Re:IS~深緑の狙撃姫~   作:風来のがばお

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前回のあらすじ。

二人のISが進化。


次なるステージへ

「作戦完了…と言いたいところだが、お前達は独自行動により重大な違反を犯した。帰ったらすぐ反省文の提出と懲罰用の特別トレーニングを用意してやるから、そのつもりでいろ。特に篠ノ之、お前に関しては量を二倍増しだから、覚悟しておけ」

「…ああわかった。暴走ISを止めた代償がこの程度で済むなら安いものさ」

「……はい…」

 

戦士達の帰還は冷たいものだった。

 

「…まぁ、今日のところは皆良くやった。学園に帰るまでに、ゆっくり身体を休ませるんだな」

 

が、ほんの少し優しさをくれた。

 

「うにゅ~…」

 

正座している一同の後ろでは、セリスが疲労により軽く熱を起こし、頭に冷えピタを装着して、かわいらしい呻き声を上げながら横になっていた。

セリスがどれだけ優れた空間認識能力を持っていても、オーバーヒートするのも当然だ。

 

「はい、みなさんこれを飲んでください。夏はそのあたりも意識しないと、急に気分が悪くなったりしますよ」

 

真耶からスポーツドリンクのパックを受け取る。

 

「………」

「何だ?まだ何かあるのか?」

 

千冬がじっとこっちを睨んでいたので、一夏は口を開いた。

 

「…しかしまあ、よくやった。全員、よく無事に帰ってきたな。安心したぞ」

「……ふん…」

 

照れくさそうに千冬はそう言う。一夏は鼻を鳴らすが口元は笑っていた。女子が着替えるため一夏は部屋を出る。

夕食になり、セリスは少し回復、美味しく夕食をいただいた。

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

旅館から離れた場所で千冬と束が話をしていた。

 

「…とある人間が大事な妹を晴れ舞台でデビューさせたいと考える。そこで用意するのは専用機と、そしてどこかのISの暴走事件だ」

 

束は答えない。そして、千冬は言葉を続ける。

 

「暴走事件に際して、新型の高性能機を作戦に加える。そこで天才の妹は華々しく専用機持ちとしてデビューというわけだ」

「やはりそうか。あんたらしいやり方だよ。篠ノ乃束」

 

向こう側から一夏がやって来た。

 

「一夏!」

「いっくん」

 

まさかの乱入者に千冬と束は驚くが、一夏は話を続ける。

 

「あんたならコアを弄る事ぐらい朝飯前だろうが、あんたが弄ったって言う証拠がないから、何とも言えないけどな」

「いっくん、君は何を知っているのかな?」

 

束の一夏を見る目が鋭くなる。

 

「俺は福音のコアと対話をした。お母様を恨まないでと言っていた」

 

それを聞き、千冬は一夏の胸ぐらを掴む。

 

「一夏!どういうことだ!?福音のコアと対話を果たしたとは!?」

「へえ…興味深い話だねぇ…もっと聞かせてほしいなぁ〜」

 

一夏は千冬の手を払いのけ、二人を睨み付ける。

 

「妹の専用機デビュー戦という下らない理由で国が協力しあって開発したISを暴走させて…被害を最小限に留めようとセリスが組んだプランを変更…専用機を受け取って浮かれていた箒を戦場に送り込んだあんた達に話すと思うか?…特に軍で指導したことのあるあんたは箒が浮かれていた事を知っていただろ…!なのに…何でプランを変更したんだ!?」

「…それは」

 

一夏の言葉に千冬は何も言い返せず、むしろ的を射すぎていた。一夏はそれにと付け加え…

 

「世界を変えた責任を取らずに世界を見ようとせず、ただ教鞭を取るだけのブリュンヒルデや世界や人と向き合おうとせず、逃げ回っているだけの天災科学者に話す事なんか何もない。この世界はあんたらの玩具じゃない。この世界は、人が作っているんだ」

 

そう言い残して一夏は去っていく。

 

(今の言葉…アリーナのアンノウン事件で聞いたぞ…いや…そんな…まさかな…)

 

千冬は一瞬一夏がエターナルかと考えたが、そんな訳がないと考えを捨てた。一夏の変貌ぶりに驚きを隠せず、何が一夏を変えたのかが気になった。

 

それに対して束の方は、何故か怪しく微笑んでいたのだった。

 

 

 

夜…海岸

 

一夏は旅館を抜け出し、海を見ながら涼んでいた。

 

「一夏」

 

そこへ胸元が開いた浴衣を着たセリスがやって来た。セリスは一夏の隣に腰を下ろし頭を一夏の肩に乗せ、一夏はセリスの頭を優しく撫でる。

 

「もういいのか?」

「うん。学園に帰るまでには万全になると思うわ」

 

セリスは普段のクールビューティーを潜め、一夏と二人っきりの時に発動する恋人モードになっていた。二人は静かに海を眺める。

波を打つ音だけが響き渡る。

 

「…ねえ、倒れている時にね…あたしの中のファントムのドラゴン…ウィズに会ったの」

「…ああ…」

「ウィズは言ってた…夢と誇りを持てって…そしてどんな時も誇りを忘れるなとも…」

「…そうか」

 

セリスは一夏を抱き締める。セリスの胸が一夏の胸板に当たって形が変わる。

 

「あたしが一夏やシャルたちを守るから…!もう一人は…イヤなの…!」

「…セリス」

 

一夏はセリスを離してまっすぐにセリスを見る。

 

「俺もセリスやシャル達を守る。何があっても」

「一夏…もう一回抱き締めて…!あたしを…ずっと離さないでね…!」

 

一夏はセリスに答えるようにもう一度抱き締めた後、キスをした…

 

それを箒は見ていた。

 

「セリス…!貴様だけは…!」

 

 

ーーーーーーーー

 

翌日、撤収作業を終えてバスは出発。サービスエリアで休憩をしていると女性が入ってきた。

 

「織斑一夏くんとセリス・スカーレットって人はいるかしら?」

「あ、はい。何ですか?」

「はい?」

「ふ~ん、君らがそうなんだ。あ、紹介が遅れたけど私は銀の福音の操者、ナターシャ・ファイルスよ。例の件のお礼を…」

 

一夏はそれを聞いてナターシャの手を引いて外に出る。場所を変え、一夏は話し出す。

 

「福音からメッセージを預かっている。"恨まないで"と」

「!?」

 

メッセージを聞き、ナターシャは驚く。

 

「確かに伝えたからな」

 

一夏はバスに戻るために歩き出す。ナターシャは一夏を呼び止める。

 

「待って!あの子は満足してたの…?」

「…あんたは幸せ者だよ。福音はあんたを守る為にコアネットワークの切断とかを自分の意志でやったとさ」

「…うっ…ううっ……!」

 

一夏は振り返らずにナターシャにそう告げ、ナターシャは泣いていた。

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

一夏達が停留しているサービスエリアの一つ前のサービスエリアで、ミサキは蒼いバイクのマシンフーディーを立て掛けて、ある人を待っていた。

 

「はぁ…やっと帰って来たわね。遅かったじゃない」

「おーすまんすまん。あまりこういう所とかには寄らんからのぉ。何のおみやを買おうか迷ってしもうたわ」

 

その人物とは、両手に土産物の袋を持ったヨウコだった。

 

「その量…バイクに入らないわよ…」

「心配せんもよいぞ。儂がチョチョイとすれば…ホイッ!」

 

ヨウコは両手に魔力を込めると、土産物の袋は二つの巻物へと変化した。ヨウコは二つの巻物をミサキへと投げ渡した。

 

「これならあなたが持てばいいじゃない」

「それを入れるだけの物は持ってないからのぉ。儂の胸を見ろ。こんなちっこい胸の何処に隠せと言うのじゃ」

「ああもう…分かったわ」

 

ミサキは悪態をつきつつも、バイクの中に巻物をしまった。二人はヘルメットを被り、バイクへと跨った。

 

「…お主は優しい奴よのぉ」

「巻物二つぐらいどうってことないわ」

「違う違う。あのシャルという奴の事じゃ」

「………」

 

ミサキは振り返らず、無言でバイクのエンジンをかけた。

 

「お主なりの優しさ、というやつか。ゴーストに蹴りの必殺技をかましても福音の時に戦えるだけの体力を残す為に"あえて"威力を抑え、且つ敵に眼魂を半分渡してその場を収める。お前の目的を果たすのと同時にな。まぁあの娘が眼魂を四つ奪われたのはちょい可愛そうじゃがのう…」

「…悪いとは思っているわ。本当なら全部奪っても良かったわ。けどあの子にもやるべき事があった。だからああした。それだけよ」

「それだけのぉ…ま、今回の事は詳しくは報告はせんでおくわ。お主がこれからどうなっていくのか、楽しみになってきたわい」

「…酔狂な人ね。そんな奴の組織に目をつけられた私もどうかと思うけど」

 

ミサキはそう言ってバイクを走らせたのだった。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

一方ベル、ミライ、リコの三人は眼魔世界へと戻ってきていた。ベルはミサキから渡された白と深緑の二つの眼魂の力を試す為にミライとリコと別れた。そしてミライとリコの二人は、ある人物の元へと訪れていた。

その人物とは、イオナだった。

 

「それって、本当なの?」

「うーん…かもしれないわ。けど私達が会ったのはだいぶ前の事だからあまり覚えていないから、もしかしたらそっくりさんかもしれない…ミライはどう思う?」

「私は…本人かなって思う。なんとなくだけど、そんな気がする…それに私たちを見て目を背けたってところに何か引っかかるし…」

「そう…ありがとう二人共。また何かあったら報告して。私も…自分で確かめてみるわ」

「うん」

「ええ、分かったわ」

 

ミライとリコは、頷いてその場を立ち去った。と、入れ違うように一人の眼帯の少女と出会った。

 

「うぉ〜…疲れたぁ〜…やっぱ遠征はきっついなぁ〜…お、ようイオナ」

 

その少女はイオナに向けて軽く手を振った。

 

「テンリュー…帰ってきてたの?」

「まぁな。でもまた出なきゃなんねぇけどな。てかどうした?浮かねぇ顔してんぞ」

「ああ…ちょっとね。大丈夫よ、心配しないで」

「ん、そうか?まぁ気をつけろよな。そんな顔してっと部下に示しがつかねぇぞ」

「…うるさいわよ…前に自分の部屋の鏡の前でカッコつけた事言ってた人に言われたくないわよ」

「なっ…!?」

 

テンリューは顔を真っ赤に染める。

 

「何見てんだよ!てかゼッテー誰にも言うんじゃねぇぞ!」

「言わないわよ」

「くっ…!もういい…オレは寝る!」

 

テンリューは怒って行ってしまった。相当恥ずかしかったようだ。テンリューが去って、イオナは一枚の写真を取り出した。そこには幼いイオナと、蒼い髪の少女が写っていた。

 

「本当にあなたなの…?」

 

イオナは一人呟いた。

 

「リッカ…」

 

 

 

様々な想いと共に、物語は新たな段階へと進んでいく…




あれ?この小説超次元的ネプ子的なな感じになってる気がする・・・
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