side〜比企谷〜
討伐クエスト、それは盗賊を退治したり、凶悪なモンスターを倒したりするクエストのことだ。一般に危険度が高く死と隣り合わせである。だが報酬金はいい。つまりはハイリスクハイリターンだ。優秀な魔導士であればあるほどリスクは少なくなっていく
俺は、よく討伐クエストを受けるが報酬金がいいこと以外にも理由があり、それは依頼主と顔を合わせて喋らなくていいからだ。採取クエストなどは取ったものを依頼主に届けなければならないが、討伐クエストだとギルドに直接報酬金が送られてくる。なるべく、人と関わりたくない俺にとっては好都合だ。
俺は今、ブルーウルフの討伐クエストを受けてハコベ山に来ていた。
ブルーウルフは青い体毛で集団で行動し、たまに山を降りて人里を襲うことがある。それで、襲われた村が討伐してくれと依頼をだしたそうだ。依頼書には、山の中腹の森に巣があると書いてあった。その巣らしき所まで近づく
「ふぅーー」
息を吐いて、魔法を展開する。ブルーウルフは鼻がよく効く、匂いでバレるかもしれないが、多少はばれにくくなったと思う。そして一気に走り出し、見つけたブルーウルフを1匹1匹銃で撃っていく。前回持っていた、捕縛ようの麻痺弾の入っていた拳銃とは違い、今回は殺傷用の拳銃を2丁持ってきている
だが、さすがに数が多すぎた。俺の魔法では目だけの認識能力をしか下げられない。数匹かが俺に向かって飛びかかってくる。前に転がって振り向きざまに撃つ、空中で弾にあたり絶命しドサッドサッと地面に落ちる
まだ、10体くらい残っていて、俺を囲むようにしている。
「ちっ、たく仕方ねぇ」
軽く舌打ちをして、銃を2匹のブルーウルフに向ける。風が吹く、それを合図にしたかのように10匹の狼が一斉に襲ってくる。右腕や左足を噛まれながらも、一匹ずつ適切処理していく。痛みで、魔法が展開できなくなっていた。血だらけにならながら、引き金を引く。残り1匹になるまで殺していき、最後の1匹に銃口を向け撃つ。だが銃口はずれていれ弾はブルーウルフの右の後ろ足に当たる。ブルーウルフは怯むが、それでも仲間の仇と言わんばかりに俺に飛びかかってきた。
からだが痛すぎて、手が震える。だが、やらなければやられる。なら殺すしかない
「俺だって、死にたくねぇんだ。すまんな」
俺はそう呟いて、ブルーウルフを殺した
今回のクエストはいろいろとしくじった。俺は基本的に奇襲タイプだ。一対一なら得意なのだが、一対多数をあまり得意としない。ぼっちだから、多数に弱いのかもな。まぁ下手したら死んでいたかもしれなかったほどの傷を受けた、俺はふらふらな足取りになりながらも、下山していた。この道沿いに行けば、川があってそこで休憩するつもりだった
しばらく歩いていると、馬車が登ってきた。馬車とすれ違う、すぐに馬車が止まり中から少女が出てきた
「だ、大丈夫なの!?あんた、血だらけよ!なにでようなってるのよ!」
「お、お前はル、ルー、ルイージだったっけ?」
「ルーシィよ!!それナツもやってたからね!」
中から現れたのは手の甲に妖精の尻尾の紋章がある、ルーシィだった。また、もう1匹も姿を現す
「ハッピーもいるのか、てことはナツもいるんだよな」
「そんな事より、なんで血だらけになってんのって聞いてるでしょ!」
ルーシィが怒鳴り散らしてくる。カルシウム足りてないんじゃないですか?
「ただの仕事帰りだよ。ただのな。こんくらい普通の事なんだよ。それよりお前らこそ、なんでここにいんだよ」
「あたし達は、マカオさんを探しに来たのよ」
ルーシィは少し、頬を膨らまして俺に言う俺はルーシィのその言葉を聞き、睨む、ルーシィはひっと軽い悲鳴をあげた
「どれだけ危険なことをしようとしてるのか、分かってんのか?」
「分かってる。それでも俺はマカオを助けたい」
とナツが、馬車から降りてきて俺に言ってきた。
「なら、なぜそいつを連れてきた?そいつを死なせたいのか?」
ナツが、どういう気持ちでマカオさんを助けようとしているのかはだいたいわかるが、ルーシィはマカオさんと面識もないし、魔導士としてまだまだ未熟だ。
ナツは、それに答えようとはしなかった。ただ、俺を見つめるだけだった
「もういい、俺はもう行く」
俺はそう言って、ナツ達に背を向け山を降りて行った。俺にとって自分の責任を自分でとるのが、普通だった。ぼっちだから、助けてくれるかもと思うことすら許されねぇ。俺は、もっと強くならなければならないんだ
side〜ルーシィ〜
「なんなのよ!あいつ!」
あたしはさっき出会った、比企谷八幡に対して、怒りを覚えていた。
「あたしが死ぬかもしれないとか、せっかくあたしが気遣って声をかけたのに!」
それに反応してくれたのはハッピーだった。ナツは酔っているので話す余裕はなかったのだが、何かしら思うところがあったのだろうか、少し体がぴくっと反応した
「八幡の言っていたことはあながち間違いじゃないよ、ルーシィ」
「ハッピーまで、そんなこと言うの!?」
ルーシィはハッピーならと考えていたから、その反応は予想外だった
「あい、今から行くのは雪山だから。そんな薄着じゃすぐ死んじゃうよ」
「服装の問題!!?」
比企谷八幡が言っていた意味としてはそれだけではなかったのだが、それを聞く前に馬車が止まった
「もう着いたの?」
それに、馬車を運転していた人が答える
「これ以上は、馬車では進めません!」
なので、ここで降りることになった。そして、馬車は街に戻っていく
「ちょっと帰りはどーすんのよ!」
寒さは、ここに着く前にナツから毛布を貰っていたおかげで、寒いが死にそうになるほどではなかった
だかルーシィにはその寒さは耐えられたが吹雪には耐えられない。
「ひ、開け、時計座の扉。ホロロギウム」
あたしはその中に入り、暖をとる
「何しに来たんだよ」
「何しに来たといえば、マカオさんはなんの仕事しに来たのよ?」
あたしは知らなかった。マカオさんがこの場所に何の仕事をしに来ていたのかを、知らないでついてきた
「凶悪モンスター“バルカン”の討伐だ」
あたしは驚いた。これが比企谷八幡が言っていた、あたしが死ぬかもしれない理由なのだろう。あの時、ムキにならないで、帰っていればよかったんだ。あたしは後悔した。
あたしは足手まといでしかなかった。バルカンにさらわれて、ほとんど何もできずに終わった。本当に何しに来たんだろう