前回まででのダイヤと空の関係性を少し変更しました。
せざるを得ない。
1
梨子が千歌達と共にスクールアイドルを始めると決意した翌日の夕方。
学校が終わった千歌達は早速、海辺でダンスレッスンをしていた。
勿論、空はその近くで腰を下ろし、それを見守っていた。
「ワン、トゥー、スリー、フォー!」
今、千歌達はケータイのアプリのメトロノームに合わせてステップを踏んでいる。
そして、曜のケータイでそれの動画を撮っているところだ。
空は腕時計を一瞥すると3人に「そこまで」と言った。
3人は一息つくと、曜が先程撮っていた動画でダンスの確認を始める。
「うーん、どう思う空ちゃん?」
「ここの蹴り上げが弱い」
「だよね。あと、ここの動きもだね」
「そうだな」
曜と空は交互に悪い点を見つけ、それを指摘する。
側で見ていた梨子は感心したように言った。
「流石ね、すぐ気づくなんて」
曜は空と一回顔を見合わせると、照れるように言った。
「高飛び込みやってたから、フォームの確認は得意なんだ!」
「俺はたまに曜のフォームの確認をする程度だけどな。リズムはどうだ?」
そして、次に空が梨子にそう訊く。
「んー。大体良いけど、千歌ちゃんが少し遅れているわ」
「私かー!」
千歌は頭を抱え、空を見上げた。
ちなみに、梨子がスクールアイドルを始めると言った日から、3人の間では既に名前呼びとなっていた。
女子のコミュニケーション能力の高さに、空は若干引いた。
しかし、梨子が空のことを「空くん」と下の名前で呼び、空は少し感極まったというのは内緒である。
空は梨子のことを相変わらず上の名前で呼んでいるが……。
千歌が空を見上げたまま戻ってこないので、空は声をかける。
「どうした千歌」
「いや、ヘリが近づいて来てるなーって……」
それを聴いた空達も、上を見上げる。
確かに、普通ではこんなに高度を下げて飛ぶことなんてないくらいに高度が低い。
見覚えのある色のヘリだと分かった瞬間、空は呟いた。
「小原家のか……って!?」
「近づいて来てるー!?」
空達はすぐさま、地面に飛び込む。
ヘリはその上空を通り過ぎ、停まった。
「いつつ……。正気を疑うぞ……!」
「なになにー!?」
空達はそのヘリの方を見る。
ヘリはその場に着陸し、扉が開いた。
そして、1人の金髪の少女が砂浜に降り立った。
「Ciaoー!」
そう言った金髪の少女――小原鞠莉は空達に向かって、ウィンクした。
誰なのかある程度察しがついていたのか「やっぱり……」とそう呟き、空は立ち上がり、その鞠莉に近づく。
「危ないだろ、マリーさん」
そう言って、軽い手刀を鞠莉の頭に振り下ろした。
『3話 ファーストステップ』
変なところで切りますが、次回に持っていきます。