ある日のことだった。
上条とインデックスちゃんが遊びに言っていると思っていた俺達は勘違いをしていたと気付く。
それは帰ってきた上条が、インデックスは?なんて聴くからだ。
つまり、両方とも誰かといるって思ってたのである。
「なんだよ、結構遅い時間ですけど、6時は子供が帰る時間ですのよ」
「はいはい、いつものタイムテレビ」
「猫を追いかけてますね。そして浚われてんじゃねぇか!?どういうことだよ、なんなのインデックスってばヒロイン補正でも掛かってるんですかね!?」
そんな補正があったら、きっと敵は頭上を通り過ぎてギミックを動かしたらマグマに落ちるような間抜けに違いない。
「誰だろ、つうかなんで緑色?パンクなファッションしてんなぁ、おい!」
「最近、耐性が付いてきた気がするよ」
浚われた場所は三沢塾、なんだろうミサワみたいなのがたくさんいるのかな。
その名前を聞いたとき、上条は何かを思い出したかのように飛び出した。
さて、俺達はどうしようか。
「ここでタイムテレビを見る。もし上条に都合が悪いものを見たとしたら、未来は確定してしまうッ!」
「あぁ、最近見たアニメの話しか」
「そう、別の世界線にぃ!行かなくてはぁ!行けないのだぁ!」
「見なければいいじゃん」
そうなんだよな、見ないで一緒に助けに行けば未来は不確定なのでワンチャンあるんだよな。
さて、相手がどんな魔術師?緑色だし、魔術師だろう。
どんな魔術師なのか調べなくては……
「という訳で、何か調べるもの出して」
「まったく、たまには自分でどうにかして欲しいものだ。宇宙完全大百科端末器!」
「おぉ、で?」
「これは宇宙にある完全大百科に接続することで何でも分かるんだ。まぁ観測された事柄によるけどね」
なるほどな、じゃあ調べてみよう。
「って、名前が分からん」
「願い七夕ロケット!インデックスちゃん誘拐犯の名前を短冊に書いて、飛ばす」
ロケットが窓から打ち上げられる。
すると、頭の中に名前が浮かんだ。
どういう原理か分からないが、これで倒せばよかったんじゃないか?
「これでインデックスちゃんを助ける願い事すれば良いんじゃ」
「一回しか使えないんだ。早く言えよ」
「えっ、俺のせいかよ!」
まぁいい、名前が分かったなら調べられる。
アウレオルス=イザード、元ローマ正教所属の錬金術師。魔法名はHonos628(我が名誉は世界のために)。
パラケルススの末裔で、かつてはローマ正教で対魔術師用の魔道書を書く「隠秘記録官(カンセラリウス)」を務めていた。そこで先生としてインデックスと出会い、彼女を救うためローマ正教を出奔し、以後、全世界の魔術師を敵に回す。更にグレゴリオの聖歌隊の技術を応用することで、実現不可能とされていた「黄金練成」を完成させた。世界に干渉し、自分の思い通り現実を歪める魔術「黄金練成(アルス=マグナ)」を用いる。
「どういうことだってばよ」
「世界の全てを敵に回しても、女の子を助けたかったって事だろう」
「でも、もうインデックスちゃんは助かってるじゃないか」
「馬鹿だねぇ、実に馬鹿だね」
結局はただの一人相撲って訳なんだ。
じゃあ普通に話したら何とかなりそうだな、迎えに行くか。
俺達は三沢塾に行くことにした。
「どこでもドア。インデックスちゃんのいるところ」
「よし、黄金練成対策もバッチしだぜ」
俺は催眠グラスという眼鏡と久しぶりトランクというかばんを持ってどこでもドアを開けた。
因みに、片方は催眠術が誰でも出来るようになるもので、もう片方は久しぶりに会った気にさせるトランクだ。
「唖然。何故お前達がここにいる」
「よぉ、よぉよぉ久しぶりじゃんか。元気してたかよ」
「すごい効き目だ」
俺達の登場に、本当に久しぶりに会ったかのような反応をしてくれる。
どうやら道具の効果はあったようだが、しかし様子がおかしい。
「必然。お前達が追ってくるということか」
「ちょ、ちょっと待て!ほら、待ちたくなってくるだろ、俺の声を聴いていると」
「当然。何だか待たないといけない気持ちだ」
よし、よしよし、催眠術に掛かっていると俺は確信する。
普通にインデックスちゃん引き取っても良いかな、行けるかな?
「俺達はインデックスを迎えに来ただけで敵対しに来たわけじゃない、オーケー?」
「愕然。まさか、貴様達は禁書目録を狙っていたとわ!」
「結局こうなるのかよ、アウレオルス!お前は俺が怖くなる、怖くなる!」
「判然。それでも、彼女を救うなら挑んで見せよう!」
「そうかい、そうかい、お前は俺が黄金練成が使えるようになると思う、使えるようになると思う!」
そんな訳あるかと、アウレオルスは反応したが次に俺がお前は吹っ飛ぶと言ったら壁に叩きつけられた。
何故、本当に、そんなことを考えていることが分かる。
いや、本当は使えないしお前の自爆なんだけどな。
「馬鹿な、どうやって、ありえない……」
「目の前に、巨大な鉄球を出現、押しつぶせ!」
「砕けよ!」
一瞬で鉄球が現れ、それが砕け散る。
その間にドラえもんがどこでもドアを閉め、ちょ、俺は置いてけぼりですか!?
「ハァ!?ふざ、ふざけんなっ!」
「お前は死ね!」
「あっ……」
息ができない、胸が痛い、苦しいと感じる。
心臓が止まっているのか、目の前が真っ暗で何も見えない。
そうか、これが、死か……
「おはよう」
「うわぁ……知ってるカエル顔だ」
「記憶に障害は見当たらないようだ」
消毒液のような臭いがする部屋、見渡す限り白い清潔感の漂う場所。
俺はいつの間にか病院にいた。
あっ、つまり、アレだな。
「上条がなんやかんやで解決したってことか」
パネェ、上条さんパネェ……
あんなチート、どうやって倒したんだよ、意味わからん。
死ねでゲームオーバーな相手にどうやって戦ったのか、アレかな?ずっと自分を触ってたとか、いやそもそも効かないのか。
「とりあえず、元気そうだし帰ってくれるかな?」
「あっ、はい」
医者に邪魔とか言われて、俺は帰宅することにした。
「おかえり阿頼耶くん」
「テメェ、笑顔で挨拶ったぁ、覚悟出来てるんだろうな!」
「あの……」
笑顔で挨拶してきたドラえもんに向かって、俺は駆け出す。
いいぜ、俺の犠牲をなかったことにしようとするなら、まずはその幻想をブチ殺す!
「ちょ……」
「やめなよ、仕方なかったんだから」
「仕方ないで、どこでもドア閉める奴がありますかねぇ!」
「無視しないで……」
「悔しいでしょうねぇ」
「テメェ!」
俺がドラえもんと争っていると、玄関の開く音がして外からインデックスちゃんと上条が現れた。
「ただいまって、何してるんだ」
「きはらきはら、ドーナッツ買ってきたんだよ。四つあるから一人一個ね、あっ」
「あっ」
インデックスちゃんと上条が何かを思い出したとばかりに口を開く、おいどうしたんだ?
視線の先を追ってみれば部屋の隅に向いている。
ドラえもんと俺がそこを見ると、なんと髪の長い女が体育座りでいた。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!?」
「ぎゃぁぁぁぁぁ!?ってよく見たら巫女さんだ」
でもってハンバーガーショップであった子である。
「姫神、その……」
「一人一個ね、四つじゃ一個足りない、ふふふ……」
「姫神ー!悪かった、今から買ってくるから!」
「忘れてたわけじゃないんだよ、注文するときに気付いてなかっただけ」
「インデックスさん、フォローになってないし、トドメ刺しちゃってるんですけど!」
「上条の知り合いかよ、全然気付かなかった」
「木原、空気読めよ!」
「事実だから仕方ない」
「ドラえもん、お前もか!」
俺が気付いたら、上条がまた知らない女にフラグ建築していた。
はいはい、いつものことだよ。
こうしていつの間にかインデックス誘拐事件は解決していた。