一件落着の後、インデックスちゃんは上条と同棲していた。
「うごごごご、壁を殴らずにはいられない!クソ、中学生と同棲とかギルティ!ジャッジメント呼ぼうぜ、ですの!」
「おいこらやめろ」
「いいないいな、俺もインデックスちゃん滅茶苦茶にしたい!もうロリコンでもいいや」
「誤解を生むようなことは言わないでくれないかな!?」
上条と帰宅しながら、なんか前より仲が良くなったな。男じゃなくて女の子が良いなと思っている今日この頃であった。
そんな俺に運命の出会いが訪れる。
「探したわよ!」
「ゲッ、その声は……」
「見つけられた、運命の相手!好きだ付き合ってくれ!」
「ひゃあ!?」
俺は声のする方に向かって飛びつく。
しかし、それは迫りくる足によって防がれた。
「た、短パンとか嘘やろ……」
「木原ァァァァ!?」
「えっ、えっ?」
まさか、最近の女子中学生は防御力高すぎてお兄さんは泣きそうです。
やっぱり声だけで可愛いと判断したが、顔も可愛かった。
というか、制服からしてお嬢様確定であった。
でも、上条目当てなんだろうな。
死ねば良いのに。
「木原、無茶しやがって……」
「上条……最後の頼みだ……聞いてくれ」
「あぁ、なんでも言ってくれ」
「いや、本当お前死ねよ」
「まさかのお願いに上条さんは驚きを禁じえないんですけど!?」
あわわわしていた女の子は、俺達の茶番で冷静さを取り戻したのかプルプル震えている。
おや、生理かな?下種な考えで見ていると、ビリッと彼女の体に電気が走る。
アカン、なんか不幸になりそうなので元凶から逃れなきゃ。
「上条は犠牲になるのだ」
「うわっ、わわわ!」
上条を掴んで立ち上がりながら、女子中学生の方へと飛ばして俺は逃走する。
上条のほうを見れば、女子中学生を押し倒していた。
左手はスカートに、右手は胸に、どういう状況だよオイ!
「ナイス、ラッキースケベ!」
「違う、わざとじゃ、押されて」
「この変態が!」
「ふ、不幸だぁー!」
逃げる上条と追いかけるビリビリした女子中学生、頑張ってデート楽しんでください。
帰宅して家に帰ると、靴があった。
インデックスちゃんに買ってあげた奴だ。
「ただいま」
「あっ、きはらきはら!」
「おぉ、インデックスちゃん遊び来てたのか」
まぁ、上条が学校にいるときは暇だからドラえもんと遊んでるんだろうな。
「今日は何してたんだ」
「オセロやった」
「あぁ、オセロか」
「立体の奴」
「なんだそれ!?」
またドラえもんの道具だろうか。
良く分からないけどもうドラえもんなら何をしてもおかしくないな。
「今、ドラえもんは?」
「スモールライトで小さくなって、ビッグライトで大きくしたドラ焼きに挑戦中」
「死ぬほどドラ焼き食べれるけどどうなんだそれ」
あんこに到達する前に飽きるんじゃないだろうか。
しかし、そうなると邪魔するのは可愛そうだ。
ちょうど良い時間だし、俺らも飯にしてもいいかもしれない。
「どうしたインデックスちゃん」
「実はきはらにお願いがあるんだよ」
「なんだ?」
「ハンバーガーが食べたいの、でもグルメ掛けテーブルじゃスタンダードなのしかでなくて期間限定のが手に入らないんだよ」
「そうなんだ、知らなかった」
というか、そこまで念入りに使ったことないけど確かにハンバーガーは何種類もあるもんな。
いやでも、名前を言えば出るんじゃないだろうか、仕様か?
「まぁ、じゃあ外で食うか?」
「えっ、いいの!」
「ちょっと待ってろ」
俺は押入れを開けて、布団との下に手を突っ込む。
あったあった、ドラえもんのスペアポケット。
「あっ不思議ポケット」
「四次元だけど、えっとあった。テッテレー、職業テスト腕章!」
「それで、どうなるの?」
「まぁ、行ってからのお楽しみだな」
俺達はそう言ってハンバーガーを買いに来た。
そこで、俺は席を借りて腕章にハンバーガー店と代表取締り役と書く。
説明しよう、この道具は書いた職業に決まった時間だけなることが出来るのだ。
「よし、好きなだけ注文して良いぞ」
「えっ、でも……」
「金は気にするな。でも食べれる量だぞ」
そう言って列に並び、俺達の番になった。
「いらっしゃ……社長!?」
「どうして代表取締り役がこんな所に!?」
「て、店長!大変です、店長!」
なんで末端のバイトまで俺の顔、もとい代表取締役の顔を知っているのか知らないけどそういう道具だから考えてはいけないのだ。
「なになに、きはらって凄いの」
「俺の会社なんだ、ここ」
「すごーい!」
嘘です、今だけなんです。
さて、適当にハンバーガーでも買っていくか。
「今日は抜き打ちでテストに来たんだ、今から注文するから持って来なさい。カードしかないから、代金は後で請求してくれ、秘書が払う」
「は、はい!それではご注文を覆します」
「えっと、まだしてないんだよ。それと落ち着いて欲しいかも」
正論だけど無茶を言うなってんだよインデックスさん。
結構な量を注文して、持ち帰りにして貰う。
店内だと時間を気にしないといけないからな。
「大変だよ、人が倒れてるよ」
「本当だ。なんでハンバーガーに頭突っ込んでんだろうな、頭おかしいな、つうか巫女さんだな」
「これは事情を聞いてハンバーガーをもらうしかないよね!ね!」
「大分、俺に染まってきてるなインデックスちゃん」
でも確かに巫女さんと関われるチャンスはいいかもしれない。
コスプレイヤーかもしれないが、可愛ければ仲良くなろう。
ブスならハンバーガーだけ貰って逃げれば良いだろ。
「ねぇねぇ、貴方はなんでそんなに頼んだの?暴食は大罪だよ?馬鹿なの?死ぬの?」
「初対面で馬鹿にされた、死にたい」
「おいおい、汗で下着スケスケ見る見るじゃねぇのよ!巫女服の下にブラとか付けてるとかキチガイかよ!マナーがなってねぇよ、おい」
「キチガイにマナーを教えられるとか死にたい、後見るな変態」
そんなこと言って、喰いきれない量を頼んで途方に暮れていたんだろう。
察しのいい、木原さんは一緒に食べてやるぜ。
時間が大丈夫な間だけな。
「待て、どうして私のハンバーガー食べてるの」
「でもおいしいよ、食べる?」
「お腹一杯だからいらない、というか私のなのに」
「細かい事気にするなよ、どうした家出少女か?泊まるか、俺の家に」
「お礼として肉体関係を迫られそうなので良いです、ごめんなさい、近付かないでください」
まさかの全力拒否である。
でも家出少女ということは間違いないのだな。
可愛いから何が何でも家に連れ込まないと……ドラえもんとインデックスは上条の部屋に押し込めばいいだろ。
「あっ」
「きはらきはら、人がたくさん」
「な、なんだ君達は!」
いつの間にか、俺達の周りにはスーツを着た大人達がいた。
クローンヤクザでしょうか、アイェェェェ!ナンデェェェ!
「迎えが来た、ハンバーガーあげる」
「お、おう」
大人達は巫女さんと一緒に帰っていく。
ヤクザの娘がコスプレイヤーでジャンクフードはお嬢様だから食べられなくて家出してたとかそういうオチだろうか。
そんな訳ないか、ああいう変なのは魔術関係だと思う。魔術師って変なのしかいないから。
「うん、どうしたの?」
「インデックスの服って安全ピンだらけで変だよな、見た目だけならタイム風呂敷で治せるぞ。魔術は分からんけど」
「ハッ!?」
その手があったか、といった感じでインデックスは固まった。
そして、そろそろ時間で代表取締り役扱いされなくなる前に俺らは出て行くのだった。
「で、巫女さんと出会ってハンバーガーを手に入れたって与太話を信じろって」
「本当なんだよ、とうま」
「にゃぁ~」
帰ってくると、買いすぎだと何故か怒られた。
買ってないよ、貰ったんだよ。
「まぁ、食費はなんとかなるけど無駄にしたらダメだからね。上条くんの言うとおりだよ」
「本当なんだよ、ドラえもん」
「にゃぁ~」
二人揃って、ドラえもんと上条の前で正座していた。
まったく食費が浮いていいじゃないか。無駄にしなければ良いんだろ。
「まぁ、俺はハンバーガーに関しては怒ってない、寧ろ得したと思っている」
「本当!」
「そっちじゃないんだよ、俺が言ってるのはその猫のことなんだよ!拾ってきた猫だよ!」
「ハッ、スフィンクスは教会が保護したので拾った訳じゃないもん」
「にゃ~」
「我輩の名前はスフィンクス、名前は貰ったと言ってるね」
「スゲェ、ドラえもん猫と喋れるのかよ!?」
新たな発見であった。
確かにドラえもんは猫型ロボット、猫語がしゃべれても不思議ではない。
「おい、聞いてくださいよ上条さんの話を!猫と喋れるなんてどうでもいいんだよ、凄いけどね!」
「やだやだ、飼うったら飼うんだもん」
「いや、そもそもウチのエンゲル係数的に食費が跳ね上がって円安とかインフレがな」
「難しい言葉で煙に巻こうとしてるのは分かったが馬鹿が露呈するからやめとけ、俺も食費くらい出してやるからな」
説得の末、上条は折れた。
大勝利である、コロンビア。
上条家にスフィンクスが仲間入りしたのだった。