Re:IS~深緑の狙撃姫~   作:風来のがばお

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前回のあらすじ


和解回。

ちなみに眼魔世界出身のプリキュア達は、眼魔世界ではプリキュアの姿(基本形態)を、セリス達の世界ではプリキュア変身前の姿となってます。

モフルンみたいな存在は特殊なタイプですけどね。


赦し

セリス達の裏切りの戦いから三日後…

 

 

総合病院にて

 

 

「意識が戻って良かったです。赤城先輩」

「うん。ずっと寝たっきりだったから心配したんだよ」

「二人共…心配かけましたね」

 

目が覚め、ようやく身体も落ち着いてきたという事を聞いて、フブキとコトハの二人はヤマミの元を訪れていた。ヤマミを尊敬しているフブキは、胸を撫で下ろす。

 

「ところで…加賀さんは?まだ起きてから加賀さんに会っていないのですが…」

「あっ…」

「………」

 

加賀…ミサキの名を口にしたヤマミ。その名を聞いて、フブキは顔を落とし、コトハは気まずい顔をした。

 

「フブキさん?コトハさん?どうか…したのですか?」

「いえ…何も…」

「何も、とは思えない顔ですよ。何かあったのですか?」

「本当に…何も無いんです…」

 

フブキは頑なに口を閉ざす。

 

「…ミサキはね、仮面ライダーだったんだよ」

「はーちゃん!」

 

と、代わりに言ったのはコトハだった。

 

「加賀さんが…仮面ライダー…コトハさん、フブキさん。どういう事ですか?」

 

問い詰めるヤマミ。コトハは、自分達が知り得るだけの情報を洗いざらい話した。

 

「そう…でしたか…」

「ミサキさんがあんな事をする人だったなんて…私には信じられません…どうしてあんな酷いことを…!」

「私もあれからミサキさんから事情を聞こうとしたんだけど、あれからミサキさん…全然会えなくて…何処で何してるんだろう…」

 

場が暗く、重い雰囲気に包まれる。

 

「…フブキさん、コトハさん。加賀さんがそのような事をしたのは、他でも無く私達の為だったんですよ。いえ…加賀さんが仮面ライダーになってしまったのも…そもそも私のせいなんです」

 

突然の告白に二人は驚く。

 

「どういう事ですか?だって先輩は…ミサキさんと一緒に怪人に襲われて…ミサキさんを庇って先輩は重症を負って…その後はずっと昏睡状態で…」

「はい。ですがつい先日、私にとある面会人が現れたのです。その少女…いえ、あれは少女だったのでしょうか…確か名前はヨウコ…だったような…ともかくその女性から加賀さんが私を襲った怪人に復讐する為に仮面ライダー…スペクターになったことを聞かされたのです」

「復讐の為に…?」

「ええ。ですが加賀さんを利用しようとする存在が現れたのです。今回の事を教えてくれた女性もその関係者でした。そして加賀さんはその存在に手を貸すハメになったんです。"加賀さんの大切な人達"を盾に」

「まさか…」

「もしかして…」

 

二人は大方察してきた。ミサキの置かれていた状況に。

 

「そうです。"私達"の事です。私達は知らぬ間に人質のような立場にいたようですね…」

「どうして内緒に…」

「心配をかけたくなかったのでしょうね。あの人らしいです。ヨウコという女性からは"既に契約は解消している"との事で…私達はもう安全との事です。彼女は勝手に巻き込んでしまった事への謝罪の意を込めて会いに来たと言ってましたけど…」

「けどミサキさんが帰って来ないってことは…」

「恐らくフブキさん達の言っていた仮面ライダーの人を…」

「それだけじゃありません…」

 

フブキは俯きながら言った。

 

「私のせいなんです…私…何も知らなくて…ミサキさんに酷いことを言っちゃったから…だから…」

「フブキ…」

「フブキさん…」

 

自分の仕出かした事を後悔し、眼から涙が零れる。そんなフブキの頭をヤマミは撫でる。

 

「大丈夫ですよフブキさん。加賀さんなら受け入れてくれますよ。加賀さんの相棒である私が保証しますよ」

「そんな…どうしてそんな事が…?」

「でなければ…私達を守ろうだなんてしませんよ。私達にとって加賀さんが大切な人であると同時に加賀も私達を大切な人としているのですから」

「赤城先輩…」

 

俯いていたフブキは顔を上げる。そこには温かい笑みを見せるヤマミがいた。ヤマミは懐からあるものを取り出した。それは折りたたみ式の携帯電話だった。

 

「これは?」

「ヨウコが置いていったものです。何かあったらこの携帯に連絡しろという意味なのでしょう。彼女にかければ加賀さんが何処で何をしているのかが分かるでしょう。生憎私はこの身体で、病院内での携帯は制限されてますからね」

「赤城先輩…ありがとうございます…!」

 

そう言ってフブキは携帯を受け取り、病室を出ていった。

 

「廊下は走ってはいけませんよ…って、もう行ってしまいましたね」

「ヤマミさん、ありがとね。私…フブキをどうしてあげたらいいかが思い浮かばなくて…」

「そう思うだけでもいいんです。コトハさん、これからもフブキさんを支えてあげてくださいね」

「うん!」

 

コトハは頭を下げ、フブキの後を追うように病室を出ていったのだった。

 

 

 

 

 

「行ったようじゃの」

「っ!」

 

ヤマミは病室の個室の窓の方を向く。そこには自分にミサキの事情を教えてくれた存在であるヨウコの姿があった。気がつくと居たヨウコの存在にヤマミは驚く。

 

 

「いつの間に…」

「小蠅に化けるのはちと苦労したぞ?狐なのにじゃがの」

「…あなたの目的は何なのですか?加賀さんを利用したと思ったら今度は加賀の手助けをする…何の目的が?」

「そうじゃのぉ…本当は利用したらサヨナラのつもりだったのじゃが…ミサキの奴に興味が湧いての。ただ、それだけじゃ」

「興味が湧いただけで?怪しい人ですね…あなたは…」

「怪人じゃからの。ま、安心せい。ミサキは悪いようにはせん。っと…」

 

ヨウコの懐から携帯が鳴る。フブキが電話をかけてきたのだろう。

 

「それではの。院内は携帯禁止じゃからの。お大事にの」

 

そう言い残して窓から出ていった。身体をゆっくりと起こしてヤマミは窓の外を見る。そこにはヨウコの姿は無く、まるで風のように消えていた。

 

「皆さん…」

 

自分の親愛なる友人達を、今のヤマミは無事を祈るしかなかった。

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