加賀波 岬→加賀 ミサキに名前を変更しました。理由は活動報告にて載せているのでそちらの方を。異論は認めますがこのスタイルで行かせてもらいます。
許してくれます、よね?今回その分長めにしましたから。ね?
「ぷはー!美味しかった〜!」
「ええ。なかなかいけるわね。この世界の食べ物は。最初に出てきたコンソメスープってのも悪くないわね…」
「はい。小さな料理店でしたが、とても美味しかったですね。それに日本の料理も素晴らしかったです。あなたの先輩の…
「安くて美味しい。こういった料理を提供するお店が増えてきているんです。ヤマトさんは美味しい料理を安く提供するのがモットーなんで、小さい料理店なんですけど、とても人気なんです」
フブキ達四人はフブキの先輩が営む小さな料理店で美味しい料理を食べ、町中をぶらぶらと歩いていた。ミライとリコはこの世界の料理に満足し、ナイチンゲールはこの時代の食の文化とフブキの先輩であるヤマトという人物の料理スキルの高さに深く関心を抱いた。
「私…フブキとナイチンゲールさんに出会えて本当に良かったと思うよ」
「ミライ?」
と、ミライは言った。
「私達、二人に出会うまではこの世界の事を何にも知らないでいたの。この世界は無駄な争いを繰り返す人達が多いから、この世界を私達の世界と同じようにしなきゃと思ってた。でも違ってた。フブキやナイチンゲール、コトハちゃんのような人達もいっぱいいる。争いは消える事はないかもしれない、けれどもフブキ達のように誰かと歩み寄ってくれる人達もいる!」
「それに…この世界は私達の知らない…ワクワクもんがいっぱいあるしね」
「うん!だから私、もっともーっとこの世界の事を知りたい!もしかしたら…もう戦い合わなくても良いかもしれないしね。私達、もう友達だもんね!」
「ミライ…リコ…」
二人の言葉にフブキはとても嬉しく思った。異なる世界の住人同士、異なる価値観を持つ者同士、異なる文化、それでもこうやって誰かとご飯を食べたり、一緒に時間を過ごしていくことで、お互いを理解し合える存在になるということをあらためて実感した。
「ミライ、リコ…あなた方に…」
と、言いかけた時だった。
ドンッ!
突然四人の近くで爆発音が、いや爆発がした。
「何!?」
「ミライ、あれ!」
リコが指を指すと、そこには二体の怪人がいた。片方は飛龍のような怪人、ファントム・ワイバーン。もう片方はオレンジの模様が入ったハチドリのような怪人、ファントム・アスラピスク。
「か、怪人!?なんでこんな所に!?」
いきなりの出来事にフブキは動揺する。
「もしかして…ここでお別れですね…ミライ、リコ…お二方はコトハとフブキを連れて逃げてください」
「え…?」
そう言った瞬間、ナイチンゲールはコトハの身体から眼魂として出てきた。
「ダメだよ!」
と、突然本来の身体の持ち主であるコトハがナイチンゲールの眼魂を両手で掴んだ。
「はーちゃん、どうしたの?」
フブキは質問する。
「だって…ナイチンゲールさん…自分が狙われているから自分を囮にして私達を逃がそうとしてるんだよ…!」
コトハは力強く答えた。
「わかるの?今まではーちゃんの身体はナイチンゲールが使ってたから、てっきり眠っていたのかなと思ってたけど…」
「ううん。ずっと見てたよ。みんなと過ごした時間も。それにナイチンゲールさんの事も一緒にいたおかげでいっぱいわかったんだよ」
コトハはナイチンゲールの眼魂に向けて言った。
「ナイチンゲールさん。私たちを危険な目に合わせたくないのはわかるよ。ナイチンゲールさんにとって私達は大切な人達だから。でも私も…私達にとってもナイチンゲールさは大切な人だもん!ナイチンゲールさんと出会わなかったら私達…出会ったなかったんだよ。ナイチンゲールさんは私達を繋げてくれた大切な人…そんな人を犠牲にするなんて…絶対にやだよ!」
「はーちゃん…」
『コトハ…』
コトハは強く眼魂を握りしめた。眼魂の姿ではあるが、ナイチンゲールは、まるでコトハに抱きしめられた感覚にいた。
「茶番は終わったか?」
「こちらとしては早く済ませたいのだけど」
ワイバーンとアスラピスクはゆっくりと近づいてきた。
「ナイチンゲールさん。自分を囮に私達を逃がさなくてもいいよ」
「どうやらあの人達の狙いはナイチンゲールさんだけじゃなくて私達もみたいだし」
「そういう事だ」
「訳あって、あなた達を始末させてもらうわ。これ以上接触させるのも問題かと思うし」
(接触…?何のことだろう…?)
ミライとリコはプロトメガウルオウダーを装着してダークネクロムゴースト眼魂を取り出した。最中、接触という単語に、フブキは二人のファントム言葉に何かを感じた。
「ミライ…リコ…あなた達って…」
「ナイチンゲールさん。眼魂の姿でどうこうできるか分かりませんけど、二人をお願いします」
「二人を守ってやって下さい」
『…分かりました。お二人共、ご武運を』
《 《スタンバイ》》
二人は眼魂のスイッチを押して起動する。
「「変身!」」
《ローディング》
《ネクロム!》
ダークネクロム眼魂をセットし、二人はダークネクロムPとVへと変身した。
「す、すごーい!二人共仮面ライダーだったんだ!」
「仮面ライダー…本物を見るのは初めてだけど…本当にいたんだ…」
「な、なんか照れくさいな…///」
「ミライ、集中して。感じからして油断できない相手よ」
ミライとリコは身構えた。
「そんなに仮面ライダーに会えたのが嬉しいようだな」
「ではその仮面ライダーが…二人の希望が無様に果てる姿を拝ませてやろう」
ワイバーンは西洋剣を構え、アスラピスクは翼を広げてそれぞれ飛びかかってきた。
「「はぁっ!」」
ミライとリコはそれぞれガンガンセイバーとガンガンハンドを取り出して攻撃を受け止めた。このガンガンセイバーとガンガンハンドは、前回戦ったシャルとミサキとの戦いのデータを解析して作ったものだ。オリジナルと寸分の差はない代物だ。
「ふん…オラッ!」
「きゃあっ!」
ワイバーンのパワーが勝っていたのか、ミライはワイバーンの大剣との鍔迫り合いに負けて切り飛ばされてしまう。
「ミライ!」
「余所見をしている場合か!」
「うっ!きゃっ!」
ミライを心配をしてしまい、アスラピスクへの注意を疎かにしてしまう。それを見逃さなかったアスラピスクはガンガンハンドを掴み引き寄せ、嘴で刺突攻撃をリコに食らわせた。
「リコ!大丈夫!?」
「ええ…何のこれしきよ!絶対に二人を守るわよ!」
「うん!」
そう言って二人は再び立ち上がり、それぞれの武器を構えた。
「ふん。うるさい子娘達だ。お前達程度、すぐに楽にしてやる」
「そしてあの目障りな眼魂もきちんと粉々に始末してあげるわ」
「絶対にさせない!」
「私達が…絶対に守るんだから!はっ!」
リコはガンガンハンドをガンモードに変形させ、二人のファントムに向かって発射した。
「うっ…ぬっ!」
「はぁぁっ!」
怯んだ隙にミライがガンガンセイバーを二刀流モードに分割させ、アスラピスクとワイバーンに向かって連撃を放った。
「やあっ!」
「ぬおっ…!くっ…調子に…」
「乗るなぁ!」
ミライの攻撃を受け続けていたワイバーンとアスラピスクは、ミライに強烈な一撃を与える。
「きゃあ!」
「ミライ!」
「あなたもよ!」
「きゃっ!!」
アスラピスクはリコとの距離を詰め、こちらも強烈な刺突攻撃を放った。
「うっ…」
「うう…」
ダメージがでかすぎた為、二人の変身が解除される。
「手こずらせやがって」
「けどもうおしまい。あなた達は死ぬのよ」
「まだ…やれる…」
「絶対に…諦めない…」
二人はまた立ち上がり、ダークネクロム眼魂をセットしようと構えた。
「いい加減…くたばれ!」
二人のファントムは、ミライとリコにトドメを刺そうと接近していく。
「ミライ!リコ!」
「止めてぇぇ!」
フブキとコトハが叫んだその時だった。
バン!ババン!
「ぐぉっ!?な、なんだ!?」
「攻撃!?一体何処から…!」
「どういう状況か分からないけど…」
「その子達を守っているなら助太刀するよ!」
突然ファントム二人は何者かの銃撃を食らう。二人は撃たれた方向を見た。そこには仮面ライダーゴースト・オレ魂と水とドラゴンの力を宿した瑠璃色の仮面ライダーウィザード・ウォータードラゴンが弐振りのウィザーソードガンとガンガンセイバー・ガンモードを構えて立っていた。
「くっ…指輪の魔法使いか…」
「ゴーストまで来るとは…」
ファントム達は苦い表情を見せる。
「ウィザードに…ゴースト…」
「私達…助けられたの…?」
安心したのか、ミライとリコはへたりとしゃがみ込む。
「ゴースト、手っ取り早く済ませるわよ」
「うん!「ま、待って!」ん?」
と、ウィザードとゴーストが立ち向かおうとした時だった。ミライは再び立ち上がり、二人のライダーの前に立つ。
「この人達は…私達が倒すの…!私達を…いえ、フブキ達を傷つけようとする人達は…!うっ…!」
「ミライ!」
崩れかけるミライを咄嗟に支えるリコ。その姿を見てゴーストは、ドライバーに装填してあるオレ魂のゴースト眼魂を取り出した。
「ゴースト…お願い…」
「分かってるよ。君達にどんな理由があるのかは分からないけど、君達の熱くて強い想い…受け取ったよ!」
ゴーストがオレゴースト眼魂のスイッチを押すと、眼魂は炎に燃え上がり、赤と黒の眼魂へと変わった。
「あら、いつの間にそんな眼魂持ってたの?」
「奥の手だったんだけどね。でもこの二人を見てると、なんだか胸が熱くなってね」
《一発闘魂!》
ゴーストが赤黒い眼魂を装填すると、ドライバーから炎をイメージしたパーカーゴーストが現れた。
「だから二人共、安心して。君たちの分も…僕達は戦う!」
《闘魂!カイガン!ブースト!》
《俺がブースト!奮い立つゴースト!》
レバーを引くと、ゴーストの身体が真っ赤に染まり、パーカーを被ると複眼も燃えるような複眼に変わった。熱き想いを背負った新たなゴーストの姿、仮面ライダーゴースト・闘魂ブースト魂に変身した。
ゴーストはドライバーから新たな武装、サングラスラッシャーを手に取る。
「それじゃ、行くよウィザード」
「了解!」
ゴーストとウィザード、赤と瑠璃色の戦士は二人のファントムに向かっていった。
「はぁっ!」
「うっ!てりゃぁ!」
「何っ!?ぐぉっ!」
ワイバーンはゴーストに向かって大剣を振り下ろしたが、闘魂ブースト魂のパワーが上回っていた為、攻撃を受け止められ、サングラスラッシャーの斬撃の反撃を食らった。
「くっ!ちょこまかと!」
「動きが短調過ぎよ!はっ!」
「ぐっ!うわっ!」
アスラピスクの鉤爪と嘴の攻撃をソードガンで捌き、回避するウィザード。当たればそこそこのダメージを食らう嘴攻撃だが、顔面を突き出すという大きな攻撃のモーションで動きがバレてしまう以上、ウィザードの敵ではない。
ウィザードは弐振りのソードガンでアスラピスクに連撃を与えていく。
「さて、フィナーレよ」
《チョーイイネ!ブリザード!サイコー!》
「はっ!」
「なっ…!身体が…凍って…」
ウィザードはアスラピスクに対して氷結魔法のブリザードを放ち、アスラピスクを氷の像へと変えた。
「もういっちょ!」
《チョーイイネ!スペシャル!サイコー!》
スペシャルの魔法を使うと、ウォータードラゴンの腰からドラゴンの尾が現れる。
「だぁぁっ!」
ウィザードは自らのドラゴンテイルを振り回し、氷像となったアスラピスクを粉々に破壊した。
「ふぃ〜」
破壊したのを確認したウィザードは、ドラゴンテイルを消滅させ、一息つくのだった。
一方ゴーストの方も佳境に迫っていた。闘魂ブースト魂となったゴーストは、そのブーストされたパワーでワイバーンを圧倒していた。だがゴーストも少し疲労の表情を見せていた。
「やっぱり使い勝手が良いとは言えないね。ここぞという時に使わなきゃすぐバテちゃうね、これは」
どうやらこの闘魂ブースト魂、力の燃費が悪いようで、長期戦の使用は不向きのようだ。ゴーストは一気にケリを着けるため、サングラスラッシャーのサングラス部分を展開させ、闘魂ブースト眼魂とムサシゴースト眼魂を二つセットした。
《闘魂ダイカイガン!》
《メガ!オメガシャイン!》
「はぁぁっ…」
ゴースト眼魂二つ分のエネルギーがサングラスラッシャーに込もり、ゴーストはサングラスラッシャーを構えた。
「はぁっ!!」
「ぐっ…ぐぉぉああぁっ!」
ゴーストは紅に萌える斬撃であるメガオメガシャインを放つ。ワイバーンは斬撃を大剣で受け止めるが、その大剣は破壊され、ゴーストの攻撃を食らい、ワイバーンは爆発して消滅した。
それと同時にエネルギー切れなのか、ゴーストはオレ魂の姿へと戻っていった。
「ふぅ〜…もっとこれを使いこなさなきゃだね」
ーーーーーーー
セリスとシャルは、人目のつかない場所で変身を解除し、学園へと戻ろうとしていた。だが
「待って!」
振り向くと、その背後にはミライの姿があった。しかもミライだけではない。リコやフブキ、コトハの姿もあった。
「何も…言わないの?」
ミライはシャルに尋ねた。一度戦いあった仲だ。何もせずに立ち去るのというのは、ミライだけでなくリコも不思議と思っているだろう。
「さぁね。けど僕は一般人のその子達を必死で守った人達を、悪人だとは思えなかったから、かな?」
「けど、今度何か怪しいことをするって言うなら、次はあなた達でも倒すからね。そうならない事を、私達は願ってるわ」
そう言って二人はその場から立ち去ったのだった。
残される四人と一人。と、ナイチンゲール眼魂は、コトハの手頭の上に乗った。
『ミライ、リコ、今日一日あなた方二人を見て確信しました。以前見た眼魔や怪人達と違い、二人はとても優しい心の持ち主です。フブキや私達に対してとても親しく接してくれました』
ナイチンゲール眼魂はミライとリコに近づいた。
『故に私の力を扱う事を認めます。あなた達なら、私の力を正しく扱う事が出来ると信じています。受け取ってください…』
そしてナイチンゲール眼魂はミライの手の上に乗った。が、それに対してミライは首を横に振った。
「ごめんなさい。あなたの力は受け取れないよ」
『えっ…』
「ええ。私達にはあなたの英雄の力を扱うには過ぎた力よ」
ミライの横でリコも首を縦に振った。ミライはナイチンゲール眼魂を手にコトハに近づき、眼魂を差し出した。
「コトハちゃん、フブキ、二人にこの眼魂を預けるよ。私達が持つよりも、二人に預けてた方が安心だし、二人が持っていた方が相応しいと思うからね」
差し出された眼魂をコトハはそっと受け取った。
「ミライ、リコ…本当にいいの?二人にとっても必要な力なんでしょ?それを簡単に…はーちゃんと私に…」
「いいんだよ。でも一つだけ…」
「お願いがあるのよね…」
「「お願い?」」
ミライとリコはやや恥ずかしながら答えた。
「私達と…」
「友達になって欲しいの…」
それに対しフブキとコトハは…
「それはもちろん…「無理だよ」…えっ…?」
「「えっ…?」」
ミライ、リコ、フブキの三人は同じ言葉をこぼした。特にフブキにはあまりにも想定していない返答だったので、驚きは二人よりも上だった。
「ど、どうして…?」
「私達と…?」
「そうだよはーちゃん…!こんなにも優しい人なのに…」
「だって私達…」
と、コトハは間を開けて答えた。
「だって私達、もう友達でしょ?友達なのに友達になろうなんて、へんでしょ?だから…友達より上の…親友になろうよ!」
その言葉にミライとリコは涙した。
「こ…コト…「待って!」…えっ…」
「どうしたの?」
「その…はーちゃん、って呼んで欲しいな…」
コトハはもじもじしながら言った。
「…はーちゃん…はーちゃん!」
「はーちゃん…!」
「ミライ!リコ!フブキ!」
「もう…はーちゃんったら…」
それから四人は互いの名を呼びあいながら、強く抱き合うのだった。
しばらくこの四人の出番が無いのが悲しいなぁ…