side〜比企谷〜
ここは、ベットの上か。俺は感触と体勢で判断した。そっか、流石に無理し過ぎたのか。そういえばあれを使うのは、久し振りな気がする。あまりにも体に、負担がかかるため、ゼレフの書の悪魔限定で使う事にしていたが、普通の敵にですら苦戦を強いられ、深い傷を負うことが多くなってきた
ずっと同じ体勢だったので体がしびれる。寝返りをしようと少し、体を動かす。
「起きてんのか?」
と声が聞こえた。俺は目を開け隣を見る。そこには、カゲヤマがいた
「なんだよ?悪いか」
「いや、悪くない。最後に挨拶をしておこうと思ってな」
「別にそんなのいらねぇよ」
俺は断り、布団を被る。それにもかかわらず、カゲヤマは勝手に喋り出す。
「俺は今は後悔しているんだ。お前らのギルドを見て、正規ギルドがとても羨ましかった。お前は、いやいい。じゃな罪を償ってくるわ」
そう言って、カゲヤマは行ってしまった。多分、逮捕されたのだろう。結局何が言いたかったのだろうか。ただの懺悔だろうか、それなら俺じゃないだろう。だけど、最後カゲヤマは笑って部屋から出て行った。俺は体を起こし、着替えはじめる
「何か、新しい魔法でも覚えてみるか」
と呟き、俺は部屋から出た。お金が底を尽きそうなのを、駅まで行ってから気づく。体は痛むが、お金がない事には何も出来ない。
「一回、ギルドに帰って依頼をやってからだな」
俺はマグノリア行きの列車に乗り、ギルドを目指す
side〜ルーシィ〜
ギルドの前は騒然としていた。今日はナツが、鉄の森を倒しに行く前に行っていた、エルザとの戦いの日だった。あたしは、ナツとグレイとエルザがフェアリーテイルのトップだと思っていたが、違ったようだ。他にも強い人がたくさんいるらしい。
そんなことはどうでもいい。ナツとエルザが戦うという事があたしは嫌だ。どっちにも負けてほしくない。そんな気持ちがあって、応援なんてできない。エルザは換装して炎帝の鎧を着る。ナツは構える。両者の準備が整った。
「始めいっ!」
マスターの掛け声とともに戦いが始まった。ナツの攻撃をエルザは躱し、エルザの攻撃をナツは躱す。両者一歩も譲らない戦いだった。
「すごい!」
「な?いい勝負しているだろう」
「どこが」
エルフマンが褒めるが、グレイは認めない。やっぱり、グレイはナツより上にいたいのだろう
エルザが剣を振り下ろし、ナツが殴りにかかる。ここで、突然手を叩く。大きな音が鳴った。それは、ナツとエルザの戦いを、邪魔した。
「そこまでだ。全員その場を動くな。私は、評議員の使者である」
カエルのような人?人のようなカエル?どうでもいいが、そんな人が来た。
「先日の鉄の森テロ事件において、エルザスカーレットを逮捕する」
「え?」
突然の事で、困惑する。当然エルザも、呆然としていた。
side〜比企谷〜
ギルドに帰ってきたのはいいが、すごく静かだった。何があったのかは、分からないが、依頼板に向かう。誰にも気づかれずに依頼板についた。あれ?俺、魔法使ってないのに、誰1人気づかないなんて、俺、空気過ぎ。あ、目から汗が。俺は依頼板のクエストを一つとり、マスターの近くに行く。その途中、喋るトカゲが閉じ込められていた。
「おー、八幡か。クエストじゃな。分かったぞ」
「助かります。で、何かあったんですか?」
俺はマスターに問うが、答えたのは、ルーシィだった
「この前の一件で、エルザが逮捕されたのよ」
「そ、そうなのか」
マスターに聞いたはずなのに、ルーシィが答えたので、少し反応に困る。
まあ、色々壊していたからな、捕まっても仕方ないだろ。俺は、ギルドを出て行った。
依頼を終え、ギルドに帰ってきた。今回は怪我もなく、しばらくは仕事をしなくてもいいほどのお金が手に入った。明日からの予定を脳内で立てつつ、ギルドに入る。そこには、いつものうるさく、賑やかなギルドだった。今回の原因である、エルザが帰ってきていて、後から分かったのだが、ナツも一緒に捕まっていたらしい。しかも、余計な事をして1日牢屋に入れられていたらしい。何してんだよ
今から帰って、飯を作る気にもなれないし、外食するにしてもギルドで食った方が安いので、ここにきたのだがあまりにもうるさすぎる。ナツが、この前の続きと言って、エルザに殴りかかり、エルザが振り払うと、ナツがぶっ飛んでゆき、一発で倒れる。
やっぱりこんなところで、食べる事は出来ない。自分の家に戻ろうと、後ろを振り向く。突然、眠気がしてきた。後ろではこの、眠気に耐え切れず、ほぼ全員が寝ていた。今にも、寝てしまいそうになりながら、その魔法をかけた張本人を待つ。
「八幡、よく起きていたな」
「この魔法、何回受けてきたと思ってんだよ。ミストガン」
ミストガンは、ギルドのメンバーに姿を見せないようにしている。俺も理由は分からないが、ミストガンには、昔一回助けられていて、その際に、少し指導を受けた。俺も、ミストガンもあまり喋らない方なので、俺は「用事あるので」と言ってギルドから出て行く。ミストガンは、依頼を受けに行った。
side〜ルーシィ〜
今の眠気はなんだったのだろう。皆は口を揃えて、ミストガンと呼んでいた。
「ミストガン?」
「フェアリーテイル最強の男候補の1人だよ」
と隣にいた、ロキが説明するが、あたしと分かると、距離を取られた。
「どういう訳か、誰にも姿を見られたくないらしくて、仕事をとる時はいつもこうやって全員眠らせちまうのさ」
「なにそれっ!」
それだけ、聞くとすごく怪しい男のように聞こえる。
「だから、マスター以外誰も、ミストガンの顔を知らねぇんだ」
「いんや、俺は知ってっぞ」
今聞こえた声は、二階からだった。
「もう1人の最強候補だ」
とグレイが説明する。
「ミストガンはシャイなんだ。あんまり詮索してやるな」
この男の名は、ラクサスと言って。ギルドにいることすら珍しいと、他の人が言っていた。
「ラクサスーー!俺と勝負しろーっ!」
とナツが叫ぶ
「ミストガンの魔法に耐えられないやつが、俺に勝てねぇよ。そういや、1人起きているやつがいたな」
すごい、あの眠気の中で起きている人が、いるなんて。
「名前は確か、比企谷だったか?」
比企谷が、あの眠気の中で起きていた人だった。エルザですら、寝ていたのに。ナツは、比企谷を探しに行って。あたしはその後、二階についての説明をミラさんに聞いていた。S級クエストがあるから、二階にはマスターに認められないと入れないのだ。
あたしは家に帰り、ドアを開ける。家には、ナツとハッピーが筋トレをしていた。
「おかえり」
「きゃああああっ!汗くさーい!」
あたしは、ナツのお腹に足から飛び乗る。ナツはふんごっと、声をあげる
「筋トレなんかじぶん家でやりなさいよ!」
あたしはそう言うが、ナツはそれを無視して、筋トレを続ける。
「オレ、決めたんだ」
いきなり、ナツがそう呟く。そして、あたしの方を向き、笑う。
「S級クエスト行くぞ!ルーシィ」
ハッピーがS級クエストの紙をあたしに見せる。
「どーしたのよそれ!!」
あれ、ナツはまだ二階に上がったらダメなはずなのに、なんで?
「ちょっとどういう事!?二階には上がっちゃいけないはずでしょ?」
それにハッピーが答える
「勝手に取ってきたんだ。オイラが」
「とりあえず、初めてだからな。二階で一番安い仕事にしたんだ」
ギルドのルールを破る事は、破門されてしまう可能性がある。せっかく入ったフェアリーテイルをやめるわけにはいかない。
「あたしは行かない。2人でどうぞ」
「でも、これもらえるよ?」
とハッピーが、あたしに紙を見せてくる。お金の下に金の鍵と書かれていた。
「ウッソォ!?黄道十二門の鍵がもらえるの!?」
「行きたくなっただろ?」
「うん、うん」
黄道十二門の鍵なんて、めったに手に入る物ではない、誰かにとられる前に、あたしがとらなくちゃ