怪人が出現
↓
ドーンッ!
↓
セリス・一夏「余裕でした」
おわり
二人は何事もなかったかのように教室に戻る。そこには戻っていた箒がいた。
「一夏、セリス。どこに行っていたのだ?」
「ああ、裏門の方から悲鳴が上がってな。そこへ行っていた。だよなセリス?」
「ええ。さて、もういい時間ね。帰りましょう」
セリスはこの話は終わりとばかりに切り上げる。そこへ真耶が入ってくる。
「あ、織斑君。まだいたんですね。よかった」
「山田先生?俺に一体何の用事で?」
「ええっとですね、織斑くんの部屋が決まりました。ただ、急な部屋割り変更でしたので一ヶ月でお引っ越しになりますが」
「なるほど。どこですか?」
「1025室です。篠ノ乃さんと同じ部屋ですね」
一夏は箒の方に向き直る。
「まぁそういう事だ。よろしく。」
「ああ…///」
箒の顔は赤かった。
恐らくこの間に一夏に近づこうとするだろう。
だか一夏にはセリスという守るべき彼女がいる事を箒は知らない…
翌日
授業開始前、千冬は一夏に話を切り出した。どうやら代表戦の事らしい。
「織斑、代表戦の事だが当日使えるISが無くてな。そこでお前には政府から専用機が用意されることになった」
その言葉に教室にざわめきが走るが、セリスと一夏は表情を変えていなかった。
何故なら、一夏とセリスが持っているISは、現行のISの性能を大きく上回っているからだ。
「少し、聞いていいですか?」
「何だ?」
「確かにコアは467個しかありません。篠ノ乃束はこれ以上作らないと公言しました。そんな中で俺に専用機が与えられるということは、俺をモルモットとして見ているという事ですよね?それにそんな事のために開発途中のISを放棄して作った…何て事は…ありませんよね?」
「…織斑、何故そんなことを聞く?」
千冬は睨みを効かせるが、一夏は表情を変えずに淡々といい放つ。
「…もし相手が発注をしていたにも関わらず、相手の許可をとらず、一方的に開発を放棄してそれを開発したのなら、俺は受け取りません。確かに俺というイレギュラーが現れたから早急にデータを取りたいのは仕方ないですよ。けど、それを言い訳にして開発途中で放り出す人なんて信じられないし、途中で開発を放棄する企業のISなんて信用できません。その皺寄せを喰らった相手や相手の気持ちはどうするんですか?発注相手が誰であろうと最後まで仕事をする。もしくは相手の同意を得た上で開発をする。これは普通当たり前の事だと思いますが?」
淡々と言い放つ一夏の言葉に千冬は何も言えず、セリスは一夏の顔を真剣に見ている。一夏はそれにと付け加えながら右腕にある青いガントレットを見せる。
「俺は既に専用機を持ってます。ですからいりません」
「…織斑、貴様それをどこで手に入れた?」
一夏が既に専用機を持っているという言葉に千冬の視線がさらに鋭くなる。家族である自分でさえ知らなかった事実。幼なじみでもある箒も驚いていた。空気はピシャリと凍りつき、セリスを除く生徒が息苦しくする中、一夏はそれを受け流しながら答える。
「教師であり、家族でもあるあなたでもそれは教える事はできません。ただ、とある場所で手に入れたとだけ言っておきます。ですからそのISはいりません。自分たちが受け持った仕事を最後まで責任を持って果たせない企業は、俺は信用出来ません、とその企業と政府に伝えて下さい。」
「………」
言いたいことを一通り言った一夏は席に着く。その一夏を唖然とした様子で見る千冬。
「それを聞いて安心しましたわ。あなたがどのようにして専用機を手に入れたのかは知りませんが、私が専用機であなたが訓練機などフェアではありませんからね」
「足元をすくわれても知らないぞ?」
かろうじて回復したセシリアの皮肉を皮肉で返す一夏。そんな一夏たちをよそにクラスメイトが千冬に質問をする。
「あ、あの…こんな時にこう言うのもあれなんですが…もしかして篠ノ乃さんって篠ノ乃博士の妹ですか?」
「…ああ、そうだ。篠ノ乃は篠ノ乃束の妹だ」
クラス全体がまた騒ぎ始める。開発者の妹がこのクラスにいたのだ。無理もないが…
その箒は歯を食いしばって耐えていた。その様子を見てセリスがパンパンと手を叩く。
「はいはい、みんな。篠ノ乃博士は篠ノ乃博士、箒は箒よ。何から何まで博士とは同じとは限らないし、今ここにいるのは篠ノ乃束ではなく篠ノ乃箒という一人の人間よ」
「セリスの言うとおりだ。人のプライベートを侵害するような真似はやめようぜ。プライベートを侵害されたら箒だって気分が悪くなるだろ」
セリスと一夏の言葉に騒がしかった教室が静かになる。
そんな二人を見て箒は目を見開いた。
それと同時に二人が眩しく見えた。
自分も同じ事を言われたら同じ様に対応出来るか?
答えは否。
もしあのまま姉について聞かれていれば周囲に当たっていたかもしれない。
昼休み
「い、一夏、セリス。さっきの事なのだが…」
箒はさっきの礼を言うべく一夏がいるセリスの席へと向かう。
「…気にするな箒。俺も似たような物だしな」
「あ…」
箒は思い出す。一夏の姉はかつてブリュンヒルデと呼ばれた。箒は同じ境遇の自分の気持ちを汲んでくれたのだと思った。
だが一夏は違う。
(俺は箒以上にあいつと比較され続けて来た…どいつもこいつも織斑千冬の弟だから出来て当たり前、できなかったら出来損ないの烙印を押される…それにあいつは…)
一夏は箒以上に千冬の事を言われていた。過度の期待、千冬の弟だから出来て当たり前。一夏自身を見ようとせずに千冬の弟としてしか見ていなかったこと。
だから箒の苛立ちをわかったにすぎない。
放課後・セリスとティアナ寮
一夏は外出中と書かれた札が掛けられていたセリスとティアナの部屋の中にいた。そしてその中にあるクローゼットの前にいた。これはセリスの家から持ってきたクローゼットであり、クローゼットの内側には深緑色の魔法陣が描かれており、そこの中心部には、『テレポート』のウィザードリングが填め込まれていた。
深緑の魔法陣を潜り抜けると、研究施設のような部屋に繋がっていた。その部屋の一角で、一夏は自身の専用機、クォンタム・ブレイドの調整を行っているティアナに声をかける。
「よう、ティアナ」
「あ、一夏君。ブレイドの調整は問題なしよ。ただ
「アレはとっておきだからな。仕方ないさ。何とかしてみせるよ」
と、代表戦に備えての会話をしていると、一夏はある物に目を向ける。それは瑠璃色、翡翠色、琥珀色と輝く石だった。
「…また来たのか?その魔法石」
「うん…黒いケルベロスや白いガルーダのプラモンスターがまた運んできたの。一体誰が…」
ティアナはISの技術者ではあるが、魔法石をウィザードリングの指輪に加工することが出来る魔法技師としての一面がある。ティアナはセリスの使用するウィザードリングを作っている唯一の人物なのだ。とは言え製作するための魔法石は限りがあり、この頃指輪の作成が困難になっていた。
だが最近になって突然プラモンスターと言われる使い魔がティアナの前に現れ、質の高い魔法石を置いては去っていくという事が起こったのだ。白と黒の2体のプラモンスターの主は分からず、一種の問題となっていた。
「誰かは知らないが、あるなら使うしかないだろ。前もらった
とは言え、魔法石のおかげでパワーアップすることが出来た。以前にもらっていた真紅の魔法石から強化形態であるフレイムドラゴンに変身出来るウィザードリングを作ることが出来たのだ。更にドラゴンの力を引き出すスペシャルのウィザードリングも作ることが出来て、戦力としては大きく上がった。
謎は残ったままではあるが、一先ず魔法石の件は保留とすることにした。後にセリスがやって来て、明日の代表戦に関しての話し合いを行い、その後お開きになった。
そして翌日。クラス代表戦の日がやって来た。
話が進むにつれて、リメイクの内容を考えるのも難しくなってくる…
感想、お待ちしています。