ガンスミスの紡ぐ物語   作:ResistanceRaven

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長らくお待たせしました。
少しずつ更新していくつもりなので見捨てないで頂きたいです。


路地裏で

『ガキ……!マジで殺されてえのか……!』

『そ、その、い、一回落ち着いた方がっ……!?』

『黙れっ、何なんだよテメェは!?そのチビの仲間なのかっ!』

『しょ、初対面ですっ』

『じゃあ何でそいつを庇ってんだ!?』

『……ぉ、女の子だからっ?』

『なに言ってんだよテメェ……!』

 

路地裏から聞こえる声。聞いただけでは良く分からないが、少年が女の子を庇っている事が分かる。

最初は見逃そうと思ったが、気配からして襲ってる男性は冒険者。庇ってる方の少年も冒険者だが、大の大人に勝てる程対人戦をやってる訳が無いと判断した。

俺は急いで路地裏に向かうと、白髪のあの少年とその後ろに隠れるパルゥムの少女。そして剣を抜いた冒険者らしき男が見えた。

俺はS&W Sigmaカスタムをホルスターから抜いた。

 

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「いい、まずはテメェからブっ殺す……!」

 

男が手を背中にやって剣を抜いた。

本物の殺気に体が揺れて、反射的に僕も《神様のナイフ》を構える。

はっ、と息を呑む音。見れば、パルゥムの少女が目を剥いて僕を注視していた。

いや、見ているのは《神様のナイフ》?

男もこちらの構えに一旦は驚いたようだけど、すぐに双眼に力を入れ直して睨み付けてくる。

_不味い。

初めての対人戦…足が震えてくる。戦えるの、こんなので?

ぶつけられる人の殺気は僕を盛大に緊張させた。

汗が吹き出してきて、唾を何度も飲み込んでしまう。

カッコ悪いほど怖気づいてるそんな僕の姿に、冒険者の男は獰猛な笑みを浮かべた。目の前の相手が取るに足らない存在だと悟ったのだろう。

やられるイメージしか湧かない。でも、引けない。

僕は、ありったけの力を振り絞って瞳を吊り上げた。

次の瞬間、飛び掛かろうとした男の剣が高い金属音を立てながら手の中から落ちた。

 

「それ以上は不許可だ。」

 

路地裏に低い声が響いた。

声の聞こえた方向を向くとクロウさんが居た。

 

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「次から次へと……!今度は何だァ!?」

 

冒険者の男がクロウの方を向いた。血走った眼は軽くホラーに見える。

 

「殴り合い程度なら見逃したのだがな。ここ(オラリオ)で余り犯罪行為は止めてほしいのだが…」

 

「どいつもこいつも訳の分からねぇことをっ…!ぶっ殺されてぇのかッ、ああ!?」

 

「黙れ」

 

クロウの一言で冒険者の男はたじろいだ。

彼から発せられる殺気とそう変わりのない威圧に狼狽したのだ。

それを見ていたベルも、彼の出していた威圧に言葉を失っていた。

 

「ここから去れ。余り戦いたくはない。」

 

「ふざけるな!!!」

 

冒険者の男は、気力を振り絞り剣を拾ってクロウに襲い掛かる。

剣を振り上げた時に腹に蹴りを入れた。

 

「がはっ」

 

軽く数メートルは飛んだか。冒険者の男は嘔吐しながら蹲った。

 

「ここを去れ。もう警告はしない。これ以上やると言うのなら実力行使に移る。」

 

彼の目に殺気が籠る。

冒険者の男は戦意喪失したのか情けない声を出して走り去って行った。

 

「全く…この頃こう言う輩が増えてきたものだ…」

 

クロウはため息を吐きながら、そう呟いた。

 

「大事は無いか。」

 

冒険者の男を追い払った目の前の男に、少し畏怖を抱いたベル。

顎の下に溜まった汗を拭う。先程の冒険者との睨み合いのせいなのか、はたまたクロウの威圧のせいなのか判断がつかない。

 

「あ、ありがとうございます。助かりました。」

 

「いや、いい。俺がいなくても他の人が居たからな。」

 

そう呟きながらクロウはメインストリートの方へ向く。

そこには大きな紙袋を抱えたリュー・リオンが居た。

 

「リューさん…?」

 

「買い出しをしていたら貴方を見かけたので。」

 

ベルは若干驚きながらなるほどと納得する。

 

「ところで貴方はここで何を?冒険者に喧嘩を売っていた訳ではないでしょう?」

 

リューのアーモンド形の瞳が吊り上げられる。

そこには多少の威圧がこめられていた。

 

「あっ、いえっ、あの子を…あれ?」

 

周囲を見たベル。そこにはリューとクロウしか居らず、先程庇っていたパルゥムの少女が居なかった。

 

「誰かを庇っていたのだろう?その人物はもう既に居ないが…」

 

「あっはい、さっきまではここに居たんですけど…」

 

ベルはしょうがないと思っていた。正直にクロウが怖かったのだ。

 

「恩知らずな人だったのですね。」

 

「まあ、いいんじゃないか?」

 

少し気になる様子だが、居ないものはしょうがないのである。

 

「それじゃ、失礼させてもらう。気を付けろ。この頃こう言うのが多いからな。」

 

クロウはメインストリートの方に戻って行った。

 

「そうですね。では、私もこれで」

 

「はい。ありがとうございました。」

 

ベルとリューは互いにお辞儀を交し合い、その場で離れた。

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