないわね。貴女が欲しいと言ってからよ。』

 

「……欲しいわね。」

 

『了解。

じゃあルール説明ね。まずは』

「ちょ!ちょっと待って!」

 

『なに?』

「ルール説明ってどういう事?」

『そのままよ。貴女が参加するゲームの説明。もし貴女が勝てば情報を得られる。』

 

「……勝てなかったら?」

 

『ふふ、わかってるでしょ?

今も後ろに見えてる写真の流出よ。

大変だったのよ?彼が情報を渡そうとデータを纏めてる間にこっそりつく……何でもないわ。

あ、ちなみにだけど、この犬のコスプレ水着型写真をクリックすると、「わん!わん!…わん?わフゥ〜〜ン!!」と、このように動いて音声も出るわ。

ほんと、これを1つ1つ作る為に声だしたりこの格好をするのかなり恥ず……何でもないわ。』

 

「なっなっなんてもの作ってるの!?これを流出!?そんな危険な勝負できないわ!!」

 

『ちなみにだけど、ゲームはステージ制だからね。

それと、参加不参加は自由だけど、日付変更と同時に残っている勝利していないステージのデータは流出するわよ。

私が恥ずかしい思いをしてまで作ったんだから不参加なんて選択肢が取れると思わないでね。』

 

「そんな!幾ら何でもそれは横暴だわ!!」

 

『ステージは50!

獣ゾーン10、囚われゾーン10、欲求不満ゾーン10、プレイゾーン20の組み合わせ。』

 

「ちょ!話を聞きなさい!!」

 

『ちなみにゾーンを選ぶ順番のおすすめは紹介と逆よ。

プレイゾーンのデータなんて仮に1つでも流出したら大変な事になるわ。

欲求不満ゾーンは、周りに人がいたら耐えきれず襲ってくる人がいるかもしれないような息遣いとか行動のデータ。

囚われゾーンはそのまま色んな体勢や方法で囚われてるデータ、ここの声は迷ったわね。

獣ゾーンはまぁコスプレだからそういう趣味なのかな?で終わるわね。

ただし、簡単なのは獣ゾーンからの順番よ。まぁ、好きに選んでね。あ、彼に頼んだら結構早く終わると思うわよ。でも、私の事を伝えたらその時点でデータ全部復旧して流すから。あぁ、それと私が助言されたって伝えるのもだめよ。自分で考えたって言いなさい。』

 

「私が勝っても貴女には何もないじゃない!」

 

『でも貴女には得がある。それより良いんですか?時間がどんどん減っていきますよ?まぁ、私は構わないけど。』

 

「くっ!速攻で終わらせてやるわよ!!後で覚えておきなさい!」

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

〜〜現在昼3時〜〜

 

〈カタカタカタカタ!〉

「……ふぅ。」

 

今終わったので5つ。

とてもじゃないけど間に合わない。

そして、確かめてわかった事がいくつかある。

クリアした時にそのステージのデータが流されるのだ。

……全く、何で自分の痴態を……。

間違えた。自分にそっくりなデータの痴態を見なければならないのだろうか。

……博士がプライバシーとかを守る人でよかった。もし今急に部屋に入られたりしたら私の人生が終わる。

獣、囚われ、欲求不満は変な目では見られるだろうがまだ生活はできる。

だけど、プレイはダメだ。あれはホントに私のこれからの人生が終わる。外なんてとても歩けない。けど、今のペースだと少なくとも7つは流出することになる。

冗談じゃない。

 

今の私の頭に甦るのはあの人工知能の言葉。

『あ、彼に頼んだら結構早く終わると思うわよ。』

 

実際こんなデータを作ったのは多分彼だし、そうなのだろう。それに、このデータに出てくるのは私ではないのだから別に構わない。

そう。私ではないのだ。………でも、確かに私ではないのだが、話し方や声。背や肌の色。そして顔と表情。まで完璧に私だ。

いくら製作者だとしても、クリアした時に出る何から何まで完璧に私なデータの痴態を横で鑑賞なんてされたらもう死んでしまう。

けど、このままだったら私はホントに(社会的に)死んでしまう。恥か死か。取るべきなのはわかってる。わかってるけど…わかってるんだけど……。

 

 

そして私は連絡を入れた。

 

 

 

 

 

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