記憶と知識とそれから才能?   作:不比等藤原

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16、灰原さんには関係ない。中編!的な

灰原side in

 

本当の所…あの女が乗っているのは何故なのかしら?

……いや、今気にするべきなのはそこではない…わね。

 

 

そう、

私の事を確かめる為に乗って来たにせよ、

偶然にせよ、

どのみちきけんな事には変わりはないのだ。

普通の人では感じない、あの圧迫感は既に戻ってきている。

今私がするべきなのは決定的な証拠を掴ませない事。

私には彼がいる。

決定的な証拠がない限り彼は私をかく………。

 

 

 

 

 

あぁ、私は……本当に…

「灰原さん灰原さん」

 

「っ!?……何かしら?」

 

「いや、一応状況を細かく説明しようと思ってね」

 

……なるほど、動くのね。

 

確かにこの状況で動くには、

状況を理解していないのは非常にまずい。

知らずに動いて殺されました…なんて冗談にもならない。

 

 

……ただ。

小1で、犯人が拳銃を持っていて自分の命も危険だというのにこの落ち着きよう。

やはり、彼が組織にいるからこそなのだろう。

他の子達は怯えてる。

でも、彼にとってここに来るまでの生活は命の危険は当たり前、

それで身が竦むならすぐ殺される。

理想を言えば少しの弱みもあってはならない。

あればそこを突かれて殺されるから。

 

……そう、私のような、

裏で薬を作っていた人間とは、隙が余りにも多すぎる私なんかとは全然違う、

本物の組織の一員なのだろう。

 

「どうする?」

 

そんな彼が今、

『動くには知っていないとまずい事』を説明しようか?と聞いてきている。

つまり、彼は何か動こうとしているのだ。

そして私に聞いてきている。

『俺は動くよ?命懸けだけど付いてくる?』と、

 

何度でも言う。

私は、彼とは違う。

薬を作ってきただけだ。

 

なのに本当に……彼は私で遊ぶのが好きなようだ。

 

 

……でも、ごめんね。

今回は、私の方が一枚上手だったよ。

引っかかる前に思惑に気付けた。

 

あの女がいる空間で私が簡単に動けるわけがない、という事実。

それと、

『まさか、俺だけにやらせる気?』という事を言外に伝える。

それによって悩む私を見たかったんだろう。

 

 

そして恐らく、彼はどちらを選んでも特に何もしない。

 

何もしないならそれまで、

まぁ、

後日その事でまた何かをさせるつもりなのだろうが。

 

するのなら、

目立たない事をさせて終わりだ。

 

 

今回は彼の考えを完璧に看破した自信がある。

 

…久々の達成感だ。

頭がすっきりする。

……その分、これからの事をよく考えられる。

…それぐらい、なんとも言い表せないほどの満足感があって……。

だから、とびっきりの笑顔で答えてあげる。

 

「勿論、聞くわ」

 

「………そっか、ならーー」

 

彼は一瞬私の顔を見て惚けたようだった。

相当驚いたようだ。

 

 

 

◇◇◇

 

 

……なぜかしら?

 

あれから数十分経った。

彼は特に動いていないように思える。

 

工藤君が動いているから?

 

…いや、ゼロではないだろうけど、そんな事を彼がするの?

それに、周りを見ながら浮かべているあの笑みが気になる。

見てるのは……乗員?

もしかして、あの女?

いや、それならばなぜ複数も見てるのか説明できない。

 

「おい!!そこのメガネとマスクの男!!こっちに来い!!」

 

「………ふ…」

「っ!?」《ゾクッ》

 

悪寒が…走った。

 

今回は工藤君や乗員の何人かも感じたようだ。

元が何処かを探している。

勿論、発された空気と声の元は間違いなく彼。

彼の出す圧迫感になれた私に悪寒が走ったのだ。

初めて感じる人には脅威の対象だろう…。

 

……工藤君は、どうやら後回しにする事にしたらしい。

 

 

「それと人質が一人欲しいな。………一番後ろの席の女!!テメェだ!!」

「えぇ!?なんーー」

 

 

 

犯人の言葉を聞いて殆どの人は目をそらした。だが、彼は悠然と犯人たちを見つめていた所から考えるに彼は選ばれたら近づいて一瞬でカタをつけるつもりだったのだろう。

 

その証拠に、今は下を向いて何か別の手段を考えているように見える。それも今まで見た事もないほどの笑みを浮かべながら…

 

 

「……そろそろだ」

「………え?」

 

◇◇◇

 

瑞樹side in

 

「俺たちが降りたらまた全速力で走りな。じゃないと人質の命はねぇからな」

 

「は、はいぃ!!」

 

小太りの男が仲間を人質に見せかけて脅してる。

 

……これ、分かってる時に見るとなんかあれだな。わざとらしさが半端ない。

 

…え?

ニヤニヤしてる?

しゃあないじゃん!!

凄くね?まじで凄くね??

さっきからコナンが横で指示出してるわけよ!!

 

 

「よく言うよ!!

……誰も助けるつもりないんでしょ?

素顔を見せたって事はそういう事だ。

どうせみんなこの爆弾で殺すんだ!!!!」

 

 

「!?テメェガキ!!!ぶっ殺すぞ!!」

「バカ!!爆弾に当たったらどうするんだ!」

 

っぅ!!痺れる〜〜!!!

もし腕に自信があれば撃たれるにも関わらずそんな堂々となんてまじで凄い。

どんだけメンタル強いの?いやマジで。

 

……あれ?

なんで灰原さんこっち向いて惚けてんの?

ちゃんと力を入れとかないとこの後は…

「早く!!!」

 

《キィィィイイイイ》

 

「「「!!!!!???」」」

「きゃ!?」

「っ!?」《ガバァ!》

 

 

 

 

◇◇◇

 

灰原side in

「このガキーー」

 

 

……うぅ?

何が…起きたの?

彼の言葉に驚いてたら急に衝撃がきて……?

 

 

「つぅ……」

「っ!?」

 

……え?

なんで、彼に抱き締められてるの?

あれ?皆んな何かにしがみついてる?

もしかして、

 

……助けてくれた?

 

「……灰原さん。あんな時にぼーっとしてたらダメだよぉ」

 

「え、えぇ。ありがとう。それとごめんな……っぅ!?」

 

「?…どうしたの?」《ポタッ》

 

「あ、頭…血、血が…」

 

「え?……あ、ホントだ。切っちゃったみたい」

「ご、ごめんなさい!!!」

 

「いやいや、そんなに気にしなくてもいいよ」

 

「………私、あなたに…迷惑しか」

「いやいや、かけられた覚えないよ!」

 

っぅ!!

そんな…訳ない。

組織が人を送ってきたって時点である程度目星が付いてるはず。

きっと私の正体に関する証拠も既に揃ってる。

それでも彼は黙ってくれてる。

自身には何一つとしてメリットはない。

寧ろこの程度に時間が掛けた事で評価は下がっているはず。

いや、それどころか自分の命まで危険に晒してる……。

 

私は……私は………

 

 

 

 

「や、やばいって!!!さっきの衝撃で起爆スイッチ押しちゃったみたいで、後1分もすれば爆発しちゃう!!」

 

 

「な!?ーー」

 

 

……ばく…だん?

 

………あぁ、そっか。

 

……そう……よね。

 

 

分かってた事…。

 

私の正体が彼以外からばれたなら、

きっと、

皆んな、

工藤君も博士も

無関係なあの子達も、

 

 

 

 

そして、

組織を欺き、

私を匿ってる、

組織の一員とは思えないくらい優しすぎる彼も…

 

 

なら、

どうする?

私が生きている限り、その危険は消えない。

自ら命を絶っても……それを怪しまれて調べられる。

なら、

どうする?

何をすれば彼らに被害が出ない?出たとしても最低限で済む?

 

………なんて、

自分が嫌な答えは、例え出ていても分からないふりをする。

ダメよ。私。

今回は年上だという事を彼に示す為に来てるんだから…。

目的は……少しずれてるし、当たり前に怖い。

でも、これは私の……年上としての意地だ。

絶対に、

 

 

 

 

誰にも被害なんて出させはしない。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

コナンside in

 

爆弾が爆発するまで、後40秒くらいか?

とりあえずここまで来たら安全だよな?

「……あれ?灰原さんは?」

 

「え?それなら僕たちの後ろに付いてきて……。

た、大変です!!灰原さんがいません!!」

 

「おい、まさか中にいるんじゃねぇか?途中寝てたしよ」

 

「っ!?」

 

灰原…まさかお前!!?

くそっ!!

なんでもっと早く気づかなかったんだ!!

あのバスの中で感じた寒気…明らかに組織の人間。

 

……っ!早まってるんじゃねぇよ灰原!!

偶然の可能性だってあるんだ!!

恐らく残り30秒程…

…いけるか!?

「あれ?瑞樹君もいない…」

 

「……へ?」

「あ、本当だ、いませんね」

「あいつが灰原違う方に引っ張ってったんじゃねぇか?」

「あ、ありえます!!確か吊り橋効果っていうのがあったはずです!ドキドキを勘違いするっていう!!」

「や、ヤベェぞ光彦!!探しに行くぞ!!」

「はい!!」

「待って三人とも!!」

「「え?」」「……え?俺も?」

 

「良くないよそういうの!!」

「で、ですが灰原さんが!」

「それでも勇気が必要なことだよ?部外者の私達は何もしちゃダメ!!」

「……で、でもよぅ」

「ダメったらだめなの!!そんなことする人は最低だよ!!」

「……分かりました」

「……しゃあねえなぁ」

「あ、うん。いいんじゃねぇか?」

「……でも灰原さんどこだろう?………(多分引っ張っていったのは灰原さんだと思うんだよね)」

「歩美ちゃん言ってる事が…」

「こっそり覗くだけならいいの!!」

 





後編は恐らく短くなります。
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