ありえたかもしれない、ifの魔法つかいプリキュア。
レストラン・鎮守の森 夜
「ふむ…やはりここの店の紅茶は良いのぉ…」
「褒めても何も出ませんよ、ヨウコさん」
"CLOSE"の札がかけられた店内にて、ヨウコと焦げ茶のポニーテールの女性、撫野 ヤマトがいた。ヨウコはゆっくりと紅茶をすすり、ヤマトは明日の営業の為の整理をしていた。
「あの二人はどうしたのじゃ?」
「二人はもうお休みですよ。上の部屋でゆっくりしてますよ」
ドンッ!
二人が呑気に話をしていると、入口が強く開かれた。
「加賀さん…」
入ってきた人物の正体は、ミサキだった。
「痛っ…!全く…お主は手荒いのぉ…」
「どういう事なの!なんであの二人に…!」
ミサキはヨウコを見つけるやと真っ先に向かって行き、ヨウコの胸ぐらを掴んで店の壁に押し付けた。
「モフ!?何かあったモフ!?」
「What!?大きな音がしましたケド、何かあったんデスか!?」
と、店に通じる階段からクマ耳をイメージしたカチューシャを被った少女とお団子を結ったロングヘヤーの女性が、何かあったのかという面持ちで降りてきた。
「モフちゃん、ティアモさん、大丈夫ですよ。加賀さん、ここは鎮守の森ですよ。人間だろうが仮面ライダーだろうが怪人だろうが、ここでは中立の場所ですよ。ここでの争いは許しませんよ」
仮面ライダーとファントムの一触即発の雰囲気を、ヤマトは鎮めようとした。そしてここ鎮守の森は、ファントム、眼魔、仮面ライダー、魔法使い、そして普通の人間が平等に扱われる場所。種族間、そして男女の関係の争い事はご法度なのだ。
「…ちっ…!」
ヤマトに諭され、ミサキは乱暴に手を放した。
「あれはあの二人のファントムの独断行動じゃったのじゃ。恐らくあの眼魔と眼魂が関わって互いの勢力に影響を与えるのではと感じたからと思ったのじゃろうな」
ヨウコは掴まれた部分を払いながら言った。
「じゃから悪いと思っとる。今回はジェノバの意思も関係ない。部下が勝手にやった事じゃ。まぁ、今度は前のよりかはマシな奴らを送るそうじゃ」
「ならジェノバに伝えときなさい。組織の人間の管理はきちっとしておきなさいって。眼魂を15個集めるまであなた達の言いなりになってやるわ。それに集め終わった後は…」
「分かっとる。あの二人に手は出さないとな。お主が何をしようとも、一切のぉ」
「約束よ。これ以上私の親しい人を巻き込むのはやめてちょうだい」
そう言ってミサキは店を出ていった。
「二人、というのは…はーちゃんとフブキちゃんの事ですよね?ヨウコさん」
「ああ。そうじゃ」
ヨウコは再び椅子に座り、残っていた紅茶を再び飲みながら言った。
「ジェノバがどういう存在なのかは私には分かりません。ですが、大事なお客様が危険な目に合うって言うのなら、私も黙って見過ごす事は出来ませんよ」
「安心せい。そうならんように努力するつもりじゃ」
「本当モフ?」
「それは信じていいんデスね?」
「うむ。心配せんでもいいぞモフルン、ティアモ」
二人の女性の質問に対してヨウコは首を縦に振った。
「さてと…すまんかったのぉヤマトよ。茶は美味かったぞ」
「全くですよ。また争い事を持ち込むのでしたら、当分出入り禁止にしますよ?」
「おお…それは…やじゃのぉ…」
そう言って紅茶を飲み終えたヨウコは店を出ていった。
「…前々から思ってましたケド、あの人の事が良く分かりまセン…」
「何を考えて動いてるのかわからないモフ…本当にはーちゃんとフブキに内緒でいいモフ?」
クマ耳カチューシャの少女、モフルンは心配そうにヤマトに声をかけた。
「ええ…加賀さんがそう望むのならそうしておきましょう」
「でも内緒にしてもいつか分かっちゃう時が来るかもしれないモフ…」
「その時はその時デス」
と、お団子を結ったロングヘヤーの女性、ティアモはモフルンの肩に手を添えた。
「ミサキもそうなる事を覚悟してマース。私達には出来るのは、そんな時にミサキとブッキー達のフォローデス。ワタシ達はミサキに恩がありますしネデスよね、モッフー?」
「…うん。そうモフ。ミサキはモフルンを助けてくれたモフ。もしミサキが大変な目にあったら皆で助けるモフ!」
「Yes!その意気デスね!」
「そうですね。その為にもしっかり休んで、明日の営業も頑張りましょうね」
「モフ!」
「ではヤマトも片付けが終わったらゆっくり休むデスよ」
「分かってますよ、ティアモさん」
そう言ってティアモとモフルンは階段を上がっていった。
独り残るヤマト。
「加賀さん…何でも独りで抱え込まないで下さいよ…でも加賀を縛りつけるジェノバって一体…」
謎の存在、ジェノバ。世界の安泰を謳っているが、と謎は深まるばかりである。
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眼魔世界
「ねぇねぇリコ。付き合ってほしいってなんなの?調べたいものがあるからって言ってたけど、何を調べるの?」
ミライとリコは、眼魔世界の王宮にいた。コトハとフブキ、ナイチンゲールと別れた後、二人は眼魔世界に戻っていた。
「私達は向こうの世界に行って向こうの世界の事について色々と学んできたわ。でもよくよく考えたら、私達ってあまり眼魔世界の過去についてよくわかってないところがあるって思ったのよ。そうでしょミライ?」
「うーん…言われてみれば確かに…それにミラ様って恩恵な人だったようなはずだよね?そんな人が他の世界に干渉するってのも変だよね?」
「…だったような…どうしてかしら…そこのところが曖昧なのよね…だからこそこの眼魔世界の世界の資料を調べたいのよ。どういう歴史を歩んできたのか、どういう過程で現在に至ったのかをね」
「なるほど…確かに調べてみる価値はありそうだよね。さっすがリコ!」
「ほ、褒めても何も出ないわよ…///さ、さぁ…行くわよ。まずは資料室からね。その後にトワ様の所に回ってみましょう」
と、二人は資料室へと向かうのだった。
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同時刻。眼魔世界。その別の場所にて。
「はいベルちゃん。頼まれていた資料よ」
「ども。やっぱり仕事が早いですよねータツタさん」
タツタは、例の調査…セリスに関する情報の調査報告書をベルに渡していた。
「残念だけど、この子の出生に関する記録は手に入らなかったわ。幼少期も不明瞭な部分だらけ。不思議な子よね〜…」
「タツタさんでも調べきれない事もあるんですね…珍しい…」
「あら、私だって全てが全て出来るわけじゃないのよ」
「で、タツタさんから見てセリスってどう思います?」
「そうね〜…正直弱いわね。他の仮面ライダーに比べたら簡単に倒せるわ」
「根拠は?」
「勘」
「勘って…」
「でも私の勘は当たるものよ〜?それにこの子…虐めたらどんな顔するのかしら…たまらなくいい顔をするのかしらねぇ〜…壊してみたいわねぇ〜…ベルちゃんはどうおもう?」
「いや…私はちょっと…」
タツタは嬉しそうに語った。ベルはそれに対し冷や汗をかいた。
「そう…残念ねぇ…」
「ま、まぁ…後は自分で目を通しときますから…タツタさんありがとうございます…」
「また何かあったらよろしくね〜」
タツタと別れると、ベルはホッと息を吐き、タツタが渡してくれた資料を読む。
「全く…私にはそういうケはないんだけどねぇ…っと…これって…」
ベルは資料の内容を見てニヤリと笑った。
「確かに…今回はタツタさんの言う通り…壊してみたいねぇ…」
ベルはその資料の中身を見て、ある事を企むのだった。
それは研究部を追い詰め、崩壊の危機に陥るものであることは、この時のベルでさえ知るものはいなかった…
モフルン
・イメージCV:齋藤彩夏
・容姿イメージ:キュアモフルン
ティアモ・アダマム
・イメージCV:東山奈央
・容姿イメージ:艦これ・金剛(Animation Ver.)
撫野 ヤマト
・イメージCV:竹達彩奈
・容姿イメージ:艦これ・大和(Animation Ver.)
この世界におけるモフルンはプリキュア状態が基本です。