Re:IS~深緑の狙撃姫~   作:風来のがばお

33 / 41
前回のまで。

だいぶ日が開きましたが、覚えてますか?


崩壊

「きゃああああっ!!うっ…!」

 

蠍の尻尾のようなものに捕まれ、別の場所へと連れ去られたウィザード。ウィザードは尻尾に捕まれたまま地面へと叩きつけられる。

 

「ぐっ…!っ!?あなたはエターナルが…あぐっ…!?」

 

ウィザードは拘束から解放され、自分を捕まえた相手を見た。それはかつてエターナルが倒したスコーピオンドーパント、それを模したパーカーのようなものを着た眼魔スペリオル、スコーピオン眼魔がいた。スコーピオン眼魔のパーカーの身頃は、スコーピオンドーパントと同じ蠍の尻尾になっていた。

ウィザードは立ち上がろうとするが、解放したと見せかけたスコーピオンの尻尾の針によって、背中を刺されてしまった。

 

「………」

「ぐっ…うっ…ああっ…///」

 

スコーピオン眼魔は、ウィザードの背中にあるものを注入し、ウィザードはそれを注ぎ込まれ、悶絶する。

 

「ぐっ…この…!」

《エラー》

「っ!?嘘っ…魔力が…上手く…操れない…!」

 

針を抜かれたウィザードは、フレイムドラゴンへと強化変身しようとするが、毒の影響で魔力が上手く使えず、変身する事ができなかった。

 

 

そんなウィザードを陰からベルが観ていた。

 

(スコーピオンドーパントの毒は結構キツイはずなんだけどねぇ…よく戦えてるよ。フレイムスタイルでどれだけやれるか…さぁてセリス…倒せるかなぁ…?)

 

ベルはニヤリと笑った。ベルにとってはセリスが勝とうが負けようが関係ないようだ。

 

 

 

《コネクト・プリーズ》

「うっ…魔法自体は使えるけど…身体が思うように…頭も…バカになっちゃいそう…」

「私の毒を受けてよく立てますね。抵抗せずに倒されていればいいものを…」

「ぐっ…!」

 

フラフラになりながらも、ウィザードは何とかウィザーソードガンを取り出してスコーピオン眼魔へと立ち向かう。スコーピオンは尻尾を操り、ウィザードへ連続攻撃を叩き込む。ウィザードはそれをソードガンで防ぐが、毒の影響で最初の数発は防げても、後の数発は防げず攻撃を食らってしまう。

 

「ぐあっ…ううっ…!くそっ…!」

 

視界もぼやけてくる。ウィザードは頭を強く横に振り、何とか立ち上がり、ソードガンを構える。しかしやはりふらつき、片膝をついてしまう。

 

《バインド・プリーズ》

「ハァッ!」

「っ!ふん…こんなもの…」

 

ウィザードはバインドの魔法でスコーピオンを拘束するが、簡単に振りほどかれる。スコーピオンはゆっくりと近づいてくる。

 

「このっ…!」

《アロー・プリーズ》

「ふっ…痒いですよ」

 

次はアローの魔法で反撃を仕掛けるが、スコーピオンはものともせず近づいてくる。

 

「ふん…」

「きゃあっ!!」

 

そしてスコーピオンの強烈な一撃をもろに食らってしまい、ウィザードは吹き飛ばされ、ソードガンを落としてしまう。ソードガンはスコーピオンの足元に転がり、スコーピオンはそれを拾い上げ、まじまじと見つめた。

 

「ほう…悪くない剣です…ねっ!」

「うっ…!ぐっ…きゃあああっ!」

 

スコーピオンは奪ったソードガンでウィザードを斬りつける。眼魔に操られてるとはいえ、変身者は真耶。IS使いということもあり、剣術も並の人間よりは上だ。ウィザードはスコーピオンのソードガンによる連続攻撃でボロボロになり…

 

「ぐっ…くそっ…」

 

崩れ落ちるように膝をつき、変身が解除される。

 

「あー…やっぱダメだったみたいだね〜」

 

戦いが終わったのを見て、ベルが現れてセリスの元へと近づく。

 

「まっ、よく頑張った方だよ。毒くらってあれだけ動けたんだしね。えらいえらい」

 

ベルはスコーピオンからウィザーソードガンを受け取り、慰めのつもりかセリスの頭を撫でてあげた。

 

「あ、あなたは…?」

「あれ、シャルから聞いてなかったのかな…?わたしはベル。シャルのね…まぁ親友だよ。っと、毒くらって苦しんでるとこ悪いんだけど、ちょっとお話したいんだよね」

 

ベルはセリスに顔を近づけながら言った。

 

「いっ…たい…何を…」

「グリーンカラーズ」

「…っ!!」

 

その言葉にセリスはビクッと身体を震わせた。

 

「小規模でありながらその実力は折り紙付きで、傭兵集団のなかでも最強クラスの集団。セリスの事は色々と調べさせてもらったよ。セリスは小さい頃にそこに所属してたんだってね?」

「…だ、だから何…?」

 

セリスは平静を装いつつも淡々と答えた。

 

「いきなりなんだけど…セリスってさぁ…何でIS乗ろうと思ったの?」

「そ、それは…ここを出て会社を…事故で死んだお義父さんとお義母さんの会社を継ぐため…そのための知識を…」

 

それを聞いて、ベルは笑った。

 

「うふふ…それっておかしいんじゃないかな?」

「な、何がおかしいのよ…?」

 

セリスは明らかに呼吸が大きく乱れ、顔が真っ青になっていた。そんなセリスにベルは更に追い詰める言葉を言う。

 

「違うね。セリスは戦いを楽しんでるんだよ」

「ち、違う…あたしは…」

「じゃあ聞くけどさ、なんでセリスは仮面ライダーとして戦ってるの?そもそもさ…なんでIS装者になってんのかな?会社継ぐんなら技師の方を目指せば良かったんじゃあないの?」

「っ!そ、それは…」

 

セリスはその言葉を聞いて目を見開く。それはセリスでも思いもしていなかった事だからだ。

 

「戦いしか知らないんでしょ?誰かを殺したいんでしょ?戦いをしたくてたまらない…だから人を殺す代わりに怪人を倒してるんでしょ?ISを使って誰かと戦いたいんでしょ?」

「違う…やめて…」

 

セリスは頭を抱えだす、普段のセリスからは想像がつかないくらい追い詰められていた。ベルはセリスの後ろに回り込み、囁くように言った。

 

「所詮セリスはね…」

「嫌…」

「戦う事や命令される事しか知らない…」

「…やめて下さい…」

 

 

 

「お人形さんなんだよ」

「嫌ぁぁぁぁぁっ!!」

 

セリスは頭を抱えたまま叫び、糸が切れたように頭を垂らした。それと同時に、腰についているウィザードライバーと指に装着していたウィザードリングが地面に落ちた。

 

「…あたしは…だぁれ…?おしえてよ…セリス…セリスって…なに…?あたしって…なんなの…?」

 

虚ろな瞳のセリス。それを見てベルはニヤリと笑い、懐から真耶に使ったのと同じ眼魔眼魂を取り出した。

 

「ありゃりゃ、壊れちゃったか〜。ま、こっちの予想した通りなんだけどねぇ…」

 

ベルは持っていた眼魔眼魂を手放す。眼魔眼魂は、セリスの身体の中へと入っていった。入っていったのを確認すると、ベルはセリスの正面に立った。

 

「大丈夫だよセリス。セリスも眼魔の一員になれば…苦しまずに済むし…みんな幸せになれるんだよ」

 

そう言ってベルはセリスに救いの手を差し伸べる。壊れてしまったセリスは、その手を見つめた。

 

「…えへ♪」

 

セリスは喜んでその手を取った。苦しみから解放してくれる、自分を救ってくれる、その手を。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

「はぁ…はぁ…セリス…何処にいるんだ…」

 

数分後、一夏はボロボロになりつつも、セリスがいたであろう場所へとやって来ていた。だがそこにはセリスの姿も、敵の姿も居ず、そこにはウィザードライバーと、フレイムウィザードリングだけが残されていたのだった。




次回、社会人になるので遅れます。の巻。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。