FAIRY TAIL 孤高の男   作:空元気

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26話

side〜比企谷〜

 

 

エルザさんに背中を任された。この人が、他人に背中を預ける事なんてそうそうない。こんなふうに誰かに期待されるなんて、いつ振りだろう。もしかしたら、今まで生きてきたなかで初めてなのかもしれない。あっ目から汗が…

とにかく、最低でもエルザさんとジョゼの一騎討ちにしなければならない。だから、この少年を倒すもしくは、足止めをして時間を稼ぐかの二つだろう

倒す事は、まずほぼほぼ不可能に近い。エルザさんクラスに近い実力を持っている事は、ついさっきの戦いで嫌という程教えられた。逃げれたのは、あの揺れと油断がなかったらできなかった。それほどまでに強い

少年は、ゆっくりと剣を抜く。なんというか、普通に見たら隙だらけなのだが、いつでも、近づけば攻撃をしてきそうな感じがする。緊迫した空気が、広場を埋め尽くす

「もう、帰っていいぞ。妖精の尻尾は、私が殺す」

ジョゼが少年に向かって言った。その、ジョゼの言葉に俺もエルザさんも驚きを隠せなかった。どういう事なんだ?あの少年がいなくなるだけで、こっちはだいぶ楽になるのだが、それは、ジョゼにとって得にならない。いや違うか、二人如き一人で何とかなってしまう、その己の強さにジョゼは、自信を持っている。だから、この少年がいようがいまいが、ジョゼにとっては得でも損でもない。それならいっそ、人の体を壊すのを一人でじっくりと楽しみたいと思っていると思う

少年は剣をしまい、ジョゼの言葉に従いどこかへ行ってしまった

「気にしなくてもいい。あの少年がいたら、私が楽しめない。では、始めようか」

そのあとに、殺戮をとつきそうなほどの迫力で言う。ピリピリとした緊張感が、この場を支配した。さっきまでの少年とは、比べ物にならない。ジョゼが、手のひらを俺たちに向け、魔法を放った。地面を抉りならが、真っ直ぐ飛んでくる。それをエルザさんは左に避け、俺は右に避ける。そのままエルザさんは、換装して鎧と剣を装備し、ジョゼに向かっていき、斬りつける。ジョゼは難なく避け、エルザさんの足を掴み壁に向かって投げつける

俺は、ジョゼの正面に走り込んで殴りつける。だがジョゼは、その拳を掴みエルザさんとは、逆方向の壁に投げつけた

当たった壁は壊れ穴が開く、俺は仰向けに倒れた。今日で合計二度も思いっきり打った背中が痛すぎて、立たない。だが、同じような攻撃を受けたエルザさんは、まだ立っていた。あんなに、ボロボロだったのに力強く立っていた

ジョゼは、俺の事は、眼中にないらしくもう俺の事を見ていなかった。笑えてくる。バカみてーだ。何期待してたんだよ、俺が聖天十大魔道の一人に、かなうはずがないだろ。エルザさんだってS級魔導士なんだ。エルザさんに背中を任されたからといって、この圧倒的な差は埋める事はできない。俺は、肩書きも何もないただの魔導士。それだけだ

 

目の前で繰り広げられている戦いは、異次元のように見えた

 

 

side〜ルーシィ〜

 

 

ナツとガジルが、殴り合っていた。二人の実力は、ほぼ同等。殴っては、殴り返される

しかし、ナツはガジルとの戦いの前にエレメント4と戦っており、体力的にも魔力的にももう限界に近い

ナツは相当、息が荒くなっている。だが、ガジルだって、ナツほどとな言えないが息が荒くなっていた

ガジルは、床の鉄板を剥がす。何をするかと思えば、その鉄板を食べだした

「やっぱり、鉄を食べるんだ…」

鉄の鉄竜魔導士だと聞いた時から、なんとなく食べると思っていた。食べ終わったガジルの攻撃は、鋭くなっていた。さっきまで、ふらふらだったのに、急に元気になった

そういえば、ナツだって炎を食べたら強くなっていた気がする。火の星霊なんていたかしら。あたしは、ポケットの中を探る。しかし、鍵の束はなかった。どこかで落としたもしくは、ファントムに取られているの二つだ

あたしが、こうしている間にもナツはガジルに殴られ続けている

「手元にあるのは、新しく手に入れたサジタリウスのみ」

ガルナ島の依頼でもらった金の鍵。昨日の夜に契約しようと思っていたが、ナツたちがいたからできなかった。だから、他の鍵と一緒にしていなかったおかげで、これだけは持っていた。だが、契約もしてないしどんな星霊が出てくるかもわからない。出たとこ勝負だ

「我、星霊界との道をつなぐ者。汝、その呼びかけに応え門をくぐれ。開けて人馬宮の扉!サジタリウス!」

「はい!もしもし」

人馬というのだから、神話に出てくるケンタウロスみたいなのを想像していたが、まさか馬のかぶりものをした人型の星霊が出てくるとは、思わなかった。いま思えば、他の星霊も結構人型なのが多い気がする

「細かい説明は後、あんた火出せる!?」

「いえ、それがしは弓の名手であるからにして。もしもし」

まあ、期待はしていなかった。こんなに都合よく火を出せる星霊だったら、逆に驚く

「ルーシィ!危ねえから下がってろ」

ナツに怒られて、サジタリウスを押して隅の方に移動する。こんな時でも、ナツはあたしの心配をする。どこまであたしは、役立たずなんだろうか

ナツの攻撃は、もうガジルには通じない。ガジルに殴られ地面を跳ねるようにして転がっていく。あわや、自分の咆哮で開けた穴から落ちそうになった

ナツは、倒れたまま起き上がらなかった

「そ、そんな…ナツが負けるトコなんて…」

あたしにとって、エルザがいない今、妖精に尻尾の中で一番頼りになるのはナツで、一番強いと思っていた

「見ろよ。お前たちが守ろうとしているものを」

その、空いた穴からは崩れ落ちていくギルドが見えた。あたしたちは、ギルドを守ることはできなかった

その光景を見て、ナツは立ち上がった。ギルドはなくなった。体はボロボロで、もう諦めてもいいだけどナツは立ち上がる

まだ、諦めてはいなかった

なら、あたしも諦めない。何かできることを探す。あたしはある物に目がついた。サジタリウスは、弓の名手。もしかしたら

「サジタリウス!あれを爆破させて!」

「なるほど…わかりました。もしもし」

サジタリウスは、弓を引きあたしの指定した場所にめがけて撃つ。それは、ナツとガジルの間を通り機材を爆破させる

そこから炎があがった。狙い通りだ。次々にサジタリウスは、機材を爆破させ発火させる。それを、ナツは食べていく。これで、ナツの体力も回復できるしパワーアップだってできる

火を食べきったナツに、ガジルは殴りかかる。ナツは、近づいてきたガジルをアッパーで地面から足を離させる

ガジルは、負けじと空中で咆哮を繰り出す。安定感のない空中では、いつも通りの力は出ない。ナツは、炎の爆発で跳ね返す

「紅蓮火竜拳!!」

ガジルは、ナツのフルパワーで何発も殴られる。その拳は、ガジルが気絶しても止まらない。ナツの殴ったところが爆発し、いくつもの爆発が絡み合い。ファントムのギルドは崩れていく

あたしの足場も崩れる。ハッピーが、それを助けてくれた。空を飛び、ナツのところまで向かう

「もう…本当…やりすぎなんだから…」

ここまで、やらなくなって良かったのに。でも、ちょっと嬉しかった。ナツの役に立ったって思えたの、今回が初めてだから

 

 

side〜比企谷〜

 

 

ファントムのギルドが、崩れ、壁が天井が落ちてくる。落ちてくる瓦礫にミラさんたちがあったら一大事だ。運がいいのか、俺が投げられた所の近くに、ミラさんたちが横たわっていた。なるべく一箇所に固め、落ちてくる瓦礫から庇う

異次元のように思える戦いももう決着がつきそうだ。だが、エルザさんが劣勢なのが目に見えてわかる。何度も攻撃しているが、未だにジョゼに一発も攻撃が当たっていなかった

俺は、魔法陣を書き始める。俺は、ジョゼの意識の外にいる。ジョゼが油断するタイミング、それを狙えば逆転できるかもしれない。隙さえ作ることができれば、勝てる

ジョゼは、魔法でエルザさんを拘束する。今魔法に集中して、さらに勝利を確信していて無防備だ。俺の渾身の一撃を、魔法を撃ち出す。それは、魔導士なら魔法陣なしで、当たり前に使えるただのほんの小さな魔力の塊にすぎない。それが、ジョゼの顔に当たり爆発する。完全に意識外からきた攻撃にジョゼは、思わず、エルザさんの拘束を解いてしまった

だが、エルザさんのダメージは思っていたより深刻で、動くことができなかった。遅かった。もう少し早く撃てていれば…もっと強い魔法を撃てていれば、倒すことができたかもしれないのに。だが、ないものをない。倒しきれなかったジョゼの怒りは、俺に向いた

「殺す!!」

ジョゼは手に魔力を集め、放つ。まっすぐ俺のところに向かってきている。俺の後ろには、ミラさんたちがいる。避けることはできない

 

 

 

「いくつもの、血が流れた…子供の血じゃ。できの悪ィ親のせいで子は、痛み涙を流した。互いにな…」

俺の前には、マスターが立っていた。マスターが、その魔法を打ち消し、俺を俺たちを守ってくれていた

「もう十分じゃ…終わらせねばならん!」

温かいような、懐かしいような魔力。ジョゼの吐き気がするような魔力と正反対で、空気が中和されていっているようだ。マスターがこれだけの魔力を出しているのを見るのは、久しぶりだ。マスターの魔力に気づき、気絶していたグレイとエルフマンが起きる

「全員この場から離れよ」

「マスター!?」

「何でここに!?」

グレイとエルフマンは、驚いている。俺も、言葉が出ないくらい驚いている

「言われた通りにするんだ」

エルザさんが、傷だらけの体で立ち上がりこっちに向かってきた

「行くぞ、立てるか?」

俺は、グレイに声をかけ立ち上がらせる。俺たちがいても、マスターの邪魔になるだけだ。はやく、ここから離れなければならない

俺たちは、全てをマスターに任せて、ファントムのギルドから脱出した

 

 

脱出した直後ファントムのギルドは光に包まれた。ギルドの周りにいたジョゼの出していた幽兵が消えていく。だが、俺たちの体には何ともなかった

「妖精の法律だ」

エルザさんは、この光が何なのか知っているようだ。俺たちは、その光を食い入るように見ていた

「聖なる光を持って闇を討つ。術者が敵と認識したものだけを討つ魔法」

なんだよ、それ強すぎんだろ。マスターはジョゼを倒し、この戦争に勝った。長かった戦いが終わり、その喜びがギルド全体を包み込む。歓声をあげ、中には抱き合う人たちもいた

それを見て、俺はがらにもなく安心したのだと思う。沈む夕陽を背に倒れるように眠った

 

 




こんにちは
突然なんですが次話から、月一更新にします。
理由としては、受験勉強と今月発売予定の俺ガイルのゲームをするためです。許してください
三月くらいから、また週一に戻すつもりです
今後もよろしくおねがいします。
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