白式涙目(´;д;`)
ネタバレ。もう白式は出ないよ!(;゚Д゚,)
クラス代表戦当日
まるで信じられない物を見ているかのようにアリーナは静寂に包まれていた。上空では、一夏がまるでつまらない物を見ているかのようにセシリアを見下ろしていた。
しかもシールドエネルギーに関しては一夏の方はほとんど減っておらず、セシリアはかなり減っていた。
さらに一夏は全く呼吸を乱しておらず、セシリアはハァハァと呼吸を乱していた。
「…あれだけ自分はエリートだとか、俺を極東のサルがどうとか大口を叩いて所詮この程度かよ。エリートさんよ」
「くっ…!」
一夏の皮肉にセシリアの顔が屈辱で歪む。
おかしい。ありえない。自分は唯一教官を倒した学年首席のはずだ。なのにポッと出の素人のはずのこの男に一撃も与えられていない。
バカな。どうして。自分は代表候補生で国に選ばれたエリートではなかったのか?
ウソだ。毛嫌いしている極東のオスザルに翻弄されるなんて。
セシリアの中に色々な感情が渦巻く中、一夏が専用のガンブレード"サイファー"を右手に持ち、口を開く。
「やっぱお前。男を見下して、この装備だけで近接と決めつけてたろ?相手の技量を見ようとせずに傲慢だけが膨れ上がったって訳だ。こりゃイギリスの選考基準は甘過ぎだな」
「何ですって!?」
激昂したセシリアはレーザーライフルを放つが、一夏は威力を落としたサイファーをライフルモードに変形させてビーム放ち、相殺する。
「…っ!?」
セシリアはレーザーを相殺した一夏の技量に恐怖した。
「怒ってないで俺に一撃入れてみろよ」
ピットでは、まさか一夏が有利になるとは予想できてなかったのか、セリスを除く全員が信じられない目で一夏を見ていた。更にセリスは衝撃の言葉を投下する。
「驚いているとこ悪いけど、一夏は本気出してないわ。むしろ遊んでるわね。あれ」
「「「な!?」」」
対戦前
一夏たちはピットにいた。時間が迫り、リラックスしている一夏に千冬が声をかける。
「織斑。そろそろ時間だ」
「あ、はい。箒、セリス。行ってくる」
「ああ、気をつけてな」
「………」
箒は激励を送り、セリスは手をヒラヒラと動かす。一夏は軽く体をほぐしてからカタパルトへ向かう。カタパルトで一夏は相棒の名前を呼ぶ。
「行こうぜ。クォンタム・ブレイド」
一夏の身体に黒と蒼を基調とした全身装甲が装着。その姿はまるで
「織斑一夏、クォンタム。出る!」
全身から光波を散らしながら飛翔。ピットで見ていた千冬たちは、簡単に飛翔した一夏に驚く。
「何だ…あの光波は…それに
「あの光…キレイです。」
(魔法石を渡したのは…一体誰なのかしら…父さんと母さんの関係者?でも二人の関係者に心当たりは…)
三人がモニターの一夏を見つめる中、セリスは魔法石の事を考えていた。
上空
セシリアははじめて見る全身装甲に驚いている。
「
「どうした?まさか怖じ気づいたのか?」
「まさか、あなたに最後のチャンスを上げますわ」
一夏はクォンタムのモニターを見て心の中で溜め息を吐く。
「ご託はいいからさっさと始めようぜ」
「なら、お別れですわね!」
セシリアはレーザーライフルを放つ。一夏はそれを避ける。
「あら、逃げ足だけはお上手ですわね。ですがこれならどうですの!?」
セシリアはブルーティアーズのピットを分離させて動かす。あちこちにレーザーの雨が降り注ぐ。
「さぁ踊りなさい!私セシリア・オルコットとブルーティアーズが奏でるワルツを!」
「………」
一夏は無言でレーザーの雨を掻い潜っていた。
「織斑…反撃出来るのか?」
「ですけどあの動きはすごいですよ」
「一夏…」
一夏を心配する三人。だがセリスは違った。
モニターを全く見ないで、少し隠れて赤のガルーダ、青のユニコーン、黄のクラーケンのプラモンスターを召喚して魔法石の主の調査に向かわせていた。戻ってきたセリスに箒が声をかける。
「セリスよ!お前は一夏が心配ではないのか!?」
怒る箒。だがセリスは涼しい顔をして答える。
「一夏が負ける?ふふ…そんなこと、ありえないわ」
箒の言葉にセリスは鼻で笑う。そんなセリスの言葉に千冬が訪ねる。
「スカーレット、それはどういう意味だ?」
「いいえ。一夏があんなエリート意識の塊の様な高飛車女に負けるはずがないわ。それでよく姉や幼馴染みと言えるわね」
一方観客席では簪が戦いを見ていた。
実は簪は、この戦いで一夏が勝ったら話をしようとセリスから持ちかけられていたのだ。
(もしかすると本当に勝つかも…)
簪の手に持っているのは一夏が受け取りを拒否したISだった。結局押し付ける形で簪のISになった。
一方、セシリアは焦っていた。相手は避けてばかりで全く反撃してこない。なのに何故一撃も当たらず自分の息が切れるのだと…
回避に専念していた一夏だったが、セシリアの疲労を感じてサイファーをライフルモードにして構える。
「そろそろ終わりにしようか」
そう言って一夏は左手もサイファーを持ってライフルモードを拡散で放ち、一撃でセシリアを仕留めブザーが鳴る。
(勝者・織斑一夏)
セシリアは自分を圧倒した一夏に訪ねる。
「何故…そんなにお強いのですか…?」
「簡単に言えば、今のお前は努力を怠り、男を見下しているからだ。専用機をもらった最初は今の気持ちとは別にひたすら努力したはずだ。けどいつの間にかお前はそれを忘れてしまっていた。それだけだ。強くなればまた相手をしてやるよ」
一夏はそう言ってカタパルトへと戻る。セシリアはその背中を見つめていた。
ピット
「凄いぞ一夏!」
箒が駆け寄って一夏を賞賛。
千冬はセリスを声をかける。
「スカーレット、30分後に試合を開始する」
「分かりました」
セリスは着替えに向かった。
そして30分後
「さて、次はあたしね」
「気をつけてな」
「ありがと一夏」
セリスがピットへと向かう。30分間、千冬は一夏に自分の知らない所で一体何があったのか気になった。いくら学生と言っても代表候補生。素人がここまで圧倒するとは信じられない。
同じ頃
セシリアはシールドエネルギーの回復を済ませ、休息を取ることができた。次はセリス・スカーレットと名乗る少女。彼女の祖国は男女平等の国で特に男性の雇用を積極的に行っている。そんな軟弱な考えを持つ国の候補生に負ける訳にはいかない。考えを切り替えてアリーナへ飛び立つ。
上空ではすでに相棒のクォンタム・エイムを纏ったセリスが待っていた。
しかもまた全身装甲で深緑の色。ウィッチハットのようなヘッドギアなど、まるで魔女のような姿である。
「あなたも全身装甲ですの!?」
「そうよ、これがあたしの祖国の技術の結晶、クォンタム・エイムよ」
セシリアはセリスが手に持っているスナイパーライフルに目を向ける。
(おそらく狙撃に特化したISでしょうか。でしたらオールレンジ攻撃を持っている私が有利に運べるはずわ)
試合開始のブザーが響き渡る。
「セリス・スカーレット!撃ち落とす!」
セリスはスナイパーライフル"イシュメル"でセシリアの腰についているミサイル二基を即座に撃ち抜いた。
「キャァ!」
爆発によりシールドエネルギーが減る。千冬たちはセリスの狙撃技術に戦慄を覚える。
「今…気のせいでしょうか…オルコットさんの腰のミサイルを正確に撃ち抜きましたよね…?」
「どうやらスカーレットは狙撃に特化しているみたいだな。しかもあのISとの相性もいいようだ」
セリスはイシュメルを肩で支えながら持ち、仮面の下で微笑みながら言う。
「どうかしら?あたしの狙撃テクは?」
「あ、あなた…でたらめですわ!たった二発で私の切り札を落とすなんて!」
「切り札は速めに潰した方がいいでしょう?さて、速めに終わらせるわ」
セリスはイシュメルを収納して腰のホルスターにマウントされている2丁のピストル型の武器"アハヴ"を両手に持つ。
(あのピストル…何かありそうですわ…!)
セシリアは嫌な予感がしたのかブルーティアーズを分離させてレーザーを発射。
「行くわよ!あたしのショータイムよ!」
そう言ってセリスは高速で縦横無尽に動きながらアハヴを放ち、正確にビットに当てて落とす。
「ウソ…」
「あんなに動いてるのにビットだけを落とすなんて…」
アリーナはあり得ないものを見たかのようにざわめく。
全てのビットを破壊したセリスは動きを止めセシリアを見る。
「フィナーレよ」
セシリアは確信した。
今の自分では…絶対に勝てないと…
「乱れ斬る!」
セリスはイシュメルとアハヴを変形・合体させ、鎌形のエネルギー刃の武器"ザヴァヴァ"を構え、連続でエネルギー刃を飛ばす。途中で体勢を直しながらも、その全てのエネルギー刃は、セシリアのブルーティアーズに向かっていった。
その動きを見てアリーナはその姿に見惚れてしまう。
(よ、避けきれない!連続で斬撃を飛ばしながら回避先を読んで攻撃なんて…あり得ない!)
セシリアは懸命に回避するが、予測を見切ったセリスの連続攻撃が全て命中し、あっという間にシールドエネルギーが空になった。
(勝者・セリス・スカーレット)
セリスはザヴァヴァをクルクル回した後、肩で支えながら持った。その後、顔部分だけを解除してセシリアを見る。
「あたしね、ISがなかったら男も女も関係ないとおもってるの。全ての女性が扱えるとは限らないしね。それに男性だっていいところはあるわ。一夏のようにね」
セシリアは見惚れた。セリスの美しく輝く銀色の髪、どこまでもまっすぐな蒼い目。
(ああ…私の完敗ですわ…ISにおいても…人としても…)
その後、一夏とセリスの戦いが展開されたが決着は付かなかった。シールドエネルギーも両者共に半分だった。
翌日
「クラス代表はオルコットさんに決まりました」
「あ、あの…、なぜ私に?」
何故か自分がクラス代表になっているのか疑問に思ったセシリアは真耶に質問。代わりに答えるように一夏とセリスが答える。
「俺たちは辞退したんだ」
「というか、織斑先生が辞退してくれって言って来たの」
あの後、千冬が二人に「一年であの実力では話にならない」ということで代表を辞退してくれと頼まれ、辞退したのだ。
「でもその代わりにあなたを鍛えてやって欲しいって言われたわ」
「本当ですか!?」
セシリアの目が輝く。セリスに鍛えてもらえば自身の目標に到達出来るかも知れないと。こうしてクラス代表はセシリアに決まった。
セリスの部屋
放課後
簪は、セリスとの約束通りを連れて部屋に来ていた。簪はドアをノック。するとドアが開き中からセリスが現れる。
「いらっしゃい。どうぞ、部屋に入って」
セリスは部屋に上げ、ドアの前に外出の札をかけ後に鍵をかける。部屋に入り、クローゼットを開く。
「何これ…?クローゼットに…魔法陣?それに…光ってる?」
「さぁ、行くわよ。付いてきて」
驚いている簪を置いてセリスはクローゼットの奥にあった魔法陣に入り込む。我に帰った簪も後に続く。深緑の光の道をしばらく歩くと、そこにはドアがあった。セリスがそのドアを開くと、そこには一夏とティアナがいた。
「あ、いらっしゃい♪待ってたよ♪」
「ようこそ、不可思議現象研究部へ」
二人は笑顔で簪を出迎える。
「ここ…何処なの?それにどうしてクローゼットからこんな所に…?」
「あー…やっぱりそういうリアクション取るわよね。実はここ、あたしの両親の使ってた研究部で…アイルランドなのよね」
「えっ…⁉」
セリスは頭を掻きながら答えた。簪は日本からアイルランドという長距離を、あの空間であっという間に移動していたことに驚いた。
「どうして…私をここへ…?」
「まあ、後で説明するわ。あたしが簪を呼んだのはね…」
はたしてセリスは、何の用で簪を呼んだのか?
お気付きの方はお気付きですが、二人のISのイメージは某カードゲームの光波竜と歌って戦うアニメの緑色の鎧です。