side〜比企谷〜
洞窟に朝日が差し込んでくる。俺の目に光が当たり、目が覚める。地べたで寝たせいなのか、昨日の戦闘の傷のせいなのか、体の節々が痛い。立ち上がるが、めまいがして倒れる。もう一回立ち上がり、めまいがしないことを確認して、からだを伸ばしながら歩く。洞窟から出て川に向かっていた。顔を洗っていた時、ガサガサと音がなり、突然日陰ができる。俺は上を見上げた。そこには、巨大なネズミがいた。
「は?」
いや、意味がわからん、人間のように、服を着ているが、理解できないような姿をしていた
「チュー」
俺は、すぐさま後ろを向き走る。巨大なネズミも走る。周りの木をなぎ倒しながら走る、巨大なネズミから逃げ切れるはずもなく、あと少しで追いつかれると思った時、巨大なネズミは走るのをやめ止まった
「ネズミ!!」「でかーーっ!!」
前で声が聞こえた。ナツとグレイとルーシィがいた。
「あんた、昨日どこ行ってたのよ!と申しております」
とルーシィが入っている時計がそう言うが構っていられる状況でもなく、無視して走る。
ネズミの様子が少し気になり、後ろを見ると、口を膨らましていた。まるで何かを吐き出す前兆のようだった
「ぷはァ〜〜っ!」
ネズミは煙を吐き出す。最悪なことにその煙の範囲に、俺は少し入っていた。一瞬警戒する。その一瞬が、その煙を体内に取り込んでしまったのだった。足元が少しふらつき、倒れる。気絶寸前までなってしまうほどの臭さだった。現にナツは倒れていて、グレイは俺と同じようになっていて、ルーシィが入っていた時計も倒れていた。俺は立ち上がり、あいつらの元に向かう。見殺しにしてしまうのは、不本意だ。
「八幡、助かった」
ナツを背負い、グレイとルーシィと一緒に走る。だが、すぐに追いつかれそうになる
「比企谷!あんたが連れてきたんでしょ!なんとかしなさいよ!」
「なんとかできるならもうやってる!」
俺にできることはない。なら、誰かにやってもらうしかない。俺は、グレイにアイコンタクトを送る。グレイが舌打ちして、地面に手をつける
「アイスメイク!“床”」
地面に氷を張り、ネズミがそこを踏み、滑って倒れる。
「今のうちよ、あの遺跡に入りましょ」
ルーシィがそう言って後ろを振り向くが、ナツとグレイがネズミをボコボコにしていた
「さっさと行くぞ」
俺は2人にそう言って、遺跡に向かって歩いて行った
side〜ルーシィ〜
「うわー広いね」
あたしたちは遺跡の中に入った。遺跡の中はボロボロで、今にも崩れそうだ。
「見ろよ、何かを月みてえな紋章があるぞ」
月の島に月の呪い、月の紋章この遺跡なんか怪しいな
「比企谷。あんた何か知らないの?」
「知らないな」
比企谷は、地面を少し触っていた。その地面をナツは強く踏み始めた
「ちょっと!やめなさいよ!崩れたらどうすんのよ!」
そう言った瞬間、床が崩れ落ちた。
「バカーー!」
あたしたちは、遺跡の地下に落ちていった
「ねえ、ここ、どこなの?」
「とりあえず、俺の上からどいてくれ」
あたしの下から、声が聞こえた。下を向くと、あたしが比企谷の上に座っていた
「重い」
「ご、ごめん!て、てかあたし、重くないわよ!」
あたしは、即座に立ち上がり横に移動する。比企谷も服を払いながら立ち上がった
「なんだ?あれ」
さっきまで、はしゃいでいたナツが急に大人しくなった。あたしたちは、ナツが向いている方を見る
「え?」
「でけぇ怪物が凍りついている!」
そこには、凍っている怪物がいた。動かないと分かっていても、それでもなおその怪物から、威圧感を感じる。今まで見たきた、生物の中で一番巨大だった
「デリオラ!?」
あたしたちがその威圧感に、言葉が出なかったが、グレイだけが叫んだ
「え?」
「バカな!!デリオラがなんでここに!?」
グレイは、とても取り乱しながら叫んでいた
「あり得ねえ!こんな所にある訳かまねえんだ!」
「ちょっと!落ち着いて、グレイ!」
グレイは、からだを震わせながら下をうつむいた
「ねえ、何なのこいつは?」
「デリオラ。厄災の悪魔」
グレイの代わりに比企谷が答えた
「あの時の姿のままだ。どうなってやがる」
グレイは、自問自答をしながら自分を落ち着かせるように呟いた
「だれか来る。隠れろ」
比企谷がそう言って、あたしたちを押して岩の後ろに移動させた。本当に来ているのか疑問に思っていたが、それから少し経った時、洞窟内にカツカツと足音が2つなった
「人の声したのこの辺り」
「おお〜ん」
二人の男がやって来た。1人は、犬の耳を頭につけていて、半裸でお腹をポリポリとかいていた。もう1人は、眉毛が濃く髪形は個性的だった
「オマエ、月の雫浴びてね?耳とかあるし」
「浴びてねえよっ!飾りだよ!わかれよ!」
「からかっただけだ。バカ」
「おおーん」
犬の耳をつけている男は、先程までの怒りがなくなったかのような態度になった
「月の雫?呪いのことかしら?」
またしても、月に関する物が出てきた。月の呪いは、月の雫の影響なのかもしれない。だが月の雫の事をあたしは、よく知らない
「比企谷、何か知らないの?」
あたしは、小声で隣にいる比企谷に話しかける
「噂でしかないが、魔法の効果を打ち消すらしい」
ここで、あいつらの仲間らしき女性が来て、彼らを連れて行った
「何だよ。とっつかまえていろいろ聞き出せばよかったんだ」
「まだよ、もう少し様子をみましょ。グレイも何か知っていることがあったら教えて」
「10年前、イスバン地方を荒らしまわった不死身の悪魔。俺に魔法を教えてくれた師匠ウルが、いのちをかけて封じた悪魔だ」
「でも、何のためにデリオラをこんな所に持ってきたの?」
「おおかた、封印を月の雫で、解除してまた暴れさせるつもりだろうな」
グレイが、比企谷を胸ぐらを掴む
「お前、何か知ってんのか!?昨日居なかったのも、関係してんのか!?」
「落ち着いて、グレイ」
比企谷はグレイの腕を払い、服を整えた。あたしは、比企谷に話せることがあったら話してほしいと思いながら、比企谷を見た
「分かったよ」
side〜比企谷〜
俺は、昨日していた事と、戦闘の事を話した。
「なによ、そのダンテって人の魔法で、あの場所があんなにめちゃくちゃになっていたわけなの!」
少し語弊があるが、伝わっているようだった
「それがデリオラに、なんの関係あるんだ?」
「ダンテが言っていたんだよ。封印の解除もしているってな。おそらくだが、あいつらの仲間だと思う」
「じゃあ、あいつらをぶっ飛ばせばいいわけだな」
ナツが陽気に、先程までいた三人組の元に行こうとするが、ルーシィに止められた
ナツなら、そう言うと思っていた。何に対しても好戦的で、自分の勝利を疑わない
「それでだ。零帝ってやつを最優先で倒さなければならない」
あの三人組の話でも出てきていた、ここのボスらしき存在である
「なんでだよ!?」
「現状、デリオラを倒せる手立てがない。だから、デリオラを復活させない事が最優先だ。そのために集団の頭を、倒さなければいけない」
「でももし、復活しちゃってもララバイを倒した時みたいに、デリオラもなんとか出来ないの?」
「できるかもしれないが、あんなに上手くいく保証はない」
「だったら!今すぐ奴らを追いましょ!」
「いや、月が出るまで待つんだ」
「グレイの言う通りだ。今までの事全て月に関係している。ここで、待っていれば何かわかるかもしれない」
ナツは、追いかけると最後まで言っていたが、いつの間にか寝ていた
「俺も寝るわ」
俺は、ナツたちから少し距離をとって1人になれる場所まで行き横になった。あーもう地面で寝たくねぇ。はやく家に帰りたい