東方天災手記   作:ベネト

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日常回...


話し合いと未来の系譜

竹林に囲まれた隠れスポット...永遠亭...

 

その居間には、そこの主である蓬莱山輝夜と八意永琳の2名...

 

そして急な客人である、天逆毎乃葉・睡煉・夜喪妓の3名がいた...

 

そしてここで、今後の話し合いが開催される...

 

今後起きることと...それからの事についての大切な話が...

 

 

 

 

side永琳

 

居間についた元第0部隊のメンバー達は、それぞれ座って寛ぎ始めている...

 

毎乃葉と夜喪妓はキセルに火をつけており、睡煉は茶菓子にかじりついている...

 

さて...どう話を進めるべきかしら?仮にも各個人で国家転覆を出来るくらいの実力を持っている以上、下手な話はできないわ...

 

「話をしても良いかしら?」

 

「構いません...ワタシ達は準備は出来ていますので...」

 

毎乃葉は、煙を吐き出しながら答える...

 

「同志よ...意見が対立したらどうする?その時は私が進行を!」

 

「却下...アンタが進行役やると終わる物も終わらないわ...」

 

「ぐぅう!!」

 

毎乃葉と夜喪妓は何やら会話をしているが、議論に支障はなさそうね...

 

 

 

「では話すわよ?...今回は非常に不味い状況よ...」

 

「大体は想像できますよ...月の組織の関係でしょう?過去の行い以外に何か厄介事でも抱えているのでしょう?」

 

毎乃葉の言葉に私の言葉が挫かれる...

 

この子...頭が悪そうに見えて人のやる事に関して妨害することに長けているわ...

 

無意識か知らないけど...洞察力が高すぎる事に関しては考えものね...

 

「まぁ...当たりよ...さっき見たと思うけど...うちの玉兎が月に狙われているのよね...」

 

「さっきの玉兎ね...何故に?」

 

「...簡単に言うと、あの子は月から逃げたのよね...それで奴らが連れ戻しに来るってわけよ」

 

「昔と同じですね...変わりありませんね...月の組織というものは」

 

「まぁ...逃亡兵にはキツイ罰則があるんだがな...」

 

「何が起きるか上層部のみが知るってわけですね♪」

 

それぞれが口々に言葉を発す...

 

 

 

「話を続けるわ...それで私達はその対策として一週間後の満月に異変を仕掛けるわ...」

 

「...ほう?何故?」

 

毎乃葉は僅かに警戒したような顔をする...

 

「勿論...月からの接触を控えるためよ...私と姫は月を裏切った身...それにうどんげは月から逃げた身だもの...何をしてでも今回の事は避けなくていけないわ」

 

「リスクが大きいですね...」

 

「リスクは元も承知よ...そのために貴女達がいるのだもの...」

 

「どういう事よ?」

 

毎乃葉は口調を崩して私の方を怪訝な目でにらみつける...

 

彼女の部下も殺気を出している...

 

「まさかとは思うが!!私達を手ごまにしようというのか!!ふざけるな!!良いように使われる覚えはないぞ!!」

 

「毎乃葉様~!...ばらしましょう!?今なら数分で完了する自信がありますよ!!」

 

夜喪妓は銃を構えており、睡煉の方は医療用の手術刀を鳴らしている...

 

当の毎乃葉は黙っているみたいだけど、相当頭に来たはず...

 

 

 

「落ち着きなさい2人共...終わるものも終わらなくなるわ...」

 

「ちっ...」

 

「む~!」

 

毎乃葉の言葉により2名は口を閉ざす...鶴の一声と言うべきかしら?彼女の部下は彼女には逆らえないものね...

 

毎乃葉はキセルの煙を吐きながら、私の方を睨むような顔で見つめている...どんどん本性が見えてくるわ

 

「...随分と勝手なことを言ってくれるわね...流石のアタシもキレる一歩手前よ」

 

「悪いとは思ってはいるわ...でも手段は選んでられないの...私達は月に戻るわけにはいかない...だから貴女の力を見込んで頼んでいるのよ」

 

「はっ!アタシの部下を1人殺しておいてっ!よくもそんな言葉を!!」

 

毎乃葉は鬼の形相で歯がみしている...咥えているキセルが悲鳴を上げているわ...

 

...でも...そのことに関しては...矛盾が生じているのよね?

 

そこのところの誤解を解くのが先決かしら?

 

 

 

 

 

 

 

「...貴女は忌梗が死んだと思っているみたいだけど...それは何かの勘違いのはずよ」

 

「...責任逃れかしら!?あまりふざけた事言っていると流石のアタシも怒るわよ!」

 

「いいえ...ふざけてはいないわ...貴女の知らない事実があるということよ...」

 

毎乃葉の部下の方を見ていると彼女達は顔を青くしている...

 

「...や...や...やめ...」

 

「...ぐ...ぐぅぅぅ!!」

 

毎乃葉も部下の変化に気づいたのか心配そうに見つめている...

 

「...アンタたち急にどうしたのよ?」

 

「...彼女達は貴女に内緒で私にあることを頼んだのよ...やはり貴女は気づいていないみたいね」

 

「...アタシに内緒?...夜喪妓!睡煉!!答えなさいよ!!」

 

毎乃葉が怒鳴ると2名は顔を更に青くして、その場に蹲る...

 

「...そ...それは」

 

「...只私達は...同志と一緒に居たかっただけなんだ...」

 

「...?」

 

抽象的な言葉に毎乃葉は首を捻っている...仕方ないわ...これも私の責任ね...代弁くらいはさせてもらおうかしら

 

「...結論から言うと...貴女の部下3名は私の薬の効果で死ににくい体質になっているのよ...」

 

「アンタの薬?...死ににくいって...まさか!!」

 

毎乃葉は顔を青くする...流石にも気づいたみたいね...

 

「...まぁ...ご察しの通りよ...貴女の部下全員...蓬莱の薬の被験者なの...それが真実よ」

 

 

 

私の言葉に毎乃葉の口が開いたままになり、キセルが畳に落下し夜喪妓・睡煉の2名は、魂が抜けたような顔をしている...

 

「少し噛み砕いた話だから補足するけど、貴方の部下達が飲んだ蓬莱の薬はオリジナルではなくレプリカ...寿命で死ぬことはないけど、死に過ぎたら体にガタがくる仮初の不死...完全な不死ではないけど、多少の事では命を落とさないくらい体が丈夫になった感じかしら?だから彼女達が、あの事件で死ぬ事を無いと確信していたの...一応私からのサービスとしていたのだけどね」

 

「...な...何でそんなことを?...アタシ如きにそこまでしなくてもいいじゃないの...」

 

毎乃葉の言葉に睡煉は首を横に振る...

 

「...少なくとも私達は毎乃葉様が居なければ生きられませんでした...貴女に私達の一生をかけての恩返しがしたかったのです!!」

 

「...同志は...私達の心を救ってくれた...だからついていこうと思ったのだ...忌梗だって...お前に感謝をしていた...」

 

彼女達の言葉に毎乃葉は目を反らして。溜息をつく...

 

「...本当におバカさん...そこまでする必要はないのに...」

 

「...隠していて済まない...お前に心配はかけたくなかったのだ」

 

「おバカ...」

 

毎乃葉は2人を抱きしめる...

 

...昔と変わらず部下にだけは優しいわね...私が解散の原因を作ってしまったけど...これからは潰えることはないわね...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして、毎乃葉は私の方を向く...

 

「...アンタの言う事は本当みたいね」

 

「...嘘を言っても仕方ないわ...少なくとも忌梗は生きているはずよ...心配することはないわ」

 

私の言葉に夜喪妓は苦言を漏らす

 

「だ...だがな!!私の通信機であいつを呼び出しても応答がないのだぞ!?この通信機はアイツが作成したもの!!少なくともあの爆発で破損するわけない!」

 

「...通信機が壊れているのではなく...止まっているのではないかしら?」

 

「は...はぁ?」

 

「...あの子の能力の影響を受けたのならば...その可能性は充分に考えられるわ...あの能力は、あの子が触れた物全てに作用するからね」

 

...そう...忌梗の能力は地味だけど、この中では一番恐ろしいわ...

 

仮にも月を相手どってテロを起こそうとしていた者だもの...

 

「...確かにあの子の能力なら...あの爆発でも生き残れるわね」

 

「...確かに...能力発動されたら私達でもどうすることもできませんもん...」

 

「ということは...忌梗の奴はこの幻想郷の何処かにいるということか?」

 

夜喪妓は目を輝かせるけど、一概にそうとも言えないわね...

 

 

「その可能性もあるけど...この世界は昔とは違う...もしかしたらこの世界の外にいるのかもしれないわ...」

 

「...考えたくないことだわ」

 

毎乃葉は溜息をつく...が再度目を鋭くさせて私を睨む

 

 

「一応...そっちの話は分かったけど...異変の話には乗らないわ...アタシには一切関係のない事よ...」

 

「...そうかしら?...今回の件がうまくいったら...貴女をあの子の下へ戻してあげる事は可能よ?」

 

私の言葉に、毎乃葉は目を見開く...

 

「そんな事必要ないわ!!それにあの方は関係ないでしょう!!それに!アタシは戻る気なんか全くないわ!!」

 

...どんどん怒気が濃厚になってきているわ、このままじゃ危ないかしら?

 

「残念ね...あの子が悲しむわ...でも...あの子なら何て言うかしら?元従者の貴女なら検討はつくんじゃない?」

 

「アタシを脅す気なの?余りふざけたことを言っているんじゃない!!」

 

「でも...貴女は私には逆らうことは出来ても、あの子に逆らうことはできないわ...よく考えることね...あの子なら確実に私に手助けをするように言うはずよ!」

 

「...」

 

毎乃葉は、口を閉ざす...

 

少しずるい事をしてしまったけど、彼女に言う事を聞かせるには、あの子の事を使うしかないわ...

 

あの子と毎乃葉の関係は、主と従者の関係...あの子は毎乃葉に生きる目的を与え、毎乃葉は彼女の命には忠実...あの子の命には確実にこなす...

 

毎乃葉は、立ち上がり外へ向かう...

 

「毎乃葉様!?」

 

「同志!!話はまだ途中だ!」

 

「...帰る...話は終わりよ...」

 

彼女からは力のない返事...意外に堪えたのかしら?あの子の話を出してしまった以上...反論は出来ないみたいね...

 

「次の満月の時はお願いね...」

 

「...アンタは鬼よ...アタシが断れないの知っている癖に!!」

 

「毎乃葉様!?」

 

「待て同志!!」

 

毎乃葉が消え、部下達は彼女を追うように次々と居間から去っていく...少しやっつけ仕事になってはしまったけど、彼女にはこれで充分...

 

「頼むわよ...認められない英雄さん...少なくとも私は貴女が誕生して良かったと思っているわ」

 

 

永琳の言葉に、沈黙を貫いていた輝夜が口を開く...

 

「永琳...本当に彼女が協力してくれるのかしら?見た限り彼女にはメリットは無いわ...」

 

「メリットがなくても...彼女は時を越えても忠実な従者であることには変わりないわ...私ではなく、あの子のね...」

 

私はアルバムを取り出して、とあるページを見る...

 

そこには、あの子が満面の笑顔を浮かべている写真が写る...

 

...貴女は生きる目的を貰っただけと思っているかもしれないけど、それと同時に彼女の心に安らぎを与えたのよ

 

「あれ?それって確か...」

 

「私の大切な教え子の1人よ...毎乃葉...あの子を盾にしたのは悪いとは思っているわ...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃...妖怪の山の大滝...

 

キィィィーン!!

 

ざぶーん!!

 

竹林から飛んできた天逆毎乃葉は、その滝に飛び込んで激しい水しぶきを上げる...

 

水の中から出てきた彼女は、爪を噛みながら牢への道を歩く...

 

「...」

 

今までの事を反芻しながら...

 

 

 

 

(君らが私の従者になるのか!宜しく頼む!)

 

(君は美しい...だからそんな顔をしないでくれ...)

 

(やめろ!死ぬことは命令していない!!戻ってきなさい!毎乃葉ー!)

 

「ぐ...ぐぅぅぅぅ!!!!」

 

過去の思い出...過去の後悔...それが彼女を呪いのように苦しめる...

 

毎乃葉は、自身の爪から流れる血を気にすることなく、それを噛み続ける...

 

そしてしばらくして、笑い声をあげる

 

 

 

「...く...ふふふ...あはは!...実に面倒なことをしてくれる...」

 

彼女は頭上の月を見て愛おしそうな顔をした後、牢の中へと入る...

 

彼女は関わらないと言っていたが...今後どうなるか...彼女の気分次第のようだ...

 

 

 

 

 




少しだけの毎乃葉の過去...

ではこれにて
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