夢に見るのはよく私と一緒にいた弟のような、けれども頼れる男の一人であった記憶喪失の男の子。実際はもう記憶を思い出してはいると思う。そんなことは何十年もいた私やケイ兄さんも気づいているだろう。けれどこちらからは何も言わない。自分から言い出してくれる日を私たちは待っている。もう何年も見ていないけれど私たちの家族。
ケルのことを。
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私が黒いローブか聞こえる
「王よ!おさがり下さい!」
と焦ったようにしかしながら冷静に彼の
それを見ると黒いローブの男が焦ったように手を自分の前で横に振りながら
「違うって怪しい者じゃないよ!」
やはりその声は聞き覚えがあった。それを確かめようと男にローブをとってもらおう。
そう思い口に出そうとするが、
「何が怪しくないだと!ランスロット卿を斬っておいて!」
「いや、あれはあっちがこっちの話も聞かないで…」
「ふんっ、賊であればうそを言うのは一丁前か」
「だから話を…」
「問答無用!王よ見ていてください!このガウェインあの男を斬って見せましょうぞ!」
ガウェインは男の話を聞かずそして王の言葉を聞かずに飛び出した。待ちなさいという言葉を。
「行くぞ!」
そう声を上げながらガウェインは剣を構え飛び出してきた。
さすが円卓の騎士とでも言うべきかその剣捌きは鋭くそして早い。しかしながら
「まだこんなものか…」
と落胆の声を隠そうともしない声で男はその場を
そう。聖者の数字を持つガウェインで今は本気では無いとはいえそれでも円卓の騎士である剣をその場を動くことなく捌き切っている。
それはすなわち男の技量が凄まじいことの証明でもあった。
「なぜ、それほどまでの技量が有りながらそのような…」
そうガウェインは凄まじい剣戟を放ったにもかかわらず僅かも息を乱すことなく男に問う。
すると男は勿体ぶるように自分の顔を隠していたローブに手をかけながら
「最初から言おうとしているけど、俺は怪しいものでもないし実際は帰ってきた方だからな?それに帰って来た一番の理由は…」
そう言いながら男はローブについているフードの部分を取った。
----俺の家族に会いに来ただけだしな----
その言葉を聞き終えるのを待たずに私は
そんな私にケルは優しく
「ただいまアル。待たせてごめんな、今帰ったから。」
「おかえりなさいケル、待たせた件は後でケイ兄さんと罰を考えますから。」
今まで見せたことのないような王であるアルトリアの笑顔に漸く再起動したのか困惑したようにガウェインがどういうことなのかと尋ねてきた。流石に無視できないと思ったのかアルトリアとケルは説明し始めた。
曰く、彼とアルトリアとケイは義理ではあるが家族だということ
曰く、彼は武者修行が終わり目的も果たして帰って来たところに丁度進軍中の家族が見えて追ってきたことなど。
因みにランスロットは最後まで話を聞かなかったから気絶だけさせているなど
その他多くのことを聞いたガウェインは誤解であったことに漸く気づき頭を勢い良く下げる。
「申し訳ありません!まさか本当にこちらの誤解であったとは…」
「いや、それについては問題ない。それに対人戦のいい経験にもなった。」
その一言に私たちがいい経験…と気落ちするガウェインがいたとかいないとか。すると前触れもなく突然ケルの頭の中に直接話しかけてくるような声がした。
【お話は終わったの?ケル。】
そんな彼女にいつものことなのか彼も頭の中でそうだよと返事をする
【紹介するよ金髪の可愛い女の子が俺の家族のアル。もう片方は知らないや。】
さらっと
「取りあえず城に戻ろりましょう。皆が待っている。」
突然ボーッとした後に苦笑したケルに旅の疲れが残っているのだろうと思いケルも自分の馬に乗せた。
ガウェインにはランスロットを連れてくるように言うとガウェインを置いて走り去っていった。
置いて行かれたガウェインは
「王よ、一人はちょっと寂しいです…」
と悲壮感漂う感じであったという。
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ガウェインを置いてきた二人は馬上で話し合っていた。
曰く、アルトリアは男のふりをしていること、なので表向きにでいいからアルトリアと呼んでほしいこと。
曰く、蛮族がブリテンに攻めて来ていること
曰く、外では死徒を屠るだけ屠っていたこと。
曰く、まだ来てはいないが実際は仲間だと思っているが自分からケルの従者をやっている者がいること。
曰く、曰く、etc…
二人は今まで会えなかった分の時間を埋めるように話し続けた。
しかし気づくと城はすぐそこにあり、時間の終わりが近づいていた。
門までたどり着くとすぐに俺の存在に気付いた兵士が飛んでくるがアルが制止し、そのまま俺を城の中に案内した。
城の中は外の静かなイメージを持たせるようなものとは異なり、様々な人が忙しそうに働いていた。
それはもう使用人から騎士までが。
特に騎士達は戦闘後でもあるので忙しそうに動いている。
しかし皆がアルトリアに気付くと頭を下げる。
しばらくすると大きな扉の前についた。
その扉は様々な文様が刻まれていた。
とてもではないが人力で出来る様なものではないので魔術師や精霊の力を借りたのだと一人で完結していると、
「ここは円卓の騎士が集まる部屋になっています。そして申し訳ないのですがケルには一度誰かと決闘することになるでしょう。ただでさえ緊張感が高まっている中ですので不確かな人を認める訳にはいかないとなりますから。ですのであまり不用意に発言もやめてください。家族にこんなことを言うなんて最低ですがどうかお願いします。」
こう言ってアルトリアは申し訳なさそうに俺に頭を下げてきた。そんな姿に反射的に俺はこう言っていた。
「それぐらい気にするな。家族のためならそれぐらいしてやるし気にする必要もない。だから頭を上げてくれ。」
気にするなと告げてからこの重たくなった空気に茶々を入れるように
「王様なんだ、それぐらい偉そうに言っとけば良いんだよ。」
「そうですね…そうですよね私は王様ですもんね。」
俺の茶々に乗るようにアルトリアは普段では言わないようなこと言った。
「やっと城に来てから笑ったな、アルトリア。」
虚につかれたように呆けるアルトリアに城から戻ってきたアルトリアの様子を俺なり伝えた。
「こっち来てからずっと気難しい顔してたから気になって。」
そう伝えるとアルトリアは嬉しそうにする。
しかしすぐに気がつき、気を引き締めた顔になり
「とりあえず行きましょうケル。皆が待ってましゅ…」
いや気が緩んでいたのを気づかれたくなかっただけのようだ。
因みにアルトリアは顔を真っ赤に染めた後俺をポカポカと叩いていた。
気を取り直して門を開けると既に円卓の騎士が揃っていた。
実は既に旅に出る前から取り戻している記憶だが、いかんせん円卓の騎士メンバー全員を知っていることはなく、アルトリアとガウェインやランスロットにケイそしてモードレッド。そしてマーリンだけである。そして円卓の席は埋まってはおらず事前にアルトリアにはいないのは任務などで空けているとのこと。因みにいるのは先ほど上げた者の他にアルトリアから説明を受けた限りでは、トリスタンとベディヴィエールだけであるらしい。
ただしマーリンは研究室にいるらしい。中でも俺のことを王であるアルトリアを慕っているベディヴィエールが認めないだろうとアルトリアが言っていたが。まさしく今、
「認めることなどできません王よ!もし王が言ったように怪しくないものだったとしてもそれだけで円卓の騎士に入れさせるわけには…」
「…いや、別に円卓には入らなくてもいいからな、俺。」
ベディヴィエールが俺を円卓に入れさせる気がないだの言いそうだったので自分の本心である円卓には入らなくてもよいと伝えるとベディヴィエールは驚いたように
「今貴様は円卓に入りたくないと?騎士の目標である円卓に?」
信じられないものを見たように確認してくるベディヴィエールにはっきりと
「ない。円卓に入る気なんてない。」
すると顔を真っ赤にしたベディヴィエールの顔が目の前にあって、
「き、貴様は騎士の目標と我らの誇りをいらないと言うのだな…」
その言葉で周りを見渡すとケイ兄さんは手を顔に当てやってしまったという顔をしており、アルトリアも態度には出してはいないが同じようなもの。その他はベディヴィエールと同じくもう剣を抜きそうな状態であった。
「ならばいい。貴様には私が代表として貴様に決闘を申し込もう。貴様にはハンデをやろう。五分生残れれば貴様の勝ちにしてやる。ただし私に負けたら貴様はここから出て行ってもらう。」
その一言に横暴だと口にしようとしたアルトリアよりも先に
「いや、ハンデはいらない。そもそもそっちが一合でも打ち合えたら其方の勝ちでいい。」
俺のことを侮ってくれたお返しとして言葉を返すと少々冷静になったのか
「なっ、嘗めているのか?良いだろう。それで乗ってやる。せいぜい無様な真似にはならないことを祈れ。場所は城の中庭だ。」
言われた通りその場所に行くと人払いがしてあるのか先程までいたメンバーと魔術師らしき男がいた。
その男は俺に近づくと
「やぁ。僕の名前はマーリン。ぜひマーリンと呼んでくれ。」
そう言って俺に手を伸ばしてくる。俺も差し障りの無い様な返答をしつつ握手をしてマーリンはこの即席の決闘場から離れた。
するとあちらの準備が終わったのか
「ではいくぞ。」
そう短く言葉を切ってから剣を抜き構えた。俺も腰から獲物を引き抜くと相手のようにまっすぐに構えず肩に担ぐように構えた。そのとき動揺を感じた。そしてベディヴィエールが
「貴様の、
そう俺の物は彼のような剣ではなく柄しかない物だった。流石にマーリンは気づいたのかへぇと声を漏らすと
「君のそれ魔力で形を造って武器何かを作るものなんだろう?」
その一言に先ほどよりも強い動揺を感じながら俺は柄に魔力を流し武器を作る。
「なるほどそれが貴様の獲物か。では行くぞっ!」
そう言ってこちらに常人では目にも止まらぬ速さで駆けてくるベディヴィエール。
それを俺は見ながらもガウェインと戦った時のように動かないのではなくただ一閃振るう。
振るう瞬間、武器をその一閃に相応しいように作り変える。
しかしこの作業は並みの魔術師では一瞬で意識を持っていかれる様なもの。
それをただの一瞬で行うケルの魔力操作に驚くマーリン。
しかしケルはそれだけでは終わらずそのままそれを作りながら振るう。
その形はその時代では存在し得ない筈の刃の部分が湾曲した武器。
そう鎌であった。
その鎌はベディヴィエールの剣に触れることなく相手の首に近づき薄皮一枚を斬って止まる。
その瞬間ベディヴィエールは膝をつく。
その前にこちらも鎌を相手から離すとベディヴィエールは素直に一言
「こちらの完全なる敗北だケル殿。先ほどまでの非礼を詫びよう。すまなかった。」
「もう良いよ。そんなに気にしていない。それに、俺の方がおかしいことを言っていることぐらいわかるからな。」
その言葉に感謝する。ベディヴィエールはそう言ってこの件は終わった。
そして俺は円卓の騎士には入らないがマーリンと一緒のところにいることになり、この城にいることになった。
やっとブリテンに入れました。
書いてると意外と長い時間がかかった感じがします。
さて四日ぶりの投稿です。
後書きでまとめて書いてまとめて出すうんぬんと言っていた気がしますが止めました。書いていてこれ、ブリテン終わるまで何か月かかるんだって気づき、今後は書けたら出す感じで行きたいと思います。
ということで前回から出たリーンですが、精霊です。
んでこの子もチートのようなものにする予定でいます。
因みに大きさは基本手のひらサイズですが、サイズは変更可能となっています。
あとリーンの存在はまだ誰にも気づかれてません。
これが後々の伏線になる予定でいますが、どうなるかは自分自身としてもわかりません。
さて次も出していきますが、多分今FGOの第六特異点をやっているのでそれが終わった後になると思います。
感想などコメント待ってます。では次もまた見てください。
新版でした。