鈴の後、ラウラとシャルが登場するんですが、シャルの父親は徹底的に悪役がいいか、それとも一応の親心は持ち合わせている方がいいか。
良かったら意見の程よろしくお願いします。
それでは、中国から帰って来た元気っ子、鈴の登場デス!!←真似てみた
「翔河くん、おはよー。ねえ、転校生の噂聞いた?」
翌日。隣の二年二組に転校生が来るという噂が流れてきた。
「今の時期に転校生?」
入学ではなく、転入。言わずもがな、今はまだ四月だ。しかもこの学園の転入条件はかなり厳しい。国の推薦でもない限りほぼ不可能だ。ということは───
「何でも中国の代表候補生なんだってー」
やっぱりね。
「へえ、中国か……。なあ一夏、あいつ元気かな」
「あいつなら元気だろうな」
「あいつ?」
箒が頭に?を浮かべながら聞いてくる。
「ああ。幼なじみの一人が中国にいるんだよ」
「私も知っている奴か?」
「いや、箒が出て行った翌年に来たんだ」
「そうなのか……」
途端、箒の顔色が険しくなった。大方、自分の知らない女の話をされるのが不安なんだろう。それが幼馴染なら尚更だ。
「お二人はその方と仲が宜しかったのですか?」
「ああ。いつの間にか仲良くなってたな。……何でだっけ?」
こいつ、自分でやっといて忘れてやがんのか?
「お前が苛められてたのを助けたからだろ……」
「ああ…………そうだっけ?」
あの時は、苛めていたやつ相手に大立ち回りを繰り広げて、担任にこっぴどく叱られていた。
それをこいつは……
一夏を呆れたような目で見る。逆に一夏は、もう覚えてないそんな事、みたいに目を逸らした。
「そう言えば一夏、来月はクラス対抗戦だが…」
「対抗戦……各クラス代表のアレか」
「ああ」
クラス対抗戦。これは各学年であるものなのだが、名前のとおり各クラスの代表が戦い、競い合うというものだ。本格的なIS学習が始まる前の、スタート時点での実力指標を作るためにやるらしい。
「織斑くん、がんばってねー」
「フリーパスのためにもね!」
ちなみに、生徒のやる気を出させるために、一位クラスには優勝商品として学食デザートの半年フリーパスが配られる。なるほど、女子が燃えるわけだ。てか、カロリー大丈夫?
「それに専用機持ちが居るのはここと四組だけだから、余裕だよ」
そうクラスの女生徒が言った時、
「その情報、古いよ」
すごい聞き慣れた声が入り口から聞こえてきた。
「この声……!!」
一夏がばっと後ろを振り向く。そこに居たのは……
「どうも。中国代表候補生並びにクラス代表、凰鈴音。」
「お前……鈴なのか!?」
「そーよ。ま、今日は宣戦布告に来たんだけど」
そう、幼なじみの鈴だった。てか…
「……何格好付けてるんだ?似合わないよ」
「んなっ……!?なんてこと言うのよ、アンタは!」
おお、やっと普通になった。いや、正直気持ち悪かったしね?一夏ですら軽く引いてたぞ。
「おい」
「なによ!?」
バシンッ!
聞き返した鈴に痛烈な出席簿攻撃が直撃。───鬼教官登場である。
「……神聖な学び舎で堂々といちゃつくとは良い度胸だな」
『……っ!?』
「もうSHRの時間だ。教室に戻れ」
「ち、千冬さん……」
「織斑先生と呼べ。さっさと戻れ、そして入り口を塞ぐな。邪魔だ」
「す、すみません…」
すごすごとドアからどく鈴。昔から千冬姉さん苦手だよな、なんでか知らないけど。
「ま、また後でね!逃げないでよ、一夏!祇鳴もじゃあね!」
「さっさと戻れ」
「は、はいっ!」
鬼教師、織斑千冬の登場並びに鉄拳から逃れるために、鈴は二組へ向かって猛ダッシュ。うん、昔のまんまだな……
だが、騒ぎはまだ収まらない。
「…一夏、今のは誰だ?知り合いか?えらく親しそうだったな?」
「か、祇鳴さん!?あの子とはどういう関係で───」
その他、クラスメイトからの質問集中砲火。ああ、そんな騒いだら……
バシンバシンバシンバシンッ!
「席に着け、馬鹿ども」
千冬姉さんの出席簿が火を噴いた。
─────────
さて、セカンド幼馴染の衝撃の再会、その後食堂でさらにもう一騒動があった後の放課後。できれば、まだ四月だというのに熱気で軽く汗が滲み本気で不快感が半端ではないこの教室から一秒でも早くおさらばしたいところなのだが、日常、そんなに易しく出来てはいないらしい。
一夏と箒は今日もISと基礎訓練らしい。どうやら一夏の意思とは関係無く、教える側の箒が意気込んでいるらしい。半ば引き摺られる様に二人が訓練の為に教室を出て、俺もその後を追うように教室から出て行った直後、俺は後ろからの力により隣の教室へと強制送還されました。送還って言うか返還って感じなんだけど。何なんだろうね。俺に恨みでもあるんだろうか。
「ちょっと〜?ただちょっと強引に連れて来て口と目を隠して服を履いで柔道着に着替えさせただけなのに、その言い草はお姉さんに対して酷くな〜い?」
いや、充分その云われはあると思うよ?ていうか犯罪だよ?普通、今の現代社会でいきなり閉所に連れ込んで視覚と言論の自由を奪った上で身包み剥がしたら、拉致監禁と青少年虐待で捕まりますからね?後、聴覚も奪ったら完璧だね。
「あ、忘れてた…」
「いやいやいや……」
一日中俺をナノマシンで監視して、拉致監禁と性暴力と人権抹消という重犯罪のオンパレードの機会伺っときながら、何でそこの一点だけウッカリなんだよ!おっちょこちょいか!?おっちょこちょいの人なのか!?
「喋られると困るから、懐から取り出したるこの猿轡を───」
「何サラッと人の言論を再度封じようとしてるの!?」
後処理か?後処理ですか!?
「あら、さっきから独り言が聞こえて───」
「あれ?俺、いまお前と話してたよな?」
さっきまでの読心術並の意思疎通全否定っすか……俺、一体誰と喋ってんだろ。
女子?変人?それとも戦○ヶ原か?
「冗談よ♪察しが悪い子は嫌いだぞ☆」
「俺も軽い気持ちで重犯罪犯した挙句、その後の言論封鎖まで行うような人は大嫌いですよ!」
もう、本格的に相性が悪かった。絶望的に相性が悪かった。
「ま、ホントの所はただの実力を測りに、もとい諮りにきたわけよ」
「何かする気満々だ!?」
基本的に誰に対しても余り身の危険なんてこれっぽっちも感じないのだが、恐らく生まれて初めて身の危険を感じた気がした。産まれて初めて貞操の危険を感じた気がした。俺は今まで生きてきた日常の中で最悪の状況にあるかもしれない。
まあ、それはそれとして。状況確認。
俺を襲って重犯罪を堂々と犯した楯無先輩は白胴着に紺袴という古来からの武芸者スタイルだった。そして、どこぞの道場らしき場所には俺と先輩の二人だけしかいない。
「……………………………で、俺はどうしたらいいんですか?」
「素直になってくれたのは、お姉さんとしては大喜びなんだけど……その沈黙の長さは何なのかな?」
割り切れない自分の、心からの最後の抵抗であった。
────────────
「やる事は至って簡単、私を組み伏せてみなさい」
「この話をするまでが全く簡単ではなかったんですけど」
いい加減グチグチと過去の話を引き摺るのはあまり好きではないのだが、相手が相手なのでとりあえず追い打ち。男らしくない男である。
「そんじゃ、早速始めようか!」
「はぁ〜……」
そんな釘を刺した俺の言葉は軽く無視され、半ばなし崩し的に納得せざるを得なくなり、渋々我が学園の生徒会長の戯れに付き合う事にした。
「きゃ、付き合うだなんて…」
「そこだけ切り取って解釈するのやめてくれます!?ここから聞いた奴、確実に誤解するので!!」
「あら、お姉さんは別に平気だけど?」
「俺が全然平気じゃありませんけど!!」
一時間後には学園中に広がってることだろうよ。女子の行動力を嘗めてはいけない。
「くだらない事言ってないで始めますよ……」
「はいは〜い」
間延びした声と共に構えを取る楯無先輩。
(まずは小手調べといくか)
すり足移動で間隔を測り、一気に腕を取る───が。
「っ!」
一瞬にして返され、畳に投げ落されそうになるが、ぶつかる前に身体を捻って逃れる。
が、そこに回し蹴りが来た、連続で。格闘技じゃカポエラキックなどと呼ばれているアレだ。どうやらこの生徒会長、何でも有りらしい。
(それに……この人、結構強いな。)
先程の攻撃、並の反射じゃ防げないし、タイミングもずらしたはずなのだが。どうやら本気でやった方がいいらしい。
俺は今まで前に構えていた腕を横に戻し直立の体型をとる。
「む。」
「……」
一瞬、無防備な俺の姿に訝しげな顔をするが、すぐに理解したらしい。今までとは段違いの緊張感が張り詰めていく。
そして、次の瞬間────────────畳に倒れ伏した先輩の姿があった。
先輩はしばらく声を上げず呆然としていたが、やがてゆっくりと口を開いた。
「私の…負けだわ。貴方の勝ちよ」
「そりゃどうも」
軽く返して座り込む。仰向けの先輩と話しやすいように。
「何だったの、今の……?」
「ああ……あれは〈零刻〉っていう構えの一つです」
俺は前世で学んだことがそのまま記憶として残っている。これはその中の一つだ。
前世で戦って闘って戦い続けて理解したこと。
いちいち構えなんてしてたら相手への反応に遅れるし、構えから次何をするか大体読めてしまう。それは自らの技量を見透かせるようなものだ。
だから、俺は構えを止めた。要らないものを排除した。これは一ヶ月掛けて編み出した構えの極地。
『駆辿卂冥流・零ノ構〈零刻〉:かてんしんめいりゅう・ぜろのかまえ〈れいこく〉』
「構えない構え。構えではない構え。それがこの〈零刻〉です。そしてその名の通り、そこから繰り出す技の速度は零を刻む───」
「限りなく零に近い一撃……なるほど、私が負けるわけだ」
どこか晴れ晴れしたような顔をした後、先輩はお休みなさいの一言だけを残して道場から消えていった。
…………………………………台風からハリケーンに格上げかな、こりゃ。
────────────
見事ハリケーンをやり過ごした俺は、自分の部屋へと戻っていた。
「あ~、お帰り~トーガ」
ドアを開けた先には、珍しく寝ておらず、ベットから上半身だけ起こして挨拶するのほほんさんの姿があった。
今日もなんとも力が抜ける声である。のほほんリズムは今日も絶好調らしい。
「うん、ただいまのほほんさん。のほほんさんも今帰ってきたところ?」
まだ着替えていないところを見るに、ちょうど生徒会の仕事から帰ってきたばかりだろう。
「そうだよ~……今日も疲れたよ~……」
ほんとにお疲れだったのか、起こしていた体をまたベットに沈めた。
「……そのまま動かないでね」
それを見た俺は、のほほんさんに馬乗りしてマッサージを始めた。のほほさんもいつものことなので、驚きもせずそのままマッサージを受けている。
「ほんとにトーガは上手だよね~マッサージ~」
「まあ、小さい頃から一夏によくやってたし」
たまに、のほほんさんが起きている時限定で時々マッサージをしている。これでも身内には好評だ。
「てことは~、オリムーも~マッサージ上手なの~?」
「うん、上手だよ?」
一夏が教わりたいって言うから、一ヶ月間みっちり仕込んでやった。
「へ~。それじゃ~、今度オリムーのマッサージも~受けてみたいな~」
「それは一夏と要相談だね」
俺は前のめりになって肩付近をマッサージする。
「ね~ね~トーガ~」
「なに?」
「私いま~襲われてる感じ~?」
グリグリグリ。
俺は肘で脊髄付近を力を入れて押し付ける。
「痛い~痛いよ~トーガ~」
「せっかく人が善意でやってるのに、そういうことを言うのほほんさんが悪い」
ぐりぐりぐりぐりぐりぐり。
「わ~謝るから許して~。でも、なんか気持ちよくなってきたかも~」
「なん……だと……?」
その後、約十分間のほほんさんが寝落ちするまでマッサージは続いた。