side〜比企谷〜
大きなあくびをしながら、歩いていた。一昨日の依頼で、ある程度の金はあるが心許ない。クエストを受けようとギルドに向かった。
ギルドでは、騒ぎになっていた。ナツがS級クエストの紙を盗んで、行ってしまったらしい。
「ラクサス!知ってて何で止めなかったの!?」
ミラさんの怒った声がギルド内に響き渡る。ミラさんは、今では滅多に見せない怒った顔になっていた。
「マズイのう、消えた紙は」
「呪われた島ガルナです」
ミラさんは、ラクサスを睨みながら答える。
「悪魔の島か!」
マスターは目を見開いて驚く。その声にギルドのざわつきが大きくなっていく
「ラクサス連れ戻してこい!」
「冗談、オレはこれから仕事なんだ。てめえのケツをふけねえ魔導士は、このギルドにはいねえ。だろ?」
ラクサスはそう言って、ギルドから出て行こうとする。
「今ここにいる中で、お前以外誰がナツを力づくて連れ戻せる!?」
マスターがそう言うが、ラクサスは無視して、ギルドから出て行った。マスターのいう事は、本当だ。エルザはクエストに行っている。グレイはナツと同じくらいの実力で、連れ戻せるかと言えば無理だろう。俺?俺は、弱すぎて話にならない。そこらのモブレベルあればいいくらいだろ。
だがマスターのその一言に、グレイが反応する。グレイは椅子から立ち上がる。
「じーさん、そりゃあ聞き捨てならねえなぁ」
「グレイ、お前はナツを連れ戻せれるのか?」
「当たり前だ」
そう言って、グレイはギルドから出て行った。そして、グレイが出て行ってからすぐに、ミラさんが俺に向かってきた。
「八幡、忙しいかもしれないけど、グレイだけだと心配だから、ついて行ってくれないかな?」
ミラさんは、体の正面で手を合わせて俺に頼んできた。さらに言えば顔が近い。なんで、こんなに距離感が近いんだよ。ビッチ?ビッチなの?俺は、顔をそらす。
「まあ元々、ガルナ島には用があったから、それくらいなら別に問題はない」
「ありがとう」
「まあ、期待すんな」
俺は、グレイの後を追いギルドから出て行った。可能性は低いが俺らがつく頃には、もうガルナ島に行っているのでは?そんな疑問を持ち、港町であるハルジオンに行く。はあ、金持つかな
side〜ルーシィ〜
「うわー、なつかしいっ!」
あたしは、ハルジオンに来ていた
「なつかしいってそんな昔のことでもねぇだろ」
フェアリーテイルに入ってから、時間が経つのが遅く感じて、ついこの間の事が遠い過去のように思う
「いい?まずは、ガルナ島へ行く船を探すの」
「船だと?無理無理!泳いで行くに決まってんだろ」
ナツが、訳のわからないことを言ってくる。
「そっちの方が無理だから」
いくつかの船の船長に、頼んでみるが、全て断られた。呪いだとか縁起が悪いとか言って、近づきたくないらしい。最後の船乗りにダメ元で頼み込む
「何しに行くか知らねえが。あそこに行きたがる船乗りは、いねえよ。海賊だって避けて通る」
が、断られた。分かっていたけれど、落ち込む
「決定だな、泳いで行くぞ」
ナツが言ったことに、さっきの船乗りが反応した
「泳ぐ?それこそ自殺行為だ。巨大ザメが、怖くねえなら別だかな」
「オウ!怖かねえや!黒コゲにしてやるよ」
やっぱり、ついてこなかったほうが良かったのではないかと、少し後悔する。
「はーどうしよぉ」
「だから、泳ぐっての」
ナツが準備体操をしながら言ってくる。
「みーつけた」
後ろから、肩を叩かれる。すぐに後ろを向く
「グレイ!?何でここに」
「連れ戻してこいっていう、じーさんの命令だよ。ついでに八幡もいるぞ」
グレイが、前をつまり、今あたしが向いている逆の方向に指をさす
「よお、その様子じゃ船に乗れなかったようだな」
「何で、分かったのよ!?」
「俺は、1回ガルナ島に行こうとした経験者だからな」
「て、ことはあんたも乗れなかったのね」
「とりあえず、今すぐ戻れば破門をまぬがれるかもしれねぇ。戻るぞ」
グレイが、破門と言う言葉を口にする。その言葉はあたしにとってすごく重かった。だが、ナツは変わらずS級クエストをやると言って聞かない
「俺は、エルザを見返してやるんだ!こんな所で引きさがれねぇ!ね
「マスター直命だ!引きずってでも連れ戻してやらぁっ!」
今にも、殴り合いが始まりそうな雰囲気いや、もう始まっていた。
「ケガしても文句言うなよ!」
「やんのかコラァ!」
2人とも、魔法を発動していた。
「ちょ、ちょっと2人とも!」
あたしが一言言っただけで、収まる訳がない
「やめんか」
比企谷が、2人の頭を叩く。2人とも、痛みで頭を押さえる。
「痛っ、何すんだよ!」
「あんたら、魔導士だったのか?」
さっきの船乗りさんが、あたしたちに話しかけて来た
「ま、まさか島の呪いを解く為に」
「オウ!」
「一応」
自信なくなってきたけど、答える
「行かせねーよ!」
グレイがそう言うが、船乗りさんには聞こえていなかった
「乗りなさい」
その瞬間、ナツはグレイを蹴り気絶させる。そして引きずって船に乗せる。
「あんたは、どうすんのよ?あたしたちを止めるの?」
あたしは比企谷に問う
「最初はそうだったが、まあ、もう無理だろ。あと俺も、乗せくれ」
そう言って、比企谷は頭を下げ頼んできた。全員が船に乗り、無事とは言えないが、なんとかガルナ島に出発することができた
side〜比企谷〜
出発して、しばらく経ちナツは船酔いでダウンしている。グレイは起きたが、体を縛ってあるので、身動きが取れない。
「今さらなんだけどさ、ちょっと怖くなってきた」
「てめ、人を巻き込んどいて何言ってやがる。つか、八幡!何でこいつらを止めなかった!」
「俺は、お前について来ただけだ。何かしろと頼まれていない。てか、俺がナツに1人で勝てねーよ」
そう言うと、2人は俺を疑うような目で見てくる。やめろ、俺は何もしてない
「あんたが、この中で一番強いじゃない」
「そうだぞ、ララバイを倒した、張本人だろ」
グレイとルーシィはあの時の事を言っていた
「しょうがない…ギルドに帰ったら話してやる」
いづれはばれる物だ。今話そうが、後になろうが関係はない
それを聞いたグレイの、矛先が船乗りのオッサンに行く
「オッサン、何で急に船を出したんだ」
いい迷惑だと言わんばかりの顔を口調で言った
「俺の名はボボ、かつてはあの島の人間だった」
「え?」
「逃げ出したんだ。あの忌まわしき呪いの島を」
「ねぇ、その呪いって?」
ボボは、ハッピーのした質問には答えなかった
「禍は君たちの身にもふりかかる。あの島へ行くとは、そういう事だ。本当に君たちにこの呪いが解けるかね?」
そう言って、ボボは着ていたマントを少しはだけさせ俺たちに左腕を見せる。その腕は人間のそれとは全然違った
「悪魔の呪いを」
「オッサンその腕」
「呪いって、まさかその」
グレイとルーシィは驚きを隠せていない。さすがは、悪魔の島と呼ばれているだけはある。ボボの腕は、悪魔の腕に似ていた
「見えてきた。ガルナ島だ」
オッサンはそう言ったので、俺も含め全員がガルナ島に注目した
「ねえ、オジさん」
ルーシィが、ボボに話を聞こうと振り向く。それに合わせて、俺もグレイも振り向くが、そこにボボはいなかった
「あ、あれ?いない?」
「落ちた?」
グレイがそう言ったので、ハッピーが海を潜って探すだが
「いないよ」
「うそ?どうなってんの?」
俺も、探すがボボより大変な物を見つけてしまった
「お、おい、前を見ろよ」
俺は、グレイとルーシィに知らせ、前を見せる
「きゃあああ!大波!」
「のまれるぞ!」
全員がパニックになっていた。俺は、グレイの縄を解く。結ばれたままだと死ぬかも知れないからな
そして、俺たちは大波にのまれた
「きゃあああああ」
「くそっ、てめえらのせいで」
side〜ルーシィ〜
目を開ける。どこかの海岸だった。太陽が昇っていることから、翌日だと思う
「ここは……みんな無事!?」
周りには、乗ってきた船の残骸とあたしたちの荷物そして、グレイとナツとハッピー、比企谷が倒れていた
「おおっ!ついたのか!?ガルナ島!」
ナツがはじめに起き上がる
「どうやら、昨日の大波で海辺に押し寄せられたみたいね」
「それにしても、何だったんだろ?あの腕、悪魔の呪い?それに消えたオジさん」
「気にすんなっ!探険行こーぜ!探険!」
「あいさー」
ナツとハッピーが、のんきな事を言って探険に行こうとする
「待って、この島には、村が一つあるらしいんだけど、依頼主がそこにいるから、まずはそこを目指しましょう」
「待ちな」
グレイが立ち上がって、後ろから声をかけてくる
「なんだよ!ここまできたらもうつれ戻せねーぞ!」
「いや、俺も行く。やっぱ、お前らだけ先に二階に行くのもシャクだし、破門になったらそれはそれでつまらん」
グレイも、今回の依頼に参加することになった。
「あれ?そう言えば、比企谷は?」
先ほどまで、海辺で倒れていた。比企谷がいなかった
「本当だ、いねぇ」
「先に行ったんだろ、俺たちも行こうぜ」