side〜比企谷〜
仮面を被った男は、ある壁の前に立ち岩を動かす。そこには、階段が隠されていた。どこまで用意していたのか。ダンテは、こいつのことどう思っていたのだろう
男が入ると岩が階段を隠そうと元に戻ろうとする。閉まったらもう入れない気がする
俺は、男にばれないように中に入る
男が足音を立てるタイミングで、俺は階段を登るようにして極力ばれないようにした。俺の魔法は、目にしか作用しない。いずれは、音をごまかす魔法も覚えたいと思っている
その階段は、外につながっていた。そして、そこから出た男は歩いて行く。そっちの方向には、村がある。村は、もうなくなっていて村人もいないと聞いている
何するつもりなんだ。これ以上、何もする事はないはずなのに
ついて行くと、やはり柵が一部残っているだけで、村は跡形もなく無くなっていた。本当に村があったのか、疑うくらいのものだった
男は、村に入っていく。俺は、残っている柵に姿を隠しその様子を見る
男は村の中央で水晶を取り出し、それに魔力を込めていく。すると、凸凹になっていた地面が平坦になり、その上に家ができ、草木が生え、先ほどまでの光景が嘘のように見えた
村の門に、あらかさまに落とし穴ですよと言っているように草が積まれていた
誰が作ったんだよ。あれが魔導士対策なら、 考えたやつばかだな
だが、なぜ村を元どおりにしたんだ。理由がわからない。こいつに、なんのメリットもないはずなのに
男は村から出て、村の近くにあった大きな木の上に登っていった。村の様子を伺うように、眺めていた。俺は、気配を最大限に消し物音をたてずに慎重に、木に登った
男の後ろかつ俺も村を眺められるような場所に移動する。その移動に時間がかかったのか、村に村人たちが戻ってきた
この島に来てから村人を、見た事なかったが悪魔の島と呼ばれるだけある
村が元どおりになっている事に、驚いていた。一人の村人が、走って村から出て行く。
それから、しばらくしてナツたちが村に入る。村長ぽい人と話したあと門前に移動した。そこに村人たちも集まり話始めた
エルザさんは、考える事に夢中になっていて落とし穴に落ちた。しかし、何事もなかったかのように登ってくる
たくましすぎて、男より男らしいとまで思う
「さすがは、妖精の女王。もうこのからくりに気がつくとはねぇ」
「なんだ?からくりって」
男がつぶやくと同時に、俺は男の横に移動し銃を向けて質問する
「これは、これは驚いた。まさか、私が気づかないなんて」
口では、驚いたと言ってはいるが驚いた様子ではなかった。男は、ゆっくりと手を挙げる
「まあ、見ていればわかります」
男はそう言って、俺に向けていた視線を村の方に戻す。俺も軽く警戒をしつつ、村の方に顔を向けた
side〜ルーシィ〜
村の資材置き場に帰る途中、比企谷がいないことに気づく。他のみんなも気づくが口を揃えて『八幡なら大丈夫だろ』と言った。怪我は、していなかったし大丈夫なのだろうと思うけど。妖精の尻尾の人はみんな無茶しちゃうような人たちだから、少し心配だ
村の資材置き場に着くが人の気配がなかった
「あれ?誰もいない」
「ここにみんないたのか?」
事情を知らないナツは、半信半疑で聞いてくる
「村がなくなっちゃったからね。でもどうしたんだろ」
テントの中を調べたりするがやはり誰もいない。すると、一人の村人が走ってきた
「皆さん!!戻りましたか!?た、大変なんです!と、とにかく村まで急いでください」
村人の言う通り、村に急いで向かう。そこには、なくなっていたはずの村があった
「な、何これ」
「元に戻ってる」
村人たちは、自分の家が元に戻っているのを見て喜んでいる
「どうなってんだコリャ、まるで時間が戻ったみてーだ!」
ナツが、元に戻った家を殴っている。その家はだんだんひびが入っていく
「せっかく直ったんだしアンタは、触らないほうがいいと思う」
周りを見ると、ボボさんのお墓の前に、村長が座っているのが見えた。あたしの視線を感じたのか、村長が後ろを振り向き、あたしの元にやって来る
「村を元に戻してくれたのは、あなた方ですかな?」
「あ、いや、そーゆー訳じゃ」
あたしも、何で村が元に戻っているのかわからない。エルザでも1日で元に戻す事は出来ないと思う
「それについては、感謝します!」
村長は、あたしたちがやってくれたと勘違いをしている
「しかし!一体いつになったら、月を壊してくれるんですかな!」
「ひぇーっ」
そう言った村長に少し、恐怖した。あたしは、月を壊す事は無理だと思っている
「月を破壊するのは、たやすい」
とエルザが言った。あたしは、それに対しても少し恐怖する
「しかし、その前に確認したい事がある。みなを集めてくれないか」
門前に村人たちを集めた。エルザは村人たちに聞きたいことを聞きながら考え始める。喋りながら、歩いていたせいで落とし穴に落ちた
「落とし穴まで復活してたのか…」
村は、昨日の夜まで戻っていて、あたしが作った落とし穴まで元に戻っていた
エルザは、怒っているかもしれない。せめてもの現実逃避に、あたしのせいじゃない、あたしのせいじゃないと自分に言い聞かせる
しかし、たくましくもエルザは落とし穴から抜け出してきた
また話を続ける。そこで村人たちは、遺跡に近づけなかったと話した。あたしたちは行けたのにどーゆう事なの
「やはり、か」
エルザは何か分かったように呟いた
エルザは換装を使い鎧を変える。そして、村で、一番高い見張り台にナツを連れて登る
何をするつもりだろ。本当に月を壊すつもりなのだろうか
side〜比企谷〜
高台に登ったエルザさんは、槍を取り出す
そして、投げつける。そこに、ナツが石突を思いっきり殴りつけた
「届ェェえぇぇっ!!」
エルザさんの雄叫びは、離れているここにまで届く
ナツが殴ったことにより、推進力が増し槍は空高く昇っていく
槍がごまくらいの大きさになるくらいの高さで、何かに当たった。あの高さでは、月まで届いているはずがない
だが、月にひびが入る。そして、そのひびが広がっていき、割れる。
そこには、月があった。先程までの紫に光る月とは、違い普通の月だった。割れた破片が、地上に降り注いでいく
そして、村人たちは輝く。その輝きが収まっても村人たちは悪魔のままだった
「月の雫の影響で、村人たちは記憶が混濁していたのです」
「という事は、元々悪魔だって事か」
男は水晶を片手に持ち、俺に顔を向ける
そして、水晶を俺に見せてきた
「初めまして、確か君は妖精の尻尾の比企谷君だね。オレの名前は、ジークレインだ」
その、水晶の中には男が映っていてジークレインと名乗った
「評議員か、一体何のつもりだ」
ジークレインは、最年少で評議員に入った天才と呼ばれる男だ
「デリオラを殺しておきたかった」
何かが、おかしい。ならなぜ、ジークレインはここにいないんだ
「不満かな?」
「まあ、そうだな」
顔に出ていたのか、不満に思っている事がばれたようだった
「こちらにもいろいろ事情があるんだよ」
だから、もうこの話はここまでで終わりにしよう詮索するなと言ってきているようだ
「じゃあ、なぜ俺に接触して来た。ここにいる男でも別に良かったんじゃねーの」
そこで、ジークレインは笑い出した
は?なんで、ここで笑うんだ?え?俺今の台詞噛んでたりした?
「ウルティア、本当の姿に戻ってやれ」
ウルティアと呼ばれた男は、仮面を取ると顔から煙を出した。そして、顔が変わり背丈も体型も変わった
「は?」
男だと思っていた奴は、女だった
「あら私の事、男だと思ってたの?あんな姿じゃ勘違いしてもしょうがないと思うけど」
いや、誰もわからねーだろ。今までずっと男だと思っていた。まあ、こいつ見てから二時間経つか経たないくらいだけど
「君の質問だが、勧誘だよ。君には、ぜひオレたちの計画に入ってもらいたい」
「断る」
俺は、そう言って木から降りた。冥府の門と繋がっている様子はないこいつらの目的は、いったいなんなんだ…
「はぁ、振られちゃったか」
「ジークレイン様、お言葉ですがなぜ、あの男の勧誘なんかを」
「普通の奴とは、何か違う感じがした。あんなやつ見たことがない。ウルティアは何か気づかなかったのか?」
「いえ、私は」
俺が、木から降りた後も二人の男女の会話は続いた